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国外追放された魔法使いの不思議な館
0002:魔法の概念
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「レオ様。……レオ様、朝ですよ。起きてください。(レオの身体を揺すりながら)」
「むにゃむにゃ……、まだ夜中だよ。(すぴすぴ)」
「いいえ、とっくの昔に日は昇っておりますわ‼」
皆様、おはようございます。リオナ・ダグラスです。魔法使いレオ様のお館にお世話になって早一か月、毎朝レオ様を起こすことに多大なるエネルギーを消耗しております。
「ふぁあ~(欠伸)。おはよ、リオナ!(にこっ)」
「おはようございます、レオ様。」
「リオナは今日も可愛いな‼」
「……朝餉の準備はできていますので、お顔を洗いになって、食堂へ来られてください。」
「いつもありがとう。……でも、無理はしちゃダメだよ。食事の準備も魔法でシュパパッとできちゃうんだから。」
「……身体が鈍ってしまいますので。(汗)」
「そうかい?(きょとん)」
「それではレオ様、食堂にてお待ちしておりますよ。」
「ああ、リオナありがとう!(満面の笑み)」
私は、必要事項の連絡を終えると、俊敏な速さでレオ様のお部屋を後にするのでした。
……レオ様の用いられる魔法はとても多彩に及び、特に魔法で作られたお食事は、それはもう言葉では言い表せないくらいに美味しいのです。しかし、あまりの美味しさに食べ過ぎてしまって、身体が全体的にプニプニしてしまいました。現在、ダイエットがてら、お食事の準備や家事一般業務を勝手にやらせてもらっているところです。(汗)
◇ ◇ ◇
「リオナの作る朝ごはんは本当に美味しいね。(パワワ)」
「い、いえ、母に教えてもらったレシピの賜物ですわ。(レオ様のごはんの方が美味しいです。)」
食堂にて、レオ様と一緒に朝餉をいただいているのですが、レオ様はとても美味しそうにパンを口に頬張っていらっしゃいます。
「リオナお手製のごはんを食べるとね、なんだかやる気が出てくるんだ。(にこっ)」
「そ、そうですか……。」
「ということで今日も、魔法の特訓をしようか‼」
「……えっと、今からお皿洗いにお洗濯をしないといけませんので……。(レオから目を逸らすリオナ)」
「リオナ、……いい加減、自分の能力に向き合わないといけないよ。」
「レオ様……。(謎のうるうる)」
「大丈夫。僕が絶対についているから。(ウインク)」
「……だって、魔法の特訓と言っては、私を何度も何度も空中(上空)に投げ飛ばしては落として笑っていらっしゃるではないですか⁉ 何度死ぬと思ったことか‼(泣)」
「えへへ、……怖かった?(にんまり)」
「怖いってものではありませんよ⁉ 私は心の中では、数えきれないくらい死んでいるのです!(号泣)」
「ごめん、ごめん。……あまりにも、リオナが可愛すぎて、いじめたくなっちゃったんだ。(テヘペロ)」
「そんなの、理由になんかなりません!(怒)」
「僕が悪かったよ。……リオナ、許して。(きゅるるん)」
「……もういきなり、崖から突き落としたり、湖へ投げ入れたり、謎の獣の巣に私一人だけ置いて行ったりしないと約束してくれますか?(赤目で睨むリオナ)」
「しないしない。ここに誓うよ。(もうデータはほとんど取れているからね。)」
「……わかりました。魔法の特訓の続きをお願いします。(はぶてながら)」
「そうこなくっちゃ‼」
私は、なんやかんやと今日もレオ様に丸めこまれて、魔法の特訓を受けることになるのでした。(トホホ)
◇ ◇ ◇
「リオナ、今日は座学をやるよ!」
「座学、ですか?」
「そう、今までは実践だった分、身体への負担が大きかったと思うけど、今回は楽勝だよ!」
「そうですか……。」
朝食を終えて、私たちは魔法の特訓をするために、大広間へと移動してきました。
そして、ルンルンされていらっしゃるレオ様が、左手をくるくると振り回されますと、目の前に、勉強机と椅子が一式出現したのです!
「さあ、リオナ、座って。(にんまり)」
「は、はい。ありがとうございます。」
私は用意された目の前の椅子に腰かけました。
「じゃあリオナ、質問するよ‼ ……魔法とは何かな?」
「魔法、ですか?」
「そう、魔法‼」
「……お空を飛んだり、お食事を出したり、瞬間移動したり、……レオ様が日常的に使用されていらっしゃる全ての事柄だと思いますわ。」
「そうだね、その通りだよ。……ならば、魔法を使える人と使えない人の違いは何だと思う?」
「…………遺伝でしょうか。(悩)」
「それもある‼ ……でもね、本来、誰でも魔法を使うことは可能なんだ。(ウインク)」
「――――っ‼(驚愕)」
「あはは、信じれないって顔をしているね。……でも、それが世界の真実なんだよ。(確信)」
「……。(お口ぽかーん)」
「そして、誰でも魔法を使えるようにするために設立された魔法学校がアデル皇国の辺境地にあるんだけど、君のご両親はそこへ、君を入れるつもりだったのかもしれないね。」
「お父様、お母様……。(うるうる)」
「……リオナ、ちょっと時間が足りないから、いきなり答えを言うけれど、魔法を使えない人はね、時の権力者達にそのエネルギーを吸い取られているようなものなんだ。」
「――――っ‼」
「その証拠を今出すことはできないけれど、これは、アデルの魔法省の偉大なる魔法使い達の間では、当たり前な事実なんだよ。」
「アデル皇国のですか?」
「そうさ。彼らは、それを逆転の発想と言っているみたいだけどね。(ウインク)」
「逆転の発想?」
「――『この世の全てのエネルギーの総量は全て一定である。ただし、エネルギーは、人・物・場所・時間を移り行くものでもある。どれかにとどまり続けることはできない。』―― ……けれども、目に見えない魔法エネルギーを通さない人間を、少しずつ増やしていくとどうだろう? その魔法エネルギーは、魔法を通す人間にしか必然と流れなくなる。そしていつの間にか、魔法を使える人とそうでない人に分かれた。……魔法を使えない人達は、現在、魔法エネルギーを牛耳りたい権力者に能力を制限されている状態なんだよ。」
「そ、そんな……。(困り眉)」
「だけどね、その権力者の手の平から零れ落ちる人間がいる。……それが、アデル皇国民(全員)や、トルネード王国、ランドット王国、ニホン帝国、マテリア帝国のごく少数ではあるけれど、遺伝的に外部の干渉をはねのけることのできる一部の一族なのさ。……僕もその一部だし、リオナ、君もだよ。(微笑み)」
「私も……。(胸の奥がほんのりとあたたかくなる)」
「これが、僕の知る魔法の概念なんだけど、何か質問はあるかな?」
「……ちょっと信じられないお話ばかりで、頭が混乱しておりますわ。(汗)」
「あはは、そうだよね。……僕もそうだったな。まあ、魔法に携わると、おいおい分かってくるから気長にいこうね。……ただ、忘れないでほしい。リオナ、君は異常なんかじゃない。君の身体は正常に働いている。これだけは、本当だよ。(真剣)」
「はい、レオ様。肝に銘じておきますわ。」
「よし、じゃあ、今日の特訓はおしまいにするよ‼」
「えっ、もうおしまいなのですか?(いつもなら、ここから崖に突き落とされますのに、なんだか怪しいですわ。)」
「えへへ、リオナの期待通りに崖に突き落とすのもいいけどね……もうすぐ賓客が来そうな気がするんだ。」
「お客様ですか?(きょとん)」
「そう、お客様が続々とね。……だから、これから全居室の大掃除に取り掛からないと間に合わないかもしれなくて、ちょっと焦ってる。(困り眉)」
「了解いたしました。この私にお任せください‼(満面の笑みで胸を張るリオナ)」
「……ほんと、リオナって掃除好きだよね。(微笑み)」
「……?(きょとん)生家では使用人を雇うお金が無かったので、全て自分でやっておりましたから、お掃除は大の得意なのですよ。」
「えへへ、リオナがいてくれると心強いよ。……一緒にいてくれてありがとう。」
