12 / 12
幼少期
夜の留守番
しおりを挟む
母が手が空いた時や、祖母がたまに迎えに来てくれて一旦お家に帰るが用事などでだいちゃんと2人きりになることが多い。
「ね~♪だい」
「ワァフッ」
まだ夕方明るめの時はそんなに怖くない。玄関の日本人形だって悪さしないし、仏間のタンスの上にいる大量の人形の目だって光らない。
そして、故人なひぃばあちゃんが割と近くで面倒みてくれているからだ。物心ついた時には生まれるはずだったお兄ちゃんが見え、知らない目玉達もいっぱい見えていた。
「とうさんまだかな~?」
今日も泥だらけになりながら働いているであろう父を待ちながら玄関で足をパタパタさせながら待つ。
「6じのチャイムだ。おじゃ○のじかん!!」
この地域は6時にチャイムがなるので、時計が分からない代わりとして覚えている。その時間になると子供番組が1時間続けて放映されるのでテレビを観て気を紛らわすことにしているだ。
「だい~テレビおわった。おなかすいた」
「ワフゥ」
父が帰ってくるのは8時頃、おばあちゃんが帰ってくるのは9時。父は鳶職なので現場によってはかなり遠い場合もある。だから、どちらが早く帰ってくるか待ち遠しかった。
ガンガンガンガッ
「~!?」
玄関のドアを叩く音がする。大輔に抱きつきながら外に目をやると大きい大人の影がある。
知らない大人。ここ最近ニュースでやってたドアを開けたら殺す殺人犯かもしれないと小さい子供ながら恐怖でいっぱいだ。他の知らない場所で同じくらいの子がドアを開けたら殺されたのを聞いていたので尚更恐怖しかない。
「グルルルルルッ」
だいちゃんが玄関に向かって威嚇している。
「○○新聞です。居るのは明かりでわかってるんです。居留守なんてやめて出てきてください」
知らない大人。しかも男の人だ。男の先生はいつも叩くし怒鳴る。男というものはそうなのだろう。意思が制御出来ないというのをテレビでしてた。開けたら殺されてしまうだろう。
ドンドンドンドンッ
ドアを乱暴に叩き続け、やがて諦めて去っていったらしい。あんな怖い記憶たぶん一生忘れられないのだろうと大輔を抱きしめながら思う。
「ね~♪だい」
「ワァフッ」
まだ夕方明るめの時はそんなに怖くない。玄関の日本人形だって悪さしないし、仏間のタンスの上にいる大量の人形の目だって光らない。
そして、故人なひぃばあちゃんが割と近くで面倒みてくれているからだ。物心ついた時には生まれるはずだったお兄ちゃんが見え、知らない目玉達もいっぱい見えていた。
「とうさんまだかな~?」
今日も泥だらけになりながら働いているであろう父を待ちながら玄関で足をパタパタさせながら待つ。
「6じのチャイムだ。おじゃ○のじかん!!」
この地域は6時にチャイムがなるので、時計が分からない代わりとして覚えている。その時間になると子供番組が1時間続けて放映されるのでテレビを観て気を紛らわすことにしているだ。
「だい~テレビおわった。おなかすいた」
「ワフゥ」
父が帰ってくるのは8時頃、おばあちゃんが帰ってくるのは9時。父は鳶職なので現場によってはかなり遠い場合もある。だから、どちらが早く帰ってくるか待ち遠しかった。
ガンガンガンガッ
「~!?」
玄関のドアを叩く音がする。大輔に抱きつきながら外に目をやると大きい大人の影がある。
知らない大人。ここ最近ニュースでやってたドアを開けたら殺す殺人犯かもしれないと小さい子供ながら恐怖でいっぱいだ。他の知らない場所で同じくらいの子がドアを開けたら殺されたのを聞いていたので尚更恐怖しかない。
「グルルルルルッ」
だいちゃんが玄関に向かって威嚇している。
「○○新聞です。居るのは明かりでわかってるんです。居留守なんてやめて出てきてください」
知らない大人。しかも男の人だ。男の先生はいつも叩くし怒鳴る。男というものはそうなのだろう。意思が制御出来ないというのをテレビでしてた。開けたら殺されてしまうだろう。
ドンドンドンドンッ
ドアを乱暴に叩き続け、やがて諦めて去っていったらしい。あんな怖い記憶たぶん一生忘れられないのだろうと大輔を抱きしめながら思う。
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
Webコンテンツ大賞の戦い方【模索してみよう!】
橘花やよい
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスのWebコンテンツ大賞。
読者投票もあるし、うまく戦いたいですよね。
●応募作、いつから投稿をはじめましょう?
●そもそもどうやったら、読んでもらえるかな?
●参加時の心得は?
といったことを、ゆるふわっと書きます。皆さまも、ゆるふわっと読んでくださいませ。
30日と31日にかけて公開します。
アルファポリスで規約違反しないために気を付けていることメモ
youmery
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスで小説を投稿させてもらう中で、気を付けていることや気付いたことをメモしていきます。
小説を投稿しようとお考えの皆さんの参考になれば。
あなたの隣で愛を囁く
ハゼミ
エッセイ・ノンフィクション
ある日、夫が腸穿孔を起こし緊急入院してしまった。
しかしそれはこれから起こる事の序盤でしかなかった。
命の危機に見舞われる夫と、何もできないもどかしさを感じながらも、奮闘する妻のお話。
読まれるウェブ小説を書くためのヒント
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
エッセイ・ノンフィクション
自身の経験を踏まえつつ、読まれるための工夫について綴るエッセイです。
アルファポリスで活動する際のヒントになれば幸いです。
過去にカクヨムで投稿したエッセイを加筆修正してお送りします。
作者はHOTランキング1位、ファンタジーカップで暫定1位を経験しています。
作品URL→https://www.alphapolis.co.jp/novel/503630148/484745251
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる