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1章

日常は素晴らしい

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売店の種類豊富な基礎化粧品とコスメに今日もお世話になりながら支度を整え部屋を出ると既に副会長が女子寮の門柱に寄りかかっていた。

「迎えに来たぞ。仁奈」
「えと、なんで?お仕事大丈夫??」
「お前がうろちょろして変なのを引っ掛けないよう魔除になりにきた。そして仕事は粗方済んでいるしサボる輩の手伝いなど誰がするか!!」
「魔除って……まあ、ありがとう」

ちょっと束縛強めだけど優しさには溢れており心地良い。契約だとかエロゲー要素たっぷりの今までと比べ物にならない甘いストーリーへ入り込んでるよう。

「手を出せ」
「え?ちょっ!?」
「これで良し。力が足りなくなったら俺を呼べ」
「これって……」
「スキルを分け与える石を施したネックレスだ。俺のスキルはお前も知っている通り沈静だから相手スキルを打ち消せるだろう」
「……いいの?」
「当たり前だ。俺の婚約者を苛むものなど消滅させれば良い」

過激だが彼なりの最大限の気遣いだろう。彼だけが今のところまともである状態で選択を間違えれば一気に転がっていきメリーバッドエンド行きだそうだ。副会長から見ればハッピーエンドだが手段がえげつないと攻略サイトで今話が持ちきりになっている。



「おはよ~仁奈ちゃん!副会長!!」
「うるさいぞ新入生」
「落ち着いて、ね?雀くん」

通学中にワンコの如く寄ってきたのは美良 雀(びら すずめ)中文連で賞を取っている作家の卵である。普通科文学コースの彼とは入試の時に知り合い、合同授業も控えている為よく会う。

「明科(あかしな)副会長も仁奈ちゃんも大好き!!このcp好き。書きたい。好き」

ちょっと拗らせてしまっている所を除けばイケメンではある。

「幼馴染婚約者萌えは凄い。尊い。供給過多」
「何を言っているかさっぱりわからないが褒め言葉として受け取っておこう」
「あはは……」

この幸せが長くは続かないのは分かっているが、まだまだ浸っていたいので考えないことにする。
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