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第弐譚
0006:悪役令嬢『ナラ・ルシエル』
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カンカンカン
「これより、魔女裁判を開廷する。」
皆様、こんにちは! ナラ様達と一緒に旧宮殿裁判所へ移動してきたアデリア・リッツです。ギリギリ時間内に間に合いまして、私とナラ様は、被告側の席に着こうとしたのですが、そこには、裁判所直属騎士隊の方々が待ち構えていらっしゃったのです。
「被告ルシエル公爵令嬢、円滑な魔女裁判進行のために、これより貴女と侍女の両手を拘束する。」
「ーーーーっ! 侍女は関係ありません。拘束するのは、私だけにしなさい。(毅然とした態度)」
「これは、法律で決まっていることなんですよ、ルシエル公爵令嬢。貴女に決定権はありません。(ニヤニヤ)」
気味の悪い騎士達によって、私とナラ様は、両手を丈夫そうな縄で縛られました。尚且つその縄は、天井の梁へと繋がっております。……判決後に、この場で吊り上げられるのだということが、馬鹿な私でもありありと察することができました。(脂汗)
「アリーの縄だけでも、どうにかして外したいのに……。」
「ナラ様、覚悟はできております。ナラ様を置いて逃げるつもりはさらさらありません!(にっこり)」
「アリー……。(ウルウル)」
「……みなさん静粛に。被告ナラ・ルシエル、前へ。」
「…………。(能面で証言台に立つ)」
「原告リカルド殿下、被告ナラ・ルシエルの数々の罪状を述べてください。(愛想笑い)」
原告側の席に座っておられるリカルド殿下は、一つ頷くと立ち上がって、手元の白い紙を読み上げていかれます。
「一つ目、レニヤード男爵令嬢を宮殿玄関大広間の階段から突き落としたこと。二つ目、レニヤード男爵令嬢の悪口を宮殿内で吹聴したこと。三つ目、誰もいない場所でレニヤード男爵令嬢にグチグチと嫌味を言ったこと。四つ目、レニヤード男爵令嬢のドレスを刃物で切り裂き、水を浴びせたこと。五つ目、レニヤード男爵令嬢を仲間外れにしたこと。六つ目、レニヤード男爵令嬢を無視したこと。七つ目、レニヤード男爵令嬢の作ったクッキーを食べなかったこと。八つ目、レニヤード男爵令嬢のことを理不尽に怒ったこと。九つ目、レニヤード男爵令嬢に罵声を浴びせたこと…………。」
あまりにも稚拙すぎて、開いた口が塞がりませんわ! そもそも、ナラ様は宮殿内では、控え室と執務室を往復するだけで一日が終わってしまう程に、ご多忙なお方なのです。レニヤード男爵令嬢様との接点も無ければ、お暇な方達のようにお遊びをする時間もありません。リカルド殿下も、それをご存知の筈でしょうに、何故このような幼稚な罪状で魔女裁判にかけようと思われたのでしょう? リカルド殿下は言い終えて安心したのか、隣席に控えていらっしゃるレニヤード男爵令嬢様とイチャイチャイチャイチャ…………吐き気を催しますわ‼︎(激おこ)
「被告ナラ・ルシエル、罪状に反論はありますか?」
「……全て事実無根です。(キッパリ)」
「では、事実無根だという証拠はありますか?」
「侍女が一部始終を見ております。」
「あいにく、親族及び近い人間の証言は、証拠とはみなされません。(ニヤニヤ)」
「ーーーーっ!」
「被告からの証拠が出ない為、判決を出します。ーー被告ナラ・ルシエル及びその侍女を死刑に……。」
「待ってください、裁判長! ……原告側から私がやったという証拠が提示されていないではありませんか‼︎(毅然)」
「ルシエル公爵令嬢、これは別名『死刑宣告裁判』なのですよ。この裁判を起こそうとリカルド殿下に考えさせた貴女が悪いのです。よく言うでしょう? 虐められた人にも虐められる原因があると。貴女が原因なのですよ。(ニヤニヤ)」
「ーーーーっ‼︎(睨)」
支離滅裂ですわ! これでは、魔女裁判を開くことのできる権力の大きい者達の思い通りにしかなりません。この国は、そうやって数々の罪のない人々を闇に葬ってきたのですね。…………許せませんわ‼︎(更に激おこ)
カンカンカン
「被告ナラ・ルシエル及びその侍女を、死刑に処する。」
カンカンカン
死刑反対ーー‼︎
裁判をやり直せーー‼︎
ルシエル公爵令嬢は悪くないーー‼︎
傍聴席から、たくさんの声が溢れてきます。後ろを振り向くと、ルシエル公爵ご夫妻様とお父様、お母様の苦しみに歪んだお顔が見えて、本当に胸が苦しいです。……そして必死に、死刑をやめるよう傍聴席の皆様が裁判長へと訴えております。……これは、たくさんの方々が、ナラ様の本当の素晴らしさをわかってくださっている証拠なのではないのでしょうか。私は、思いがけず涙が込み上げてきました‼︎
カンカンカン
「はい、私の判決に不服な者は皆死刑に処する。」
シーーーーン
お、恐ろしすぎますわ、裁判長! せっかくの涙も引っ込んでしまいました。
「被告ナラ・ルシエルとその侍女、処刑台へ。」
……私とナラ様は一緒に頷いて、吊り上げられる処刑台へと上がります。
「これより、宙吊りの火炙り刑を実施する。」
その途端、両手を縛っている縄が自然に上へ上へと謎の力(魔法?)によって引っ張られていくではありませんか! ……こ、これは、流石にまずいのでは⁉︎
「アリー、…………マーズ殿下を信じましょう。」
「はいっ、ナラ様‼︎」
縄を引っ張る力は止まることなく、ついには舞台上から靴の底が浮いてしまうほどになりました。……く、苦しい。
「アリー、踏ん張りなさい。もう少しよ。(汗)」
「は、はいっ!」
「ーーそれでは、火を放つ。やれっ!」
「「はっ‼︎」」
裁判長から指示された騎士達が、松明を持ってナラ様と私の足元までやってきました。そして、私達に炎を近づけます。私は、かなり熱いだろうなと身構えたのですが、……何故だか熱くありません! 『見るからに熱そうっ‼︎』と、本来なら思うのですが、それが見た目によらず、不思議と涼しいのです‼︎ 騎士達は、疑問に思っている私とナラ様に構うことなく、炎を私達へとかけまくりました。
『わー! 火炙りだー‼︎』と、傍聴席の皆様はびっくりされていらっしゃいます。しかし、私とナラ様は、降り注ぐ不思議な炎を浴びせられてむしろ、拘束されている手首の痛みも穏やかになり、尚且つ心地よい風が吹いているのです!
「……おかしい、炎の色が違う。お前達、何の松明を使ったのだ‼︎(騎士達を怒鳴る)」
「…………それは、『もえない炎』ですよ。裁判長。」
法廷内に、緊迫した空気が漂いました。頭上より謎の声が響き渡ったからなのです!
「その声は何者だ⁉︎ 出てこい‼︎」
「あははは、私をお忘れですか? 裁判長‼︎」
すると、天井から漆黒の装束を纏った謎の人物が降り立ったのです!
「お前は、怪盗『プリンス』か⁉︎」
「えぇ、昨日出した予告状の通り、ナラ・ルシエル公爵令嬢とその侍女を頂戴しにきた‼︎(バンッ‼︎)」
黒い仮面を煌めかせ口角を上げたお姿は、怪盗の変装をした、……マーズ殿下ですね。マーズ殿下、少し派手すぎではありませんか? もっとこそこそ助けてくれるのではないかと思っていたのですが、まんま法廷内へ英雄ばりに出てきてしまって、大丈夫なのかとても不安です。私達よりもマーズ殿下の方が、バレたら危険な気がするのですが。(汗)
「皆の者、アヤツをひっ捕えよ‼︎」
「……無駄ですよ、裁判長。……貴殿と私と今拘束されている二人以外の者全員は既に夢の中です。」
「な、なにっ⁉︎」
……確かによく見てみますと、騎士達やリカルド殿下にレニヤード男爵令嬢様、傍聴席の方々まで、みんな目を閉じて気持ちよさそうに眠っております。
「裁判長、……貴方は一番犯してはいけない罪を犯した。」
「何が言いたい、怪盗プリンス⁉︎」
「国の利益となる者を廃し、国の不利益にしかならない者の自分勝手な我儘を聞き入れたことだ‼︎」
マーズ殿下は、懐から懐剣を取り出して、私達を拘束している縄を切ってくださいました。
「そんなにお金が欲しいか‼︎ 民が飢えているのに、そちらには目もくれず、我儘皇太子の甘い賄賂にそそのかされて、将来のマテリア帝国を支えるはずであった優秀な人材を見殺しにしようとした‼︎」
「…………私は何も悪いことはしていない。全てはマテリア帝国と皇帝陛下と、我が一族のためだ。」
「それならそれでいいでしょう。ここでは必要とされないナラ・ルシエル公爵令嬢とその侍女は、私がいただく‼︎」
バンッ‼︎
ーー黒いマントを翻した怪盗プリンスは、懐から出した青い火薬の導火線へと火をつけるのであった。ーー
「これより、魔女裁判を開廷する。」
皆様、こんにちは! ナラ様達と一緒に旧宮殿裁判所へ移動してきたアデリア・リッツです。ギリギリ時間内に間に合いまして、私とナラ様は、被告側の席に着こうとしたのですが、そこには、裁判所直属騎士隊の方々が待ち構えていらっしゃったのです。
「被告ルシエル公爵令嬢、円滑な魔女裁判進行のために、これより貴女と侍女の両手を拘束する。」
「ーーーーっ! 侍女は関係ありません。拘束するのは、私だけにしなさい。(毅然とした態度)」
「これは、法律で決まっていることなんですよ、ルシエル公爵令嬢。貴女に決定権はありません。(ニヤニヤ)」
気味の悪い騎士達によって、私とナラ様は、両手を丈夫そうな縄で縛られました。尚且つその縄は、天井の梁へと繋がっております。……判決後に、この場で吊り上げられるのだということが、馬鹿な私でもありありと察することができました。(脂汗)
「アリーの縄だけでも、どうにかして外したいのに……。」
「ナラ様、覚悟はできております。ナラ様を置いて逃げるつもりはさらさらありません!(にっこり)」
「アリー……。(ウルウル)」
「……みなさん静粛に。被告ナラ・ルシエル、前へ。」
「…………。(能面で証言台に立つ)」
「原告リカルド殿下、被告ナラ・ルシエルの数々の罪状を述べてください。(愛想笑い)」
原告側の席に座っておられるリカルド殿下は、一つ頷くと立ち上がって、手元の白い紙を読み上げていかれます。
「一つ目、レニヤード男爵令嬢を宮殿玄関大広間の階段から突き落としたこと。二つ目、レニヤード男爵令嬢の悪口を宮殿内で吹聴したこと。三つ目、誰もいない場所でレニヤード男爵令嬢にグチグチと嫌味を言ったこと。四つ目、レニヤード男爵令嬢のドレスを刃物で切り裂き、水を浴びせたこと。五つ目、レニヤード男爵令嬢を仲間外れにしたこと。六つ目、レニヤード男爵令嬢を無視したこと。七つ目、レニヤード男爵令嬢の作ったクッキーを食べなかったこと。八つ目、レニヤード男爵令嬢のことを理不尽に怒ったこと。九つ目、レニヤード男爵令嬢に罵声を浴びせたこと…………。」
あまりにも稚拙すぎて、開いた口が塞がりませんわ! そもそも、ナラ様は宮殿内では、控え室と執務室を往復するだけで一日が終わってしまう程に、ご多忙なお方なのです。レニヤード男爵令嬢様との接点も無ければ、お暇な方達のようにお遊びをする時間もありません。リカルド殿下も、それをご存知の筈でしょうに、何故このような幼稚な罪状で魔女裁判にかけようと思われたのでしょう? リカルド殿下は言い終えて安心したのか、隣席に控えていらっしゃるレニヤード男爵令嬢様とイチャイチャイチャイチャ…………吐き気を催しますわ‼︎(激おこ)
「被告ナラ・ルシエル、罪状に反論はありますか?」
「……全て事実無根です。(キッパリ)」
「では、事実無根だという証拠はありますか?」
「侍女が一部始終を見ております。」
「あいにく、親族及び近い人間の証言は、証拠とはみなされません。(ニヤニヤ)」
「ーーーーっ!」
「被告からの証拠が出ない為、判決を出します。ーー被告ナラ・ルシエル及びその侍女を死刑に……。」
「待ってください、裁判長! ……原告側から私がやったという証拠が提示されていないではありませんか‼︎(毅然)」
「ルシエル公爵令嬢、これは別名『死刑宣告裁判』なのですよ。この裁判を起こそうとリカルド殿下に考えさせた貴女が悪いのです。よく言うでしょう? 虐められた人にも虐められる原因があると。貴女が原因なのですよ。(ニヤニヤ)」
「ーーーーっ‼︎(睨)」
支離滅裂ですわ! これでは、魔女裁判を開くことのできる権力の大きい者達の思い通りにしかなりません。この国は、そうやって数々の罪のない人々を闇に葬ってきたのですね。…………許せませんわ‼︎(更に激おこ)
カンカンカン
「被告ナラ・ルシエル及びその侍女を、死刑に処する。」
カンカンカン
死刑反対ーー‼︎
裁判をやり直せーー‼︎
ルシエル公爵令嬢は悪くないーー‼︎
