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第壱譚(修正前)
0003:黒パトリック殿下
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「……リア様、マリア様起きて。」
「……うー、かみさまのうそつきー。むにゃむにゃ。」
「……起きないと唇にキスしちゃおうかな♪」
「うおはようございます‼ …………ここは、どこなの⁉(知らない場所でびっくり)」
「おはよう! マリア様‼(にっこり)」
……皆様、おはようございます。トルネード王国第三王子リゲル殿下から婚約破棄され、国境沿いにてポイ捨てされた後、真夜中の森の中で第二王子パトリック殿下と出くわしたマリア・ラーズベルトです。現在、私は、天幕の中に設置された上質なベッドの上で横になっております。そして、ベッド脇にある簡易椅子へ腰を掛けられたパトリック殿下は、私の両手をにぎにぎと握られていらっしゃるのでした。(汗)
「マリア様、お身体は大丈夫ですか?(不安)」
「は、はい。なんとか大丈夫です。(汗)」
「顔色は少しいいみたいですね。……昨日、いきなり気を失われてしまわれましたから、僕、とても不安で眠れなかったんです。(心配そうな顔)」
「ご心配をおかけしまして、申し訳ありません。……はじめて尽くしだったので、身体がびっくりしてしまったのかもしれません。」
「そうですね。今日は朝ごはんを食べてから、暫くここで一緒に休憩しましょう!」
パトリック様は、とても親切に接してくださる、素晴らしいお方です。けれど私は、昨日パトリック様が仰っていらした、『クーデター組織』というお言葉が、頭から離れません。トルネード王国の平和を脅かす集団をそのまま見過ごすことは、私にはできないのです。早く、実家に戻って、このことを父上に報告しなければと、私は心の中で焦っておりました。
「……あ、あの、パトリック様。」
「……? どうなされました?(きょとん)」
「せっかくの御厚意、とても有り難く思っています。……しかし、私は、一度王都へ戻らなければいけませんので、今すぐここを出ようと考えています。」
「マリア様。(困り眉)」
「パトリック様への感謝の気持ちは一生忘れません。何から何まで本当にありがとうございました。(ぺこり)」
「……いや逃がさないよ。(黒いオーラ)」
「――――っ⁉」
その途端、私は、全身がまるで金縛りにあってしまったかのように、動かなくなってしまったのです‼ 頑張って指一本動かそうとしても、びくともしません。次第に、自身の身体から血の気が引いていくのをひしひしと感じるのでした。(冷や汗)
「……いいね、マリア様はここで、僕と一緒にいるんだよ。わかった?(マリア嬢の柔らかい唇を人差し指でつんつんする)」
「――――っ⁉(声を出したいのに出せなくて無茶苦茶焦って目を大きくしてるマリア嬢)」
「……僕、わかっているんだよ。マリア様の心の中が。王都に戻ったら、僕たちのことを、ラーズベルト公爵に話すんでしょ? ……それはね、今じゃないんだ。まだ、言っちゃダメ。……でも、マリア様は言ってしまう。そして僕たちの情報を、リゲルに売り渡すのでしょう? そんなこと、させないからね。(黒パトリック殿下)」
パトリック様はそう仰いますと、どこからともなく、見るからに重そうな手錠を取り出されて、私の両手にカチャカチャっと装着させました。(恐怖)
「この手錠の鍵は、僕だけが持っているから。大人しくここで、二人で仲良くしようね‼(どす黒いオーラ)」
「――――っ‼(大泣)」
――かみさまの噓つきーー‼(心の中で涙)
私の心の叫びは、パトリック様のどす黒いオーラに飲み込まれていくのでした。
◇ ◇ ◇
「マリア様、おいしい?」
「は、はい。パトリック様。(うるうる)」
「たくさん食べて元気になってね! ……はい、あーーん。(マリア嬢の口元にスプーンを差し出す)」
「あ、あの、パトリック様、自分で食べれますので…………。」
「だーめ、マリア様は疲れているんだから、僕が食べさせるの‼(どす黒いオーラ)」
「ひいいーーっ‼(怯えた子犬のように)」
「ねっ? お口、開けようか。(笑いつつ圧)」
「あ、あーーん。(怯えながら口を開く)」
「はい、あーーん。(マリア嬢の口に食べ物を運ぶ) ……マリア様は素直で良い子だね! ほんと、食べちゃいたいくらい可愛いんだからっ‼」
「……。(た、食べられる⁉ 私、パトリック様に食べられてしまう運命なのですか、神様⁉)」
パトリック様の一挙手一投足に怯えている私をにこやかに眺めながら、パトリック様は口を開かれます。
「そんな、可愛いマリア様に教えてあげる。僕が作った組織のことと、これからの計画を、……ねっ?(ウインク)」
……パトリック様のお話を聞けば、もう後戻りできないと思うので聞きたくないのですが、私はこれからどうすればいいのでしょうか、神様ーーーー⁉(涙)
――『流れに身を任せるのじゃ 神より』マリア・ラーズベルトに接触した神という存在は、とても適当で、頼りにならないものであった。――
「……うー、かみさまのうそつきー。むにゃむにゃ。」
「……起きないと唇にキスしちゃおうかな♪」
「うおはようございます‼ …………ここは、どこなの⁉(知らない場所でびっくり)」
「おはよう! マリア様‼(にっこり)」
……皆様、おはようございます。トルネード王国第三王子リゲル殿下から婚約破棄され、国境沿いにてポイ捨てされた後、真夜中の森の中で第二王子パトリック殿下と出くわしたマリア・ラーズベルトです。現在、私は、天幕の中に設置された上質なベッドの上で横になっております。そして、ベッド脇にある簡易椅子へ腰を掛けられたパトリック殿下は、私の両手をにぎにぎと握られていらっしゃるのでした。(汗)
「マリア様、お身体は大丈夫ですか?(不安)」
「は、はい。なんとか大丈夫です。(汗)」
「顔色は少しいいみたいですね。……昨日、いきなり気を失われてしまわれましたから、僕、とても不安で眠れなかったんです。(心配そうな顔)」
「ご心配をおかけしまして、申し訳ありません。……はじめて尽くしだったので、身体がびっくりしてしまったのかもしれません。」
「そうですね。今日は朝ごはんを食べてから、暫くここで一緒に休憩しましょう!」
パトリック様は、とても親切に接してくださる、素晴らしいお方です。けれど私は、昨日パトリック様が仰っていらした、『クーデター組織』というお言葉が、頭から離れません。トルネード王国の平和を脅かす集団をそのまま見過ごすことは、私にはできないのです。早く、実家に戻って、このことを父上に報告しなければと、私は心の中で焦っておりました。
「……あ、あの、パトリック様。」
「……? どうなされました?(きょとん)」
「せっかくの御厚意、とても有り難く思っています。……しかし、私は、一度王都へ戻らなければいけませんので、今すぐここを出ようと考えています。」
「マリア様。(困り眉)」
「パトリック様への感謝の気持ちは一生忘れません。何から何まで本当にありがとうございました。(ぺこり)」
「……いや逃がさないよ。(黒いオーラ)」
「――――っ⁉」
その途端、私は、全身がまるで金縛りにあってしまったかのように、動かなくなってしまったのです‼ 頑張って指一本動かそうとしても、びくともしません。次第に、自身の身体から血の気が引いていくのをひしひしと感じるのでした。(冷や汗)
「……いいね、マリア様はここで、僕と一緒にいるんだよ。わかった?(マリア嬢の柔らかい唇を人差し指でつんつんする)」
「――――っ⁉(声を出したいのに出せなくて無茶苦茶焦って目を大きくしてるマリア嬢)」
「……僕、わかっているんだよ。マリア様の心の中が。王都に戻ったら、僕たちのことを、ラーズベルト公爵に話すんでしょ? ……それはね、今じゃないんだ。まだ、言っちゃダメ。……でも、マリア様は言ってしまう。そして僕たちの情報を、リゲルに売り渡すのでしょう? そんなこと、させないからね。(黒パトリック殿下)」
パトリック様はそう仰いますと、どこからともなく、見るからに重そうな手錠を取り出されて、私の両手にカチャカチャっと装着させました。(恐怖)
「この手錠の鍵は、僕だけが持っているから。大人しくここで、二人で仲良くしようね‼(どす黒いオーラ)」
「――――っ‼(大泣)」
――かみさまの噓つきーー‼(心の中で涙)
私の心の叫びは、パトリック様のどす黒いオーラに飲み込まれていくのでした。
◇ ◇ ◇
「マリア様、おいしい?」
「は、はい。パトリック様。(うるうる)」
「たくさん食べて元気になってね! ……はい、あーーん。(マリア嬢の口元にスプーンを差し出す)」
「あ、あの、パトリック様、自分で食べれますので…………。」
「だーめ、マリア様は疲れているんだから、僕が食べさせるの‼(どす黒いオーラ)」
「ひいいーーっ‼(怯えた子犬のように)」
「ねっ? お口、開けようか。(笑いつつ圧)」
「あ、あーーん。(怯えながら口を開く)」
「はい、あーーん。(マリア嬢の口に食べ物を運ぶ) ……マリア様は素直で良い子だね! ほんと、食べちゃいたいくらい可愛いんだからっ‼」
「……。(た、食べられる⁉ 私、パトリック様に食べられてしまう運命なのですか、神様⁉)」
パトリック様の一挙手一投足に怯えている私をにこやかに眺めながら、パトリック様は口を開かれます。
「そんな、可愛いマリア様に教えてあげる。僕が作った組織のことと、これからの計画を、……ねっ?(ウインク)」
……パトリック様のお話を聞けば、もう後戻りできないと思うので聞きたくないのですが、私はこれからどうすればいいのでしょうか、神様ーーーー⁉(涙)
――『流れに身を任せるのじゃ 神より』マリア・ラーズベルトに接触した神という存在は、とても適当で、頼りにならないものであった。――
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