66 / 145
透ルート 1章
ふたりの花嫁 7
しおりを挟む
式神と彩音さんを見送る遥さんは、彼らの姿が見えなくなるとこちらを向いた。穏やかに苦笑している。
「みんな早起きで参ったよ」
「……遥、依頼されとったな」
透さんに凄まれた遥さんは、弟を宥めるように愛想笑いをする。そして胸の辺りに両手を上げて掌を見せた。
「巻き込むつもりはなかったんだ。真宮さんが生き霊になって探すのは多分みさきちゃんだと思っておうちを訪ねただけだよ。このタイミングで透がみさきちゃんを連れ出してるなんて、思っていなかったんだ」
「そうですね。みさきさんは自宅にいれば結界に守られますから、真宮さんにお会いすることはなかったでしょう」
誠史郎さんの眼鏡の奥の切れ長の双眸が、冷たく鋭く透さんを見据えた。
不利な形勢だと判断した透さんは大きく両手を広げて私の方へ来る。
「みさきちゃーん。遥とセンセがいじめるー」
ぎゅっと抱きしめられたけれど、私はどこか上の空だった。下を向いて唇を噛む。
「みさきちゃん?」
「……どうしたら助けられますか?」
とても複雑な心境だった。この気持ちは傲慢だと、彩音さんに思われるかもしれない。
だけど同じ力を持っているから、何かできることがあるかもしれない。
私は産まれたときから守られていたけれど、彼女のように何も知らずに普通に生活している人もいる。
『白』の能力者はそれとわかる痣を持って産まれて来るのだけど、知識がなければ気がつかないそうだ。年齢を重ねると共にそれは消えてしまう。
彩音さんも、彼女の周りの人達も何も悪くないのに。『白』の血を持っていたから、それを利用したい人間の策略で大好きな人たちと引き離されたなんて。悲しいし、悔しかった。
「今のみさきちゃんではどうにもできへん」
透さんは胸に私の顔を埋めさせて、頭を撫でてくれる。言葉は厳しかったけれど、口調も大きな掌も優しかった。
「せやけど、いつかどうにかできるように、笑てくれてたら今はそれで十分や」
「透さん……」
珍しくまじめなことに驚いて顔を上げた。
「落ち込んでても何も変わらへんからな。へこんでる暇があったら、1個でもできることを自分でどうにか増やすしかない」
はにかんだように破顔する透さんから目が離せない。きっと透さんはそうしてきたから。そして精神的にも、術者としても強さを手に入れた。
「あかん、ヤメヤメ。説教くさいんも湿っぽいのも苦手やねん」
頬に少し赤みが射している。透さんは照れていた。それを隠すように右手で顔をぱたぱたと扇ぐ。それを見ると何だか胸の奥が温かくなった。
いつもの飄々としているけれど仕事には真摯で、スキンシップが積極的過ぎるところも、女の人に慣れているのも全部ひっくるめて透さんなんだ。
それで私は、そんな彼をもっと知りたいと思っている。透さんの特別な存在になりたいのに全てが未熟だから、透さんを取り巻くいろんなものに嫉妬していたんだと、こんな時に気づいてしまう。何という間の悪さだろう。
「遥も噛んどるし、あのおねーちゃんは自由の身にはなれるやろ」
には、という箇所で胸が潰れる。彩音さんはどれほどの辛い思いをしたのか、それは想像を絶する。
透さんの腰の辺りに腕を回して、シャツに顔を押しあてて涙を堪えた。彩音さんが少しでも心穏やかになれる日が、早く来てほしいと思った。
「みさきちゃん……」
私たちの横で誠史郎さんは小さく咳払いをした。はっとして、あわてて透さんから離れる。
「あの、遥さん」
いろんなものをごまかすために、私は遥さんの元へ駆け寄る。
彼が首を傾げると、緩くウェーブのかかった髪が僅かに揺れて、朝の光が跳ねた。
「彩音さんは……」
「僕は今回、あくまでお手伝いだからね。あちらで始末をつけてもらうしかない。現実的な落としどころは、告訴しない代わりに慰謝料と養子縁組の解消、それから接見禁止ぐらいだろうね。それでは割りに合わないぐらい、彼女は心も身体も傷つけられたけれど」
