時の宝珠

切粉立方体

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2 タサ大森林

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 北大陸の東の外れ、トウラ山脈の裾に広がるタサ大森林。
 齢を重ねた白杉の林の下生えに、二枚のマントが絡まって埋もれていた。
 枯れ始めた下生えの藪の中、藪を揺らしてマントの裾がごそごそと動く。
 中から首を出したのは、短い黒髪が逆立っている十歳前後の幼い少年。
 華奢な細い手足をマントから引出して立ち上がり、下着姿で震えながら上空を見上げる。 
 藪の中を吹き抜ける風が冷たい。
 藪は深く、視界が効かないことを知り溜息をつく。
 呼吸を整え、息を殺して周囲の気配を探る。
 風が周囲の大笹の葉を小刻みに揺すり集中を妨げる。

「わっ」

 突然自分の足元で物が動く気配を感じ、少年が飛び跳ねる。
 大笹に足を取られながら何とか身構えると、二枚目のマントの裾が持ち上がる。
 顔を覗かせたのは黒髪を乱した十歳位かやや年下に見える少女。
 髪は肩の高さで乱暴に切り揃えられ、同じく下着姿で、未熟な身体からずり落ちる黒いレースの扇情的なパンツの横紐を慌てて結び直している。

「けっ婆が、品の無い下着着けやがって」

 少年が呟く、姿形が変わっても、気配で相手が誰か分かっている。
 振り向いた少女が眦を吊り上げて魔法を唱える。

「ファイヤーランス」

 慌てて少年が魔法を返す。

「アースランス」

 少年の周りで暖かい風がそよぎ、少女の足元に砂粒が数個ぶつかった気配がする。
 双方起こったことが理解できずに暫くあっけにとられていたが、思い出したように睨み合い少女が口を開く。

「この腐れ爺が、とっと諦めれば良いものを。あんな魔法を使いやがって、脳味噌が腐ったか、大バカ野郎。世界を滅ぼして如何する」

 鳥ガラの様な貧弱な肢体に胸帯とパンツ1枚で凄んでいる。

「何を、この泥棒猫が、儂の獲物を横取りしようなんぞ千年早いわ。どの面下げて口をきいてやがる」

 落ち掛かったトランクスを持ち上げ、貧弱な肢体の少年が怒鳴返す。

「だまれ、インポ爺」
「なにを、腐れ婆が」

 しばらく罵詈雑言と毟り合いの応酬を裸で繰り広げたが、結局疲れと寒さに勝てずにマントの中で互いの身を寄せ合うことになる。

「一時休戦じゃ、爺。ここがどの辺か解るか」
「星が見えん。後ろの木は白杉じゃから北大陸の北部か東部、東大陸の北部か中央の山の中じゃろう」
「また凄くいい加減だな。危険な獣は」
「猫型はこの寒さを嫌うから心配ない。狼か熊だな。魔獣は数が案外少ない。人食い草の心配は要らん。あと、ハイエルフに見つかれば森の肥にされかねないかの、住家自体が解っとらんがの」
「狼か、木の上の方が安心か」
「そーなんじゃが、この身体で登れる木が有るかの。飛行魔法も無理じゃ」

 背後の白杉を見上げながら溜息を付く。蔦を寄せ付けない白い艶光した木肌が人の背の倍の高さまで続いている。

「難儀じゃの。あー寒、火でも起こすか」
「いや、止めておいた方が良いかもしれん、こんな薮中じゃ暖か過ぎて丸焦げじゃ」
「ああ、それもそうじゃの。折角拾った命じゃからな」
「どーする、別々で行くか、それとも二人で行くか。儂は田舎者だから鼠の狩り方くらいは解るぞ」
「妾は、貴族の出ぞ。そんなことは知らん」
「火は出せるか」
「ぎりぎりじゃな、種火が」
「わしはまるで無理じゃ。どうじゃ、二人で行くか」
「業腹だが仕方なかろうな。生き残れる可能性が高くなる」

