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第三章 ダンジョンメーカーのお仕事

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「さっきの話ですが」

 ノエルさんが話し始める。
 パフィの言ったことが気になってるみたい。

「賛成です。
あの国の魔術師の扱いは非道だった」

 思い出して眉間にしわを寄せるノエルさん。
 本当はもっと助けたかったけど、出来なくてナインさんだけでもと連れて帰って来た。

『滅ぼすのか、存続させるのかを決めろ。
南もだ』

 南もですか、と答えて困った顔を見せるけど、驚いた様子ではないから、ノエルさんも考えてはいることなんだろうか、もしかして。

「滅ぼすのは無理ですね。多くの人がこの国に入り込んでしまう。存続させつつ、打撃を与える事を考えなくては」

 言いながらもスープがノエルさんの口に消えていく。
 いつも思うんだけど、この細い身体のどこに入っていくんだろう?

『何でも良い。民ごとまるっと滅ぼしても構わん』

 物騒なことを言ってのけるパフィに、ノエルさんは困った顔をする。

「パシュパフィッツェ様は、北と南を厭われてらっしゃるのですか?」

『どちらもいずれ、コレに気付く』

 コレ、と言いながら僕をしっぽで指す。

 僕の存在が知られたら……大変なことに、なりそうだなぁって、僕でも思う。
 北の国はクロウリーさんのこともあって、僕のことを許さないだろうな。でも、ダンジョン蜂のこともあるから、奴隷にされるんじゃないかな……。

「不自然ですからね、この国が北や南と交易せずともいられる事や、ダンジョン蜂の蜜、国の復興の速さなどが」

『そうだ。そうなった場合に、多くの魔術師が投入される。北が本腰を入れれば南とて気付く。
南の奴らならば平民を囲い込み己が国の犠牲にしてるとでも、嘯くだろうよ』

 パフィの言葉にノエルさんが眉間に皺を寄せる。

『どちらも上だけが屑なのだ。
それらを取っ払えば存外誰もが幸福になるかも知れんぞ?』

 にやりと笑ってパフィはぴょんとベンチから飛び降り、食堂を出て行った。

「パシュパフィッツェ様のおっしゃる事、ありかも知れないなぁ」

 ノエルさんの言葉にびっくりしてしまう。
 だってそれって、戦争になるってことじゃ……。

「北と南の国以外は、この周辺は穏やかな国が多いんだよね。だからどっちもいなくなってくれたら、本当に平和かも」

 うん、ありな気がする、と言ってノエルさんはスープを食べていく。
 ぺろりと平らげてから、「大丈夫、アシュリーが心配するような事は起きないようにするからね」と笑顔で言って、いなくなった。

 僕は思わず、隣に座ってるフルールに話しかけてしまった。

「どう思う? フルール……」
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