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第5章 最後のレッスン
1.インフルエンザはうつしたら、大変だから……
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週末はひたすら、プレゼン用に資料をまとめていた。
「ううっ、熱出そう……」
いや、本当にあたまから湯気が出ていそうなくらい熱いんだけど……あれ?
なんだか、ぼーっとしてきた……。
うっ、昨日、髪も乾かさずに資料のまとめをやっていたのが祟ったか……。
「あ、ヤバ、い……」
意識が途切れそう。
誰かにヘルプ、と携帯を握る。
開いたトーク画面になんと打ち込んだかまで覚えていない。
意識の向こうで携帯の着信音が鳴りだしたが、いまは指一本動かしたくなかった。
――ピーンポーン。
遠くで、インターホンの音がする。
――ピーンポーン。
それはどうも、自分の部屋のようだ。
出なきゃ、と思うけれどあたまが重い。
――ピーンポーン。
ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン!
それはすぐに、連打に変わった。
うるさい、出なきゃ。
わかっているけど身体を動かすのもつらい。
「茉理乃!
おい、茉理乃!
生きてるのか!?」
「……たき、しま、……さん?」
彼の声でようやく目が開いた。
ずるずると半ば這うように玄関へ向かい、ドアを開ける。
「……は、い」
「茉理乃!」
なんだか知らないけど、ドアの向こうには顔面蒼白な滝島さんが立っていた。
「具合は?
熱は測ったのか?
そんな薄着じゃダメだろう」
私を抱き抱えるように部屋へ戻っていき、勝手にクローゼットを開けて一番分厚いコートを着せる。
素足のままだった足には靴下を。
さらには手に持っていた袋からマスクを出して私につける。
「保険証は」
「……財布の、中、です」
「勝手にバッグ開けるぞ」
バッグの中から財布を取りだし、滝島さんは私を抱え上げた。
「タクシー待たせてある。
病院、行くぞ」
なにも言う気になれず、ただ頷くだけして彼に身体を預けた。
病院では時期的にインフルエンザの検査をしたが、陰性だった。
がしかしまだ熱が出てからさほどたっていないので、また明日受けた方がいいと言われたが。
「食欲はあるか」
私に冷却シートを貼り滝島さんは訊いてくるけれど、もしインフルエンザでうつしたりしたら大変なことになるのだ。
「たき、しま、さん。
大丈夫、だから。
帰って、くだ、さい」
「馬鹿、気にするな。
マスクもしているし、予防接種も受けてる」
そういう問題じゃないと思うが、反論するほど元気はない。
「でも……」
「わかった。
伊深が眠ったら帰る。
でも明日、また来るからな。
病院、行かなきゃならないだろ」
「……はい」
滝島さんの手が、そっと私に額に触れる。
ひんやりとした手が、気持ちいい。
「たき、しま、さん。
あり、が、とう」
「いいから寝ろ」
「……はい」
熱が高くて苦しいはずなのに、私のあたまを撫でる滝島さんの手に安心する。
そのまま穏やかに、眠りに落ちていった……。
目が覚めたら暗くなっていた。
もちろん、滝島さんの姿はない。
「喉、乾い、た……」
起き上がるのもだるい。
どうにか寝返りを打ったら、買った覚えのないイオンウォーターのペットボトルが見えた。
「あれ……?」
ちょうど手の届くところにあったそれを取る。
真ん中あたりにぺたりとメモが貼ってあった。
【なくなったら買ってくる。
連絡しろ】
「滝島、さん、買ってきて、くれたんだ……」
蓋はすでに一度開けてあり、力が入らない状態でも比較的簡単に開いた。
「あとでお礼、言わなきゃ……」
もそもそとベッドに潜り込み、またうとうとしはじめる。
不意に、家に来たとき、滝島さんが私を名前で呼んでいたことを思いだした。
いつもベッドの中でしか呼ばないのに、なんでだろう……。
――ピンポーン。
眠りに落ちかけていたらまた、インターホンが鳴った。
「滝島さん……?」
――ピーンポーン。
考えているうちに再び鳴る。
でも彼なら、私が起きるのはつらいだろうからって、合鍵を借りて帰った。
――ピンポン、ピンポン、ピンポン!
それは出ないでいたら連打に変わる。
「おい、茉理乃!
いねーのか!」
外から怒鳴る声は、英人、だった。
近所迷惑になるといけないので、重い身体を引きずって玄関へ向かう。
「……はい」
「俺様が来てやったのに、その態度はなんだ!?
上がるぞ!」
こっちは具合が悪いというのに、勝手な言い分で英人が部屋に上がり込んでくる。
「おい、メシ!」
横柄にテーブルの前に座り、それ以上はなにも言わずに携帯を取りだして英人はいじりだした。
あきらかに具合が悪い私にこれっていったい、なんなんだろう。
「……いま、熱があっ、て。
もしかしたら、インフルエンザかもしれない、し」
「うわっ、最悪!
帰る!」
来たときと一緒で唐突に英人は帰っていった。
いなくなってようやく、ベッドに戻る。
「……最悪って、私の方が、最悪、だよ……」
滝島さんはうつるかもしれないのに看病しようとしていてくれた。
誰かさんとは大違いだ。
でも具合が悪くても英人の要求に応えるのはいままでの私だったら、当たり前だった。
滝島さんと知り合って、当たり前がどんどん当たり前じゃなくなっていく。
これっていいこと?
悪いこと?
翌朝になっても熱は下がっていなかった。
むしろ少し、上がった。
「これは完璧にインフルだろうな……」
マスクの重装備できた滝島さんは、今日も私を病院へ連れていってくれた。
結果は見事に陽性。
これで薬がもらえるから、よかったといえばよかったような。
「苦しくないか」
「大丈夫、です」
私のあたまを撫でる滝島さんの方が苦しそうで、胸が切なくなる。
「プレゼンの準備、できなくなっちゃいました……」
情けなくて涙が滲んでくる。
今後のTwitter運用をかけたプレゼンは十日後の火曜日だ。
この週末に資料を作り、次の週末で練習と足りないところを見直すつもりだったのに。
「大丈夫だ、まだ十分間に合う。
気にせずにいまはゆっくり休め。
治すのが先決だ」
「でも、でも……」
身体が弱っているせいか、どんどん悪い考えに嵌まっていく。
「大丈夫、だから」
抱き起こされたかと思ったら、ぎゅーっと強く抱き締められた。
「伊深はちゃんと頑張ってる。
絶対認められるから、心配しなくていい」
優しい声が私の鼓膜を揺らす。
それに滝島さんからは暖かい日だまりのような匂いがして、安心できる。
「……はい」
再び私をベッドに寝かせ、滝島さんはそっと私の目を閉じさせた。
「いいから眠れ。
眠るまで傍にいてやるから」
「……はい」
滝島さんの手が私のあたまを撫でる。
そのままゆっくりと眠りへと落ちていった――。
「ううっ、熱出そう……」
いや、本当にあたまから湯気が出ていそうなくらい熱いんだけど……あれ?
なんだか、ぼーっとしてきた……。
うっ、昨日、髪も乾かさずに資料のまとめをやっていたのが祟ったか……。
「あ、ヤバ、い……」
意識が途切れそう。
誰かにヘルプ、と携帯を握る。
開いたトーク画面になんと打ち込んだかまで覚えていない。
意識の向こうで携帯の着信音が鳴りだしたが、いまは指一本動かしたくなかった。
――ピーンポーン。
遠くで、インターホンの音がする。
――ピーンポーン。
それはどうも、自分の部屋のようだ。
出なきゃ、と思うけれどあたまが重い。
――ピーンポーン。
ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン!
それはすぐに、連打に変わった。
うるさい、出なきゃ。
わかっているけど身体を動かすのもつらい。
「茉理乃!
おい、茉理乃!
生きてるのか!?」
「……たき、しま、……さん?」
彼の声でようやく目が開いた。
ずるずると半ば這うように玄関へ向かい、ドアを開ける。
「……は、い」
「茉理乃!」
なんだか知らないけど、ドアの向こうには顔面蒼白な滝島さんが立っていた。
「具合は?
熱は測ったのか?
