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第三章 ダンジョンメーカーのお仕事

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 食べ終えた食器を洗おうと、道具箱から金タライを取り出す。僕の両手で輪っかを作ったのより少し大きいぐらいのタライをノエルさん達が用意してくれた。

「洗い物するの? 僕も手伝うよ。練習したいし」

 ノエルさんが言うと、魔法師団の二人も興味を持ったみたいで、タライをみんなで囲んだ。

「副長、私達もやってみたいのですが」

 そう言って三人がかりで食器を洗い出したんだけど、魔法師団にいる人たちだけあって、ちょっと唱えただけでタライから水があふれ、乾かす為の風も強くって、洗い終えた時、三人とも疲れた顔をしていた。

「魔力は多ければ良いと思っていましたが、思っていた力加減と言うのはこんなにも難しいんですね……」

「予想以上の難易度でした……」

「そうなんだよ……」

 クリフさんは肩を竦ませて、戯けたように笑って見せたので、僕もこっそり笑った。



 交代で馬車を走らせるにしても、馬も休ませる必要がある。馬車は重いだろうし、荷物も積んでいるし、人も乗ってる。こんなに重いものを引っ張れるんだから、馬は偉大だと思う。
 騎士団の人たちが馬を馬車から離し、草が生い茂る場所に連れて行った。

 ノエルさん達魔法師団の三人は森の方に向かって、残ったクリフさんは剣を振る練習をしてる。さっき持たせてもらったけど、両手で抱えて持ってるだけで精一杯だった。それをあんな軽々と振るんだから、騎士って凄い。モンスターと戦うにはあれぐらい力が必要なんだね。

 フルールもあたりの草を食べ始める。それを横に座って眺めているうちにちょっとうとうとしてしまって、馬たちが帰って来た足音で目が覚めた。
 空の色が変わってる。ちょっとのつもりが結構眠ってしまったみたいだ。

「馬って、凄いですね」

 素直に感想を言うと、クリフさんが僕の頭を撫でた。

「あの馬達は、荷運びに特化している」

「荷運びに特化した馬?」

 そうだ、とクリフさんは頷く。

「馬車と荷物、人を運ぶとなると、速さを重視する馬では脚に負荷がかかり過ぎる。村にいた馬もきっと荷運びに適したものだったと思うぞ」

「そうなんですね」

 そういえば、村にいた馬も、今回の馬も、脚が太くて身体もがっしりしてる。

「その代わり早くは走れないから行程に時間はかかってしまうが、それもあながち悪い事ではなかったようだ」

 魔法師団の人たちとノエルさんが帰って来た。

「見て見て、食材を見つけて来たよ」

 キノコや野草、野生の野菜なんかを見つけて来てくれたみたいだった。

「凄い! こんなに沢山!」

「レンレンの本、不本意だけど役に立ったよ」

 苦笑いするノエルさんの隣で、魔法師団の人がレンレン様の本を手にして笑顔になった。
 なるほど、レンレン様の本を持って行ったんだ。
 鍛錬も兼ねて出かけてくると言っていたけど、鍛錬は出来たのかな。

「大分火が暮れました。少し行った先に休むのに丁度良い場所がありましたから、そこで今日は野営してはいかがでしょうか」

 騎士の人の言葉にみんなが頷いた。
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