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高年期[夏休み編]
頼りになるのはやはりこの人!
しおりを挟むねぇねぇ、やはり5人に対して旗1本って厳しくね?せめてもう一本・・・
『位置について・・・よーい・・・』
くっ、抗議しても間に合わず・・・やけくそ!真菜の為に頑張ります!
結果・・・
ま、負けた・・・同時に走り、同時に飛び込み、確かに旗を掴んだ感触があったんだけど・・・スルリと引っこ抜かれ克典の手に・・・はぁ。
「じゃー薫風。夜、俺の部屋に来いよー。」
「・・・え、何で?」
「何でって・・・決まってるだろ?」
い、いや、無理です。くく、口約束だし、守らなくてもいいよね・・・?
「・・・もし破ったら、明日動けなくしちゃうからね?」
「こ、怖い事、言うなよ・・・」
「ん~?だって薫風、すぐ顔にでるからねぇ~?口約束だからって約束、破っちゃ駄目だよ。人としても、ね?」
グサッ!
ひ、人としてもって・・・てか克典の部屋行って何するんだよ・・・嫌な予感しかしない!
「残念だったね薫風。」
「流依兄さん!」
あ~兄さん!慰めて~・・・・・・・・・あ。
「兄さん助けて!」
「あっ・・・薫風、ずるい・・・」
「ん?どうしたの?」
兄さんに助けてもらえばいいんだ。ちなみに真菜が欲しいと言ってたぬいぐるみは準優勝商品。つまり克典と流依兄さんが最後まで残って争ってもらって~・・・うん、兄さん頑張ってもらおう。
「・・・へぇ?面白そうだね?克典くん、賭けるよね?」
「はぁ~・・・俺がその賭けをするメリットは?」
「ん?・・・そうだな・・・じゃあ海にいる間、薫風を預けてもいいよ?何しても横やりしないって約束してあげる。」
「「!」」
え、マジで?兄さん本当にそんな事を賭けちゃうの?僕の身柄は?・・・あ、うん、僕がそもそも負けたから悪いんだよね。てかその前に賭けなんてしなければこんな事には・・・
『それでは決勝です!・・・おお!なんとも言えないイケメン2人が残りましたねぇ~。黄色い声援が羨ましい!・・・え~それでは!位置について~・・・よーい!・・・』
兄さん頑張って~!・・・・・・あ、兄さん、これに勝ったら・・・ダメじゃね?
兄さんが優勝したら真菜の為に頑張った意味がなくなる・・・かと言って克典に負けたら僕の貞操がヤバい事になるよね!
あ、どーしよ・・・これ詰んだっぽ。ううう・・・
結果を申し上げます。・・・結果は流依兄さんの勝ち。優勝しちゃいました。・・・うん、兄さん微妙な顔してる。そりゃそうだよね・・・目当ての物手に入れられなかったんだから・・・でも兄さん有難う!克典から守ってくれて!
「はい真菜ちゃん。これが欲しかったんだよね~。」
「えっ!克典お義兄様、もらっても良いのですか?」
「うん。俺が持ってても不要だし。うちの兄弟に妹はいないからね~。」
「わあ!有難うございます!克典お義兄様!うれしいです!大切にします!」
「うん~大切にしてねぇ~。」
・・・意外。景品を差し出してくれるなんて。まぁ、確かに克典が持ってても不必要なのは確かだね。
「・・・薫風、これは貸し、だね?」
「っ!」
あ~やっぱり?・・・流依兄さんも諦めたみたい?苦笑いしてるし・・・はぁ、楽しかった気分が台無し。あ~あ・・・
ビーチフラッグスでかなり時間を使ったので今日はもう別荘へとご帰宅になりました。荷物をまとめて迎えの車に乗り込み別荘へ向かいます。・・・あ~気が重い。
閑話。
『では決勝戦です!位置について・・・よーい!・・・』
パンっ!
ザッザッザッザッ・・・
合図と共に身体を起こし砂浜を全速力で走る2人。1本の旗に目掛け走りだし砂浜に飛び込み旗を掴む。
克典と流依兄さんは足の速さは五分五分。いい勝負だ。身長は若干流依兄さんの方が上だ。まぁそれは年齢の差だね。
・・・あっ!二人が接触した!・・・うわぁ絵になるわぁ。水も滴るいい男!陽南さんがヨダレたれそうな程だらしない顔してる・・・おいヒロイン、それでいいのか?
ズザザーーーー!!!!!
「「!!」」
「あっ・・・」
顔・・・近いね。・・・あれ?二人の顔が不愉快になる時の顔に・・・ま、まさか・・・!?
「見ましたか薫風くん・・・あの二人、とても顔が近かったですわねぇ~・・・」
「あ、やっぱり?」
「ゴチですわっ!でもあの2人のカップリングは想像してませんでしたが、あの美形ならアリですわぁ~!」
「ちょ、ちょっと落ち着こうか。僕の兄さんをネタに妄想しないで?」
「ふふふふ~・・・」
あ、これ完全に自分の世界に入ってるわ。・・・でも、やっぱり接触しちゃったのかなぁ?正確に言うと口に。マウストゥーマウス。・・・うん、あの二人の顔を見るとやっちゃったらしい。兄さん口抑えてるし。克典は接触した瞬間驚いた顔してたけど今は普通の、なに考えてるかわからない顔をしてるね。
見る角度によって見えた人はいると思うけど、大抵の人は優勝者が出て歓喜を上げてる人ばかりだから、気付いたのは僕たちだけじゃないかな。
それから表彰が始まる前に流依兄さんが近付いてきて腕を引っ張られ人気のない所へ連れていかれた。
「んっ!?」
「・・・ごめんね薫風、口直しがなきゃ無理・・・」
「あ、やっぱり接触したんだ・・・」
チューされました。口直しって・・・僕に口直しさせないでよ。
啄むような軽いキスをされ仕方なくされるがまま大人しくしてます。兄さんの為、満足するまで好きにさせようじゃないか。
・・・グイッ!
「へあっ!?・・・んぐーっ!」
「っ!薫風!」
「・・・ずるいですね流依義兄さん、俺にも分けてよ。」
気を抜いてた所に腕を引っ張られ反射的に引っ張られた方を振り向いた瞬間、今度は貪るように口付けされた。・・・相手はもちろん克典。おい、舌をいれてくるんじゃないよ!
「・・・薫風に手を出さないでくれる?君は賭けに負けたんだよ?」
「だけどハプニングがあった。流依義兄さんだって口直しに薫風に迫ってるじゃないですか。」
「・・・薫風、こっち向いて?」
「えっ、あ、兄さん・・・んっ!」
「・・・ずるい。薫風、俺の方を見て。」
もー何だよこの逆ハーは・・・口の回りベトベトだし、どさくさに紛れて克典は身体を触ってくるし・・・勘弁して・・・
それから表彰式があると放送が流れるまで2人に好き勝手されました。・・・影でコッソリ傍観してる奴が約1名いたのは後に鉄槌を下してやろうと心の中で決めました。
・・・陽南、覚えとけよ。傍観料はそんな安くないぞ。そして助けに来なかった罪!・・・くぅ~覚えとけよー!
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