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第一章 新しい生活の始まり
015-1
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「アシュリー、ごめんっ!」
食堂に駆け込んで来たノエルさんが、謝りながら僕に抱き付いてきた。
「ノエルさん? どうしたんですか?」
「ラズロから、アシュリーの冬服を買ったって教えられて! 僕達、村を出る時にアシュリーの冬用の服とか全然考えてなかったから」
ごめんね、と謝られる。
「大丈夫です。自分の事なのに考えてなかった僕の方が問題ですから」
ノエルさんとクリフさんは何も悪くない。
「おーい、アシュリー」
守衛さんがドアの所から声をかけてくれた。
「はーい」
守衛さんの元に向かう。ノエルさんも一緒だ。
「ロニタ村のパシュパシュという人から、荷物が届いてるぞ」
パシュパシュ?
…………あ、もしかして。
「パシュパフィッツェさんですか?」
「そんな名前だったかもしらん」と言って守衛さんが頷く。
「珍しい名前だね。パシュパフィッツェ?」
「魔女の名前です」
守衛さんに付いて行くと、荷車に載った大きな荷物が一つと、木箱だった。
僕の部屋に運び込み、荷ほどきをする。
「随分大きな荷物だね」
「ですね」
大きな荷物に触れてみる。柔らかさに手が沈む。
「!」
もしかしてコレ!
荷を包む布を解くと、布団と毛布があった。
「布団?」
「はい!」
布団に触る。羽毛布団のふかふかとした感触に、嬉しくなる。
「ロニタ村で使われてる布団です。それと毛布です」
「触っても良い?」
どうぞ、と答えると、ノエルさんはそっと羽毛布団に触れた。
「! えっ、何このフルールみたいな布団?!」
「羽毛布団です。もしかして打ち直してくれたのかも知れません」
新しく羽毛布団を作るのは大変だ。羽毛を集める所からやらなくちゃいけないんだから。布団がへたってきたら、打ち直しをして、羽毛を足して、外側の布を換える。
「これは、凄いね」
ネロがやって来て羽毛布団の上に乗る。ふかふかで気持ち良いのか、その上で丸まる。
「……アシュリーのお兄さんって、商人だったよね?」
「そうです」
兄さんがどうかしたかな?
「僕の実家は商売もしてるんだけどね」
頷く。
「この羽毛布団、ロニタ村とオプディアン家で専属契約を結ばせて欲しいんだ」
「専属契約?」
そう、と答えてノエルさんは話を続ける。
「この羽毛布団は、間違いなく貴族に売れる。大丈夫、村に取って不利になるような契約は絶対に結ばせないと約束するよ」
「うーん……僕は構わないですけど、それを決めるのは僕のじゃなくて、村の皆だと思います」
ノエルさんは笑って頷いて、「それはそうだけど、アシュリーの許可も欲しかったんだよ」と言った。
「僕はスキルから王都を出られませんから、王都でも布団が買えたら嬉しいなとは思います。あんまり、高くしないで下さいね?」
「分かった。アシュリーだけ特別価格ね」
そうじゃなくてですね?
「僕も欲しいな、この布団。出来たら来年の冬までに」
すっかり羽毛布団のふかふか具合を気に入ったらしいノエルさんは、何度も布団に触っていた。
食堂に駆け込んで来たノエルさんが、謝りながら僕に抱き付いてきた。
「ノエルさん? どうしたんですか?」
「ラズロから、アシュリーの冬服を買ったって教えられて! 僕達、村を出る時にアシュリーの冬用の服とか全然考えてなかったから」
ごめんね、と謝られる。
「大丈夫です。自分の事なのに考えてなかった僕の方が問題ですから」
ノエルさんとクリフさんは何も悪くない。
「おーい、アシュリー」
守衛さんがドアの所から声をかけてくれた。
「はーい」
守衛さんの元に向かう。ノエルさんも一緒だ。
「ロニタ村のパシュパシュという人から、荷物が届いてるぞ」
パシュパシュ?
…………あ、もしかして。
「パシュパフィッツェさんですか?」
「そんな名前だったかもしらん」と言って守衛さんが頷く。
「珍しい名前だね。パシュパフィッツェ?」
「魔女の名前です」
守衛さんに付いて行くと、荷車に載った大きな荷物が一つと、木箱だった。
僕の部屋に運び込み、荷ほどきをする。
「随分大きな荷物だね」
「ですね」
大きな荷物に触れてみる。柔らかさに手が沈む。
「!」
もしかしてコレ!
荷を包む布を解くと、布団と毛布があった。
「布団?」
「はい!」
布団に触る。羽毛布団のふかふかとした感触に、嬉しくなる。
「ロニタ村で使われてる布団です。それと毛布です」
「触っても良い?」
どうぞ、と答えると、ノエルさんはそっと羽毛布団に触れた。
「! えっ、何このフルールみたいな布団?!」
「羽毛布団です。もしかして打ち直してくれたのかも知れません」
新しく羽毛布団を作るのは大変だ。羽毛を集める所からやらなくちゃいけないんだから。布団がへたってきたら、打ち直しをして、羽毛を足して、外側の布を換える。
「これは、凄いね」
ネロがやって来て羽毛布団の上に乗る。ふかふかで気持ち良いのか、その上で丸まる。
「……アシュリーのお兄さんって、商人だったよね?」
「そうです」
兄さんがどうかしたかな?
「僕の実家は商売もしてるんだけどね」
頷く。
「この羽毛布団、ロニタ村とオプディアン家で専属契約を結ばせて欲しいんだ」
「専属契約?」
そう、と答えてノエルさんは話を続ける。
「この羽毛布団は、間違いなく貴族に売れる。大丈夫、村に取って不利になるような契約は絶対に結ばせないと約束するよ」
「うーん……僕は構わないですけど、それを決めるのは僕のじゃなくて、村の皆だと思います」
ノエルさんは笑って頷いて、「それはそうだけど、アシュリーの許可も欲しかったんだよ」と言った。
「僕はスキルから王都を出られませんから、王都でも布団が買えたら嬉しいなとは思います。あんまり、高くしないで下さいね?」
「分かった。アシュリーだけ特別価格ね」
そうじゃなくてですね?
「僕も欲しいな、この布団。出来たら来年の冬までに」
すっかり羽毛布団のふかふか具合を気に入ったらしいノエルさんは、何度も布団に触っていた。
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