気まぐれ店主ののんびり？生活

第1章

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夏真っ盛り。

日本とは違ってジメジメした暑さはないが、まぁ暑いものは暑い。



「というわけで、流しそうめん開催いたします！」

「「ナガシソーメン？」」

少し前に気分だけ味わいに冒険者ギルドに足を運んだときに廃材置き場で竹に似たものを見つけて、なんでもできそうなエルヴィスさんに畑で竹もどきを縦に半分にしてもらったのだ。

それを皆にバレないよう、研磨して研磨して滑らかにしまくって何本も量産した。

肝心の材料はあのサクラマイを買っている店で見つけた。
お値段なんと日本の5倍！

でも美味しさと涼やかさを前にプライスレス！




俺のカフェとエルヴィスさんの薬屋のせいでここは袋小路になっちゃっているから、今日はカフェの営業日でもないし誰も来ないだろうと店の前でやることにした。

エルヴィスさんとチェルロさんももちろん誘う。
そうしないと絶対俺がそうめんを流す係になっちゃって流しそうめんを楽しめないから！

それにエルヴィスさんとチェルロさんもともに過ごしてきてもはや家族みたいなものだ。

エルヴィスさんとチェルロさんにも協力してもらって竹もどきを紐で連結させ、最後には桶を置く。

「完璧だ！」

「「ユーリ、これ何？」」

「ふっふ、いいか？
見ててよ？

はい、チェルロさん、よろしく！」

そうめんと水、そして氷の入ったガラスのコップを渡し、俺はめんつゆの入ったお椀と箸片手に中間あたりで待つ。

「チェルロさん、その中身を全部これに流してください！」

「？はいよー。」

チェルロさんが流してくれたそうめんをすかさずキャッチしてめんつゆにつけて啜る。
ちょっと氷が邪魔してきて1、2本逃しちゃったけれどご愛嬌。

う～んっ、キンキンに冷えたそうめんとネギの香りが鼻に広がっておいしー！気分も涼しー！



要領がわかったのだろう。
双子も目を輝かせて近くのテーブルからお椀とフォークを持ってくる。

うん？エルヴィスさんとチェルロさんも竹もどきの横に控えているな。
……俺は1杯しか食べていないのに流す係になってしまったのだった。



「ユーリ！楽しい！おいしい！」

「……ユーリ、もっと！」

「はいはい。」

コップをの中身をどんどん流していく。

エルヴィスさんとチェルロさんは数回だけ楽しみ、ちまちま食べるのがもどかしくなったのだろう。
双子が取り零したり、そのまま流れて下の桶に溜まっていたそうめんを食べていた。
時々薬味を加えたりしてなかなかツウな食べ方を楽しんでいた。


俺はある程度お腹がいっぱいになって、今度は流す係をやりたいと言い出した双子が流してくれたそうめんをひたすら食べまくった。


双子は楽しいと満足げで、エルヴィスさんとチェルロさんも涼やかですねぇと言ってくれたし、気分的に少しは涼しく過ごせたのではなかろうか！