短い恋の物語

Leo

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「神憐」

振り返ってみれば、いつもと同じように
その人はいる

「大地、おはよう」
私を呼んだ人は同じ大学に通っていて、いつも一緒にいてくれる人
凄く優しくて明るくて、イケメンでモテる
それなのに偉ぶらない、だから友人も多い
そんな人が何故か私の彼氏

私は笑顔でおはようと言った
でも、笑顔って苦手
自然に笑えなくていつも作り笑いだった
したらしたで女子には “男タラシ” って言われる
それは結構刺さるし、成長するにつれて愛想も必要になって来て、だから愛想笑いで気持ちを隠すのは結構得意になった

でも


「おはよう、どうかしたの?」
でも、大地は気付いてくれる

「無理に笑わっちゃダメだよ?」
だから本当の笑顔を見せられる
違う、勝手に笑顔になってる
勿論、親友の前では比較的笑顔の方だと思う
けど、不思議と大地の前だと笑顔の時の方が多い気がする

「あ、今の
   いつもの笑顔だ」

「なによそれ」クスクス

「俺に余所行き笑顔はやだってこ
    と」
そーやって我儘言うようにみせて、結局は私の為

「可愛い顔して変な事言わない
   で」
大地は優しい

「可愛いのは神憐だよ?」
大地が首を傾げて
何言ってんの?
みたいな顔で見てくる
可愛い顔しないで、心臓に悪いでしょ
そんな気持ちを込めて少し睨んでみる

「神憐、どうしたの可愛い顔し
    て」
…通じない
確かに私より大地の方が背が高いから必然的に見上げる形になるけど

「可愛くないわよ」

「なんで?可愛いよ」

「可愛くない」

「可愛いよ超可愛い」

「大地の方が可愛いわ」
大地がキョトンとする
その後妖しく笑いながら
「もっと積極的に行動に移した方
    がいいかな?」
なんて聞いてくるから

「私にとってなんでも大地が一
    番ってこと」
と慌てて答えると
ニッコリ笑顔で
「そう?嬉しい」
って

もう色々心臓に悪い
そのうち心臓破裂して天界へ旅立ちそうな勢い
そう思って空を見上げるのと同時に

「かーれん!」
と呼ばれながら抱き着かれた
朝からから元気だな~と思いながら抱きついてきた相手に

「おはよう、いつも元気ね」
と声を掛ける
抱きついてきた相手、美縁は
「気分上げてかないと一日もたな
    いもん!」
と元気よく言った

「それでも背後から急に突撃する
    のはやめて」

「神憐に抱き着かないと朝は始ま
   らないわ」
何可愛いこと言ってるのかしらこの子は…

「何言ってるのよ、毎朝あってる
    わけじゃないでしょ。」

「気持ちは毎朝神憐と一緒だもん
    ねーだ」
ニシシっと笑う親友に
「それは嬉しいけど大変ね」
と微笑みながら頭を撫でると

「神憐の笑顔頂き」
と笑顔で言われた
キョトンとしながら首を傾げると

「神憐の笑顔は高いよ」
と隣でニコニコしていた大地が言うと

「神憐の笑顔なら高くても貢いじ
   ゃう」

「俺も
    まあ、実際にお金なんて出した
    ら速攻逃げられるだけだけど」

「ね!話してくれなくなりそう」

「わかる」

確かに、速攻逃げて関わらないようにする

「あ、自分で確かにって顔して
    る!!」

「あ、ほんとだ」

「お金の扱いは注意ね」

「だな、まあ、男としては格好つ
    けたいから奢らせてほしいんだ
    けど」

「そーいうもの?」

「そういうもの!
    だからそういう時はちゃんと男
    をたててあげなくちゃ、
    分かった?神憐」
と子供に聞かせるように
美縁に言われたので

「分かったわよ」
と少し子供扱いされたので不貞腐れながら言う
それを見た大地がクスッと微笑みながら

「じゃあ早速、男をたてると思っ
   て、俺の奢りで今日ご飯食べに
    行こうね?」
と言った

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