29 / 31
第参譚
0029:ツクヨミの疑問
しおりを挟む
【side ツクヨミ】
「ということで、…………俺、暫く眠るから後は頼んだぞ、ツクヨミ。(かなり疲れたご様子)」
「えええ⁉︎ じょ、冗談はよしてくださいよ、お師匠様‼︎」
「……もうすぐルナが目を覚ますからな。」
「えっ? 本当ですか! なら早く代わってください!」
「…………お前、やけに嬉しそうだな。ルナのことが好きなのか?(ギロリ)」
「え、えっとー、ち、違いますよ、お師匠様。……灰かぶり姫は、マーズ殿下のお嫁さんになるから、す、好きになってはいけないのです。(モジモジ)」
「…………それは無いと思うがな。」
「えっ?(表情がパァァと明るくなる)……でも、マーキュリー殿下が『灰かぶり姫とマーズは、お似合いだろうから、僕が二人を良い感じに引き合わせたら、お互いに想い合って、いずれは結婚するかもな!』って仰っていましたよ。」
「それはいつの話だ?(怪訝な顔)」
「僕が灰かぶり姫を迎えに行く直前です。」
「はあ、……人の心ってのはな、そんなに簡単に上手くいくはずがないだろうが。……マーキュリーも大概馬鹿だな。」
「お、お師匠様……。(困り眉)」
「少なからず、俺はルナをマーズにはやらんぞ。」
「ほ、ほんとですか‼︎ (表情がパァァァと明るくなる)」
「当たり前だ。……面倒だろ、アイツ。」
「い、いや、でも、殿下はとても良いお方ですよ!」
「それに、アイツはずっと初恋を引きずっているんだ。過去の女を忘れられないような輩に、うちの娘はやれん。」
「……初恋って、お師匠様ではないのですか?(ほえ?)」
「違うわ、たわけが!(バシッとツクヨミを殴る)」
「い、痛いです、お師匠様ー!(涙)」
「お前がわけわからん事を言うからだろーが!」
「えええ‼︎ でも、僕、マーズ殿下から何度もお師匠様との運命的な出会いを聞いていますし、殿下はいつもお師匠様にべったりくっついているではありませんか?」
「…………マーズを助けたのは、俺じゃない。」
「ーーーーっ⁉︎(ええええええ⁉︎)」
「…………俺はその時、月国にいたんだ。」
「……で、では、一体誰が、マーズ殿下を助けた初恋の人なのですか?(びっくり仰天)」
「…………。(気絶してバタンキュー)」
「お、お師匠様ーーーーっ⁉︎」
お師匠様は、肝心なところで、バタンと倒れてしまった。
僕は、お師匠様(身体は灰かぶり姫)を抱え込んで、気道を確保する。……大丈夫、息はしているみたいだ。……しかし、お師匠様が言っていることが正しければ、誰かがマーズ殿下の記憶を操作している可能性がある。……一体、誰がそのようなことをしたのかな?
僕の疑問は尽きないが、とりあえず、灰かぶり姫の容態も心配だ。……第零魔法省様(?)には、丁寧にお断りをして、第一魔法省に早く戻ろう。
「な、ナターシャ様、……お師匠様が倒れてしまって再起不能ですので、お遊びはまた今度にしませんか?」
『……別に少年だけでも、我は構わんぞ。』
「……で、ですが、僕は、灰かぶり姫の介抱もしなくてはなりませんので、……ねっ?(汗)」
『むむむ、イリアルテのルナか。……よいだろう。今回だけは見逃してやる。(イリアルテは少々面倒だからな。)』
「あ、ありがとうございます、ナターシャ様!(アヤツって誰なのかな?)」
『その代わり、必ず時間を作って、エドワードとルナを連れて遊びに来るようにな。』
「はい! ナターシャ様‼︎」
『我は少々疲れた。……このまま一時昼寝するから、少年も早く戻りなさい。』
「はい、ナターシャ様‼︎」
『……それではまた会おう、少年とロックの生き残りよ。』
シュパパパパ!