「こちらこそですわ、レオ様。ちゃちゃっとお掃除して、早く休憩しましょう!」
「ああ、そうだね‼」
私とレオ様は、全居室(約二百室程)のお掃除をするために、宿泊棟へと向かうのでした。
――稀代なる魔法使いレオ・ナユタの『レオの館』には、嵐の前の静かなるひとときがあったのであった。――
「むにゃむにゃ……、まだ夜中だよ。(すぴすぴ)」
「いいえ、とっくの昔に日は昇っておりますわ‼」
皆様、おはようございます。リオナ・ダグラスです。魔法使いレオ様のお館にお世話になって早一か月、毎朝レオ様を起こすことに多大なるエネルギーを消耗しております。
「ふぁあ~(欠伸)。おはよ、リオナ!(にこっ)」
「おはようございます、レオ様。」
「リオナは今日も可愛いな‼」
「……朝餉の準備はできていますので、お顔を洗いになって、食堂へ来られてください。」
「いつもありがとう。……でも、無理はしちゃダメだよ。食事の準備も魔法でシュパパッとできちゃうんだから。」
「……身体が鈍ってしまいますので。(汗)」
「そうかい?(きょとん)」
「それではレオ様、食堂にてお待ちしておりますよ。」
「ああ、リオナありがとう!(満面の笑み)」
私は、必要事項の連絡を終えると、俊敏な速さでレオ様のお部屋を後にするのでした。
……レオ様の用いられる魔法はとても多彩に及び、特に魔法で作られたお食事は、それはもう言葉では言い表せないくらいに美味しいのです。しかし、あまりの美味しさに食べ過ぎてしまって、身体が全体的にプニプニしてしまいました。現在、ダイエットがてら、お食事の準備や家事一般業務を勝手にやらせてもらっているところです。(汗)
◇ ◇ ◇
「リオナの作る朝ごはんは本当に美味しいね。(パワワ)」
「い、いえ、母に教えてもらったレシピの賜物ですわ。(レオ様のごはんの方が美味しいです。)」
食堂にて、レオ様と一緒に朝餉をいただいているのですが、レオ様はとても美味しそうにパンを口に頬張っていらっしゃいます。
「リオナお手製のごはんを食べるとね、なんだかやる気が出てくるんだ。(にこっ)」
「そ、そうですか……。」
「ということで今日も、魔法の特訓をしようか‼」
「……えっと、今からお皿洗いにお洗濯をしないといけませんので……。(レオから目を逸らすリオナ)」
「リオナ、……いい加減、自分の能力に向き合わないといけないよ。」
「レオ様……。(謎のうるうる)」
「大丈夫。僕が絶対についているから。(ウインク)」
「……だって、魔法の特訓と言っては、私を何度も何度も空中(上空)に投げ飛ばしては落として笑っていらっしゃるではないですか⁉ 何度死ぬと思ったことか‼(泣)」
「えへへ、……怖かった?(にんまり)」
「怖いってものではありませんよ⁉ 私は心の中では、数えきれないくらい死んでいるのです!(号泣)」
「ごめん、ごめん。……あまりにも、リオナが可愛すぎて、いじめたくなっちゃったんだ。(テヘペロ)」
「そんなの、理由になんかなりません!(怒)」
「僕が悪かったよ。……リオナ、許して。(きゅるるん)」
「……もういきなり、崖から突き落としたり、湖へ投げ入れたり、謎の獣の巣に私一人だけ置いて行ったりしないと約束してくれますか?(赤目で睨むリオナ)」
「しないしない。ここに誓うよ。(もうデータはほとんど取れているからね。)」
「……わかりました。魔法の特訓の続きをお願いします。(はぶてながら)」
「そうこなくっちゃ‼」
私は、なんやかんやと今日もレオ様に丸めこまれて、魔法の特訓を受けることになるのでした。(トホホ)
◇ ◇ ◇
「リオナ、今日は座学をやるよ!」
「座学、ですか?」
「そう、今までは実践だった分、身体への負担が大きかったと思うけど、今回は楽勝だよ!」
「そうですか……。」
朝食を終えて、私たちは魔法の特訓をするために、大広間へと移動してきました。
そして、ルンルンされていらっしゃるレオ様が、左手をくるくると振り回されますと、目の前に、勉強机と椅子が一式出現したのです!