そんなもので彩音さんの傷や痛みは癒されない。
わかっていても何もできない。もどかしい。解決には時間がかかりそうだ。
「あの人手放した真宮さんとこは、今度こそみさきちゃんにチョッカイ出してきそうやな」
「それは大丈夫だと信じたいな。絶対、とは言いきれないけれどね」
遥さんは曖昧な微笑みを浮かべた。
「相手もそんなにバカじゃないと思うんだ。みさきちゃんに手を出したら黙ってないのは、真堂家だけじゃないってわかっただろうから」
そういえば透さんの詰問を遥さんは否定しなかった。彼に彩音さんの救出を頼んだ人がいるということだ。それも彩音さんではなく、私の関係者で。
「……それは」
誠史郎さんは何か言いかけて、私を一瞥して止めてしまった。
「誠史郎さん?」
「今は止めておきましょう」
そう言われると余計に気になってしまう。
誠史郎さんは柔らかく両眼を細めると、私の髪を撫でて踵を返す。今は話す気はないと言うことみたい。
「そろそろ朝食の時間ですから、戻りましょう」
「……誠史郎さんは聡いなあ」
少し嬉しそうに遥さんはひとりごち、誠史郎さんの後に続く。
バラの庭を先に行ってしまうふたつの背中を眺めていた。ここに留まって心の整理をつけたかった。
隣に透さんがやって来る。私より頭ひとつ分以上背の高い彼を見上げた。
「透さん……」
妖艶に微笑んだのでどうしたのだろうと考えた瞬間、不意打ちでキスをされた。呼吸を奪うように激しく貪られ、全身の力が抜けてしまう。
すぐ近くにあった小さなベンチを置いてあるドームの柱に、背中を押し付けられた。
首筋を端正な唇が滑り、鎖骨の辺りで止まったかと思うと強く吸われる。
「俺のって印」
肌に残った赤い痕を舐められると、何かが私の背筋を駆け上った。
「これでヤキモチ妬かんですむやろ?」
私の気持ちなんてお見通しだったみたいだ。
「こう見えて俺は一途やから、みさきちゃんが心配する必要なんか全くないんやけどなー」
甘くささやいた透さんは私を蹂躙するようなキスをしながら胸を揉みしだいてきた。
びっくりして身体が一瞬強張ったけれど、だんだん力が抜けてくる。
「ああっ……ぁん、透さん……っ! 止め……」
「みさきちゃん、やっぱりおっぱい大きいなー」
ニヤニヤしながら呟く透さんを軽くにらむ。
「セクハラです!」
私の抗議なんて歯牙にもかけないで、透さんは腰が立たなくなるほど甘い、とろけるようなキスをする。
「……んっ」
「そんなとろけた顔見せられたら、止まらへん」
息もできないくらい激しく、深くつながるキス。身も心もとろける繋がりがあるなんて知らなかった。
「舌、出して」
長いまつ毛が頬に落とした影があまりに妖艶で見惚れてしまう。
快感で真っ白な状態の脳は、透さんの言いなりに行動を促す。透さんに舌を叩きつけるように絡められ、吸い上げられると全身が甘くしびれた。
「ふ……、あ……っ」
「エエ声」
耳殻を舌でなぞられてぞくぞくしてしまう。
こんな快楽、忘れられるはずがない。私の全てが、もっともっと透さんを欲しがっている。
だけどそれを何とか気合でねじ伏せた。
今は振り回されっぱなしかもしれない。だけどいつか。
「……覚悟していてください」
わずかな隙に、透さんの唇に触れる軽いキスをした。反撃をされるとは思っていなかったみたいで、透さんは目をぱちくりさせている。
彼の腕から抜け出して背中側へ移動した。後ろから抱きつく。
「いつまでも透さんの思い通りじゃないですから」
広い背中に呟いて、するりと離れた。いつかきっと、透さんを振り回すぐらい強い女になると決意する。
数歩進んでから振り返ると、透さんは私を見て柔らかく両眼を細めていた。
「楽しみにしてるわ」
