22 / 59
第弐譚
0021:タイミング
しおりを挟む
ーここは、満月が輝く『百鬼夜行の大通り』ーー
ゴォーー、グゴォー、ウォーー‼︎
「……マリア様、あれがトルネード王国軍の戦闘機だよ。(マリア嬢の両耳を両手で蓋する殿下)」
「……わふう。(恐ろしい機械ですわ。見た事のない形をしているのですね。 困り眉なマリア嬢)」
「月国の技術を取り入れているからね。他国では、このタイプの機体はまだ作られていないはずだ。」
「パトリック、この大通り一帯に結界は張り終えたぞ。」
「ありがとう、サネユキ。結界が効けばいいんだけどね。(神妙な表情の殿下)」
『マーズ、ツクヨミ、今から落ちてくる物体を、ありったけの空気で包んで着地させろ‼︎ 絶対に裸の状態で落とすなよ‼︎(空中から声を張り上げるロック公爵)』
『『ラジャーー‼︎(空中から応える二人)』』
ーーと、戦闘機から無数の球体が落ちてきた‼︎ーー
『およよーー⁉︎(サッと避けるツクヨミ)』
『避けるな、ツクヨミ‼︎ エアークッション‼︎』
ーーロック公爵の魔法で球体はゆっくりと着地した‼︎ーー
『さすがです、お師匠様‼︎(拍手するツクヨミ)』
『馬鹿タレ‼︎ まだまだ降ってくるんだから、お前もどうにかキャッチしろ‼︎』
『ラジャーー‼︎(空中で身体を捻るツクヨミ)』
『エドワード、これでよいか?(複数の球体を操って、地面にゆっくり降ろすマーズ殿下)』
『上出来だ‼︎ ツクヨミもマーズを見習ってやれ‼︎』
『ラジャーー‼︎』
ーー三人の魔法使いは地味に球体を降ろし続けた‼︎ーー
「……すごい。これが魔法の力。(目を輝かせる殿下)」
「そうだな。やってることは地味だが、霊力では難しいことを成し遂げられる。まさに神の力。(納得サネユキ)」
「……隊長、ずっと疑問に思っていたのですが、魔法と霊力って何が違うのですか?」
「……難しい質問だな。……簡単に言うと、魔法は原理原則に基づくものである。」
「原理原則ですか?(ほへーなノア)」
「そうだ。全てのエネルギーの総和を操るから、周囲にエネルギーがあって、それに気づけるならば、誰でもできる。……それに反して、霊力は、生きとし生けるものの心に起因する。(神妙サネユキ)」
「……『やる気』とかってことですか?」
「そんな感じだ。心次第でなんとかするのが霊力。呪いとかもこの類いだな。」
「概念理屈は違うけれど、ある意味どっちも、目には見えないものを利用しているんだよね。(考え込む殿下)」
ーーと、戦闘機は向きを変えて去って行った‼︎ーー
「……案外早くに終わったね。(冷や汗殿下)」
「ああ。……パトリック、……気をつけろよ。」
「うん。……エドワード・ロック、上手いこと避けてくれよ。(ガタガタ震える殿下)」
「わふ。(殿下の背中をさするマリア嬢)」
「……マリア様、ありがとう。それ、続けてくれますか?」
「わふ。(勿論ですわ。 手を止めないマリア嬢)」
「……幾分かやりやすくなった。みんな、爆風に備えててね。(ロック公爵を凝視して、焦点を定める殿下)」
「「「ラジャー。(わふ。)」」」
ーーアデルの魔法使い達は、全球体を降ろし終えた‼︎ーー
『エドワード、戦闘機が帰って行ったぞ‼︎』
『ああ。二人とも、油断するなよ。エアークッションは絶対に外すな。(地面に着地するロック公爵)』
『結構あっけなかったですね。(地面に着地して、球体を脇にゴロゴロ転がすツクヨミ)』
『……なんか嫌な予感がするな。(汗だくロック公爵)』
『エドワード、この物体は、第壱の危険物保管庫へ転送するぞ。(地面に降りて球体を集めるマーズ殿下)』
『ああ。……これ以外は全て送ってくれ。』
ーーロック公爵は一番怪しそうな球体をキープした‼︎ーー
『……どうするつもりなんだ?(きょとんマーズ殿下)』
『……調べたいことがある。……これ以外は、すぐに送ってくれ。(球体に手をかざすロック公爵)』
『わかった。……ツクヨミ、準備はいいぞ。』
『了解です。ーーーー物体転送‼︎』
パアアアアアアア、シュパっ‼︎
ーー青白い光と共に、沢山の球体は消失した‼︎ーー
『……マーズ殿下、危険物保管庫への転送確認終わりました‼︎(目を煌々と光らせるツクヨミ)』
『よくやった、ツクヨミ。……エドワード、球体は、第壱部隊で解体させるが、いいか?』
『そうしてくれ。……二人はちょっと俺から離れろ。』
『うん? 分解なら俺達も手伝うぞ?(きょとんマーズ)』
ーーと、球体からチックタックと音が鳴り出した‼︎ーー
「ーーーーっ⁉︎ まずいっ‼︎(焦るパトリック殿下)」
『時限装置付きか⁉︎ (マーズ殿下と、ツクヨミに対して)エアークッション‼︎』
「マリア様、僕が居なくなっても、元気に生きるんだよ。(マリア嬢に微笑んでエドワードの前に飛び出る殿下)」
ーーその瞬間。ーー
ドッカーーーン‼︎(強い火薬臭)
ーー球体の爆発によって、二人は空中へ舞い上がる‼︎ーー
「「「ーーーーっ⁉︎」」」
『『ーーーーっ⁉︎』』
ーーパトリック殿下の身体は丸い弧を描いて、マリア嬢の足元へ着地した‼︎ーー
「わふー⁉︎(パトリック様ーー⁉︎ 絶叫して殿下を抱き締めるパニック状態のマリア嬢)」
「パトリック……何故なのだ。(狼狽えるサネユキ)」
「…………。(青褪めた顔で気を失っている殿下)」
「……隊長、とりあえず俺の屋敷へ殿下を運びましょう‼︎」
「……わかった。……マリア嬢、これから土ごと運ぶから、パトリックを絶対に離してはならない。大丈夫か?」
「わふう‼︎(わかりました。実雪様、お願いします‼︎)」
「よし、いくぞ‼︎(瞳孔ピカッ)」
ウゴゴゴゴゴゴゴオオオオオーー‼︎
ーー『スピカ』の四人は土ごと消失したのであった‼︎ーー
ーー一方アデルの魔法使い達は……。ーー
『エドワードーー‼︎(ロック公爵の身体を抱き締めて絶叫するマーズ殿下)』
『お師匠様……。(ほろほろと涙を流すツクヨミ)』
(おい、お前たち、しっかりしやがれ‼︎)
『『ーーーーっ⁉︎』』
『……え、えどわーどなのか?(驚愕マーズ殿下)』
(ああ、お前たちは無事みたいだな。)
『お師匠様は無事なのですか?(鼻水ズピズピ)』
(さあな。よくわからんが、お前たちに俺の言葉が伝わっているなら、なんとかなるんじゃないのか?)
『エドワード、他人事過ぎるぞ‼︎(大泣マーズ殿下)』
(どうなるかなんて、誰にもわからねーからな。……お前たちに頼みがある。……まず、俺の身体は、トルネード国王城に安置してくれ。)
『『ーーーーっ⁉︎』』
(約一カ月後に、王城で大きな舞踏会があるはずだ。それが終わるまでは、俺の身体を動かすな。)
『し、しかし、エドワード……。(困り眉マーズ殿下)』
(命令だ。舞踏会が終わるまで俺の身体は王城に安置だ。ついでにマーズ、お前の父親と決着をつけてこい。いいな?)
『……ああ、わかった。』
(それとツクヨミ、一番大事な仕事をお前に与える。)
『な、なんでしょう、お師匠?(ゴクリ)』
(……じきに戦争が起こる。いいか、俺の娘、ルナ・ロックを全力で守れ。俺の娘を戦争の武器に、兵器に使われる前に、ヤツらから奪い返せ! それが、俺と妻の願いだ‼)
『『ーーーーっ⁉︎』』
ーー今宵の満月はいつもよりも一層輝くのであった。ーー
ゴォーー、グゴォー、ウォーー‼︎
「……マリア様、あれがトルネード王国軍の戦闘機だよ。(マリア嬢の両耳を両手で蓋する殿下)」
「……わふう。(恐ろしい機械ですわ。見た事のない形をしているのですね。 困り眉なマリア嬢)」
「月国の技術を取り入れているからね。他国では、このタイプの機体はまだ作られていないはずだ。」
「パトリック、この大通り一帯に結界は張り終えたぞ。」
「ありがとう、サネユキ。結界が効けばいいんだけどね。(神妙な表情の殿下)」
『マーズ、ツクヨミ、今から落ちてくる物体を、ありったけの空気で包んで着地させろ‼︎ 絶対に裸の状態で落とすなよ‼︎(空中から声を張り上げるロック公爵)』
『『ラジャーー‼︎(空中から応える二人)』』
ーーと、戦闘機から無数の球体が落ちてきた‼︎ーー
『およよーー⁉︎(サッと避けるツクヨミ)』
『避けるな、ツクヨミ‼︎ エアークッション‼︎』
ーーロック公爵の魔法で球体はゆっくりと着地した‼︎ーー
『さすがです、お師匠様‼︎(拍手するツクヨミ)』
『馬鹿タレ‼︎ まだまだ降ってくるんだから、お前もどうにかキャッチしろ‼︎』
『ラジャーー‼︎(空中で身体を捻るツクヨミ)』
『エドワード、これでよいか?(複数の球体を操って、地面にゆっくり降ろすマーズ殿下)』
『上出来だ‼︎ ツクヨミもマーズを見習ってやれ‼︎』
『ラジャーー‼︎』
ーー三人の魔法使いは地味に球体を降ろし続けた‼︎ーー
「……すごい。これが魔法の力。(目を輝かせる殿下)」
「そうだな。やってることは地味だが、霊力では難しいことを成し遂げられる。まさに神の力。(納得サネユキ)」
「……隊長、ずっと疑問に思っていたのですが、魔法と霊力って何が違うのですか?」
「……難しい質問だな。……簡単に言うと、魔法は原理原則に基づくものである。」
「原理原則ですか?(ほへーなノア)」
「そうだ。全てのエネルギーの総和を操るから、周囲にエネルギーがあって、それに気づけるならば、誰でもできる。……それに反して、霊力は、生きとし生けるものの心に起因する。(神妙サネユキ)」
「……『やる気』とかってことですか?」
「そんな感じだ。心次第でなんとかするのが霊力。呪いとかもこの類いだな。」
「概念理屈は違うけれど、ある意味どっちも、目には見えないものを利用しているんだよね。(考え込む殿下)」
ーーと、戦闘機は向きを変えて去って行った‼︎ーー
「……案外早くに終わったね。(冷や汗殿下)」
「ああ。……パトリック、……気をつけろよ。」
「うん。……エドワード・ロック、上手いこと避けてくれよ。(ガタガタ震える殿下)」
「わふ。(殿下の背中をさするマリア嬢)」
「……マリア様、ありがとう。それ、続けてくれますか?」
「わふ。(勿論ですわ。 手を止めないマリア嬢)」
「……幾分かやりやすくなった。みんな、爆風に備えててね。(ロック公爵を凝視して、焦点を定める殿下)」
「「「ラジャー。(わふ。)」」」
ーーアデルの魔法使い達は、全球体を降ろし終えた‼︎ーー
『エドワード、戦闘機が帰って行ったぞ‼︎』
『ああ。二人とも、油断するなよ。エアークッションは絶対に外すな。(地面に着地するロック公爵)』
『結構あっけなかったですね。(地面に着地して、球体を脇にゴロゴロ転がすツクヨミ)』
『……なんか嫌な予感がするな。(汗だくロック公爵)』
『エドワード、この物体は、第壱の危険物保管庫へ転送するぞ。(地面に降りて球体を集めるマーズ殿下)』
『ああ。……これ以外は全て送ってくれ。』
ーーロック公爵は一番怪しそうな球体をキープした‼︎ーー
『……どうするつもりなんだ?(きょとんマーズ殿下)』
『……調べたいことがある。……これ以外は、すぐに送ってくれ。(球体に手をかざすロック公爵)』
『わかった。……ツクヨミ、準備はいいぞ。』
『了解です。ーーーー物体転送‼︎』
パアアアアアアア、シュパっ‼︎
ーー青白い光と共に、沢山の球体は消失した‼︎ーー
『……マーズ殿下、危険物保管庫への転送確認終わりました‼︎(目を煌々と光らせるツクヨミ)』
『よくやった、ツクヨミ。……エドワード、球体は、第壱部隊で解体させるが、いいか?』
『そうしてくれ。……二人はちょっと俺から離れろ。』
『うん? 分解なら俺達も手伝うぞ?(きょとんマーズ)』
ーーと、球体からチックタックと音が鳴り出した‼︎ーー
「ーーーーっ⁉︎ まずいっ‼︎(焦るパトリック殿下)」
『時限装置付きか⁉︎ (マーズ殿下と、ツクヨミに対して)エアークッション‼︎』
「マリア様、僕が居なくなっても、元気に生きるんだよ。(マリア嬢に微笑んでエドワードの前に飛び出る殿下)」
ーーその瞬間。ーー
ドッカーーーン‼︎(強い火薬臭)
ーー球体の爆発によって、二人は空中へ舞い上がる‼︎ーー
「「「ーーーーっ⁉︎」」」
『『ーーーーっ⁉︎』』
ーーパトリック殿下の身体は丸い弧を描いて、マリア嬢の足元へ着地した‼︎ーー
「わふー⁉︎(パトリック様ーー⁉︎ 絶叫して殿下を抱き締めるパニック状態のマリア嬢)」
「パトリック……何故なのだ。(狼狽えるサネユキ)」
「…………。(青褪めた顔で気を失っている殿下)」
「……隊長、とりあえず俺の屋敷へ殿下を運びましょう‼︎」
「……わかった。……マリア嬢、これから土ごと運ぶから、パトリックを絶対に離してはならない。大丈夫か?」
「わふう‼︎(わかりました。実雪様、お願いします‼︎)」
「よし、いくぞ‼︎(瞳孔ピカッ)」
ウゴゴゴゴゴゴゴオオオオオーー‼︎
ーー『スピカ』の四人は土ごと消失したのであった‼︎ーー
ーー一方アデルの魔法使い達は……。ーー
『エドワードーー‼︎(ロック公爵の身体を抱き締めて絶叫するマーズ殿下)』
『お師匠様……。(ほろほろと涙を流すツクヨミ)』
(おい、お前たち、しっかりしやがれ‼︎)
『『ーーーーっ⁉︎』』
『……え、えどわーどなのか?(驚愕マーズ殿下)』
(ああ、お前たちは無事みたいだな。)
『お師匠様は無事なのですか?(鼻水ズピズピ)』
(さあな。よくわからんが、お前たちに俺の言葉が伝わっているなら、なんとかなるんじゃないのか?)
『エドワード、他人事過ぎるぞ‼︎(大泣マーズ殿下)』
(どうなるかなんて、誰にもわからねーからな。……お前たちに頼みがある。……まず、俺の身体は、トルネード国王城に安置してくれ。)
『『ーーーーっ⁉︎』』
(約一カ月後に、王城で大きな舞踏会があるはずだ。それが終わるまでは、俺の身体を動かすな。)
『し、しかし、エドワード……。(困り眉マーズ殿下)』
(命令だ。舞踏会が終わるまで俺の身体は王城に安置だ。ついでにマーズ、お前の父親と決着をつけてこい。いいな?)
『……ああ、わかった。』
(それとツクヨミ、一番大事な仕事をお前に与える。)
『な、なんでしょう、お師匠?(ゴクリ)』
(……じきに戦争が起こる。いいか、俺の娘、ルナ・ロックを全力で守れ。俺の娘を戦争の武器に、兵器に使われる前に、ヤツらから奪い返せ! それが、俺と妻の願いだ‼)
『『ーーーーっ⁉︎』』
ーー今宵の満月はいつもよりも一層輝くのであった。ーー
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
ヒロインではないので婚約解消を求めたら、逆に追われ監禁されました。
曼珠沙華
恋愛
「運命の人?そんなの君以外に誰がいるというの?」
きっかけは幼い頃の出来事だった。
ある豪雨の夜、窓の外を眺めていると目の前に雷が落ちた。
その光と音の刺激のせいなのか、ふと前世の記憶が蘇った。
あ、ここは前世の私がはまっていた乙女ゲームの世界。
そしてローズという自分の名前。
よりにもよって悪役令嬢に転生していた。
攻略対象たちと恋をできないのは残念だけど仕方がない。
婚約者であるウィリアムに婚約破棄される前に、自ら婚約解消を願い出た。
するとウィリアムだけでなく、護衛騎士ライリー、義弟ニコルまで様子がおかしくなり……?
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜
桐生桜月姫
恋愛
シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。
だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎
本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎
〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜
夕方6時に毎日予約更新です。
1話あたり超短いです。
毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる