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女冒険者サナ
エピローグ
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人でごった返す露天通りを、カインに手を引かれて歩く。
ただでさえ人で溢れかえる道を履き慣れないパンプスと長スカートで歩いているのだから、何度か逸れたり転びかけたりしているうちに見ていられなくなったカインが手を繋いできたのだ。
モルズ教団との戦いで壊された露天通りは数ヶ月で復活したようで、前よりも大規模になっていた。
「そんなにキョロキョロしていたらまた逸れるぞ」
「ガッチリ手を繋いで言う台詞じゃないよ、それ……」
繋いだ手は当然のように指を絡めた恋人繋ぎ。
おかげで通行人から店主に至るまで冷やかしの口笛を吹かれて恥ずかしい。
結局、地吹雪が止んだ後もなんだかんだ引き止められ、年が明けて数日経った今日に至るまで外に出られなかった。
それもこれも、私の隣を歩くカインが立ち上がらなくなるまで抱き潰すからに他ならない。
ベッドの上で腰の痛みに呻いている間に準備は着々と進められ、気がつけば後は結婚式を挙げるだけとなっていた。
相変わらず準備が早い彼だったが、結婚式のドレスだけは自分で決められなかったらしい。
それでも候補を絞っていたようで、そのドレスを実際に見て決めてきて、今はその帰り道である。
「大抵の食材はもう買ったな」
「卵のストックあったっけ?」
「昨日買った」
折角なので露天通りで食材を買って帰ろうという話になったのだ。
仕事のない日は専ら二人で過ごすことが多く、暇を持て余した私はとりあえずカインの家にあった料理本の再現に凝っていた。
大食漢のカインのおかげで作り過ぎて余らせるということがないので気兼ねなく料理を作れてしまう。
なし崩しではあったが、誰かと住むというのは案外心が安らぐものだった。
「今日の夕食は何にするか……この前食べたステーキも良いが東のチャーハンというのも悪くない……」
先ほど昼食を食べたばかりだというのに、もう夕食の献立を考えている。
麗かな日差しのしたでカインの金髪が春風に揺れ、蒼く輝く瞳が柔らかく弧を描く。
「サナは今日、何が食べたい?」
「ん~……久しぶりにカインのアクアパッツァが食べたいかな」
「そうか、春野菜も安くなっていたからついでに買っていくか」
上機嫌に買い物のリストを更新するカイン。
過ごす時間が増えて、これまで知らなかった彼の仕草やら癖が分かってきた。
周りに誰もいない時、実は鼻歌を歌っていること。
考えをまとめたいときは独り言を呟くこと。
食べることが好きで、特にオムライスが好物だということ。
そして、意外にも甘えるのも甘やかすのも上手いということ。
彼の一面が垣間見えるたびに端正な顔立ちに拍車がかかってしまうのだから、とことんずるい人間なのだ。
そんな彼に数日間という猶予を与えてしまったが故に、絆されるのにそう時間は掛からなかった。
けっして私がチョロいわけではないはずだ、多分。
「一通り必要な物は買ったが、他に何か必要なものはないか?」
「ううん、特にないかな」
「じゃあ、帰るか」
購入した品物を空間魔法に収納したカインが家に向かって歩き始める。
その彼の横で手を繋ぎながら歩く。
履き慣れない靴と長いパステルカラーのスカートや首まで詰めたシャツは彼から借りたものだ。
「……む」
カインがこちらを見ていた通行人の一人に気がついて鋭く視線を向ける。
通行人の姿を確認するよりも早く進行方向を変えられて、もつれる足で懸命に歩みを合わせる。
露天通りから二つほど道を離れた所まで早歩きというかほぼ小走りで移動する。
「やっぱり外は良くないな。春や夏は出歩く人が多い」
通りを歩く人が斑になった頃にようやく速度を緩めてくれた。
すっかり乱れた息を整えながら彼の顔を見上げれば、冷たい蒼と視線が絡み合う。
「……何か言いたげだな」
「私、そんなに浮気性に見える?」
「余裕が無くて悪かったな」
私が出歩くことに対してカインはあまり良い顔をしない。
理由を聞けば『男がいるから』という私にはどうしようもないものを挙げた。
なんでも、他の男が私を見るのが嫌だと言う。
信頼がないことにほんの少し寂しさを覚えながら揶揄い混じりに指摘すると彼はそっぽ向いていじけてしまった。
全身彼の跡塗れ、香水から服に至るまで彼の好みで統一しているという私に手を出す男などまずこの街にいないというのに、それでも彼は安心できないらしい。
その証拠に、繋いでいる手は彼の不安を現すように力が籠る。
私としては、社会的に立場があり、貴族出身かつ端正な顔立ちという玉の輿を狙う女性から見たら超優良物件の彼がいつか盗られるんじゃないかと不安で堪らない。
この前、それとなく近いニュアンスで彼に伝えた所『滾ってきた』と宣って一晩中啼かされたのでもう二度と口にはしないが。