そんな薄着じゃダメだろう」
私を抱き抱えるように部屋へ戻っていき、勝手にクローゼットを開けて一番分厚いコートを着せる。
素足のままだった足には靴下を。
さらには手に持っていた袋からマスクを出して私につける。
「保険証は」
「……財布の、中、です」
「勝手にバッグ開けるぞ」
バッグの中から財布を取りだし、滝島さんは私を抱え上げた。
「タクシー待たせてある。
病院、行くぞ」
なにも言う気になれず、ただ頷くだけして彼に身体を預けた。
病院では時期的にインフルエンザの検査をしたが、陰性だった。
がしかしまだ熱が出てからさほどたっていないので、また明日受けた方がいいと言われたが。
「食欲はあるか」
私に冷却シートを貼り滝島さんは訊いてくるけれど、もしインフルエンザでうつしたりしたら大変なことになるのだ。
「たき、しま、さん。
大丈夫、だから。
帰って、くだ、さい」
「馬鹿、気にするな。
マスクもしているし、予防接種も受けてる」
そういう問題じゃないと思うが、反論するほど元気はない。
「でも……」
「わかった。
伊深が眠ったら帰る。
でも明日、また来るからな。
病院、行かなきゃならないだろ」
「……はい」
滝島さんの手が、そっと私に額に触れる。
ひんやりとした手が、気持ちいい。
「たき、しま、さん。
あり、が、とう」
「いいから寝ろ」
「……はい」
熱が高くて苦しいはずなのに、私のあたまを撫でる滝島さんの手に安心する。
そのまま穏やかに、眠りに落ちていった……。
目が覚めたら暗くなっていた。
もちろん、滝島さんの姿はない。
「喉、乾い、た……」
起き上がるのもだるい。
どうにか寝返りを打ったら、買った覚えのないイオンウォーターのペットボトルが見えた。
「あれ……?」
ちょうど手の届くところにあったそれを取る。
真ん中あたりにぺたりとメモが貼ってあった。
【なくなったら買ってくる。
連絡しろ】
「滝島、さん、買ってきて、くれたんだ……」
蓋はすでに一度開けてあり、力が入らない状態でも比較的簡単に開いた。
「あとでお礼、言わなきゃ……」
もそもそとベッドに潜り込み、またうとうとしはじめる。
不意に、家に来たとき、滝島さんが私を名前で呼んでいたことを思いだした。
いつもベッドの中でしか呼ばないのに、なんでだろう……。
――ピンポーン。
眠りに落ちかけていたらまた、インターホンが鳴った。
「滝島さん……?」
――ピーンポーン。
考えているうちに再び鳴る。
でも彼なら、私が起きるのはつらいだろうからって、合鍵を借りて帰った。
――ピンポン、ピンポン、ピンポン!
それは出ないでいたら連打に変わる。
「おい、茉理乃!
いねーのか!」
外から怒鳴る声は、英人、だった。
近所迷惑になるといけないので、重い身体を引きずって玄関へ向かう。
「……はい」
「俺様が来てやったのに、その態度はなんだ!?
上がるぞ!」
こっちは具合が悪いというのに、勝手な言い分で英人が部屋に上がり込んでくる。
「おい、メシ!」
横柄にテーブルの前に座り、それ以上はなにも言わずに携帯を取りだして英人はいじりだした。
あきらかに具合が悪い私にこれっていったい、なんなんだろう。
「……いま、熱があっ、て。
もしかしたら、インフルエンザかもしれない、し」
「うわっ、最悪!
帰る!」
来たときと一緒で唐突に英人は帰っていった。
いなくなってようやく、ベッドに戻る。
「……最悪って、私の方が、最悪、だよ……」
滝島さんはうつるかもしれないのに看病しようとしていてくれた。
誰かさんとは大違いだ。
でも具合が悪くても英人の要求に応えるのはいままでの私だったら、当たり前だった。
滝島さんと知り合って、当たり前がどんどん当たり前じゃなくなっていく。
これっていいこと?
悪いこと?
翌朝になっても熱は下がっていなかった。
むしろ少し、上がった。
「これは完璧にインフルだろうな……」
マスクの重装備できた滝島さんは、今日も私を病院へ連れていってくれた。
結果は見事に陽性。
これで薬がもらえるから、よかったといえばよかったような。
「苦しくないか」
「大丈夫、です」
私のあたまを撫でる滝島さんの方が苦しそうで、胸が切なくなる。
「プレゼンの準備、できなくなっちゃいました……」
情けなくて涙が滲んでくる。
今後のTwitter運用をかけたプレゼンは十日後の火曜日だ。
この週末に資料を作り、次の週末で練習と足りないところを見直すつもりだったのに。
「大丈夫だ、まだ十分間に合う。
気にせずにいまはゆっくり休め。
治すのが先決だ」
「でも、でも……」
身体が弱っているせいか、どんどん悪い考えに嵌まっていく。
「大丈夫、だから」
抱き起こされたかと思ったら、ぎゅーっと強く抱き締められた。
「伊深はちゃんと頑張ってる。
絶対認められるから、心配しなくていい」
優しい声が私の鼓膜を揺らす。
それに滝島さんからは暖かい日だまりのような匂いがして、安心できる。
「……はい」
再び私をベッドに寝かせ、滝島さんはそっと私の目を閉じさせた。
「いいから眠れ。
眠るまで傍にいてやるから」
「……はい」
滝島さんの手が私のあたまを撫でる。
そのままゆっくりと眠りへと落ちていった――。
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