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22 遺跡 その2
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ルイーズ達が起きるのを待ってから、改めて作戦会議。
「ここを拠点にして、遺跡を探索する案が一つ。俺達三人がスケルトンの居た部屋の先を探索して戻って来る案だ。もう一つは、スケルトンの居た部屋を拠点にして、拠点を移動させながら探索を続ける案。それともう一つは、ここの入り口を塞いで救助を待つ案だ。ここのスケルトンの強さは判ったと思う。これにゴーストが加わった強さが、この階層のレベルだと思うぞ」
「最初に食料を確認しようよ」
「ええ、それは重要よ」
「食料が少ないのなら、食料が無くなってから、切羽詰まった状態で再度同じ決断を迫られるわ」
「私達三人が優先して食べるのはどうかしら、女性だし」
「それに、私達が生き残った方が社会的価値が高いわ」
「ええ、同意するわ」
「却下、ここを出るまでは、身分も性別も関係ないぜ。おまえらだけで、ここから出られるのなら別だけどな」
「うんそうだよ。僕達が動けなくなったら、三人で戦えるの」
「騎士爵風情に言い負かされるのは不本意だけど、仕方がないわね。確かに先程の戦いが限界ですわ」
「ええ、役立たずの騎士爵は別にして、ユーリには助けられましたもの」
「ええ、私達の力量不足は認めましょう」
僕の評価は少し上がったらしい。
食料を確認する。
水は僕が初級水符を五束持っているので解決。
食料は、まずビスケット入りの大きな巾着袋が三つ。
「女子の嗜みですわ」
「ええ、勿体ないですが供出しますわ」
「でも優先権は私達にありますのよ」
魔猪の肉が一塊。
そして携帯用のスープと干穀、干肉と干野菜が百食分、ミロとの逃亡を想定して買い求めてあった分だ。
流民街で売っている旅芸人と踊り子の必需品で、水に浸すと十倍に膨れる優れ物だ、それに結構旨い。
「・・・・・ユーリ、何でそんな物持ち歩いているんだよ」
「予知能力でもあるの」
「・・・いろいろ切羽詰まった理由があってな」
結局、節約すれば二週間分、普通に食べても一週間は大丈夫という結論になった。
皆の表情が一気に明るくなった。
「ウィル、これくらいの階層だと、普通何日で踏破できるんだ」
「うーん、ここの天井の高さからすると、ここは二層か三層だな。規模にも依るから一概には言えないけど、地図があって大体一日、地図無しだと大体五日ぐらいだな」
「地上まで十日から十五日。多少広かった場合はギリギリですわね。・・・でも、ここで時間を潰すよりも勝算がありますわ」
「ええ、それに、ここでじっと待つなんて我慢できませんもの」
「そうですわね、前に進みましょう」
描いてある地図の一番先、スケルトン達の居た部屋に向かって出発した。
ーーーーー
『うわー』
スケルトン達の居た部屋には、小さな宝箱があった。
初級聖符で呪いを消してから蓋を開けると、小さな本の上に、魔法陣の描かれた小さな宝石が五個並んでいた。
宝石は、向こうの世界なら一万ギル程度、こっちの世界なら金貨十枚以上の品物だ。
本の中身を確認すると、見慣れない文字と魔法陣が描かれていた。
「それじゃジャンケンな」
僕が全勝で一番、次が一敗のウィル、それ以下はほぼ横並びで、クロエ、タナス、ソフィア、ルイーズの順だった。
僕は本を選び、他の五人は宝石を選んだ。
「本当に良いのかユーリ、それの引取り屋の買値は銀貨一枚程度だぞ」
「ああ構わないよ。中身に興味があるんだ」
「その文字は、五千年前の古代文字ですわよ。まだ解読されていませんのよ」
「へー、ソフィアは詳しいんだな」
「ええ、お母様は考古学の宮廷学者でしたの。お母様はまだ研究を進められていて、私も時々お手伝いしておりましたの」
