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第二章 マレビト

025-2

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 思っていた以上に、ラズロさんにも、ノエルさんにも、考えてもらっている事を知って、驚いている。
 僕がこのスキルを持っているのは、二人の所為じゃないのに、それなのに、あんな風に僕を守ろうとしてくれてることとか、僕の将来の事を考えてくれてると知って、申し訳ない気持ちもあるけど、嬉しいなって思ってしまう。
 そんな風に考えてくれるのは、家族だけだと思っていたから。
 毎日楽しく過ごせたら良いなって思ってたけど、このスキルをみんなの為に使えたらな、って考えるようになった。
 それと、悪いことには使わないって決意した。元々そんなつもりなかったけど、絶対に悪いことには使わないぞ、って言う強い決意が僕の中に出来た。

「帰ったぞー」

 ラズロさんが買い出しから戻って来たみたいだ。荷物が多いと、まず入り口で声をかけてくれる。
 荷物を運ぶのを手伝おうと、食堂の入り口まで迎えに行くと、たくさんの荷物がラズロさんの周りにあった。

「おかえりなさい」

 また、きゃべつみたいに一つのものがたくさんだったりするのかな?

「おぅ、アシュリー、今日は良いもんがあるぞ」

「良いもの?」

 にやりと笑ったラズロさんが取り出したのは、小さな瓶だった。蓋を開けて中を見せてくれる。
 金色のとろりとしたものが見える。瓶たっぷりのはちみつ!

「はちみつ!」

「そうだ」

「すごい! こんなに!」

 はちみつは村でもたまに食べることが出来たけど、みんなで分けるから直ぐになくなってしまう。
 パンにかけて食べたりも美味しいし、ミルクに入れても美味しい。

「何に使うか悩むな」

「はちみつと粒マスタードのソースを作って、肉にからめて食べるの、僕、大好きなんです」

「なんだそれ、絶対美味い奴だろ」

 ラズロさんの場合は、粒マスタードに反応した気がする。

「はちみつもなー、養蜂でも出来りゃあ定期的に手に入るんだろうが」

 ようほう?
 初めて聞く言葉。

「王都じゃ花が少ねえからな、養蜂は難しいだろうしな。蜂は警戒心も強いし刺されたら危ねぇし」

 言葉の感じからして、蜂を育てる、とか、そんな意味かな? 蜂って、育てられるものなのかな?
 蜂の巣を山で見つけると、刺されないように準備して、巣を手に入れてくる。刺されると危ないからって、みんな凄い厳重な格好をして取りに行ってたな。
 刺されてしまった人の為の薬とか、魔女と作って待ったのを思い出す。
 蜜を取り出した後の巣は、溶かしてろうそくにしたりもした。油と混ぜると、冷えて固まると丁度良い感じに固まって、使いやすくなるし、蜂の巣はとても便利なんだよね。

「アシュリーのテイムって、蜂にも使えんのか?」

「えっ?」

 蜂をテイム?!
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