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第三章 ダンジョンメーカーのお仕事
043-4
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ノエルさんとクリフさんの目を避けて向かってきたゴブリンが、僕目掛けて棍棒を振り上げる。
咄嗟にティール様にしがみ付いた僕の頭をティール様は撫でる。パシン、と言う不思議な音をさせてゴブリンの棍棒が弾かれる。ゴブリンは何度も棍棒を振り上げては僕に向かって振り下ろすけど、全部ティール様の作った結界と言うものに弾かれていた。
「これでも、一応魔術師長なんです、私。
ただ、守りは出来ても攻撃手段がないんですよねぇ」
あはは、とティール様は笑う。
「攻撃を跳ね返す機能とかは付けられないんですか?」
そう言うと、ティール様は手を叩いた。
「それなら出来そうです。どれぐらい返すかが難しいんですが、受けたダメージを反転させてそのまま返せば良いだけですからね。次回は移動式結界と、反撃を結界に搭載させてみますねー」
……多分、とても難しいことだと思うのに、あっさりと言ってしまうティール様は、みんなが言う通り魔術師として優秀なんだと思う。
「あんまり外に出るのは好きではありませんし、今回は素材収集の為に付いて来ましたが、やはり現地でなければ分からないことがありますね。大変興味深いです」
にこにことティール様は言ってるけど、その間もゴブリンは必死に僕たちを攻撃してて……なんて言うか、ティール様といると、拍子抜けするって言うのか。
粗方ゴブリンを倒し終えたのか、ノエルさんがこっちを向いて手から炎を飛ばしてきた。炎が当たったゴブリンは悲鳴をあげてその場に倒れる。
「うーん、モンスターの断末魔も結構不快ですねぇ。防音機能も付けたいです」
「それだとノエルさんとクリフさんから話しかけられた場合に困ります」
「そうなんですよねぇ……耳栓ですかねぇ、やっぱり」
いや、それも駄目かな……。
ノエルさんとクリフさんが戻って来た。
見るとゴブリンは跡形もなくいなくなっていた。
「随分いましたねぇ、ダンジョンの大きさの割に」
「ゴブリンは集団で行動をするし、繁殖力も高いからな、一つの群れとしてはこんなものだ」
なるほどなるほど、と頷きながらティール様はゴブリンの死骸を突く。
「これ、今から解体するの?」
かなり時間かかるよ? とノエルさんがうんざりしたように言うと、ティール様はまさかぁ、と手を横に振る。
「全部転送しますよー」
懐から取り出した術符を近くの壁に貼ると、大きな穴が出来た。
「アシュリーやフルールのお陰で、転移の術符を極めてきましたからね」
ご機嫌な様子でティール様はゴブリンの死骸を引きずってその穴の中に放り投げる。吸い込まれるようにして穴の中に消えていくゴブリン。
「転移させたゴブリンの死骸を、魔術師達に分解させるのか」
「これなら時間もかかりませんし、素材も無駄にならないでしょう? 私一人じゃ時間がかかるだけですからね」
納得したのかクリフさんがゴブリンを持ち上げては穴に投げていく。ノエルさんもゴブリンを引きずっていって、穴に入れていく。
僕もやろうとしたら止められた。
すべてのゴブリンの死骸を穴に放り投げ終えると、ティール様が満面の笑みで言う。
「いやぁ、これは病みつきになりそうです。ドラゴンやオーガなんかもいけるかも?!」
「無理でしょ」
「無理だ」
クリフさんとノエルさんに否定される。
「穴が小さいし、僕らだって傷を最小限にした戦いなんて出来る訳ない」
ノエルさんの言葉にクリフさんが無言で頷くと、ティール様はがっくりと肩を下ろす。
「世の中そんなに甘くないんですね……」
咄嗟にティール様にしがみ付いた僕の頭をティール様は撫でる。パシン、と言う不思議な音をさせてゴブリンの棍棒が弾かれる。ゴブリンは何度も棍棒を振り上げては僕に向かって振り下ろすけど、全部ティール様の作った結界と言うものに弾かれていた。
「これでも、一応魔術師長なんです、私。
ただ、守りは出来ても攻撃手段がないんですよねぇ」
あはは、とティール様は笑う。
「攻撃を跳ね返す機能とかは付けられないんですか?」
そう言うと、ティール様は手を叩いた。
「それなら出来そうです。どれぐらい返すかが難しいんですが、受けたダメージを反転させてそのまま返せば良いだけですからね。次回は移動式結界と、反撃を結界に搭載させてみますねー」
……多分、とても難しいことだと思うのに、あっさりと言ってしまうティール様は、みんなが言う通り魔術師として優秀なんだと思う。
「あんまり外に出るのは好きではありませんし、今回は素材収集の為に付いて来ましたが、やはり現地でなければ分からないことがありますね。大変興味深いです」
にこにことティール様は言ってるけど、その間もゴブリンは必死に僕たちを攻撃してて……なんて言うか、ティール様といると、拍子抜けするって言うのか。
粗方ゴブリンを倒し終えたのか、ノエルさんがこっちを向いて手から炎を飛ばしてきた。炎が当たったゴブリンは悲鳴をあげてその場に倒れる。
「うーん、モンスターの断末魔も結構不快ですねぇ。防音機能も付けたいです」
「それだとノエルさんとクリフさんから話しかけられた場合に困ります」
「そうなんですよねぇ……耳栓ですかねぇ、やっぱり」
いや、それも駄目かな……。
ノエルさんとクリフさんが戻って来た。
見るとゴブリンは跡形もなくいなくなっていた。
「随分いましたねぇ、ダンジョンの大きさの割に」
「ゴブリンは集団で行動をするし、繁殖力も高いからな、一つの群れとしてはこんなものだ」
なるほどなるほど、と頷きながらティール様はゴブリンの死骸を突く。
「これ、今から解体するの?」
かなり時間かかるよ? とノエルさんがうんざりしたように言うと、ティール様はまさかぁ、と手を横に振る。
「全部転送しますよー」
懐から取り出した術符を近くの壁に貼ると、大きな穴が出来た。
「アシュリーやフルールのお陰で、転移の術符を極めてきましたからね」
ご機嫌な様子でティール様はゴブリンの死骸を引きずってその穴の中に放り投げる。吸い込まれるようにして穴の中に消えていくゴブリン。
「転移させたゴブリンの死骸を、魔術師達に分解させるのか」
「これなら時間もかかりませんし、素材も無駄にならないでしょう? 私一人じゃ時間がかかるだけですからね」
納得したのかクリフさんがゴブリンを持ち上げては穴に投げていく。ノエルさんもゴブリンを引きずっていって、穴に入れていく。
僕もやろうとしたら止められた。
すべてのゴブリンの死骸を穴に放り投げ終えると、ティール様が満面の笑みで言う。
「いやぁ、これは病みつきになりそうです。ドラゴンやオーガなんかもいけるかも?!」
「無理でしょ」
「無理だ」
クリフさんとノエルさんに否定される。
「穴が小さいし、僕らだって傷を最小限にした戦いなんて出来る訳ない」
ノエルさんの言葉にクリフさんが無言で頷くと、ティール様はがっくりと肩を下ろす。
「世の中そんなに甘くないんですね……」
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