「文字を読めるようにする魔法は使わないの」
「そんな都合の良い魔法なんて、ある訳ないですわ」
ーーーーー
僕とウィルとタナスが先行して探索し、入り口が一つの部屋を探す。
ある程度先に進んだら、ルイーズ達を呼びに戻り、皆で次の拠点へと移動する。
移動中はタナスを囲む五角形の陣形を組む。
タナス不服そうだったが、タナスが一番か弱いとの共通認識になっている。
単純な作業の繰り返しだったが、地図が徐々に広がって行くので励みになる。
そしてゴーストと初めて遭遇した。
僕達がでは無い。
ルイーズ達が待機している部屋に戻ったら、ルイーズ達がゴーストに襲われていたのだ。
ゴーストを初めて見たが、白い霧の中に人の顔が浮かんでる感じで凄く怖い。
通路にはゴーストがいなかった。
なので不思議に思ったら、ゴーストは壁をすり抜けて来ている。
剣にオーラを纏い、剣に張り付けてある上級聖符を起動する、簡易聖剣の出来上がりだ。
追い払う積りでゴーストを剣で払ったら、あっけなく魔石を残して霧散した。
スケルトンより余程簡単だった。
ルイーズ達に集っているゴーストを剥がす様に倒して行く。
初級聖符で追い払っていたようだが、数が多すぎて追い付かなかったようだし、スケールアーマーの聖の魔法陣をものともしないで襲い掛かって来ている。
人の生気に、余程飢えていたのだろう。
でも、何故ゴーストの魔石が壁をすり抜けられるのか、とっても不思議だ。
「感謝しますわ」
「もう駄目かと思いました」
「遅いですわよ」
クロエだけ怒っている。
「聖剣を持っているなら先に言いなさいよ」
「これ聖剣じゃないよ。万能魔剣って呼ばれてた冒険者用の紛い物だよ。ほら、ここに魔符を張り付けると符に応じた魔剣に化けるんだ」
「へー、吸収陣が刻んであるんだね」
「タナス、吸収陣って何だよ」
「ほら、この縁取りみたいな四角い模様が吸収陣だよ。魔法を吸収してこの線みたいな導刻印で刃先に逃がすんだよ。魔法を無効化するために盾用に考案された陣なんだけど、魔法が逃げる方向が不規則で危ないし、盾を強化した方が早いんで普及しなかったんだ」、
「タナスの家のケボス地方の特産品だったんだぜ。昔は羽振りが良かったらしくて贅沢な暮らしをしてたらしいけど、、急に売れなくなって、没落する家が続出しちまったんだぜ」
「うん、僕の家も似たようなものさ、奴隷落ちしなかっただけ増しだけど」
「タナス、吸収陣と導刻印って刻めるか」
「うん、役に立たないけど伝承してるよ」
「思い付きなんだけど、ルイーズ達の魔剣の根元に、吸収陣を刻んだ銅魔板巻けば代用できるかな」
「んー、導刻印を工夫すれば可能だよ。でも、元の魔法陣の無力化が必要だし、第一道具も無いよ」
「大丈夫だ。ほら」
「おい、おい、おい、何でそんな物まで持って来てるんだよ」
最初は渋っていたルイーズ達だったが、また襲われた時に対処できないと言ったら、渋々魔剣を差し出した。
たぶん、ゴーストに襲われて怖かったのだろう。
銀粉を魔法陣に塗して無効化するだけなので、銀粉を振るい落とせば再び魔剣として使える。
ちゃんと説明したのだが、信じて貰えなかった。
壁に中級聖符を貼れば、壁全体に聖符の効果が広がり、ゴーストの侵入を阻む結界になることが分かった。
幸いなことに、階層は越えられないらしく、天井と床からは侵入して来なかった。
下の階層の強いゴーストが床からぬっと現れたら、シャレにならない。
気丈に振舞っていたが、ゴーストに襲われ消耗していたようなので、ルイーズ達を横になって休ませる。
直ぐに寝息を立て始めたので、だいぶ疲れたのだろう。
入り口は僕とウィルで見張り、タナスはせっせと銅魔板を刻む。
鑿で銅魔板を削る小さな音と、ルイーズ達の寝息が静かに流れる。
「良く寝てるよな」
「うん、良く寝てる」
「胸揉んでも気が付かないかな」
「うん、尻を触っても気が付かないと思う」
「でもやめた方が良いよな」
「うん、命が惜しかったら、やめた方が良いと思う」
「ここを拠点にして、遺跡を探索する案が一つ。俺達三人がスケルトンの居た部屋の先を探索して戻って来る案だ。もう一つは、スケルトンの居た部屋を拠点にして、拠点を移動させながら探索を続ける案。それともう一つは、ここの入り口を塞いで救助を待つ案だ。ここのスケルトンの強さは判ったと思う。これにゴーストが加わった強さが、この階層のレベルだと思うぞ」
「最初に食料を確認しようよ」
「ええ、それは重要よ」
「食料が少ないのなら、食料が無くなってから、切羽詰まった状態で再度同じ決断を迫られるわ」
「私達三人が優先して食べるのはどうかしら、女性だし」
「それに、私達が生き残った方が社会的価値が高いわ」
「ええ、同意するわ」
「却下、ここを出るまでは、身分も性別も関係ないぜ。おまえらだけで、ここから出られるのなら別だけどな」
「うんそうだよ。僕達が動けなくなったら、三人で戦えるの」
「騎士爵風情に言い負かされるのは不本意だけど、仕方がないわね。確かに先程の戦いが限界ですわ」
「ええ、役立たずの騎士爵は別にして、ユーリには助けられましたもの」
「ええ、私達の力量不足は認めましょう」
僕の評価は少し上がったらしい。
食料を確認する。
水は僕が初級水符を五束持っているので解決。
食料は、まずビスケット入りの大きな巾着袋が三つ。
「女子の嗜みですわ」
「ええ、勿体ないですが供出しますわ」
「でも優先権は私達にありますのよ」
魔猪の肉が一塊。
そして携帯用のスープと干穀、干肉と干野菜が百食分、ミロとの逃亡を想定して買い求めてあった分だ。
流民街で売っている旅芸人と踊り子の必需品で、水に浸すと十倍に膨れる優れ物だ、それに結構旨い。
「・・・・・ユーリ、何でそんな物持ち歩いているんだよ」
「予知能力でもあるの」
「・・・いろいろ切羽詰まった理由があってな」
結局、節約すれば二週間分、普通に食べても一週間は大丈夫という結論になった。
皆の表情が一気に明るくなった。
「ウィル、これくらいの階層だと、普通何日で踏破できるんだ」
「うーん、ここの天井の高さからすると、ここは二層か三層だな。規模にも依るから一概には言えないけど、地図があって大体一日、地図無しだと大体五日ぐらいだな」
「地上まで十日から十五日。多少広かった場合はギリギリですわね。・・・でも、ここで時間を潰すよりも勝算がありますわ」
「ええ、それに、ここでじっと待つなんて我慢できませんもの」
「そうですわね、前に進みましょう」
描いてある地図の一番先、スケルトン達の居た部屋に向かって出発した。
ーーーーー
『うわー』
スケルトン達の居た部屋には、小さな宝箱があった。
初級聖符で呪いを消してから蓋を開けると、小さな本の上に、魔法陣の描かれた小さな宝石が五個並んでいた。
宝石は、向こうの世界なら一万ギル程度、こっちの世界なら金貨十枚以上の品物だ。
本の中身を確認すると、見慣れない文字と魔法陣が描かれていた。
「それじゃジャンケンな」
僕が全勝で一番、次が一敗のウィル、それ以下はほぼ横並びで、クロエ、タナス、ソフィア、ルイーズの順だった。
僕は本を選び、他の五人は宝石を選んだ。
「本当に良いのかユーリ、それの引取り屋の買値は銀貨一枚程度だぞ」
「ああ構わないよ。中身に興味があるんだ」
「その文字は、五千年前の古代文字ですわよ。まだ解読されていませんのよ」
「へー、ソフィアは詳しいんだな」
「ええ、お母様は考古学の宮廷学者でしたの。お母様はまだ研究を進められていて、私も時々お手伝いしておりましたの」
「文字を読めるようにする魔法は使わないの」
「そんな都合の良い魔法なんて、ある訳ないですわ」
ーーーーー
僕とウィルとタナスが先行して探索し、入り口が一つの部屋を探す。