大人の余裕たっぷりだった。
「みんな早起きで参ったよ」
「……遥、依頼されとったな」
透さんに凄まれた遥さんは、弟を宥めるように愛想笑いをする。そして胸の辺りに両手を上げて掌を見せた。
「巻き込むつもりはなかったんだ。真宮さんが生き霊になって探すのは多分みさきちゃんだと思っておうちを訪ねただけだよ。このタイミングで透がみさきちゃんを連れ出してるなんて、思っていなかったんだ」
「そうですね。みさきさんは自宅にいれば結界に守られますから、真宮さんにお会いすることはなかったでしょう」
誠史郎さんの眼鏡の奥の切れ長の双眸が、冷たく鋭く透さんを見据えた。
不利な形勢だと判断した透さんは大きく両手を広げて私の方へ来る。
「みさきちゃーん。遥とセンセがいじめるー」
ぎゅっと抱きしめられたけれど、私はどこか上の空だった。下を向いて唇を噛む。
「みさきちゃん?」
「……どうしたら助けられますか?」
とても複雑な心境だった。この気持ちは傲慢だと、彩音さんに思われるかもしれない。
だけど同じ力を持っているから、何かできることがあるかもしれない。
私は産まれたときから守られていたけれど、彼女のように何も知らずに普通に生活している人もいる。
『白』の能力者はそれとわかる痣を持って産まれて来るのだけど、知識がなければ気がつかないそうだ。年齢を重ねると共にそれは消えてしまう。
彩音さんも、彼女の周りの人達も何も悪くないのに。『白』の血を持っていたから、それを利用したい人間の策略で大好きな人たちと引き離されたなんて。悲しいし、悔しかった。
「今のみさきちゃんではどうにもできへん」
透さんは胸に私の顔を埋めさせて、頭を撫でてくれる。言葉は厳しかったけれど、口調も大きな掌も優しかった。
「せやけど、いつかどうにかできるように、笑てくれてたら今はそれで十分や」
「透さん……」
珍しくまじめなことに驚いて顔を上げた。
「落ち込んでても何も変わらへんからな。へこんでる暇があったら、1個でもできることを自分でどうにか増やすしかない」
はにかんだように破顔する透さんから目が離せない。きっと透さんはそうしてきたから。そして精神的にも、術者としても強さを手に入れた。
「あかん、ヤメヤメ。説教くさいんも湿っぽいのも苦手やねん」
頬に少し赤みが射している。透さんは照れていた。それを隠すように右手で顔をぱたぱたと扇ぐ。それを見ると何だか胸の奥が温かくなった。
いつもの飄々としているけれど仕事には真摯で、スキンシップが積極的過ぎるところも、女の人に慣れているのも全部ひっくるめて透さんなんだ。
それで私は、そんな彼をもっと知りたいと思っている。透さんの特別な存在になりたいのに全てが未熟だから、透さんを取り巻くいろんなものに嫉妬していたんだと、こんな時に気づいてしまう。何という間の悪さだろう。
「遥も噛んどるし、あのおねーちゃんは自由の身にはなれるやろ」
には、という箇所で胸が潰れる。彩音さんはどれほどの辛い思いをしたのか、それは想像を絶する。
透さんの腰の辺りに腕を回して、シャツに顔を押しあてて涙を堪えた。彩音さんが少しでも心穏やかになれる日が、早く来てほしいと思った。
「みさきちゃん……」
私たちの横で誠史郎さんは小さく咳払いをした。はっとして、あわてて透さんから離れる。
「あの、遥さん」
いろんなものをごまかすために、私は遥さんの元へ駆け寄る。
彼が首を傾げると、緩くウェーブのかかった髪が僅かに揺れて、朝の光が跳ねた。
「彩音さんは……」
「僕は今回、あくまでお手伝いだからね。あちらで始末をつけてもらうしかない。現実的な落としどころは、告訴しない代わりに慰謝料と養子縁組の解消、それから接見禁止ぐらいだろうね。それでは割りに合わないぐらい、彼女は心も身体も傷つけられたけれど」