 状況を素直に受け入れ深く考えず可能性の高い行動を合理的に考える。
 成り行き任せとも言う。
 二人の基本的な考え方である。
 早々に二人で震えながらマントの下を漁る。
 高価な魔獣の皮鎧は、魔力が吸い取られて持ち上げると崩れてしまう。
 マントも防御力は極めて高いが保温性の無い材質であるうえにものすごく重たい。
 薬剤入れの幅広の腰巻ベルト、バンダナ、絹の靴下、皮手袋、空になった薬袋が辛うじて役にたつ。
 バンダナを腰に巻き、ベルトは胸の前で交差させて二重に巻く。手袋を靴替わりに履き、靴下を手袋替わりにして、薬袋の底に穴を開け頭から被る。
 気休め程度には暖かい。

「どちらへ行くかの」

 少女が四方に広がる藪を見回す。

「まずは安全な場所を探すかの、それからじゃ。ほれ、鹿の踏み跡がある」

 少年が意を決するように一歩踏み出す。
 この1歩が二人の長い旅の始まりになるとは夢にも思っていない。

 少年が先頭を行き、視界の利かない下生えの藪を漕ぐように少しずつ進む。
 笹混じりの藪は足を滑らせ易く、大人でも体力を消耗する。
 数刻で体力が衰え、陽が落ちるに連れて汗ばんでいた身体も次第に冷えて震え始める。
 根性が尽きる前に運良く蔦の絡まった朽ちた白杉の巨木に行き当たる。
 登攀可能と判断して最後の気力を振り絞り、蔦を手掛かりによじ登る。
 どうにか一番下の枝に辿り着き、倒れる様に枝に腰を下す。
 自然と身を寄せ合って寒さを防ぐ。
 風が冷たく、互いの体温が心地良い。

「こんなに苦労してあれっぽちか」

 少女がこぼす、上から見ると最初の地点と大して離れていない。

「でも運が良かったの。ほれあそこ、狼じゃ」

 少年の指さす先に黒い影が動く。
 マントの臭いを嗅ぎ、踏み後を辿って近付いて来る。
 子牛程の大きさの狼が二匹、木の根本を嗅ぎ回り、幹をしばらく引っ掻いた後、突然飛び上がる。
 少年のすぐ足下に咢が迫る。
 慌てて足を縮め転げ落ちそうになりながら、二人で身を縮める。
 数回飛び上がり無理と悟って狼は諦める。
 立ち去って行く姿を見つめ、息を詰めて抱き合っていた二人は大きく安堵の溜息をつく。
 緊張が過ぎると再び寒さが身に染みる。

「怖かったの」
「ああ、怖かった」
「もうひとつ上の枝に移っとくかの」
「ああ、それが安心じゃ」

 恐怖が疲れを上回り、ゆっくりと上の枝目指して動く。
 登り始めてすぐに少女が先に登る少年を呼び止める。

「おい、ここに穴がある」

 少年が降りて確認する。
 蔦に覆われた中に小さな洞が隠れていた。
 蔦を広げると入り口は子供なら抜けられる大きさ、覗くと人が入れる空間がある。
 念のため手近な枝を折り、中を乱暴にかき回す。
 しばらく気配を探ってから、少年が顔を綻ばせる。

「空家かの、火は起こせるか」
「この疲れじゃ難しい」

 少女が首を横に振る。
 火の魔法は広範囲から熱量を集めて発火点以上の小空間を作り出す魔法である。
 魔力の少ない子供には容易ではない。
 少年はしばらく考え込んだ後、最初の枝に戻り、もう一本太い枝を折って横に置く。
 枯葉を乗せてから、洞を掻き回した枯枝を突立てて両手に挟んで回し始める。
 火起こしの意図を察した少女が、擦り合せる枝先を指さし熱を集める。
 暫くすると枝先から煙が立ち始め、擦り合せた先が赤く光る。
 少年が枯葉を乗せて懸命に吹く。
 小さな炎が現れ、枯葉を乗せるとさらに炎を広がる。
 枯枝を乗せると安定した炎が燃え移り、温かさが広がる。
 少女が火の前に座り込む。 
 少年がさらに数本の枯れ枝を集め、枝先に火を移して次々と洞へ投げ入れ始める。
 十数本投げ入れると、洞から煙が立ち上る。
 さらに様子を見ながら周囲の枯枝を集めて投げ入れて行く。
 器用に片方の眉だけ上げて少女が問う。

「何をしている」
「中の蟲を燻しておる。痒いのは好きか」

 煙から目を離さず少年が答えると、眉を潜めながら顔をしかめて少女が首を振る。

「痛いだけで十分じゃ」

 脛と腿の細かい引っ掻き傷をさすりながら少女が呟く。
 再び火の前に座り込んだ少女は、暫くすると暖かさと疲れで船を漕ぎ始める。

「おい、落ちるぞ」

 少女は少年に揺すられ慌てて目を覚ます。

「まだ入れんのか、妾は眠いぞ、もう我慢できん」

少女が歳相応に頬を膨らませて愚図る。

「もうすぐじゃ、我慢せい」

 煙が収まると、様子を見て少年が中に入る。
 くすぶっている枝を踏み均して火を消して行く。
 まだ熱い炭混じりの灰を足で中央にかき寄せてから外の少女に声を掛ける。

「そこの火を持ってきてくれ」

 少女が火の付いた枝を寄り集め、少年へと渡す。
 灰の中央を凹ませ、受け取った枝を広げる。
 燃え残った枝を拾い集めて加えると火が大きくなり、明るさと暖かさが暗い洞内に広がる。

「入って良いぞ」

 少女が一旦中を覗き込んだ後、後ろ向きに足から入る。
 入り口は腰より少し高く、足を振って確かめながら慎重に足を卸す。
 火明かりに少女の白く伸びた足が浮かび上がる。

「おー、中は暖かいの」

 火の前に早速に座り込む。
 洞内は意外に広く、高さは背伸びして手を伸ばせば届く程度、奥の上部に小さな裂け目が覗き、煙が集まり抜けて行っている。
 広さは二人が横になって十分に眠れる広さである。

「燃え残りの炭になったやつを火に足してくれ」
「解った」

 少女が炭状になった小枝を拾い集め、少年は周囲をさらに踏み均す。
「おっ」
「如何した」

 少年の声に、少女が振り返る。

「ミミズクの骨じゃ。射られて死んだらしいの、ほれ、鏃じゃ」
 
 少年が人差し指位の鏃を摘まんで見せる。

「クヌト族かヤスラ族かの、大分錆びておるがほれ、五画に作っておる。・・・少し表に出る。ぬしはそこから狼を見張ってくれ」

 少年が返事を待たず飛び出して行く。
 焚火の炎を未練がましく振り返りながら、それでも少女は入り口から半身を乗出して少年の周囲を見張る。
 少年が下生えの中に蹲り、何かを探している。
 暫くすると少女の視界の片隅で藪が動く。

「なんか来たぞ」

 少女が叫ぶ。
 少年が弾かれたように立ち上がり蔦をよじ登ってくる。
 背中に長い枝を刺し、左手を握りしめている。
 蔦を一本中に引き入れ、表を伺う。
 踏み跡をアライグマが横切り消える。

「あれなら大丈夫だったかの」

 照れくさそうに少女が呟く。

「いや、あれも意外に危ない、儂らだと襲われる。外見では解らんもんじゃ」

 少年の左手には濡れた鏃と小石が握られていた。
 火の前に座り込むと小石で鏃を根気よく研いて行く。
 指先で感触を確かめて満足すると中に引き入れた蔦の皮を鏃で剥いて行く。
 皮を更に細く裂いて依り合わせる。
 中に運び入れた長い枝の両端に鏃で溝を刻み、蔦の皮で作った紐を端に結んで、全力で枝を撓めて他端に結ぶ。

