26 / 98
第4楽章
第26話 考察
しおりを挟む
その後、
松平と西岡も一旦部屋で休むと言って
応接室を出ていった。
1人になった僕は
ソファーに身を沈めた。
部屋の柱時計が
ボーンボーンボーンと5時を告げた。
どっと疲れを感じた。
僕は深い溜息を吐いた。
まさかこんなことに巻き込まれるなんて。
本当にツイてない。
最悪だ。
後悔先に立たず。
僕はポケットから『クラブの6』を取り出した。
これを出すべきだったのか。
しかし。
僕はもう一度溜息を吐いてから
ゆっくりと頭を振った。
それから改めて現状について思考を巡らせた。
まず【市民】について。
六条は『クラブの8』を持っていた。
そしてカードは破棄したものの
平原は『クラブの5』
西岡は『クラブの3』
菅野は『クラブの4』
と告白していた。
松平と塚本の2人は
カードのことには触れていない。
以上のことを踏まえて
単純に考えるのなら
松平と塚本のどちらかが【犯人】で
どちらかが【探偵】ということになる。
殺された郷田は当然に【市民】だろう。
個人的には塚本が【探偵】であって欲しいが。
どちらにせよ。
車椅子である塚本は2階に上れないので、
【犯人】は松平。
ここに到着した順番から考えても松平は怪しい。
恐らく皆そう考えるに違いない。
しかし・・。
気になったことと言えば他にもある。
1つは菅野あかりについて。
彼女は25歳と言っていたが、
にわかには信じられなかった。
実際、僕が同い年とわかった時、
彼女は一瞬だけ
「しまった」
というような表情を浮かべたのだ。
女性が年齢を詐称するのは些細な嘘で
目くじらを立てるようなことでは
ないのかもしれない。
だが。
嘘を吐けば人はその嘘を隠すために
別の嘘を重ねる。
彼女の言葉は今後、
完全に信用することはできないだろう。
そして。
松平守彦。
あの男が時折、
車椅子の少女に
醜い欲望を孕んだ視線を向けていることに
僕は気付いていた。
それはあくまでも僕の主観にすぎないが、
当たらずとも遠からず。
奴は小児性愛者の可能性がある。
そう考えると
菅野に寄り添われた時の
あの男の拒絶反応も納得できる。
兎に角。
娼婦と老いた豚の動向には注意が必要だ。
それに加えて。
魔女と死神。
この2人は色々と面倒なことになりそうだ。
さらに。
すぐに感情的になる未亡人も厄介だ。
結局。
信用できそうなのは車椅子の堕天使だけだが。
問題は若すぎるということか。
経験不足は否めない。
「はぁ」
知らず知らずのうちに僕は溜息を漏らしていた。
松平と西岡も一旦部屋で休むと言って
応接室を出ていった。
1人になった僕は
ソファーに身を沈めた。
部屋の柱時計が
ボーンボーンボーンと5時を告げた。
どっと疲れを感じた。
僕は深い溜息を吐いた。
まさかこんなことに巻き込まれるなんて。
本当にツイてない。
最悪だ。
後悔先に立たず。
僕はポケットから『クラブの6』を取り出した。
これを出すべきだったのか。
しかし。
僕はもう一度溜息を吐いてから
ゆっくりと頭を振った。
それから改めて現状について思考を巡らせた。
まず【市民】について。
六条は『クラブの8』を持っていた。
そしてカードは破棄したものの
平原は『クラブの5』
西岡は『クラブの3』
菅野は『クラブの4』
と告白していた。
松平と塚本の2人は
カードのことには触れていない。
以上のことを踏まえて
単純に考えるのなら
松平と塚本のどちらかが【犯人】で
どちらかが【探偵】ということになる。
殺された郷田は当然に【市民】だろう。
個人的には塚本が【探偵】であって欲しいが。
どちらにせよ。
車椅子である塚本は2階に上れないので、
【犯人】は松平。
ここに到着した順番から考えても松平は怪しい。
恐らく皆そう考えるに違いない。
しかし・・。
気になったことと言えば他にもある。
1つは菅野あかりについて。
彼女は25歳と言っていたが、
にわかには信じられなかった。
実際、僕が同い年とわかった時、
彼女は一瞬だけ
「しまった」
というような表情を浮かべたのだ。
女性が年齢を詐称するのは些細な嘘で
目くじらを立てるようなことでは
ないのかもしれない。
だが。
嘘を吐けば人はその嘘を隠すために
別の嘘を重ねる。
彼女の言葉は今後、
完全に信用することはできないだろう。
そして。
松平守彦。
あの男が時折、
車椅子の少女に
醜い欲望を孕んだ視線を向けていることに
僕は気付いていた。
それはあくまでも僕の主観にすぎないが、
当たらずとも遠からず。
奴は小児性愛者の可能性がある。
そう考えると
菅野に寄り添われた時の
あの男の拒絶反応も納得できる。
兎に角。
娼婦と老いた豚の動向には注意が必要だ。
それに加えて。
魔女と死神。
この2人は色々と面倒なことになりそうだ。
さらに。
すぐに感情的になる未亡人も厄介だ。
結局。
信用できそうなのは車椅子の堕天使だけだが。
問題は若すぎるということか。
経験不足は否めない。
「はぁ」
知らず知らずのうちに僕は溜息を漏らしていた。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる