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第一章 新しい生活の始まり
015-4
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ラズロさんやノエルさんから何度も言われていたから、僕がいた村が普通じゃない事は分かった。
異常なまでに清潔と言われるけど、誰だって不潔よりは清潔な方が好きだろうから、僕としては良い事だと思う。
「イースタンさんは、行商で色んな場所に行くんですよね?」
「そうだな」
「楽しそうではありますけど、大変そうですよね」
まぁな、とラズロさんが答える。
「イースタンの話に興味があるんなら、夜にでも宵鍋に行けば会えると思うぞ」
「え、良いんですか?」
僕は出身の村とこの王都しか知らないし、この王都からも出られない。
村にいる時は、いつか僕も外へ、と思ったりもした。
だからと言って外に出ようなんて思った事もなかったけど。多分、いつでも出られると思っていたんだと思う。
それが出来なくなって、逆に興味が湧いたと言うか。
「んじゃ、行こうぜ。ノエルは」
「勿論行くよ、アシュリーが行くんだから」
「おまえは過保護だなぁ。男には冒険は付き物だぞ?」
「なんの冒険をアシュリーにさせる気なの?」
ノエルさんがラズロさんをじっと見つめる。
「そんなの、色々あるだろうよ」
「絶対駄目だから」
……何の事かは分からないけど、この辺がラズロさんの信用の無さなんだろうなぁ。
「よぉ」
宵鍋でラズロさん、ノエルさん、僕の三人で食事をしていたら、イースタンさんがやって来た。顔見知りが多いみたいで、色んな人と挨拶をしてる。
「一緒させて」
「いいぞ。アシュリーがイースタンの話を聞きたいって言うから来たしな」
イースタンさんは僕を見る。
「そうなの?」
「ご迷惑でなければ」
「迷惑なんかじゃないよー。オレの話で良ければいくらでも聞いてー」
そう言ってイースタンさんは座った。
お店の女の人に、エールを、と注文する。
直ぐに運ばれて来たエールで、皆で乾杯をすると、イースタンさんはエールを一気に半分程飲んだ。凄い!
「ふはーっ! この為に生きてる!」
「違いない」とラズロさんが笑う。
大人になると、お酒の為に生きたくなるのかな……?
皆、翌日大変な事になるのに、止めないもんね。
料理をつまみながら、イースタンさんが僕を見る。
「アシュリーは行商に興味があるの?」
「行商と言うか、行った事の無い場所に興味があります」
ノエルさんが僕の頭を撫でた。
「アシュリーは、王都から出られないからね」
目をぱちぱちさせながら、何で?とイースタンさんが尋ねる。ノエルさんは首を横に振った。
「なるほどね」
それから、イースタンさんが行った事のある大きな都や、困った事、楽しかった事の話を聞かせてもらった。
びっくりする話や、おなかが痛くなるぐらい面白い話を聞かせてもらって、時間はあっという間に経った。
顔を上げた時にザックさんが積み上がったお皿を洗ってるのが目に入った。
「僕、ザックさんを手伝って来ますー」
「程々でいいからなー」
ザックさんの所に行くと、「お、来たな」とにやりと笑われた。
ザックさんにどんな味が好きかとか、城の厨房はどんな感じかと質問されたのを答えたり、僕は僕で宵鍋に来るお客さんの話を教えてもらいながらお皿を洗い続けた。
自分の意思で王都を出る事は出来ないけど、出れたとしても僕は大したスキルもないから大変になるだけで。
こうして話を聞かせてもらう方が安全で、僕には向いている気がした。
異常なまでに清潔と言われるけど、誰だって不潔よりは清潔な方が好きだろうから、僕としては良い事だと思う。
「イースタンさんは、行商で色んな場所に行くんですよね?」
「そうだな」
「楽しそうではありますけど、大変そうですよね」
まぁな、とラズロさんが答える。
「イースタンの話に興味があるんなら、夜にでも宵鍋に行けば会えると思うぞ」
「え、良いんですか?」
僕は出身の村とこの王都しか知らないし、この王都からも出られない。
村にいる時は、いつか僕も外へ、と思ったりもした。
だからと言って外に出ようなんて思った事もなかったけど。多分、いつでも出られると思っていたんだと思う。
それが出来なくなって、逆に興味が湧いたと言うか。
「んじゃ、行こうぜ。ノエルは」
「勿論行くよ、アシュリーが行くんだから」
「おまえは過保護だなぁ。男には冒険は付き物だぞ?」
「なんの冒険をアシュリーにさせる気なの?」
ノエルさんがラズロさんをじっと見つめる。
「そんなの、色々あるだろうよ」
「絶対駄目だから」
……何の事かは分からないけど、この辺がラズロさんの信用の無さなんだろうなぁ。
「よぉ」
宵鍋でラズロさん、ノエルさん、僕の三人で食事をしていたら、イースタンさんがやって来た。顔見知りが多いみたいで、色んな人と挨拶をしてる。
「一緒させて」
「いいぞ。アシュリーがイースタンの話を聞きたいって言うから来たしな」
イースタンさんは僕を見る。
「そうなの?」
「ご迷惑でなければ」
「迷惑なんかじゃないよー。オレの話で良ければいくらでも聞いてー」
そう言ってイースタンさんは座った。
お店の女の人に、エールを、と注文する。
直ぐに運ばれて来たエールで、皆で乾杯をすると、イースタンさんはエールを一気に半分程飲んだ。凄い!
「ふはーっ! この為に生きてる!」
「違いない」とラズロさんが笑う。
大人になると、お酒の為に生きたくなるのかな……?
皆、翌日大変な事になるのに、止めないもんね。
料理をつまみながら、イースタンさんが僕を見る。
「アシュリーは行商に興味があるの?」
「行商と言うか、行った事の無い場所に興味があります」
ノエルさんが僕の頭を撫でた。
「アシュリーは、王都から出られないからね」
目をぱちぱちさせながら、何で?とイースタンさんが尋ねる。ノエルさんは首を横に振った。
「なるほどね」
それから、イースタンさんが行った事のある大きな都や、困った事、楽しかった事の話を聞かせてもらった。
びっくりする話や、おなかが痛くなるぐらい面白い話を聞かせてもらって、時間はあっという間に経った。
顔を上げた時にザックさんが積み上がったお皿を洗ってるのが目に入った。
「僕、ザックさんを手伝って来ますー」
「程々でいいからなー」
ザックさんの所に行くと、「お、来たな」とにやりと笑われた。
ザックさんにどんな味が好きかとか、城の厨房はどんな感じかと質問されたのを答えたり、僕は僕で宵鍋に来るお客さんの話を教えてもらいながらお皿を洗い続けた。
自分の意思で王都を出る事は出来ないけど、出れたとしても僕は大したスキルもないから大変になるだけで。
こうして話を聞かせてもらう方が安全で、僕には向いている気がした。
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