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第1章

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エルヴィスさんの買い物を終えて、俺の食材の買い出しにも付き合ってもらって家路についた。

「食材をしまったらそちらに向かいますね。」

「はい、待っていますね。」

カフェの方の事務室の食品棚や冷蔵庫に食材をしまって、薬屋の方に向かう。

薬屋に入れば、調薬室の方から人の気配がして覗いてみればやっぱりそこにはエルヴィスさんがいた。
備え付けているミニキッチンで早速買ったコップに飲み物を淹れてくれていた。

俺にはミルクティー、エルヴィスさんはストレートティーだった。



「俺はここで薬作りしていますが、エルヴィスさんはどうしますか?
上で先ほど買った家具など置いてきますか?」

「それはさっきユーリさんが食材をしまってきている間に終わらせました。
なので私も薬を作りますよ。

魔法薬はまだ材料が手元にないので一般薬で良いですか?」

「は、早いですね。

俺は風邪薬を作るので、エルヴィスさんは胃薬をお願いしても良いですか?」

「もちろん。」

調薬室の小上がりに座ってお互いに薬研で薬草を細かく砕く。

「双子たちから聞いたのですけれど、竜人族の国は雲の上にあるんですか?」

「そうですよ。
ファントーム皇国は雲の上にある大陸に位置しています。」

「他の種族もいるんですか?」

「そうですねぇ、空の上を好む魔人族の天使たちはいますね。」

「へぇ、魔人族はみんな大体サクラ皇国にいるものと思っていました。」

「魔人族は案外様々なところにいますよ。
大半がサクラ皇国にいますが、人好きな魔人族はこのフィオーレ王国にいたりしますよ。

現に私の友人も確かこの国に今いるかと。」

「へぇ、面白いですね。」

エルヴィスさんは博識だから話を聞いているだけで勉強になるし、面白い。
だから話が尽きなくてあっという間に双子を迎えにいく時間になってしまった。

双子たちを迎えに行き、今度はカフェの方に行って夜ごはんと明日の仕込みを同時並行で進めていく。


明日のスープはかぼちゃのポタージュ。

「ミクロ、ポンプキンこの道具で潰してくれる?
熱いから火傷しないように気をつけてね。」

「うん。」

「フィラはこの作ったローストビーフのサンドイッチを包んでくれる?
こぼさないようにね。」

「うん。」

双子にも手伝えることは手伝ってもらう。

夜ごはんは肉団子の甘酢あんかけとごはん、豚汁。
普段の夜ごはんは結構質素だ。

お弁当にどんどん詰めていって、今度はランチメニューを作る。




終わった頃にはだいぶ時間が経ってしまっていた。




「ミクロ、フィラ、ベルの色何色になっているー?」

「「あお!」」

あっちとこっちの家を繋ぐドアにはベルを取り付けた。
白は人がいる、黒が人がいない。
青は僕たちとごはんを食べる。
黄はごはんを持ってきてほしい。
赤はいらない。

あっちの家にはミニキッチンしかないからエルヴィスさんとチェルロさんは俺のごはんを希望した。
でもあちらにも予定があるだろうとわかりやすくこういう仕組みにしたのだ。

「じゃ、呼んできてくれる?」

「「うん!」」

2人はエルヴィスさんたちを呼びに行ってくれて、いつの間にか帰ってきていたチェルロさんも入り、みんなでごはんを食べたのだった。



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