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第一章
未知との遭遇
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「はい、これ優の分ね」
「あ、ありがと……」
明梨が何を頼んだのかは知らないが……。
なんだ、これ。
商品名は……【サクラフラチーノ】??
名前からして意味不明だ。
ピンク色を基調とした華やかな色をしている。
上にはホイップクリームが盛り付けられていて、その上にピンク色のチップのようなものが大量に掛けられ、そのうえチョコレートソースやチョコレートチップまでのっている始末だ。
ていうかこれ、飲み物というよりパフェじゃね?
カロリー気にしてるみたいな会話してた割に、めちゃめちゃ攻めてくるよね?
つか値段高えよ!
大体800円くらい持ってかれたぞ!
1本の値段なのに!
2本じゃないのに!
レシートを見て驚いている僕を尻目に、明梨と玲は小さいストローでパフェのようなものを吸っている。
玲も明梨と同じようなものを頼んだみたいだ。
「「んま~~い!」」
「ぇ……」
「優も飲みなよ! 超美味しいよ!」
甘いといったのか美味いといったのかはわからないが、反応を見るからにかなり美味しいらしい。
正直、見た目に圧倒されてあまり気は進まないが、せっかく明梨がクーポンみたいなものを使ってくれたのだから、飲まないのも申し訳ない。
意を決して、口をつける。
「……うまいな」
「でしょ!?」
僕は一口目の味に衝撃を受け、すぐにもう一度口をつける。
「なんだこれ、桜桃の甘さと苺の甘酸っぱさが絶妙にマッチしてるうえに、ほろ苦いチョコレートが全体の味を引き締めてる。 それに、コクのあるホイップクリームがその味を引き立て、まろやかな口当たりがクセになる……。 なんでこんな美味しいものを教えてくれなかったんだよ!」
「うん。 すごく気に入ってもらえて良かったよ。 これは先週あたりから発売されたばかりの新作で、春をイメージしたものなんだってさ!」
「こんなことなら本を買うお金を少し節約してこっちにも回したのに……」
「一瞬でお金吹き飛んじゃうんじゃない?」
「そんなに飲まない! ……と思う」
「いや言い切ろうよそこは」
たっぷりこの飲み物を堪能したあと、ふと目をやると店の中央にある長方形の机で多くの人が何かに真剣そうに取り組んでいるのを見つけた。
「ねえ、あれって何してるの?」
僕の素朴な疑問に明梨は答える。
「あそこは、勉強だったり仕事だったりをやるスペースだよ。 平日は私たちが今座っているようなところでも勉強出来るんだけど、休日とか祝日になるとこの店はよく混むから、勉強とかをするのはあの机だけっていうルールがあるの」
「へえ、ここで勉強することもできるのか。 たしかに、こういう落ち着いた雰囲気で勉強するのはすごく捗りそうだな」
そういえばテストも近いことだし、近場にもこのカフェはあるだろうからそこで勉強してみようか。
そう思っていると、ちょうど玲が口を開いた。
「じゃあ、このメンバーで勉強でもする?」
「あ、それ賛成! 私と玲と優で、学校の最寄り駅のところで勉強会しようよ! きっと楽しいよ!」
「優はどう?」
2人とも唐突に振り向いて、僕の顔を見てくる。
勉強は1人でやる派だが、こういう機会があるのだったらやってみるのもいいかもしれない。
食わず嫌いで物を語るのはナンセンスだ。
「僕もちょうどやりたいと思ってたよ。 部活はどうせ暇だし、折角ならやろう」
「決まりね!」
こうして、トントン拍子で場所と日時が決まり、またカフェに3人は集うことになった。
「あ、ありがと……」
明梨が何を頼んだのかは知らないが……。
なんだ、これ。
商品名は……【サクラフラチーノ】??
名前からして意味不明だ。
ピンク色を基調とした華やかな色をしている。
上にはホイップクリームが盛り付けられていて、その上にピンク色のチップのようなものが大量に掛けられ、そのうえチョコレートソースやチョコレートチップまでのっている始末だ。
ていうかこれ、飲み物というよりパフェじゃね?
カロリー気にしてるみたいな会話してた割に、めちゃめちゃ攻めてくるよね?
つか値段高えよ!
大体800円くらい持ってかれたぞ!
1本の値段なのに!
2本じゃないのに!
レシートを見て驚いている僕を尻目に、明梨と玲は小さいストローでパフェのようなものを吸っている。
玲も明梨と同じようなものを頼んだみたいだ。
「「んま~~い!」」
「ぇ……」
「優も飲みなよ! 超美味しいよ!」
甘いといったのか美味いといったのかはわからないが、反応を見るからにかなり美味しいらしい。
正直、見た目に圧倒されてあまり気は進まないが、せっかく明梨がクーポンみたいなものを使ってくれたのだから、飲まないのも申し訳ない。
意を決して、口をつける。
「……うまいな」
「でしょ!?」
僕は一口目の味に衝撃を受け、すぐにもう一度口をつける。
「なんだこれ、桜桃の甘さと苺の甘酸っぱさが絶妙にマッチしてるうえに、ほろ苦いチョコレートが全体の味を引き締めてる。 それに、コクのあるホイップクリームがその味を引き立て、まろやかな口当たりがクセになる……。 なんでこんな美味しいものを教えてくれなかったんだよ!」
「うん。 すごく気に入ってもらえて良かったよ。 これは先週あたりから発売されたばかりの新作で、春をイメージしたものなんだってさ!」
「こんなことなら本を買うお金を少し節約してこっちにも回したのに……」
「一瞬でお金吹き飛んじゃうんじゃない?」
「そんなに飲まない! ……と思う」
「いや言い切ろうよそこは」
たっぷりこの飲み物を堪能したあと、ふと目をやると店の中央にある長方形の机で多くの人が何かに真剣そうに取り組んでいるのを見つけた。
「ねえ、あれって何してるの?」
僕の素朴な疑問に明梨は答える。
「あそこは、勉強だったり仕事だったりをやるスペースだよ。 平日は私たちが今座っているようなところでも勉強出来るんだけど、休日とか祝日になるとこの店はよく混むから、勉強とかをするのはあの机だけっていうルールがあるの」
「へえ、ここで勉強することもできるのか。 たしかに、こういう落ち着いた雰囲気で勉強するのはすごく捗りそうだな」
そういえばテストも近いことだし、近場にもこのカフェはあるだろうからそこで勉強してみようか。
そう思っていると、ちょうど玲が口を開いた。
「じゃあ、このメンバーで勉強でもする?」
「あ、それ賛成! 私と玲と優で、学校の最寄り駅のところで勉強会しようよ! きっと楽しいよ!」
「優はどう?」
2人とも唐突に振り向いて、僕の顔を見てくる。
勉強は1人でやる派だが、こういう機会があるのだったらやってみるのもいいかもしれない。
食わず嫌いで物を語るのはナンセンスだ。
「僕もちょうどやりたいと思ってたよ。 部活はどうせ暇だし、折角ならやろう」
「決まりね!」
こうして、トントン拍子で場所と日時が決まり、またカフェに3人は集うことになった。
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