そんなもので彩音さんの傷や痛みは癒されない。
わかっていても何もできない。もどかしい。解決には時間がかかりそうだ。
「あの人手放した真宮さんとこは、今度こそみさきちゃんにチョッカイ出してきそうやな」
「それは大丈夫だと信じたいな。絶対、とは言いきれないけれどね」
遥さんは曖昧な微笑みを浮かべた。
「相手もそんなにバカじゃないと思うんだ。みさきちゃんに手を出したら黙ってないのは、真堂家だけじゃないってわかっただろうから」
そういえば透さんの詰問を遥さんは否定しなかった。彼に彩音さんの救出を頼んだ人がいるということだ。それも彩音さんではなく、私の関係者で。
「……それは」
誠史郎さんは何か言いかけて、私を一瞥して止めてしまった。
「誠史郎さん?」
「今は止めておきましょう」
そう言われると余計に気になってしまう。
誠史郎さんは柔らかく両眼を細めると、私の髪を撫でて踵を返す。今は話す気はないと言うことみたい。
「そろそろ朝食の時間ですから、戻りましょう」
「……誠史郎さんは聡いなあ」
少し嬉しそうに遥さんはひとりごち、誠史郎さんの後に続く。
バラの庭を先に行ってしまうふたつの背中を眺めていた。ここに留まって心の整理をつけたかった。
隣に透さんがやって来る。私より頭ひとつ分以上背の高い彼を見上げた。
「透さん……」
妖艶に微笑んだのでどうしたのだろうと考えた瞬間、不意打ちでキスをされた。呼吸を奪うように激しく貪られ、全身の力が抜けてしまう。
すぐ近くにあった小さなベンチを置いてあるドームの柱に、背中を押し付けられた。
首筋を端正な唇が滑り、鎖骨の辺りで止まったかと思うと強く吸われる。
「俺のって印」
肌に残った赤い痕を舐められると、何かが私の背筋を駆け上った。
「これでヤキモチ妬かんですむやろ?」
私の気持ちなんてお見通しだったみたいだ。
「こう見えて俺は一途やから、みさきちゃんが心配する必要なんか全くないんやけどなー」
甘くささやいた透さんは私を蹂躙するようなキスをしながら胸を揉みしだいてきた。
びっくりして身体が一瞬強張ったけれど、だんだん力が抜けてくる。
「ああっ……ぁん、透さん……っ! 止め……」
「みさきちゃん、やっぱりおっぱい大きいなー」
ニヤニヤしながら呟く透さんを軽くにらむ。
「セクハラです!」
私の抗議なんて歯牙にもかけないで、透さんは腰が立たなくなるほど甘い、とろけるようなキスをする。
「……んっ」
「そんなとろけた顔見せられたら、止まらへん」
息もできないくらい激しく、深くつながるキス。身も心もとろける繋がりがあるなんて知らなかった。
「舌、出して」
長いまつ毛が頬に落とした影があまりに妖艶で見惚れてしまう。
快感で真っ白な状態の脳は、透さんの言いなりに行動を促す。透さんに舌を叩きつけるように絡められ、吸い上げられると全身が甘くしびれた。
「ふ……、あ……っ」
「エエ声」
耳殻を舌でなぞられてぞくぞくしてしまう。
こんな快楽、忘れられるはずがない。私の全てが、もっともっと透さんを欲しがっている。
だけどそれを何とか気合でねじ伏せた。
今は振り回されっぱなしかもしれない。だけどいつか。
「……覚悟していてください」
わずかな隙に、透さんの唇に触れる軽いキスをした。反撃をされるとは思っていなかったみたいで、透さんは目をぱちくりさせている。
彼の腕から抜け出して背中側へ移動した。後ろから抱きつく。
「いつまでも透さんの思い通りじゃないですから」
広い背中に呟いて、するりと離れた。いつかきっと、透さんを振り回すぐらい強い女になると決意する。
数歩進んでから振り返ると、透さんは私を見て柔らかく両眼を細めていた。
「楽しみにしてるわ」
大人の余裕たっぷりだった。
0
お気に入りに追加
277
あなたにおすすめの小説
【完結】子供5人産んで下さい!