「おお、弓か」

 脇で作業を眺めていた少女が納得したように頷く。

「ああ、腹も減ったしの」
「肉が食えるのか」
「うまく行くかは解らんがの」

 大笹の枝先に鏃を固定する。
 外へ出て、手近な枝を跨いで夕闇の中に気配を殺す。
 暫く待つと、兎が一匹、踏み跡に顔を出して耳を澄ませる。
 息をゆっくり矢に吹きかかけて風を纏わせる。放たれた矢は音も無く飛び、兎を射抜く。

「見張ってくれ」
「解った」

 少年が素早く獲物に駆け寄り、回収して帰ってくる。
 鏃を使って、枝の上で手早く解体して行く。
 脇で少女が震えながら見ている。

「何で中でやらんのだ」

 毛皮を剥ぎ、骨と肉とを分け終え、毛皮を小枝に結び付けながら少年が答える。

「蟲がな、意外と付いておるんじゃ」

 毛皮を眺め、浮かび上がって来る斑点がダニと知って少女が後退さる。

「さっ、飯だ」

 肉を枝に刺して炙る。
 肉を焼く匂いが洞内に広がり口の中に唾が湧いて出る。
 小さな兎であったが、子供二人の飢えを満たすには十分であった。
 食べ残しは焼いて取置いて置く。
 洞の外はすでに闇に染まり秋の虫が下生えの中で鳴いている。
 洞内の保温性は良く、小さな火でも十分に暖かい。

「満足じゃ、さっ、寝るか」

 少女が足を延ばして伸びをする。

「その前に裸になれ」

少年の言葉に少女が身を抱くようにして後退さる。

「妾はまぐわいなどせんぞ」

 少年が舐めつける様に少女の身体を眺めるとさらに後退さって身を縮める。
 少年は毛を逆立てた子猫の様だと思ったが、殴られそうなので口には出さない。

「勘違いするな、わしもこの身体じゃ。それじゃ儂から先にやってくれ」

 少年が身に着けたものを脱ぎ捨て、背中を見せて火の前に座る。

「儂の背中に揖保のようなものがあるじゃろ」

 少女が警戒しながら近づき背中を見る。

「ああ、有る」
「それはダニじゃ。首を突っ込まれておるから無理に剥がすと首が残って膿む。じゃから熱い枝を押し付けて驚かす。落ちたら拾って火にくべてくれ」
「解った」

 少年が火の付いた枝を少女に渡す。
 少女は火を吹き消すと真剣な顔で少年の背中の揖保に先端を恐々押し当てる。
 言われたように揖保が動いて下に落ちる。
 恐々拾い上げ、火に投げ入れる。
 少年は自分で見えない場所を一通り指示した後枝を受け取り、自分で見える場所のダニを落とす。

「今度はぬしの番じゃ」

 今度は躊躇なく身に着けたもの脱いで少年に背中を見せる。
 火明かりに白い背中が浮かぶ。

「付いておるか」
「ああ、だいぶおる」

 少年が丁寧にダニを落として行き、一通り背後のダニを落とし終わる。

「次は前じゃ」

 恥かしそうな素振りを見せながらも指示に従い、少女は振り向いて裸身を晒す。
 全身くまなくダニを捜して貰い、最後に膝枕で頭を撫でるように頭髪を調べて貰う。
 頭髪を撫でられる気持ち良さにうたた寝を始め、終わると安心したのか、倒れるように少女は寝入ってしまう。

「ま、見料と思って我慢するかの」

 無防備に寝入った少女の腰にバンダナを掛け、火を絶やさぬよう、少年が火の番をする。
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