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第1章

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2日目。

「ひとつ500イェンです~。

あ、昨日も来てくれたんですね!
ありがとうございます!」

「250イェンです!
ありがとうございます!」

「……ありがとうございます。
……250イェンです。」

口コミで屋台のことが広がってくれたのか、昨日よりもい・そ・が・し・い⭐︎

朝、昨日列になってしまったからご近所屋台に謝りに行ったが、ご近所屋台さんにもお客様が流れているらしく感謝されたことが救いだ。

このペースじゃまたお昼ころにはなくなってしまうかも……。



「忙しそうですね。」

「えぇ、ありがたいことに……あっ、エルヴィスさん。」

「焼きそばふたついただけますか?」

「はいっよろしければチョコバナナもどうぞ。」

「そちらは連れが行ってくれています。」

「ありがとうございます。
昨日のありがとうも込めてこちらサービスです」

焼きそばのお皿と一緒に店の紋章入りの木札を2枚渡した。

「これは……?」

「私、普段はカフェを営んでいるのですがそこの無料券です。
昨日のお礼です。」

「そのカフェはどちらに?」

「貴族街近くに本屋さんと雑貨屋さんが横並びになっているのですが、その間の小道の先にあります。
なかなかわかりにくいところで……。」

「ではこれは招待券ということですか。」

「そうですね。
あ、でも週に3日しか開けていない上に花祭り期間は開店していないのでこの券は有効期限なし、ということで。」

「ふふ、わかりました。
ありがとうございます。」

エルヴィスさんにも無事に渡せたし、これであとは売って売って売りまくるだけだ!





「ふぃ~、ふたりともお疲れさま~。」

予想通り大量に売れて売上的には絶好調だった。
想定より売れたし、4日目に売る予定だったソースを明日に持ってきて4日目は完全に観光日にしよう。

「2人とも忙しいのは明日で終わりだよ。
頑張ろうね。」

「花祭りは明後日までだよ?」

「明後日分を明日に持ってきて明後日は完全に観光日にしよっか。」

そう言えば2人はパァと顔を輝かせた。
迷子事件があったから見切れていないもんね。

それにあの桜のようなガラス玉がやっぱり気になるし。

俺の生活の癒し、お風呂に入って今日は明日に備えて早めに寝た。











そして翌日、口コミが広がったのか、開店前から並んでいる人がいたほどだ。“本日販売最終日“の紙を双子の背中と屋台の柱に貼ればさらに列が伸びた。

明日の分も今日に持ってきたから、夕方くらいまで持つかなぁと思っていたがお昼過ぎには無くなってしまった。

そして今日も一昨日知り合ったエルヴィスさんとチェルロさんが来て買ってくれた。
明日はやらないことに残念がってくれたのは嬉しいやら申し訳ないやらなんだか複雑な気持ちになったのだった。







「と、言うわけで、お疲れさま~!」

双子はジュース、俺はビールで乾杯する。
想像以上に売上が立ったからお祝いだ。

簡単なピザに、ポテトフライ、唐揚げにサラダを並べた。
ピザは2種類ほど。

いつもより豪華なメニューに双子はいつもより多く食べてくれた。





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