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第陸譚

0054:召集‼︎

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 ーーここはノア・フィックスド辺境伯家の応接間。ーー


「アリスちんー、今日も今日とてかけっこするでちゅよーー‼︎(とてとて走り回るアルト)」

「あーあ!(アルト、まってー‼︎ 追いかけるアリス)」

「元気なのは、良いことですわね。(感心オリビア)」


 シャラララララン、……シュトッーー‼︎


 ーーと、いきなり橙色の光の中から集団が出現した‼︎ーー


「「「ーーーー⁉︎(驚愕オリビアズ)」」」

「オリビアさん、ただいまーー‼︎(パパ顔ノア)」

「ノアさん、お帰りなさい‼︎(にっこりビア)」

「オリビア殿、またお世話になるよ。(大巫女)」

「ミクル様、大歓迎ですわ!(嬉しいビア)」

「オリビアちゃん、いきなりで悪いけど、ちょっと来客用のお部屋を五部屋ほど用意できるかい?(もふもふをお姫様抱っこしてるパトリック殿下)」

「承知致しましたわ、パトリック殿下。(キリッとビア)」

「スピスピ、……もっふう。(ゲソゲソマリア嬢)」

「マリア様、……またこんなにも、ゲソゲソになられて。(アルト達のおやつをマリア嬢のお口に放り込むビア)」

「もふう、……パクパク、もふう。(気絶したまま、まるで鯉のように、口をパクパクさせるマリア嬢)」

「…………。(マリア様に餌付け、……最高ですわね。 嬉しいビア)」

「オリビアちゃん、……今回新たにスピカの一員になるかもしれない、お客様を紹介するね。……この目付きの悪いのが、ランドットのベル・ナユタ殿下で、お隣がランドットのリリアナ・ヘレン公爵令嬢、……そんでもって、以前来てくれたアデル皇国のマーキュリー殿下に、僕の兄のマーズ兄さんだよ‼︎(やや複雑な表情のパトリック殿下)」

「ベル殿下、リリアナ様、マーキュリー殿下、マーズ殿下、……ノア・フィックスドの妻オリビアでございます。どうぞお見知りおきを。(……なかなか、アクの濃ゆい方々ですわね。流石ですわ、パトリック殿下。 完璧な所作で挨拶する辺境伯領の主婦オリビア)」

「「「「よろしくお願いします‼︎(新入り四人)」」」」

「あと、ミクル姉さんも、一緒に活動してくれるみたいだから、よろしくね。」

「オリビア殿、いろいろよろしくな。(大巫女)」

「はい、よろしくお願い致します。(嬉しいビア)」

「それじゃあオリビアちゃん、みんなのこと、よろしくね。(オリビアに全幅の信頼を寄せるパトリック殿下)」

「はい。……ここでの掟を一から叩き込ませていただきますわ‼︎(とても張り切っているビア)」

「「「「ーーっ⁉︎(ちょっとびびる四人)」」」」

「よろしくー‼︎ それと、ノア、……自宅待機してもらってるスピカのみんなに、召集をかけるよ‼︎」

「了解です、パトリック殿下‼︎(張り切るノア)」

「日時はまだ決まっていないけれど、合図が上がったとき、すぐに集合できるよう準備をしておいてくれって、伝言してほしい。だと、あちら側に傍受される可能性があるから、僕のを使って、一人ずつ当たってくれ。(超真面目殿下)」 

「ラジャーー‼︎(敬礼ノア)」

「僕はちょっと用事があるから出掛けてくるけど、みんなのことをよろしく頼むよ、ノア。」

「ラジャーー‼︎(敬礼ノア)」

「よしっ、……じゃあ、ミクル姉さん、ベル殿下、リリアナ嬢、マーズ兄さん、マーキュリー殿下、……ちょっと僕、出掛けてきますので、ここでのことは、オリビアちゃんとノアに聞いてお過ごしください。明日の午前中に、皆さんの面接を行いますので、それまでは、ごゆっくりどうぞ。(さりげなくマリア嬢をおんぶするパトリック殿下)」

「「「「「ラジャーー‼︎」」」」」

「オリビアちゃん、……頼んだよ。(キリッと殿下)」

「行ってらっしゃいませ、パトリック殿下。(さりげなくアルトを捕獲して殿下を見送るオリビア)」

「ちゃんと夕餉には、戻って来てくださいねー‼︎(アリスを抱っこして殿下を見送るノア)」

「うん、行ってきまーーす‼︎(マリア嬢を引き連れて魔法転送するパトリック殿下)」


 ーー殿下とマリア嬢は、橙色の光の中へ消失した‼︎ーー


「…………マリア様は、置いていってもよかったんじゃないかなー。(戸惑いを隠せないノア)」

「大丈夫ですわよ。……マリア様は、お強いですからね。(酔いしれてるビア)」

「……それにしても、魔王しゃまが連れてくるカップルは、不思議な関係が多いでちゅね。(二組のカップルを見て、何となく察してドン引きしてるおませなアルト)」

「あーあーっう‼︎(難しいことはわからんけど、オヤツをたくさん食べるのだ‼︎ 手足バタバタアリス)」

「ノアさん、急いで支度しましょう‼︎(キリッとビア)」

「ええ、やっちゃいましょう‼︎(嬉しいノア)」


 ーーフィックスド辺境伯家は、活気に満ち溢れた‼︎ーー


 ◇  ◇  ◇


 ーーところ変わって、ここは、アデル皇国の、首都郊外にある、とある『パンケーキ屋さん』のカウンター席。ーー

 ーー銀髪のとある美しい女性(?)と、鼻毛をかなり伸ばしたとある男が、仲良さげに談笑(?)していた。ーー


「……久しぶりだな。(銀髪)」

「おう。……再会できて、私は嬉しいぞ。(鼻毛野郎)」

「ああ、……とにかく、元気そうでよかった。(銀髪)」

「……最近、……甥っ子が、嫁候補を連れて挨拶しに来たんだ。(いきなり話題を変えてくる鼻毛野郎)」

「…………ほう?(眉を顰める銀髪)」

「若かったあの頃の自分と、甥っ子の姿が被ってな、……つい、反対してしまった。(ポツリポツリ話す鼻毛野郎)」

「…………まあ、そんなもんじゃないのか?(銀髪)」

「そうだよね⁉︎ 一回は、絶対反対するよね⁉︎ それが、ごく一般のお父さんだよね⁉︎(激しい鼻毛野郎)」

「……いや、まだ、が恋人連れてくることがないから、よくわからんがな。(ややドン引き銀髪)」

「……そのさ、……甥っ子が連れてきた嫁候補がね、……ごく普通のモブ系男子でね。……頭が真っ白になっちゃってね、……悪いことしちゃったかなー。(何故かしょぼくれる鼻毛野郎)」

「…………。(複雑すぎて簡単に返せない銀髪)」

「……いろいろ大変だねー。(素朴な風貌のマスター)」


 ーーと、そこへ、マスターがサービスを持ってきた‼︎ーー


「新作のパンケーキ、作ってみたんだけど、食べない? サービスするからさ。(ニコニコマスター)」

「あああああ、マスター、ありがとうーー‼︎(マスターの優しさに触れて、号泣する鼻毛野郎)」

「やっぱり、お父さんになると、いろいろ悩むからね。それ食べて、元気出してよ。(良い人なマスター)」

「うううううん、……いただきます。……モグモグ……。(サービスのパンケーキをモグモグ食べてる鼻毛野郎)」

「ほら、の分もあるから、エドも食べてね。(銀髪の前に、サービスのパンケーキを出すニコニコマスター)」

「ああ、……ありがとう。……いただきます。(地味にパンケーキが大好きな銀髪)」

の甥っ子さんは、結婚適齢期なの?(鼻毛野郎に聞くマスター)」

「おう。……早く婚約者を決めてあげれば、こんな事にならなかったのかなー? でも、トルネードの殿が、シュパパッとサネユキを引き抜いて連れて言ってしまったからなー。(なんとも言えない鼻毛野郎)」

「……そう言えば、パトリック殿下に最近会ったな。(パンケーキにかぶりついてる銀髪)」

「そうなのか、エド⁉︎ どうだった? の忘形見は⁉︎(いきなり興奮し出す鼻毛野郎)」

「……両親を足してニで割った感じかな。……似すぎて凄かったけど、アイツらよりは、よく考えて行動できる、希望の星だな。(大絶賛な銀髪)」

「そうか、そうか‼︎ 私も、一回会ってみたいぞ‼︎(嬉しげな鼻毛野郎)」

「育ての親がよかったんだろうね。……すごいな。子育てって、本当に難しいから、どうやって育てるのか教えて欲しいよ。(複雑な表情のマスター)」

「……そうだな。……、ああなっちまったもんな。(額に汗が浮き出る銀髪)」

「……マーズ君が悪いわけじゃないんだよ。……ただね、もうちょっと穏便にしてくれると、精神状態を良好に保てるというか、……妻に顔向けできないよーー‼︎(うるうるし出して泣きだすマスター)」

「わかる。……ものすごく気持ちはわかるぞ‼︎(共感する鼻毛野郎)」

「……魔法が使えても、子育てには、一切活かせないからな。(しみじみ思う銀髪)」

「ーーほんと、子育てって、大変ですよね?(さりげなく鼻毛野郎の隣に座っている、ブラック魔王パトリック殿下と、おんぶされているマリア嬢)」

「「「ーーーーっ⁉︎(ギョギョギョッな中年トリオ)」」」

「マスター、とりあえず、ありったけのパンケーキ、頼んでいいですか? 勿論、代金は、マーキュリー殿下にツケでね?(超ブラック魔王パトリック殿下)」

「もっふう……フガフガ、……スピスピ……フガフガー‼︎(パンケーキの匂いに反応して、鼻を鳴らすマリア嬢)」


 ーーパトリック殿下は、何しにここへ⁉︎ーー
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