あさリ23
恋愛
「お願い致します!どうか子供を産んでください!」
「は?」
「だから!子供を産んでください!5人ほど!」
「いやいや、待って。そもそも貴方…誰?」
「女神です!」
「……うん、夢だな。おやふみなさぁい」
「ま、まって!寝ないでください!夢だけど、夢じゃないんですぅぅぅぅ!!!」
北原舞花 32歳 既婚。子持ち。
平和な日々から摩訶不思議な日々へ。
ーーーーー
初投稿です。誤字脱字を含む拙い文章ですが広い心で読んでくださると、大変嬉しく思います。
直接的な表現がある場合は※が付いています。
小説家になろう(ミッドナイト)にも掲載しています。
40話から話の流れが変わっています。
ネコ科に愛される加護を貰って侯爵令嬢に転生しましたが、獣人も魔物も聖獣もまとめてネコ科らしいです。
ゴルゴンゾーラ三国
ファンタジー
猫アレルギーながらも猫が大好きだった主人公は、猫を助けたことにより命を落とし、異世界の侯爵令嬢・ルティシャとして生まれ変わる。しかし、生まれ変わった国では猫は忌み嫌われる存在で、ルティシャは実家を追い出されてしまう。
しぶしぶ隣国で暮らすことになったルティシャは、自分にネコ科の生物に愛される加護があることを知る。
その加護を使って、ルティシャは愛する猫に囲まれ、もふもふ異世界生活を堪能する!
異世界の学園で愛され姫として王子たちから(性的に)溺愛されました
空廻ロジカ
恋愛
「あぁ、イケメンたちに愛されて、蕩けるようなエッチがしたいよぉ……っ!」
――櫟《いちい》亜莉紗《ありさ》・18歳。TL《ティーンズラブ》コミックを愛好する彼女が好むのは、逆ハーレムと言われるジャンル。
今夜もTLコミックを読んではひとりエッチに励んでいた亜莉紗がイッた、その瞬間。窓の外で流星群が降り注ぎ、視界が真っ白に染まって……
気が付いたらイケメン王子と裸で同衾してるって、どういうこと? さらに三人のタイプの違うイケメンが現れて、亜莉紗を「姫」と呼び、愛を捧げてきて……!?
BLゲームの世界に転生したら騎士二人の♂♂の受けとなった。
ほのじー
恋愛
☆騎士団長♂→前世持ち秘書♀←副団長♂☆
仕事中倒れて気を失ってしまったレイは、ここが『ベルアメール・ラスト城の物語』、略して『BLの城』と呼ばれる十八禁BLゲームの世界であると気がついた。そして、彼女の上司である騎士団長と副団長はそのゲームの推しカプだったのだ!!レイは二人の愛を影からサポートすることを決意したのだが・・・
「セル副団長、頼まれていた商品(大人の玩具二つ)届きました」「ありがとう、レイちゃん。一つは君のだよ」「え・・・?」
何故かある時からレイが巻き込まれるようになってしまう。「なんで─────!!」
~HOTランキング7位ありがとうございます!!~
※最終的に一人を選ぶものではありません。あくまでヒロインが二人のヒーローに愛される物語です
※前作と同じ世界観ですが、単体で読めるようになっています
※18禁の描写には☆マークが付いています
※物語の関係上、BL表現があります
真珠の涙は艶麗に煌めく
枳 雨那
恋愛
《R18作品のため、18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください。》
宝生真珠(ほうしょう まみ)は、実家の宝石店で働く26歳。地味な自分に自信がなく、人生における目標も特にない。男性との交際経験はあるが、未だに処女であることが悩み。
淡々と日々を過ごしていたある日、母親が大切にしている宝石箱を、うっかり壊してしまう。それをきっかけにして、真珠は知らない世界へと飛ばされる。彼女を保護してくれたのは、真珠のよく知る宝石の名前を冠した人々。
寡黙で一匹狼の銀(しろがね)、穏やかな策士の玻璃(はり)、人懐っこく努力家の瑠璃(るり)、そして頼れるリーダーの瑪瑙(めのう)。いつしか彼らに求婚され、真珠は戸惑う。
ここは輝石(きせき)の国。日本の古き良き時代を彷彿とさせる、和を基調とした異世界。真珠の役目は、『救済の巫女』としてこの国を救うことだった。
*表紙イラストはまっする(仮)様よりお借りしております。
異世界来たらイケメン達からキスの嵐
あやこ
ファンタジー
起きたらそこは異世界だった。私の名前は 山本 英子。なんとこの世界では私の体液が治癒能力、筋力増強のある特別なものだった!?体液を効果的に摂取するのにはキスが1番!と言う事で不本意ながら色んなイケメンにキスされまくりの舐められまくり。それより私は元の世界戻れるのか?!
パンドラの箱を開けた少女、やがて女神と呼ばれる。
アリス
恋愛
かごめ♪かごめ♪
籠の中の鳥は いついつ出やる♪
夜明けの晩に 鶴と亀が滑った♪
後ろの正面、だあれ?
誰もが知るわらべ歌。
母が好きだった歌。
お母さんと私の思い出の歌。
…お母さんがあの男とどうして結婚したの?
生まれてこの方あの男に愛された記憶なんてない。
当然だろう。
…あの男にとって母以外は眼中にないのだから。
一緒に出掛けた記憶も、経験もない。
きっとあの男──父は私が嫌いなのだ。
母譲りの艶やかな黒髪、大きな黒目…顔立ち面立ちは母と瓜二つ。…性格はまるで似ていない。
少なくとも“私は” そう思う。
母は天使のような、聖母のような女性(ひと)だから…。
母が亡くなった時も…あの男は私を見てはくれなかった。
見てよ…私をーー、ううん、違う…私はあの男に認められたい訳じゃない。
嫌い…嫌いよ、大っ嫌いだわ…!
…そうだ、蔵の奥の奥に厳重に封じられた玉虫色の箱──どこか、アラベスク調の異国情緒溢れる手のひらに乗る小型の箱。
「…あの男が私を嫌うなら、私だって容赦しない…ッ!」
【パンドラの箱】と呼ばれたあらゆる災厄が詰まれた箱。
我が家──“籠目家”の初代からずっと在る摩訶不思議なモノ。
躊躇いもせず、私は開けた──その瞬間から身の毛もよだつ悍ましい非日常の日々が、日常が─…、私の──いや、世界中に広がった。
朝鮮半島の“獄炎焦土”の事変、異能に覚醒(めざ)める若者の増加、凶暴化する動物達…ペットですら日頃の関係が良好でなければ容易く飼い主に牙を剥いた。
嗚呼、嗚呼…!!私…私は…っ!あの男を殺すわ。“生まれた力で”──!!
「──お父様、今そちらに参りますね?」
少女の憎悪が禁忌の箱を開けさせた。
あらゆる“災厄”が解き放たれた。
蛇神様の花わずらい~逆ハー溺愛新婚生活~
ここのえ
恋愛
※ベッドシーン多めで複数プレイなどありますのでご注意ください。
蛇神様の巫女になった美鎖(ミサ)は、同時に三人の蛇神様と結婚することに。
優しくて頼りになる雪影(ユキカゲ)。
ぶっきらぼうで照れ屋な暗夜(アンヤ)。
神様になりたてで好奇心旺盛な穂波(ホナミ)。
三人の花嫁として、美鎖の新しい暮らしが始まる。
※大人のケータイ官能小説さんに過去置いてあったものの修正版です
※ムーンライトノベルスさんでも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる