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第2章

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「ユーリさんは結婚考えないんですか?」

「……結婚かぁ、俺はとりあえず双子が立派に育ってくれることが第一優先なんですよね。

もちろん、結婚願望がない、と言うわけではないんですけれどね。」

今まで付き合ったことがないわけではない。
でもいつも相手にとって俺は自慢するための道具のような存在だった。

自分が背伸びしなきゃ続かないような恋愛ばかりだった。
……きっと俺は恋愛下手なんだろう。

「自分が自分でいられる今の環境がありがたいんです。
この今の環境が壊れてしまうなら恋愛はいらないかなーなんて。」

「そうですか。」

「俺の話じゃなくてエルヴィスさんの話を聞かせてくださいよ!
どんな人がタイプなんですか?」

「そうですねぇ。私のすきな人は、一生懸命で、小さな幸せを大きな幸せが降ってきたように享受するのが上手な人で、料理がとても上手で少しお人好しすぎる人、ですかね。」

エルヴィスさんはそれはそれは幸せそうに語ってくれた。

エルヴィスさん、すきな人、いるんだ。

なんだか少し心に風穴が空いたような感覚があって咄嗟に胸をさすった。
……なんだ?

「ごちそうさまですー。

さ、すっかり夜中になってしまいましたね。
そろそろお開きにしましょうか。

付き合ってくれてありがとうございました。」


「いえいえ、私もこうやって深夜のお茶会は楽しいので。
またいつでも誘ってください。」

お茶会というかただの酒飲み会だったけれどね。



エルヴィスさんが帰って、ほろ酔い気分でお風呂に入る。


双子がいないからかいつもより広く感じるな。
1人湯船に浸かってぼーっとする。

こんな時間もすきだ。

明日も早いし、早々にお風呂から上がる。

すぴょーと間抜けないびきをかくミクロと、息してるんかってくらい静かなフィラの間に入って俺も目を閉じたのだった。









翌日、少し気だるい気分でお弁当販売の準備をした。
昨日のお酒が抜けきっていないようだった。

「ユーリ!今日も教室行ってくる!」

「……お弁当売り終わったら。」

「今日はランチタイムにカフェタイムもあるのに行ってくるのか?」

「「うん!」」

双子は仕事がある日は教室に行かないことが多かったが、実地授業が楽しいのだろう。
仕事の合間に行くらしい。

子どもの体力は無限だな。

会計速度も上がった双子はレジスターを使うのもお手のものだ。
常連さんも増えた今、ちゃっかりファンを増やしてご褒美にチップをもらっていることもあるくらいだ。

ここにくるまで奇異の目で見られていた双子の容姿は今では逆に魅力の人るになっている。
双子は5歳の頃とは違う可愛さを身につけていた。

これから先どう成長するのか今からもう恐ろしいぜ。


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