不思議な音とともに、大きな鏡は消えてしまった。
……まるで嵐のような出来事だった。もしかして、僕は覗いてはいけない、アデル皇国の裏側を見てしまったのかな?
でも、成ってしまったことは仕方がないのだ。……これ以上の闇に遭遇するかもしれないし、……とにかく、僕は灰かぶり姫を守らなくてはならない!
ーー灰かぶり姫を抱いた月の魔法使いツクヨミは、急いで転送用の魔法陣を地面に描き込んだ‼︎ーー
「ということで、…………俺、暫く眠るから後は頼んだぞ、ツクヨミ。(かなり疲れたご様子)」
「えええ⁉︎ じょ、冗談はよしてくださいよ、お師匠様‼︎」
「……もうすぐルナが目を覚ますからな。」
「えっ? 本当ですか! なら早く代わってください!」
「…………お前、やけに嬉しそうだな。ルナのことが好きなのか?(ギロリ)」
「え、えっとー、ち、違いますよ、お師匠様。……灰かぶり姫は、マーズ殿下のお嫁さんになるから、す、好きになってはいけないのです。(モジモジ)」
「…………それは無いと思うがな。」
「えっ?(表情がパァァと明るくなる)……でも、マーキュリー殿下が『灰かぶり姫とマーズは、お似合いだろうから、僕が二人を良い感じに引き合わせたら、お互いに想い合って、いずれは結婚するかもな!』って仰っていましたよ。」
「それはいつの話だ?(怪訝な顔)」
「僕が灰かぶり姫を迎えに行く直前です。」
「はあ、……人の心ってのはな、そんなに簡単に上手くいくはずがないだろうが。……マーキュリーも大概馬鹿だな。」
「お、お師匠様……。(困り眉)」
「少なからず、俺はルナをマーズにはやらんぞ。」
「ほ、ほんとですか‼︎ (表情がパァァァと明るくなる)」
「当たり前だ。……面倒だろ、アイツ。」
「い、いや、でも、殿下はとても良いお方ですよ!」
「それに、アイツはずっと初恋を引きずっているんだ。過去の女を忘れられないような輩に、うちの娘はやれん。」
「……初恋って、お師匠様ではないのですか?(ほえ?)」
「違うわ、たわけが!(バシッとツクヨミを殴る)」
「い、痛いです、お師匠様ー!(涙)」
「お前がわけわからん事を言うからだろーが!」
「えええ‼︎ でも、僕、マーズ殿下から何度もお師匠様との運命的な出会いを聞いていますし、殿下はいつもお師匠様にべったりくっついているではありませんか?」
「…………マーズを助けたのは、俺じゃない。」
「ーーーーっ⁉︎(ええええええ⁉︎)」
「…………俺はその時、月国にいたんだ。」
「……で、では、一体誰が、マーズ殿下を助けた初恋の人なのですか?(びっくり仰天)」
「…………。(気絶してバタンキュー)」
「お、お師匠様ーーーーっ⁉︎」
お師匠様は、肝心なところで、バタンと倒れてしまった。
僕は、お師匠様(身体は灰かぶり姫)を抱え込んで、気道を確保する。……大丈夫、息はしているみたいだ。……しかし、お師匠様が言っていることが正しければ、誰かがマーズ殿下の記憶を操作している可能性がある。……一体、誰がそのようなことをしたのかな?
僕の疑問は尽きないが、とりあえず、灰かぶり姫の容態も心配だ。……第零魔法省様(?)には、丁寧にお断りをして、第一魔法省に早く戻ろう。
「な、ナターシャ様、……お師匠様が倒れてしまって再起不能ですので、お遊びはまた今度にしませんか?」
『……別に少年だけでも、我は構わんぞ。』
「……で、ですが、僕は、灰かぶり姫の介抱もしなくてはなりませんので、……ねっ?(汗)」
『むむむ、イリアルテのルナか。……よいだろう。今回だけは見逃してやる。(イリアルテは少々面倒だからな。)』
「あ、ありがとうございます、ナターシャ様!(アヤツって誰なのかな?)」
『その代わり、必ず時間を作って、エドワードとルナを連れて遊びに来るようにな。』
「はい! ナターシャ様‼︎」
『我は少々疲れた。……このまま一時昼寝するから、少年も早く戻りなさい。』
「はい、ナターシャ様‼︎」
『……それではまた会おう、少年とロックの生き残りよ。』
シュパパパパ!
不思議な音とともに、大きな鏡は消えてしまった。
……まるで嵐のような出来事だった。もしかして、僕は覗いてはいけない、アデル皇国の裏側を見てしまったのかな?
でも、成ってしまったことは仕方がないのだ。……これ以上の闇に遭遇するかもしれないし、……とにかく、僕は灰かぶり姫を守らなくてはならない!
ーー灰かぶり姫を抱いた月の魔法使いツクヨミは、急いで転送用の魔法陣を地面に描き込んだ‼︎ーー
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
何故か地雷を踏んでしまうモブの受難
星 佑紀
恋愛
僕、ロイド・フォルセットには、とある悩みがある。それは――。
「れ、レイン様、おやめください‼」
「カリン、もう私は待てないのだ!」
「レイン様、……好き。(赤面)」
「カリン――!」
――いつも、男女がイチャイチャしている場面に出くわしてしまうことだ。(困惑)
――世界を旅するモブの、色んな意味での冒険が、今始まる!――
「いや、始まらなくていいから!(激おこ)」
家計を支える為宮殿に出仕した子爵令嬢は、憧れの麗人の侍女となる
星 佑紀
恋愛
【旧題】悪役令嬢の小説に憧れて宮殿に出仕した子爵令嬢は、公爵令嬢から溺愛される
生まれながらに貧乏な下級貴族の出である、リッツ子爵令嬢アデリア・リッツは、実家の生活費を稼ぐために、自ら宮殿へ出仕することを決意する。
彼女は、とある一冊の本を胸に、魔の巣窟であるマテリア帝国の宮殿へと一歩足を進めた。
「一生懸命働いてお給金をもらいつつ、憧れの公爵令嬢様のお顔を陰ながら拝見させていただきますわ‼︎(恍惚)」
彼女が胸に抱く本は、世界を股に掛ける小説作家クリンゲル・ホームズ氏 著書の『悪役令嬢は能無し婚約者に印籠を渡す』という大衆小説であり、なけなしのお金をはたいて購入した彼女の大切な宝物だった。
「あら、あの子は……。(ジト目)」
……一心不乱に憧れを追いかけ回す彼女には、密かに舌舐めずりする公爵令嬢の重たい思いに気づく暇はなかったのであった。
※大幅な加筆修正を行いました。(2023.08.19〜09.07)
※ 続編を連載中です。
※本編より、自作小説『断罪裁判は蜜の味』の一部キャラクターが登場します。
※続編より、自作小説『灰かぶり姫と月の魔法使い』の一部キャラクターが登場します。
※尚、本作品と自作の他作品の世界は全て繋がっており、時系列もほぼほぼ一致しております。(多少のズレはあります。)
※アプリで閲覧される際は縦読み推奨です。
※予告なく加筆修正致します。
【R18】スパダリ幼馴染みは溺愛ストーカー
湊未来
恋愛
大学生の安城美咲には忘れたい人がいる………
年の離れた幼馴染みと三年ぶりに再会して回り出す恋心。
果たして美咲は過保護なスパダリ幼馴染みの魔の手から逃げる事が出来るのか?
それとも囚われてしまうのか?
二人の切なくて甘いジレジレの恋…始まり始まり………
R18の話にはタグを付けます。
2020.7.9
話の内容から読者様の受け取り方によりハッピーエンドにならない可能性が出て参りましたのでタグを変更致します。
軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら
夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。
それは極度の面食いということ。
そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。
「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ!
だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」
朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい?
「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」
あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?
それをわたしにつける??
じょ、冗談ですよね──!?!?
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる