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百回続けて杭の穴を貫突させること、これを達成できたら町へ来ることを爺さんに伝え、同じ課題を他の村からやって来た狩人にも伝え、自分の村の村人を引き連れて戻って貰った。
人は自分の信じたい物を信じる。
ベルディー村へ行けば直ぐにでも迷宮で魔獣が倒せる様になる、そんな都合の良い話なんて有る筈が無い。
素人に狩りが出来ない事をよく知っている狩人達は僕の説明に納得して、文句を言う村人達を引き摺って帰ってくれた。
騒動が一段落したので僕も町へと帰る。
帰りは行商人の荷馬車に乗せて貰った。
護衛も請け負け応う条件で、ただで乗せて貰った。
「掘り出し物がありましたか」
塩を村々へ売り歩く商人の帰路なので荷車は空の筈なのだが、木箱が数個積んである。
「山狼の牙が買えたんだよ。この辺じゃ対した値段にしかならないだけど、王都じゃ物凄い値段で売れるんだ」
「へー、また、貴族連中の収集ブームですか」
「いや違うんだ、魔器の材料になるんだよ。秘蔵の油で山狼の牙を溶かす方法を開発した工房があってね、その山狼の牙を溶かした油を魔器の刃に塗ると一晩で固まるんだよ」
「あっ、ミスリル糸の保護ですね」
ミスリル糸は鉄に比べて柔らかいので、使っていると刃に巻いたミスリル糸が真っ先に擦り切れる。
そしてどんなに高級な魔器であっても、ミスリル糸の断線によってその役目を終えてしまう。
「その通り」
「でも切れ味が落ちません」
「いや、固まって出来る膜が相当堅いそうなんだよ。研げば逆に切れ味が増すそうだ」
「それじゃその魔器は相当長持ちしそうですね」
「ああ」
「それじゃ鍛冶師達の儲けが落ちますよね」
「ああ、数年後にはな。良い品を作ったのに自分で自分の首を絞める、皮肉なもんだよ。当面は超高級品に限定して吹っ掛けた値段設定にしてるらしいぞ。それでも注文が殺到して俺達にもお零れが回ってくるんだがな」
「それなら領都の小さな工房には影響ありませんね」
「ああ、たぶんな。それと王都にもう一つ面白いことがあった」
「なんですか」
「王都の教会から、国の役人が聖国を出発する千人近い助祭の受け入れを相談されたらしい」
ぎくっ、これは僕関連だ。
「珍しいですね、教会が国に相談するなんて」
「ああ、教会の寮にも空きがないらしくてな。相当困ったんだろう。これは海商経由の情報なんだが、送られてくる連中は聖国の有力所の御曹司やお嬢様らしいんだ。国も大騒ぎだろうな。それにな、連中この領へ来るらしいんだ。こんな何も無い所へ何しに来るんだろな。領都でも大騒ぎらしいぞ」
急いで帰って、司祭さまと町長さんで話し合って貰おう。
ーーーーー
「それでは、歓楽街の連中を全員追い出してあの宿を改修しましょう。建物は既にありますから、外装と内装の改修だけならば安く済みますし、時間も掛りません」
小太りで中年の町長が汗を拭きながらとんでもないことを言い出した。
「歓楽街の人達は、皆町民権を持っています。町民からの財産の収奪は領法に違反する筈ですよ」
「何だと貴様!儂に逆らうのか。黙って儂の指示に従え。歓楽街の薄汚い連中に余計な金も気も配る必要などない」
大きな声で脅せば言うことを聞くと思っている完全な小役人だ。
真っ赤な顔で怒鳴っている。
この席には司祭のお婆ちゃん、国の査察官、領の主務次官が同席している。
お偉方の前で屈辱されたと思ったのだろう。
「黙れ町長、黙るのは貴様の方だ。貴様が無能とは知っていたが、これ程酷いとは思ってなかったぞ。町長自ら領法を破ってどうする。司祭殿、査察官殿、歓楽街の用心棒殿、申し訳無い。此奴の始末は至急いたします。衛兵、此奴を牢にぶち込んで置け」
「領主殿に優秀な者の配備をお願いして下さい。今回お預かりする方々は、将来聖国で中枢を担う方々なのです。この国の将来の為にも、失敗は出来ません」
「了解しました」
「本山の教皇さまから用心棒殿との良好な関係維持を最優先事項にするとのご指示を頂いております。本山としても光属性の民の将来を変える発見なので、用心棒殿に相当恩義を感じているのでしょう。ですから、こちらの都合は配慮頂けると思います」
「それは助かります、至急王室に報告いたしましょう」