「いじけないでよ、カイン。ほら、早く帰って夕食の準備済ませちゃおうよ?」
「俺は、断じて、いじけてなどいない」
「はいはい、そうですねー」
「信じてないな」
先ほどまでの上機嫌はどこへやら、恨みがましい目で私を見下ろす姿は身長に反して大変子供らしい。
思わずクスリと笑ってしまえば、彼から言葉にこそしないが非難の眼差しが一層強くなる。
「カイン」
「……なんだ」
拗ねてしまったようで、いつになくぶっきらぼうに返答した。
「あと数ヶ月で私たち、本当に夫婦になるんだね」
「ああ、そうだな」
思えばこの数ヶ月間、本当に色んなことがあった。
神殿の調査に始まってモルズ教団との戦いもあったが、個人的にカインとこのような関係になったことに一番驚いている。
「……カイン」
「なんだ?」
「その……す、好きだからそんなに不安にならなくても大丈夫だよ」
自分で言っておきながら、語尾は震えて消えかけている。
自分の感情を相手に伝えるというのはこんなにも難しい。
「私たち、夫婦になるわけなんだし、その、毎日愛し合っているんだから……うん、つまりはそういうことだよ! よし、帰ろう!」
沈黙に耐えきれなくなって、彼の手をグイグイと引っ張りながら歩き出す。
「おっとと、あ~……サナ、俺も」
自覚できるほど顔に熱が集まり、往来に設置された窓ガラスには首や耳まで真っ赤になった私が映っていた。
「あ、愛してる……クソッ、こういうのは家のなかで、うう……」
遅れていたカインが私に歩みを合わせて隣を歩く。
窓ガラスに映った彼は私に負けず劣らず首まで赤くなっていた。
悪態を吐いていても手は離さない。
それどころかより一層、握る力が強くなった。
「楽しみだね、結婚式」
「そうだな、楽しみだ。六月が待ち遠しい」
そう言ってカインは目を細めて微笑む。
身寄りのいない私を気遣って、結婚式は当事者と司祭だけの小さな規模にしてくれた。
彼の実家からは怒涛のように兄二人に加えて妹のエリザベスや親、友人から抗議の手紙を受け取っていたが一喝して黙らせていたのは記憶に新しい。
「これからも末永くよろしくね。あ、あなた……」
「んんっ! お前、家に帰ったら覚えてろよッ……!」
「えっ!?」
夫婦らしい会話を試みたはずが、彼を怒らせてしまった。
ふるふると潤んだ瞳で睨みつけられて思わず身が竦む。
この眼差しで睨みつけられた日は、特に念入りに抱き潰されるのだ。
「せめて休憩は挟んでね……」
それでも逃げようという意思は微塵も湧いてこないのだから、我ながら相当カインに入れ込んでいるとつくづく思う。
明日の予定を組み直しながら、じんわりと暖かい彼の大きな手を握り返した。
家に帰るまでの道のりはそう長くない。
ただでさえ人で溢れかえる道を履き慣れないパンプスと長スカートで歩いているのだから、何度か逸れたり転びかけたりしているうちに見ていられなくなったカインが手を繋いできたのだ。
モルズ教団との戦いで壊された露天通りは数ヶ月で復活したようで、前よりも大規模になっていた。
「そんなにキョロキョロしていたらまた逸れるぞ」
「ガッチリ手を繋いで言う台詞じゃないよ、それ……」
繋いだ手は当然のように指を絡めた恋人繋ぎ。
おかげで通行人から店主に至るまで冷やかしの口笛を吹かれて恥ずかしい。
結局、地吹雪が止んだ後もなんだかんだ引き止められ、年が明けて数日経った今日に至るまで外に出られなかった。
それもこれも、私の隣を歩くカインが立ち上がらなくなるまで抱き潰すからに他ならない。
ベッドの上で腰の痛みに呻いている間に準備は着々と進められ、気がつけば後は結婚式を挙げるだけとなっていた。
相変わらず準備が早い彼だったが、結婚式のドレスだけは自分で決められなかったらしい。
それでも候補を絞っていたようで、そのドレスを実際に見て決めてきて、今はその帰り道である。
「大抵の食材はもう買ったな」
「卵のストックあったっけ?」
「昨日買った」
折角なので露天通りで食材を買って帰ろうという話になったのだ。
仕事のない日は専ら二人で過ごすことが多く、暇を持て余した私はとりあえずカインの家にあった料理本の再現に凝っていた。
大食漢のカインのおかげで作り過ぎて余らせるということがないので気兼ねなく料理を作れてしまう。
なし崩しではあったが、誰かと住むというのは案外心が安らぐものだった。
「今日の夕食は何にするか……この前食べたステーキも良いが東のチャーハンというのも悪くない……」
先ほど昼食を食べたばかりだというのに、もう夕食の献立を考えている。
麗かな日差しのしたでカインの金髪が春風に揺れ、蒼く輝く瞳が柔らかく弧を描く。
「サナは今日、何が食べたい?」
「ん~……久しぶりにカインのアクアパッツァが食べたいかな」
「そうか、春野菜も安くなっていたからついでに買っていくか」
上機嫌に買い物のリストを更新するカイン。
過ごす時間が増えて、これまで知らなかった彼の仕草やら癖が分かってきた。
周りに誰もいない時、実は鼻歌を歌っていること。
考えをまとめたいときは独り言を呟くこと。
食べることが好きで、特にオムライスが好物だということ。
そして、意外にも甘えるのも甘やかすのも上手いということ。
彼の一面が垣間見えるたびに端正な顔立ちに拍車がかかってしまうのだから、とことんずるい人間なのだ。
そんな彼に数日間という猶予を与えてしまったが故に、絆されるのにそう時間は掛からなかった。
けっして私がチョロいわけではないはずだ、多分。
「一通り必要な物は買ったが、他に何か必要なものはないか?」
「ううん、特にないかな」
「じゃあ、帰るか」
購入した品物を空間魔法に収納したカインが家に向かって歩き始める。
その彼の横で手を繋ぎながら歩く。
履き慣れない靴と長いパステルカラーのスカートや首まで詰めたシャツは彼から借りたものだ。
「……む」
カインがこちらを見ていた通行人の一人に気がついて鋭く視線を向ける。
通行人の姿を確認するよりも早く進行方向を変えられて、もつれる足で懸命に歩みを合わせる。
露天通りから二つほど道を離れた所まで早歩きというかほぼ小走りで移動する。
「やっぱり外は良くないな。春や夏は出歩く人が多い」
通りを歩く人が斑になった頃にようやく速度を緩めてくれた。
すっかり乱れた息を整えながら彼の顔を見上げれば、冷たい蒼と視線が絡み合う。
「……何か言いたげだな」
「私、そんなに浮気性に見える?」
「余裕が無くて悪かったな」
私が出歩くことに対してカインはあまり良い顔をしない。
理由を聞けば『男がいるから』という私にはどうしようもないものを挙げた。
なんでも、他の男が私を見るのが嫌だと言う。
信頼がないことにほんの少し寂しさを覚えながら揶揄い混じりに指摘すると彼はそっぽ向いていじけてしまった。
全身彼の跡塗れ、香水から服に至るまで彼の好みで統一しているという私に手を出す男などまずこの街にいないというのに、それでも彼は安心できないらしい。
その証拠に、繋いでいる手は彼の不安を現すように力が籠る。
私としては、社会的に立場があり、貴族出身かつ端正な顔立ちという玉の輿を狙う女性から見たら超優良物件の彼がいつか盗られるんじゃないかと不安で堪らない。
この前、それとなく近いニュアンスで彼に伝えた所『滾ってきた』と宣って一晩中啼かされたのでもう二度と口にはしないが。
「いじけないでよ、カイン。ほら、早く帰って夕食の準備済ませちゃおうよ?」
「俺は、断じて、いじけてなどいない」
「はいはい、そうですねー」
「信じてないな」
先ほどまでの上機嫌はどこへやら、恨みがましい目で私を見下ろす姿は身長に反して大変子供らしい。
思わずクスリと笑ってしまえば、彼から言葉にこそしないが非難の眼差しが一層強くなる。
「カイン」
「……なんだ」
拗ねてしまったようで、いつになくぶっきらぼうに返答した。
「あと数ヶ月で私たち、本当に夫婦になるんだね」
「ああ、そうだな」
思えばこの数ヶ月間、本当に色んなことがあった。
神殿の調査に始まってモルズ教団との戦いもあったが、個人的にカインとこのような関係になったことに一番驚いている。
「……カイン」
「なんだ?」
「その……す、好きだからそんなに不安にならなくても大丈夫だよ」
自分で言っておきながら、語尾は震えて消えかけている。
自分の感情を相手に伝えるというのはこんなにも難しい。
「私たち、夫婦になるわけなんだし、その、毎日愛し合っているんだから……うん、つまりはそういうことだよ! よし、帰ろう!」
沈黙に耐えきれなくなって、彼の手をグイグイと引っ張りながら歩き出す。
「おっとと、あ~……サナ、俺も」
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遅れていたカインが私に歩みを合わせて隣を歩く。
窓ガラスに映った彼は私に負けず劣らず首まで赤くなっていた。
悪態を吐いていても手は離さない。
それどころかより一層、握る力が強くなった。
「楽しみだね、結婚式」
「そうだな、楽しみだ。六月が待ち遠しい」
そう言ってカインは目を細めて微笑む。
身寄りのいない私を気遣って、結婚式は当事者と司祭だけの小さな規模にしてくれた。
彼の実家からは怒涛のように兄二人に加えて妹のエリザベスや親、友人から抗議の手紙を受け取っていたが一喝して黙らせていたのは記憶に新しい。
「これからも末永くよろしくね。あ、あなた……」
「んんっ! お前、家に帰ったら覚えてろよッ……!」
「えっ!?」
夫婦らしい会話を試みたはずが、彼を怒らせてしまった。
ふるふると潤んだ瞳で睨みつけられて思わず身が竦む。
この眼差しで睨みつけられた日は、特に念入りに抱き潰されるのだ。
「せめて休憩は挟んでね……」
それでも逃げようという意思は微塵も湧いてこないのだから、我ながら相当カインに入れ込んでいるとつくづく思う。
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