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2.お姉様と国境の町
26.お姉様と成金男
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ルーラ様のお屋敷とやらに着いた俺たちは、馬車を下され、まるでウサギ小屋みたいな小さな部屋に押し込められた。
人攫いの男が高圧的に言い放つ。
「ルーラ様は奥方様を亡くされてからというもの、夜の相手をしてくれる若い女性を求めている!今日はこの中から夜伽の相手を決める手はずだ!くれぐれも粗相のないように!」
――夜伽の相手。
なるほど、そういうことか。俺はやっと事情を飲み込んだ。
ルーラとかいう貴族に命令されて、こいつは近くの街から女の子を攫って来ている、というわけなのだ。なんてヤロウだ。貴族の風上にもおけねぇ。しかもこんなに若い子ばっか。
「そうだな、今日は、そこのお前!」
「はへ!?」
急に俺は指をさされてきょとんとする。
「それと、そこの小さいの!」
次に、モアが指をさされる。
「モア、小さくないもん!」
頬を膨らませるモア。そんなこと言ってる場合か? まあいいか、可愛いから。
男は一喝する。
「煩い黙れ! それからお前! そっちの胸のデカい女!」
最後に、俺と同じくらいの年の、栗色の髪をボブカットにした女の子が指をさされる。
「ひ、ひぃ! 私ですかぁ!?」
そう言って彼女が身を震わせると、気弱そうな外見と素朴な服装とは不釣り合いなほど大きな胸がぽよんと揺れた。
この子、見た目地味だけど凄いスタイルいいな。エロい。
「今日はお前たち三人の中からルーラ様に相手を選んで頂く! 日が落ちたら迎えに来るからな!」
バタン、と大きな音を立ててドアが閉まる。
女の子たちの間に、絶望感が広がる。
「どうしよう。もうお嫁に行けない!」
栗色の髪の女の子が、胸を揺らしてさめざめと泣き始める。
「大丈夫だぜ! 俺が何とかする」
そう言うと、栗色の髪の女の子は怪訝そうな顔で俺を見た。
「ぐすん。あなたに何ができるっていうの?」
「大丈夫だって! ええと」
「私はマロンよ」
「そうか、マロン。可愛い名だ。俺はミア。マロンもモアも、他のみんなも、俺が助けるぜ!」
俺が笑うと、マロンもつられて笑う。あ、この子、地味だと思っていたけど笑うとえくぼが出て可愛いかも。
「分かった。私、あなたを信じるね」
モアも胸を張って言う。
「大丈夫よ! 私のお姉さまは最強なんだから!」
天使の笑顔。モアにそう言われたら力もいつもの百倍湧いてくるってもんさ。
「さて、とりあえずこの縄を切るか」
足のロープは外されたが、手は縛られたままだ。このままでは身動きがとれない。
俺は腕に力を込めた。並のロープならば、俺の腕力で軽々と引きちぎれるのだが、このロープは何か特殊な魔法でもかかっているのか、力を込めると赤い稲妻がバチバチと走り、びくともしない。これは困った。
「......さーて、どうすっかなー」
*
そして縄から抜け出せず、有効な作戦も思いつかないまま日が暮れ、俺たちはルーラの寝室に呼び出されたのであった。
「がっはっは! 今日はどの女の子にしようかな~っと!」
両手に大きな宝石の指輪をいくつもはめ、でっぷりと太った中年男が下品に笑う。なんていうか、絵に描いたような成金だな。
「お姉さま!」
モアが俺にしがみついてくる。
「どの子も若くて可愛いなあ! 今日は豊作だ!そうだなあ、たまには3人一度に相手にするのも面白いかもしれん」
ガハハハハ! と笑う男。下衆が。あー胸糞悪ぃ。
お前なんかよりな、地面で干からびている馬糞やミミズの方がまーだ価値があるっての!!
が、俺はそんな思いをかみ殺し、作り笑顔をしてずい、と前に出た。
「嫌だわおじさま~! 欲張りね♪ 三人一度に相手をしなくても、俺……私だけでおじさんを腰が立たなくなるほどヘトヘトにしてあげるんだからっ☆」
ニコリ、とウインクをすると、マロンほどではないものの、自慢の胸を寄せて谷間を作ってやる。おまけに脚をわざと組み替えて美脚をチラリと見せてやる。
流石にちょっとわざとらしいか。ベタ過ぎて怪しまれるかな?
ちらりとルーラを見やると、ルーラは俺の体を舐めまわすように見た。
「ほ、ほう。君は若いのに大胆だね!どれ、どんなふうにおじさんを楽しませてくれるのかな~?」
でれでれと鼻の下を伸ばすルーラ。た、単純だ……ちったあ怪しめっての!
わきわきと両手を動かし俺に襲い掛かってくるルーラ。まったく、キメェんだよ、オッサンが!
「それはもちろん」
にやり、と笑う。
「特技の足技でな!」
俺は一足飛びでルーラの前まで移動すると強烈な蹴りを食らわせた。
人攫いの男が高圧的に言い放つ。
「ルーラ様は奥方様を亡くされてからというもの、夜の相手をしてくれる若い女性を求めている!今日はこの中から夜伽の相手を決める手はずだ!くれぐれも粗相のないように!」
――夜伽の相手。
なるほど、そういうことか。俺はやっと事情を飲み込んだ。
ルーラとかいう貴族に命令されて、こいつは近くの街から女の子を攫って来ている、というわけなのだ。なんてヤロウだ。貴族の風上にもおけねぇ。しかもこんなに若い子ばっか。
「そうだな、今日は、そこのお前!」
「はへ!?」
急に俺は指をさされてきょとんとする。
「それと、そこの小さいの!」
次に、モアが指をさされる。
「モア、小さくないもん!」
頬を膨らませるモア。そんなこと言ってる場合か? まあいいか、可愛いから。
男は一喝する。
「煩い黙れ! それからお前! そっちの胸のデカい女!」
最後に、俺と同じくらいの年の、栗色の髪をボブカットにした女の子が指をさされる。
「ひ、ひぃ! 私ですかぁ!?」
そう言って彼女が身を震わせると、気弱そうな外見と素朴な服装とは不釣り合いなほど大きな胸がぽよんと揺れた。
この子、見た目地味だけど凄いスタイルいいな。エロい。
「今日はお前たち三人の中からルーラ様に相手を選んで頂く! 日が落ちたら迎えに来るからな!」
バタン、と大きな音を立ててドアが閉まる。
女の子たちの間に、絶望感が広がる。
「どうしよう。もうお嫁に行けない!」
栗色の髪の女の子が、胸を揺らしてさめざめと泣き始める。
「大丈夫だぜ! 俺が何とかする」
そう言うと、栗色の髪の女の子は怪訝そうな顔で俺を見た。
「ぐすん。あなたに何ができるっていうの?」
「大丈夫だって! ええと」
「私はマロンよ」
「そうか、マロン。可愛い名だ。俺はミア。マロンもモアも、他のみんなも、俺が助けるぜ!」
俺が笑うと、マロンもつられて笑う。あ、この子、地味だと思っていたけど笑うとえくぼが出て可愛いかも。
「分かった。私、あなたを信じるね」
モアも胸を張って言う。
「大丈夫よ! 私のお姉さまは最強なんだから!」
天使の笑顔。モアにそう言われたら力もいつもの百倍湧いてくるってもんさ。
「さて、とりあえずこの縄を切るか」
足のロープは外されたが、手は縛られたままだ。このままでは身動きがとれない。
俺は腕に力を込めた。並のロープならば、俺の腕力で軽々と引きちぎれるのだが、このロープは何か特殊な魔法でもかかっているのか、力を込めると赤い稲妻がバチバチと走り、びくともしない。これは困った。
「......さーて、どうすっかなー」
*
そして縄から抜け出せず、有効な作戦も思いつかないまま日が暮れ、俺たちはルーラの寝室に呼び出されたのであった。
「がっはっは! 今日はどの女の子にしようかな~っと!」
両手に大きな宝石の指輪をいくつもはめ、でっぷりと太った中年男が下品に笑う。なんていうか、絵に描いたような成金だな。
「お姉さま!」
モアが俺にしがみついてくる。
「どの子も若くて可愛いなあ! 今日は豊作だ!そうだなあ、たまには3人一度に相手にするのも面白いかもしれん」
ガハハハハ! と笑う男。下衆が。あー胸糞悪ぃ。
お前なんかよりな、地面で干からびている馬糞やミミズの方がまーだ価値があるっての!!
が、俺はそんな思いをかみ殺し、作り笑顔をしてずい、と前に出た。
「嫌だわおじさま~! 欲張りね♪ 三人一度に相手をしなくても、俺……私だけでおじさんを腰が立たなくなるほどヘトヘトにしてあげるんだからっ☆」
ニコリ、とウインクをすると、マロンほどではないものの、自慢の胸を寄せて谷間を作ってやる。おまけに脚をわざと組み替えて美脚をチラリと見せてやる。
流石にちょっとわざとらしいか。ベタ過ぎて怪しまれるかな?
ちらりとルーラを見やると、ルーラは俺の体を舐めまわすように見た。
「ほ、ほう。君は若いのに大胆だね!どれ、どんなふうにおじさんを楽しませてくれるのかな~?」
でれでれと鼻の下を伸ばすルーラ。た、単純だ……ちったあ怪しめっての!
わきわきと両手を動かし俺に襲い掛かってくるルーラ。まったく、キメェんだよ、オッサンが!
「それはもちろん」
にやり、と笑う。
「特技の足技でな!」
俺は一足飛びでルーラの前まで移動すると強烈な蹴りを食らわせた。
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