「宿泊場所なのですが、繁華街に宿泊している女性達は、宿を維持するために泊まっているだけで、商売に為ではありません。改修費の負担とその間の休業補償に配慮頂ければ、快く協力してくれるでしょう」
「うむ、改修費と休業補償については至急手配しよう」
「今後の予定なのですが、彼らは二週間後に聖国を海路で立つそうです。我が国に着くのが約二ヶ月後、一週間ほど旅の疲れを抜いて頂いた後、領都に移動して頂きます。領都に滞在し、こちらの体制が整うまで待つ、そんな段取りになっています」
「それなら余裕を持って対応できます。レベルアップして貰って、教師に必要な技能も取得して貰えます。順調なら探索者票も得られるでしょうから、教師としての箔が付きます」
「えっ、候補の神官の方は十九人と聞いておりますが、それほど簡単に雪狼の群れが倒せるのでしょうか」
「単独で雪狼が倒せる様になりますよ」
「・・・・聖国が用心棒殿との関係を重視する理由が判った気がします」
「話を先に進めます。町内に千人規模の人間が弓の訓練をする場所の余裕が無いので、町外に訓練場を作ってありますが、場所が丁度歓楽街の塀の外の反対側になります。今の状態ですと歓楽街から町の外周を半分程回る距離になりますので移動に相当時間が掛ります。歓楽街の塀に門を作れば、移動時間が大幅に短縮されます。門を設置して宜しいでしょうか」
「ああ、門の設置は町の裁量権の範囲だから大丈夫だ。でも堅石で分厚く作ってあるぞ」
「それなら大丈夫です」
歓楽街の視察がてら、門の設置場所の確認に査察官と主務次官に立ち会って貰った。
「地質改変」
石を砂に変え、場所が通れる程の穴を塀に開ける。
場所は丁度スラムの泉の裏側だ。
砂を離れた場所へ運び、小分けして並べ魔法を解くと、砂が固まって次々に石版が出来上がっていく。
スラムの人達に足場を用意して貰い、地質改変で塀と一体化させながら、アーチ上に組み上げて行く。
「軍に報告が必要ですな」
「ええ、これ程簡単に防壁が無力化されるなんて常識外です。戦略の基礎から見直しが必要です」
防壁の根元を泥化すれば、多分もっと簡単に防壁を薙ぎ倒せる。
多分今の僕の力なら、この町の防壁程度なら一瞬で薙ぎ倒せる。
でもこれは、泥化で千人位沈められるのと一緒で秘密だ。
そしてマリアが光石の矢を取得した。
人は自分の信じたい物を信じる。
ベルディー村へ行けば直ぐにでも迷宮で魔獣が倒せる様になる、そんな都合の良い話なんて有る筈が無い。
素人に狩りが出来ない事をよく知っている狩人達は僕の説明に納得して、文句を言う村人達を引き摺って帰ってくれた。
騒動が一段落したので僕も町へと帰る。
帰りは行商人の荷馬車に乗せて貰った。
護衛も請け負け応う条件で、ただで乗せて貰った。
「掘り出し物がありましたか」
塩を村々へ売り歩く商人の帰路なので荷車は空の筈なのだが、木箱が数個積んである。
「山狼の牙が買えたんだよ。この辺じゃ対した値段にしかならないだけど、王都じゃ物凄い値段で売れるんだ」
「へー、また、貴族連中の収集ブームですか」
「いや違うんだ、魔器の材料になるんだよ。秘蔵の油で山狼の牙を溶かす方法を開発した工房があってね、その山狼の牙を溶かした油を魔器の刃に塗ると一晩で固まるんだよ」
「あっ、ミスリル糸の保護ですね」
ミスリル糸は鉄に比べて柔らかいので、使っていると刃に巻いたミスリル糸が真っ先に擦り切れる。
そしてどんなに高級な魔器であっても、ミスリル糸の断線によってその役目を終えてしまう。
「その通り」
「でも切れ味が落ちません」
「いや、固まって出来る膜が相当堅いそうなんだよ。研げば逆に切れ味が増すそうだ」
「それじゃその魔器は相当長持ちしそうですね」
「ああ」
「それじゃ鍛冶師達の儲けが落ちますよね」
「ああ、数年後にはな。良い品を作ったのに自分で自分の首を絞める、皮肉なもんだよ。当面は超高級品に限定して吹っ掛けた値段設定にしてるらしいぞ。それでも注文が殺到して俺達にもお零れが回ってくるんだがな」
「それなら領都の小さな工房には影響ありませんね」
「ああ、たぶんな。それと王都にもう一つ面白いことがあった」
「なんですか」
「王都の教会から、国の役人が聖国を出発する千人近い助祭の受け入れを相談されたらしい」
ぎくっ、これは僕関連だ。
「珍しいですね、教会が国に相談するなんて」
「ああ、教会の寮にも空きがないらしくてな。相当困ったんだろう。これは海商経由の情報なんだが、送られてくる連中は聖国の有力所の御曹司やお嬢様らしいんだ。国も大騒ぎだろうな。それにな、連中この領へ来るらしいんだ。こんな何も無い所へ何しに来るんだろな。領都でも大騒ぎらしいぞ」
急いで帰って、司祭さまと町長さんで話し合って貰おう。
ーーーーー
「それでは、歓楽街の連中を全員追い出してあの宿を改修しましょう。建物は既にありますから、外装と内装の改修だけならば安く済みますし、時間も掛りません」
小太りで中年の町長が汗を拭きながらとんでもないことを言い出した。
「歓楽街の人達は、皆町民権を持っています。町民からの財産の収奪は領法に違反する筈ですよ」
「何だと貴様!儂に逆らうのか。黙って儂の指示に従え。歓楽街の薄汚い連中に余計な金も気も配る必要などない」
大きな声で脅せば言うことを聞くと思っている完全な小役人だ。
真っ赤な顔で怒鳴っている。
この席には司祭のお婆ちゃん、国の査察官、領の主務次官が同席している。
お偉方の前で屈辱されたと思ったのだろう。
「黙れ町長、黙るのは貴様の方だ。貴様が無能とは知っていたが、これ程酷いとは思ってなかったぞ。町長自ら領法を破ってどうする。司祭殿、査察官殿、歓楽街の用心棒殿、申し訳無い。此奴の始末は至急いたします。衛兵、此奴を牢にぶち込んで置け」
「領主殿に優秀な者の配備をお願いして下さい。今回お預かりする方々は、将来聖国で中枢を担う方々なのです。この国の将来の為にも、失敗は出来ません」
「了解しました」
「本山の教皇さまから用心棒殿との良好な関係維持を最優先事項にするとのご指示を頂いております。本山としても光属性の民の将来を変える発見なので、用心棒殿に相当恩義を感じているのでしょう。ですから、こちらの都合は配慮頂けると思います」
「それは助かります、至急王室に報告いたしましょう」
「宿泊場所なのですが、繁華街に宿泊している女性達は、宿を維持するために泊まっているだけで、商売に為ではありません。改修費の負担とその間の休業補償に配慮頂ければ、快く協力してくれるでしょう」
「うむ、改修費と休業補償については至急手配しよう」
「今後の予定なのですが、彼らは二週間後に聖国を海路で立つそうです。我が国に着くのが約二ヶ月後、一週間ほど旅の疲れを抜いて頂いた後、領都に移動して頂きます。領都に滞在し、こちらの体制が整うまで待つ、そんな段取りになっています」
「それなら余裕を持って対応できます。レベルアップして貰って、教師に必要な技能も取得して貰えます。順調なら探索者票も得られるでしょうから、教師としての箔が付きます」
「えっ、候補の神官の方は十九人と聞いておりますが、それほど簡単に雪狼の群れが倒せるのでしょうか」
「単独で雪狼が倒せる様になりますよ」
「・・・・聖国が用心棒殿との関係を重視する理由が判った気がします」
「話を先に進めます。町内に千人規模の人間が弓の訓練をする場所の余裕が無いので、町外に訓練場を作ってありますが、場所が丁度歓楽街の塀の外の反対側になります。今の状態ですと歓楽街から町の外周を半分程回る距離になりますので移動に相当時間が掛ります。歓楽街の塀に門を作れば、移動時間が大幅に短縮されます。門を設置して宜しいでしょうか」
「ああ、門の設置は町の裁量権の範囲だから大丈夫だ。でも堅石で分厚く作ってあるぞ」
「それなら大丈夫です」
歓楽街の視察がてら、門の設置場所の確認に査察官と主務次官に立ち会って貰った。
「地質改変」
石を砂に変え、場所が通れる程の穴を塀に開ける。
場所は丁度スラムの泉の裏側だ。
砂を離れた場所へ運び、小分けして並べ魔法を解くと、砂が固まって次々に石版が出来上がっていく。
スラムの人達に足場を用意して貰い、地質改変で塀と一体化させながら、アーチ上に組み上げて行く。
「軍に報告が必要ですな」
「ええ、これ程簡単に防壁が無力化されるなんて常識外です。戦略の基礎から見直しが必要です」
防壁の根元を泥化すれば、多分もっと簡単に防壁を薙ぎ倒せる。
多分今の僕の力なら、この町の防壁程度なら一瞬で薙ぎ倒せる。
でもこれは、泥化で千人位沈められるのと一緒で秘密だ。
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