傍聴席から、たくさんの声が溢れてきます。後ろを振り向くと、ルシエル公爵ご夫妻様とお父様、お母様の苦しみに歪んだお顔が見えて、本当に胸が苦しいです。……そして必死に、死刑をやめるよう傍聴席の皆様が裁判長へと訴えております。……これは、たくさんの方々が、ナラ様の本当の素晴らしさをわかってくださっている証拠なのではないのでしょうか。私は、思いがけず涙が込み上げてきました‼︎
カンカンカン
「はい、私の判決に不服な者は皆死刑に処する。」
シーーーーン
お、恐ろしすぎますわ、裁判長! せっかくの涙も引っ込んでしまいました。
「被告ナラ・ルシエルとその侍女、処刑台へ。」
……私とナラ様は一緒に頷いて、吊り上げられる処刑台へと上がります。
「これより、宙吊りの火炙り刑を実施する。」
その途端、両手を縛っている縄が自然に上へ上へと謎の力(魔法?)によって引っ張られていくではありませんか! ……こ、これは、流石にまずいのでは⁉︎
「アリー、…………マーズ殿下を信じましょう。」
「はいっ、ナラ様‼︎」
縄を引っ張る力は止まることなく、ついには舞台上から靴の底が浮いてしまうほどになりました。……く、苦しい。
「アリー、踏ん張りなさい。もう少しよ。(汗)」
「は、はいっ!」
「ーーそれでは、火を放つ。やれっ!」
「「はっ‼︎」」
裁判長から指示された騎士達が、松明を持ってナラ様と私の足元までやってきました。そして、私達に炎を近づけます。私は、かなり熱いだろうなと身構えたのですが、……何故だか熱くありません! 『見るからに熱そうっ‼︎』と、本来なら思うのですが、それが見た目によらず、不思議と涼しいのです‼︎ 騎士達は、疑問に思っている私とナラ様に構うことなく、炎を私達へとかけまくりました。
『わー! 火炙りだー‼︎』と、傍聴席の皆様はびっくりされていらっしゃいます。しかし、私とナラ様は、降り注ぐ不思議な炎を浴びせられてむしろ、拘束されている手首の痛みも穏やかになり、尚且つ心地よい風が吹いているのです!
「……おかしい、炎の色が違う。お前達、何の松明を使ったのだ‼︎(騎士達を怒鳴る)」
「…………それは、『もえない炎』ですよ。裁判長。」
法廷内に、緊迫した空気が漂いました。頭上より謎の声が響き渡ったからなのです!
「その声は何者だ⁉︎ 出てこい‼︎」
「あははは、私をお忘れですか? 裁判長‼︎」
すると、天井から漆黒の装束を纏った謎の人物が降り立ったのです!
「お前は、怪盗『プリンス』か⁉︎」
「えぇ、昨日出した予告状の通り、ナラ・ルシエル公爵令嬢とその侍女を頂戴しにきた‼︎(バンッ‼︎)」
黒い仮面を煌めかせ口角を上げたお姿は、怪盗の変装をした、……マーズ殿下ですね。マーズ殿下、少し派手すぎではありませんか? もっとこそこそ助けてくれるのではないかと思っていたのですが、まんま法廷内へ英雄ばりに出てきてしまって、大丈夫なのかとても不安です。私達よりもマーズ殿下の方が、バレたら危険な気がするのですが。(汗)
「皆の者、アヤツをひっ捕えよ‼︎」
「……無駄ですよ、裁判長。……貴殿と私と今拘束されている二人以外の者全員は既に夢の中です。」
「な、なにっ⁉︎」
……確かによく見てみますと、騎士達やリカルド殿下にレニヤード男爵令嬢様、傍聴席の方々まで、みんな目を閉じて気持ちよさそうに眠っております。
「裁判長、……貴方は一番犯してはいけない罪を犯した。」
「何が言いたい、怪盗プリンス⁉︎」
「国の利益となる者を廃し、国の不利益にしかならない者の自分勝手な我儘を聞き入れたことだ‼︎」
マーズ殿下は、懐から懐剣を取り出して、私達を拘束している縄を切ってくださいました。
「そんなにお金が欲しいか‼︎ 民が飢えているのに、そちらには目もくれず、我儘皇太子の甘い賄賂にそそのかされて、将来のマテリア帝国を支えるはずであった優秀な人材を見殺しにしようとした‼︎」
「…………私は何も悪いことはしていない。全てはマテリア帝国と皇帝陛下と、我が一族のためだ。」
「それならそれでいいでしょう。ここでは必要とされないナラ・ルシエル公爵令嬢とその侍女は、私がいただく‼︎」
バンッ‼︎
ーー黒いマントを翻した怪盗プリンスは、懐から出した青い火薬の導火線へと火をつけるのであった。ーー
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