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槇島城の戦い~高屋城の戦い
上京焼き討ち
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「上京を焼き討ちに致す、との由」
美濃に戻ってから数日が経った頃、俺たちの元に、京にいる織田軍からやって来た伝令役の足軽がそんなことを言い出した。
「どうしてまたそのようなことを……」
帰蝶が悲痛な面持ちでそのように問う。
場は帰蝶の屋敷にある来客用の部屋的なところ。やや広い畳の敷き詰められた空間に、俺と帰蝶、お市とモフ政、そして足軽が円になるように座っている。
曰く。予想通り、義昭は和睦交渉を受け入れなかったらしい。それどころか、京にある織田軍の将の屋敷を包囲して焼き払ったそうだ。
「ところが、柴田様を始めとした家臣団はこれにも耐え、義昭様を直接攻撃なさるというご決断を下しませんでした」
「短気なあいつらが、今回はやけに頑張るわね」
お市の身も蓋もない物言いにも動じることはなく、足軽は応じる。
「プニ長様や六助様がいらっしゃらないので、織田家のことを想い、慎重にことを運ぼうとなされているものかと」
「キュキュン(いつもそうしてくれよ)」
「とはいえ、そんな状況で黙っているわけにもいきません。止むを得ず織田軍は、『義昭殿がこのまま和睦を受け入れなかった場合、上京と下京を焼き討ちにする』という張り紙を京都の街に出しました」
「住民の皆様はさぞ動揺なされたことでしょうね」
帰蝶が心配そうに言った。
「ちなみに、上京と下京と言うのは京の北側、南側のことじゃ。概ね二条通以北が上京、以南が下京とされておる。上京には主に幕臣や幕府を支持する商人を始めとした富裕層が多く住んでおって、御所もこちらにあるのぉ。対して下京は商業地区で、一般市民の大半もここに住んでおるのじゃ」
ふむふむなるほど、まあある程度は知ってたけど……って、このじいさん誰?
知らないおじいさんがいつの間にか俺たちのいる部屋に入り込み、我が物顔で京都の街についての解説をしていた。いや、こいつまじで誰だよ。
「あら、おじいさん。こんにちは」
声で不審者の存在に気付いた帰蝶が、背後を振り返り笑顔で挨拶をする。どうやら知り合いらしい。
誰? と訴えかけるように首を傾げて帰蝶を見つめていると、彼女は俺をひょいと両手で拾い上げて抱っこしてから説明してくれた。
「この近所に住んでいるおじいさんです。自分の家と間違えてたまに入ってくるんですよ」
どちらにしろ不審者なことには変わりがなかった。この世界に日本のような法律はないとはいえ不法侵入だし、もし信長が生きていたら斬られていたと思う。
帰蝶の屋敷ってのは早い話が故信長の屋敷だからな。
頭角を表す前に亡くなったとはいえ、彼、日本では魔王とか呼ばれてた存在だからね。歴史に詳しい人からしたら色んな意見があるんだろうけど、俺には「容赦のないめっちゃ怖い人」くらいの印象しかない。
「これはこれは帰蝶さん、こんにちは。うちに遊びに来てくれたのかのぉ」
「いやいや、あんたが間違って入って来たんでしょもう……いつもめんどくさいんだから」
帰蝶の代わりにお市が呆れ顔でそう言うと、背後を振り返って口に手を添えながら声を張り上げた。
「ちょっと誰か、おじいさんを家に帰してあげて!」
「はいはい。またおじいさんですか」
どこからともなくお市の侍女らしき女の人がやってくる。
この屋敷の主な住人は帰蝶とお市なので、仕える人も女性しかいない。その為、あたかも男子禁制の花園のような形になってしまっていた。
「本当に帰蝶さんは若い頃のばあさんに似て美人でのぉ」
「その話は何度も聞きましたから。ほら、行きますよ」
侍女に腕を取られ、おじいさんは去っていった。本当に何だったんだ。
不審者の背中が消えるのを見てから、想定外の事態に固まって動けなくなっていた足軽の時が、ようやく動き出す。一つ咳ばらいをしてから口を開いた。
「え、ええと、もうよろしいのでしょうか。どこまでご報告を申し上げたのかわからなくなってしまいましたが」
「京の街中に焼き討ちをするとの張り紙を出した、というところまでだったかと」
「ああ、そうでした」
帰蝶から教えてもらい、照れて頭の後ろに手をやってから、足軽は表情を引き締めつつ語り出した。
「張り紙が出されると、すぐに下京からの代表者らが織田軍の元を訪れ、銀を携えて焼き討ちの中止を嘆願して来ました」
「そりゃそうでしょうね。家を焼かれたら困るもの」
お市の言葉に、足軽が一つうなずく。
「ええ、その通りです。あくまで義昭に対する警告や降伏を促す意味での張り紙だったので、元より織田軍に焼き討ちの意志はありませんでした。銀は受け取らずに下京の焼き討ちを中止すると、代表者には伝えました」
「銀くらい貰っとけばよかったじゃない」
「正直、私もお市様と同じことを考えたものですが……明智様曰く、織田家が京を領有した時の為に、民衆には被害を出さない方がよいものと」
まあ、それはそうだろう。民衆から恨みを買っては反乱の恐れがあるし、とにかく火種は作らないにこしたことはない。
というか、俺的には単純に可哀想だからやめて正解だったと思う。
「じゃあ、何で上京は焼き討ちにするのよ」
「先程申し上げました通り、下京からは代表者がやって来て焼き討ち中止を嘆願してきたのですが、上京からはやってきませんでした。それどころか、上京の張り紙には『お尻ぷりぷりりん』や『義昭最強』などという落書きが見られたため、上京の焼き討ちを本当に実行することにしたそうです」
「キュキュン(小学生か)」
「まあ、元より家臣団の間では上京だけ本当に焼き討ちをしよう、という案はあったようです。先の御老人が仰っていたように、上京には御所があり、住民の大半が幕臣や幕府を支持する商人などの富裕層ですので」
「義昭様に和睦を受け入れていただくには致し方なし、なのですね」
「そのようです」
得心いったという顔で帰蝶が言えば、足軽がうなずいてから返事をした。
「将軍様を降伏させる為にそこまでしなければならないなんて、戦国の世とはかくも世知辛きものなのですね」
そう言って帰蝶は開いた襖の外から見える空に視線をやった。ここではどこか遠くを見つめるその横顔はとても儚げで、思わずペロペロしたくなってしまう。
本当にペロペロしてみた。すると彼女はこちらを振り向き、
「プニ長様はいつもお優しいのですね」
なんて笑顔で言われてしまう。
この世界に日本のような法律はないし、そもそも俺は犬だから逮捕されることはない……と思ってやっただけに、罪悪感が胸を貫いた。
その様子を見守っていたお市が、厳しい視線をこちらに向ける。
「義姉上、それ汚いからやめさせた方がいいわよ」
「もう、お市ちゃんったらまたそんなこと言って。モフ政様だってなさることはあるでしょ?」
「うちに来たばかりの頃にやってたから、叩いて躾けたに決まってるじゃない」
な、なんてことをしやがるんだ。もしここが日本だったら真っ先に動物愛護団体が出て来そうな案件じゃねえか。
でも、ここは異世界。そんな団体はいやしない。つまり、自分の身を守るためにも帰蝶やお市はなるべく怒らせない方がいいということだ。ペロペロもあと一回くらいにしておこう……。
あと、モフ政が不憫すぎる。
とか何とか考えていると、お市が立ち上がってこちらに歩み寄り、座りながら俺の両頬を掴んだ。
「このスケベ犬、次にやったらお仕置きだからね」
「ヒュヒュンヒュン(ごめんなさいもうしません)」
むにーっと伸びていく俺の頬。そしてそれを見つめるお市の瞳は潤んでいる。この子、肉球とかよりも頬をプニプニとかムニムニする方が好きなのかしら。
そこで場の空気が弛緩しきったのを見計らった足軽が、会話の空くタイミングで声を掛けてきた。
「ご報告は以上ですので、私は京に戻ります」
「はい、ご苦労様でした」
ムニムニされながら、足軽が去っていく足音を聞いていた。
美濃に戻ってから数日が経った頃、俺たちの元に、京にいる織田軍からやって来た伝令役の足軽がそんなことを言い出した。
「どうしてまたそのようなことを……」
帰蝶が悲痛な面持ちでそのように問う。
場は帰蝶の屋敷にある来客用の部屋的なところ。やや広い畳の敷き詰められた空間に、俺と帰蝶、お市とモフ政、そして足軽が円になるように座っている。
曰く。予想通り、義昭は和睦交渉を受け入れなかったらしい。それどころか、京にある織田軍の将の屋敷を包囲して焼き払ったそうだ。
「ところが、柴田様を始めとした家臣団はこれにも耐え、義昭様を直接攻撃なさるというご決断を下しませんでした」
「短気なあいつらが、今回はやけに頑張るわね」
お市の身も蓋もない物言いにも動じることはなく、足軽は応じる。
「プニ長様や六助様がいらっしゃらないので、織田家のことを想い、慎重にことを運ぼうとなされているものかと」
「キュキュン(いつもそうしてくれよ)」
「とはいえ、そんな状況で黙っているわけにもいきません。止むを得ず織田軍は、『義昭殿がこのまま和睦を受け入れなかった場合、上京と下京を焼き討ちにする』という張り紙を京都の街に出しました」
「住民の皆様はさぞ動揺なされたことでしょうね」
帰蝶が心配そうに言った。
「ちなみに、上京と下京と言うのは京の北側、南側のことじゃ。概ね二条通以北が上京、以南が下京とされておる。上京には主に幕臣や幕府を支持する商人を始めとした富裕層が多く住んでおって、御所もこちらにあるのぉ。対して下京は商業地区で、一般市民の大半もここに住んでおるのじゃ」
ふむふむなるほど、まあある程度は知ってたけど……って、このじいさん誰?
知らないおじいさんがいつの間にか俺たちのいる部屋に入り込み、我が物顔で京都の街についての解説をしていた。いや、こいつまじで誰だよ。
「あら、おじいさん。こんにちは」
声で不審者の存在に気付いた帰蝶が、背後を振り返り笑顔で挨拶をする。どうやら知り合いらしい。
誰? と訴えかけるように首を傾げて帰蝶を見つめていると、彼女は俺をひょいと両手で拾い上げて抱っこしてから説明してくれた。
「この近所に住んでいるおじいさんです。自分の家と間違えてたまに入ってくるんですよ」
どちらにしろ不審者なことには変わりがなかった。この世界に日本のような法律はないとはいえ不法侵入だし、もし信長が生きていたら斬られていたと思う。
帰蝶の屋敷ってのは早い話が故信長の屋敷だからな。
頭角を表す前に亡くなったとはいえ、彼、日本では魔王とか呼ばれてた存在だからね。歴史に詳しい人からしたら色んな意見があるんだろうけど、俺には「容赦のないめっちゃ怖い人」くらいの印象しかない。
「これはこれは帰蝶さん、こんにちは。うちに遊びに来てくれたのかのぉ」
「いやいや、あんたが間違って入って来たんでしょもう……いつもめんどくさいんだから」
帰蝶の代わりにお市が呆れ顔でそう言うと、背後を振り返って口に手を添えながら声を張り上げた。
「ちょっと誰か、おじいさんを家に帰してあげて!」
「はいはい。またおじいさんですか」
どこからともなくお市の侍女らしき女の人がやってくる。
この屋敷の主な住人は帰蝶とお市なので、仕える人も女性しかいない。その為、あたかも男子禁制の花園のような形になってしまっていた。
「本当に帰蝶さんは若い頃のばあさんに似て美人でのぉ」
「その話は何度も聞きましたから。ほら、行きますよ」
侍女に腕を取られ、おじいさんは去っていった。本当に何だったんだ。
不審者の背中が消えるのを見てから、想定外の事態に固まって動けなくなっていた足軽の時が、ようやく動き出す。一つ咳ばらいをしてから口を開いた。
「え、ええと、もうよろしいのでしょうか。どこまでご報告を申し上げたのかわからなくなってしまいましたが」
「京の街中に焼き討ちをするとの張り紙を出した、というところまでだったかと」
「ああ、そうでした」
帰蝶から教えてもらい、照れて頭の後ろに手をやってから、足軽は表情を引き締めつつ語り出した。
「張り紙が出されると、すぐに下京からの代表者らが織田軍の元を訪れ、銀を携えて焼き討ちの中止を嘆願して来ました」
「そりゃそうでしょうね。家を焼かれたら困るもの」
お市の言葉に、足軽が一つうなずく。
「ええ、その通りです。あくまで義昭に対する警告や降伏を促す意味での張り紙だったので、元より織田軍に焼き討ちの意志はありませんでした。銀は受け取らずに下京の焼き討ちを中止すると、代表者には伝えました」
「銀くらい貰っとけばよかったじゃない」
「正直、私もお市様と同じことを考えたものですが……明智様曰く、織田家が京を領有した時の為に、民衆には被害を出さない方がよいものと」
まあ、それはそうだろう。民衆から恨みを買っては反乱の恐れがあるし、とにかく火種は作らないにこしたことはない。
というか、俺的には単純に可哀想だからやめて正解だったと思う。
「じゃあ、何で上京は焼き討ちにするのよ」
「先程申し上げました通り、下京からは代表者がやって来て焼き討ち中止を嘆願してきたのですが、上京からはやってきませんでした。それどころか、上京の張り紙には『お尻ぷりぷりりん』や『義昭最強』などという落書きが見られたため、上京の焼き討ちを本当に実行することにしたそうです」
「キュキュン(小学生か)」
「まあ、元より家臣団の間では上京だけ本当に焼き討ちをしよう、という案はあったようです。先の御老人が仰っていたように、上京には御所があり、住民の大半が幕臣や幕府を支持する商人などの富裕層ですので」
「義昭様に和睦を受け入れていただくには致し方なし、なのですね」
「そのようです」
得心いったという顔で帰蝶が言えば、足軽がうなずいてから返事をした。
「将軍様を降伏させる為にそこまでしなければならないなんて、戦国の世とはかくも世知辛きものなのですね」
そう言って帰蝶は開いた襖の外から見える空に視線をやった。ここではどこか遠くを見つめるその横顔はとても儚げで、思わずペロペロしたくなってしまう。
本当にペロペロしてみた。すると彼女はこちらを振り向き、
「プニ長様はいつもお優しいのですね」
なんて笑顔で言われてしまう。
この世界に日本のような法律はないし、そもそも俺は犬だから逮捕されることはない……と思ってやっただけに、罪悪感が胸を貫いた。
その様子を見守っていたお市が、厳しい視線をこちらに向ける。
「義姉上、それ汚いからやめさせた方がいいわよ」
「もう、お市ちゃんったらまたそんなこと言って。モフ政様だってなさることはあるでしょ?」
「うちに来たばかりの頃にやってたから、叩いて躾けたに決まってるじゃない」
な、なんてことをしやがるんだ。もしここが日本だったら真っ先に動物愛護団体が出て来そうな案件じゃねえか。
でも、ここは異世界。そんな団体はいやしない。つまり、自分の身を守るためにも帰蝶やお市はなるべく怒らせない方がいいということだ。ペロペロもあと一回くらいにしておこう……。
あと、モフ政が不憫すぎる。
とか何とか考えていると、お市が立ち上がってこちらに歩み寄り、座りながら俺の両頬を掴んだ。
「このスケベ犬、次にやったらお仕置きだからね」
「ヒュヒュンヒュン(ごめんなさいもうしません)」
むにーっと伸びていく俺の頬。そしてそれを見つめるお市の瞳は潤んでいる。この子、肉球とかよりも頬をプニプニとかムニムニする方が好きなのかしら。
そこで場の空気が弛緩しきったのを見計らった足軽が、会話の空くタイミングで声を掛けてきた。
「ご報告は以上ですので、私は京に戻ります」
「はい、ご苦労様でした」
ムニムニされながら、足軽が去っていく足音を聞いていた。
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