「さあ、リオナ、座って。(にんまり)」
「は、はい。ありがとうございます。」
私は用意された目の前の椅子に腰かけました。
「じゃあリオナ、質問するよ‼ ……魔法とは何かな?」
「魔法、ですか?」
「そう、魔法‼」
「……お空を飛んだり、お食事を出したり、瞬間移動したり、……レオ様が日常的に使用されていらっしゃる全ての事柄だと思いますわ。」
「そうだね、その通りだよ。……ならば、魔法を使える人と使えない人の違いは何だと思う?」
「…………遺伝でしょうか。(悩)」
「それもある‼ ……でもね、本来、誰でも魔法を使うことは可能なんだ。(ウインク)」
「――――っ‼(驚愕)」
「あはは、信じれないって顔をしているね。……でも、それが世界の真実なんだよ。(確信)」
「……。(お口ぽかーん)」
「そして、誰でも魔法を使えるようにするために設立された魔法学校がアデル皇国の辺境地にあるんだけど、君のご両親はそこへ、君を入れるつもりだったのかもしれないね。」
「お父様、お母様……。(うるうる)」
「……リオナ、ちょっと時間が足りないから、いきなり答えを言うけれど、魔法を使えない人はね、時の権力者達にそのエネルギーを吸い取られているようなものなんだ。」
「――――っ‼」
「その証拠を今出すことはできないけれど、これは、アデルの魔法省の偉大なる魔法使い達の間では、当たり前な事実なんだよ。」
「アデル皇国のですか?」
「そうさ。彼らは、それを逆転の発想と言っているみたいだけどね。(ウインク)」
「逆転の発想?」
「――『この世の全てのエネルギーの総量は全て一定である。ただし、エネルギーは、人・物・場所・時間を移り行くものでもある。どれかにとどまり続けることはできない。』―― ……けれども、目に見えない魔法エネルギーを通さない人間を、少しずつ増やしていくとどうだろう? その魔法エネルギーは、魔法を通す人間にしか必然と流れなくなる。そしていつの間にか、魔法を使える人とそうでない人に分かれた。……魔法を使えない人達は、現在、魔法エネルギーを牛耳りたい権力者に能力を制限されている状態なんだよ。」
「そ、そんな……。(困り眉)」
「だけどね、その権力者の手の平から零れ落ちる人間がいる。……それが、アデル皇国民(全員)や、トルネード王国、ランドット王国、ニホン帝国、マテリア帝国のごく少数ではあるけれど、遺伝的に外部の干渉をはねのけることのできる一部の一族なのさ。……僕もその一部だし、リオナ、君もだよ。(微笑み)」
「私も……。(胸の奥がほんのりとあたたかくなる)」
「これが、僕の知る魔法の概念なんだけど、何か質問はあるかな?」
「……ちょっと信じられないお話ばかりで、頭が混乱しておりますわ。(汗)」
「あはは、そうだよね。……僕もそうだったな。まあ、魔法に携わると、おいおい分かってくるから気長にいこうね。……ただ、忘れないでほしい。リオナ、君は異常なんかじゃない。君の身体は正常に働いている。これだけは、本当だよ。(真剣)」
「はい、レオ様。肝に銘じておきますわ。」
「よし、じゃあ、今日の特訓はおしまいにするよ‼」
「えっ、もうおしまいなのですか?(いつもなら、ここから崖に突き落とされますのに、なんだか怪しいですわ。)」
「えへへ、リオナの期待通りに崖に突き落とすのもいいけどね……もうすぐ賓客が来そうな気がするんだ。」
「お客様ですか?(きょとん)」
「そう、お客様が続々とね。……だから、これから全居室の大掃除に取り掛からないと間に合わないかもしれなくて、ちょっと焦ってる。(困り眉)」
「了解いたしました。この私にお任せください‼(満面の笑みで胸を張るリオナ)」
「……ほんと、リオナって掃除好きだよね。(微笑み)」
「……?(きょとん)生家では使用人を雇うお金が無かったので、全て自分でやっておりましたから、お掃除は大の得意なのですよ。」
「えへへ、リオナがいてくれると心強いよ。……一緒にいてくれてありがとう。」
「こちらこそですわ、レオ様。ちゃちゃっとお掃除して、早く休憩しましょう!」
「ああ、そうだね‼」
私とレオ様は、全居室(約二百室程)のお掃除をするために、宿泊棟へと向かうのでした。
――稀代なる魔法使いレオ・ナユタの『レオの館』には、嵐の前の静かなるひとときがあったのであった。――
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