ある程度先に進んだら、ルイーズ達を呼びに戻り、皆で次の拠点へと移動する。
移動中はタナスを囲む五角形の陣形を組む。
タナス不服そうだったが、タナスが一番か弱いとの共通認識になっている。
単純な作業の繰り返しだったが、地図が徐々に広がって行くので励みになる。
そしてゴーストと初めて遭遇した。
僕達がでは無い。
ルイーズ達が待機している部屋に戻ったら、ルイーズ達がゴーストに襲われていたのだ。
ゴーストを初めて見たが、白い霧の中に人の顔が浮かんでる感じで凄く怖い。
通路にはゴーストがいなかった。
なので不思議に思ったら、ゴーストは壁をすり抜けて来ている。
剣にオーラを纏い、剣に張り付けてある上級聖符を起動する、簡易聖剣の出来上がりだ。
追い払う積りでゴーストを剣で払ったら、あっけなく魔石を残して霧散した。
スケルトンより余程簡単だった。
ルイーズ達に集っているゴーストを剥がす様に倒して行く。
初級聖符で追い払っていたようだが、数が多すぎて追い付かなかったようだし、スケールアーマーの聖の魔法陣をものともしないで襲い掛かって来ている。
人の生気に、余程飢えていたのだろう。
でも、何故ゴーストの魔石が壁をすり抜けられるのか、とっても不思議だ。
「感謝しますわ」
「もう駄目かと思いました」
「遅いですわよ」
クロエだけ怒っている。
「聖剣を持っているなら先に言いなさいよ」
「これ聖剣じゃないよ。万能魔剣って呼ばれてた冒険者用の紛い物だよ。ほら、ここに魔符を張り付けると符に応じた魔剣に化けるんだ」
「へー、吸収陣が刻んであるんだね」
「タナス、吸収陣って何だよ」
「ほら、この縁取りみたいな四角い模様が吸収陣だよ。魔法を吸収してこの線みたいな導刻印で刃先に逃がすんだよ。魔法を無効化するために盾用に考案された陣なんだけど、魔法が逃げる方向が不規則で危ないし、盾を強化した方が早いんで普及しなかったんだ」、
「タナスの家のケボス地方の特産品だったんだぜ。昔は羽振りが良かったらしくて贅沢な暮らしをしてたらしいけど、、急に売れなくなって、没落する家が続出しちまったんだぜ」
「うん、僕の家も似たようなものさ、奴隷落ちしなかっただけ増しだけど」
「タナス、吸収陣と導刻印って刻めるか」
「うん、役に立たないけど伝承してるよ」
「思い付きなんだけど、ルイーズ達の魔剣の根元に、吸収陣を刻んだ銅魔板巻けば代用できるかな」
「んー、導刻印を工夫すれば可能だよ。でも、元の魔法陣の無力化が必要だし、第一道具も無いよ」
「大丈夫だ。ほら」
「おい、おい、おい、何でそんな物まで持って来てるんだよ」
最初は渋っていたルイーズ達だったが、また襲われた時に対処できないと言ったら、渋々魔剣を差し出した。
たぶん、ゴーストに襲われて怖かったのだろう。
銀粉を魔法陣に塗して無効化するだけなので、銀粉を振るい落とせば再び魔剣として使える。
ちゃんと説明したのだが、信じて貰えなかった。
壁に中級聖符を貼れば、壁全体に聖符の効果が広がり、ゴーストの侵入を阻む結界になることが分かった。
幸いなことに、階層は越えられないらしく、天井と床からは侵入して来なかった。
下の階層の強いゴーストが床からぬっと現れたら、シャレにならない。
気丈に振舞っていたが、ゴーストに襲われ消耗していたようなので、ルイーズ達を横になって休ませる。
直ぐに寝息を立て始めたので、だいぶ疲れたのだろう。
入り口は僕とウィルで見張り、タナスはせっせと銅魔板を刻む。
鑿で銅魔板を削る小さな音と、ルイーズ達の寝息が静かに流れる。
「良く寝てるよな」
「うん、良く寝てる」
「胸揉んでも気が付かないかな」
「うん、尻を触っても気が付かないと思う」
「でもやめた方が良いよな」
「うん、命が惜しかったら、やめた方が良いと思う」
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