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第1章

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双子にこれからのことを説明した。

「ユーリ、すごい!」

「……ユーリは運がいい。」

「運がいいのか悪いのかって感じだね。
俺はのんびりまったり暮らして行きたいんだけれどね。」

「「……無理だと思う。」」

「……諦めないことって大事なんだよ。」

双子からの若干の呆れた視線を受けつつ、包丁の使い方から教えていく。
わかったのは火の扱いはミクロの方が上手で包丁の使い方はフィラの方が上手だった。

まぁ、俺からみればまだまだ合格点はあげられないけれどね。
こればっかりは経験だ。

いつになく厳しい俺にふたりは凹むかと思ったが、俄然やる気を出して頑張っている。

俺もこれ以上新しいことには手を出さないように頑張る。

ふたりが頑張っている間に俺はカフェのお菓子の補充とランチの仕込みを。
ふたりは俺と寝るから夜なべはできない。
2人が起きている間に仕事を終わらせないといけないのだ。

「……フィラも手伝う。」

「ん~これはお店にだす商品だからまだ早いかな。
商品には責任っていうものがあるんだよ。

美味しく食べてもらう責任。
安全に食べてもらう責任。
同じものをきちんと売る責任。
他にもたくさんね。

まだふたりはその責任が背負うのは難しいよ。

そうだね、前言った合格点を出せて、手伝ってもらうことができるかな。」

「……頑張る。」

「ほどほどにね。」

「ミクロも!」

「ミクロ、火から目を離しちゃだめ!」

こうしててんやわんやと1日が過ぎていく。
でもこの忙しさが嫌いじゃない。







カラン カラン


「いらっしゃいませ。
おすきな席にどうぞ。」

お弁当を売り、ランチタイム。
第2騎士団長のフェリックスさんが女性を連れてやってきた。

第3騎士団長のアレックスさんはお弁当を売っている朝に来るのだが第2騎士団長のフェリックスさんはランチに来ることが多い。
いつもはひとりか部下の方と来るのだが、今日は女性とふたりだ。

「今日は妻を連れてきたのです。

以前から連れて行ってほしいと言われていたものですから。」

「フェリシアと申します。」

「これはご丁寧にありがとうございます。

店主のユーリと申します。
この子たちは弟であり、従業員でもあるミクロとフィラです。」

「「よろしくお願いします。」」

「主人に聞いていた通りかわいい店員さんたちね。」

「ありがとうございます。
本日はチーズチキンドリアです。

中に入っている粒々したものは魔人族の国の主食のコメと言われるものです。」

そう初めてきてくれた奥様にはいつものようなメニューではないのだが、アイテムボックスで保存している米の量も増えたこともあって、やっとカフェでも米を使ったメニューを提供できた。
米をそのまま出すと食べづらいかなと思って味付けした米を使ったメニューにした。

「ここのカフェは珍しいメニューが多いが、一回も外れたことがない。
むしろいつも美味しいから安心して食べるといいフェリシア。」

「えぇ、楽しみだわ。
それにいつもあなたがお土産に買って来てくれるのがあそこのお菓子ね。」

「そうだよ。」

ご夫婦は楽しそうにしながらドリアを一口食べてくれた。

「……!魔人族のコメはこんなに美味しくなるのか!
前食べたときはすごく芯が残っていて苦手だったのだが。」

あぁ、多分きちんと炊けていなかったのだろう。
米の反応は上々でこれからは米の使った料理を提供できそうだ。


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