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小話 その後の紺野洋子
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「次の人事異動で、新しく設立される営業部署へ異動となるので、承知しておいてほしい」
取ってつけたように優しげな表情を浮かべた部長から呼び出しを食らったので、何事かと思っていたところにこの内示。紺野洋子は突然の辞令に驚くと共に、困惑の色を隠せずにいた。
どうして自分に白羽の矢が立ったのか?
社会人たるもの、会社都合による人事異動はある程度覚悟しなくてはならないだろう。しかし総合職ならいざ知らず、洋子は一般職である。本来ならばよっぽどのことがない限り、人事異動とは無縁の立場なのである。
疑問は残るが、そもそもこの辞令の元である新部署設立事態がイレギュラーなことである。ましてや「その事務スキルが、新たに設立される営業部署にどうしても必要なのだ」などと熱心にも抜擢された理由を説明されたならば、徐々に悪い気もしなくなってくる。
「あなたは新部署、いや、この会社になくてはならない存在なのだ」
そんなことを言われている気さえしてくる。
神山透らとの給湯室での対峙以来、何をするにも良い事がなくて腐っていた洋子にとって、思いがけずに飛び出してきたこの内示は、そのボロボロに荒んでいた自尊心を大いに満たし、潤してくれるものだった。
(仕事がデキる女、かあ……。これを機会にクールビューティに路線変更っていうのも、まあまあ悪くないわよね)
そんなことを思いつつ、満面の笑みを浮かべると「もちろん。承知しました」と、この話を了承するのだった。
――
さて辞令はまだ正式に交付されていないものの、こういった話はジワジワと人から人へと広まっていくものである。
新部署発足は数日後だが、少しずつでも引っ越しし始めようと、机の回りのお気に入りの私物が入った紙袋を手に給湯室の前を通りかかると、誰かの好奇心丸出しといった弾んだ声が聞こえてきた。
「えっ?!じゃあ本当は神山さんが新部署に移動するはずだったの?」
これはどういうことなのか。新部署に移動するのは自分だけではなく、神山透もだというのだろうか?話の到着地点が全く掴めないが、なんとも気になるその話題に洋子はつい立ち止まると、聞き耳を立ててみることにするのだった。
「そう。ここだけの話だけどね、神山さんが部長に「新部署に移動したい」って、直々に願い出たらしいわよ」
「でも、結局移動になったのは洋子じゃない?」
「そこはアレよ。1課としてはわざわざ新部署なんかに優秀な人材を放出したくないじゃない?だから神山さんを引き止める代わりに洋子を出したってところなんでしょ」
「あー。あの二人、別れたって言ってたよね?だから?」
「別れたどころか、付き合ってもいなかったとかって話じゃない?」
「うっそ!ほんとに?だったら今まで洋子がしてた話って、なんだったの?」
「えーそりゃ、ねえ?……空想?妄想?」
「……やっば!それ、イタすぎでしょ!」
「じゃあ神山さんが移動したいっていったのも、洋子の妄執から逃げる為ってこと?うっわー!怖!!神山さん、ほんと気の毒すぎる!」
給湯室の中にいるのは、恐らくほんの少し前まで同じ様に噂話に花を咲かせていた営業1課の友人達。まさか自分のいないところで、こんな毒気がたっぷり含まれている会話で盛り上がっているなんて。
社内ゴシップに目ざとい彼女らの耳に入ってしまったということは、この話が社内中に伝わるのも時間の問題であろう。一体どこまでこの噂が広まってしまっているのか想像すれば目眩がする。
『大人しくしていれば、会社に何か言ったりはしない』
ふと給湯室でそんな事を匂わせていた神山透を思い出す。あの野郎……結局約束を破りやがったんだな。
洋子はギリリと歯ぎしりをする。
自分の預かり知らぬところで、とんだ恥をかかされていたものだ。
これも全てあいつ、いつまでも思わせぶりな態度を取り続けていた神山透の所為である。
自身の所業は棚に上げ、洋子の怒りは増していく。噂話のネタにされた屈辱的な思いも相まって、胸の内にはマグマの様に熱くドロリとした、何もかもを焼き尽くすような激しい感情が沸き起こる。
ふと顔を上げれてみれば、前方からはビジネスバッグを手にした神山透が歩いてくる姿が目に入る。
「ちょっと神山さん!どう言うつもりなのよ!」
居ても立っても居られずに、思わず洋子は激しい口調で神山透に詰め寄った。
「どう言う……って、何が?」
「あんた、こっちが大人しくしてれば何もしないって!そう言ったじゃない!」
「それが?」
取り付く暇もない、氷の仮面でも付けているような素っ気ない神山透の態度だが、今はそんなことには構ってなどいられない。こちらはとんでもない噂を流されて、とんだ妄想狂扱いをされているのだから。
「それが?じゃないわよ!あんた会社に何も言わないって言ってた癖に、部長に何か吹き込んだんでしょ?」
「は?」
「部長に、あたしを1課から追い出すようにチクッたんでしょ?!とぼけたって無駄よ!こっちはちゃんと知ってるんだから!」
実際にはたった今、給湯室の前で噂話を立ち聞きしただけなのだがそんなことは重要ではない。洋子について面白可笑しく噂をされているという、この現状こそが問題なのだ。
ギラついた鋭い視線を投げかけてやれば、相変わらず何を考えているのかわからない表情の神山透は、ふぅと一息ため息をつく。
「何か勘違いをしているようだけれど、僕は何も会社には報告していないよ」
「嘘よ!だって異動願いを出したって言ったじゃない!」
「確かに異動願いは出したよ?でも、それと君との話は全く関係無い」
「けど、あんたが異動願いを出したせいであたしは異動になるし、変な噂を流されるし、散々な目にあってるのよ!」
神山透は一瞬驚いた様に目を見開いたが、すぐにまた氷の様な表情に戻ると、「本来ならばこんな話を君にしてあげる義務はないんだけどね?」と口を開く。
「僕は新しい部署という環境で、1から何かをしてみたかった。だから移動を希望した、それだけだよ。そこに君とのことは一切関係無い。それに君は、事務スキルを買われての異動だっていうじゃないか。なのに部長から直接聞いた異動の理由を信じないで、どうして出所不明な人の噂なんかを信じるんだい?僕のこと以外にも、他に何か後ろめたいことでもしているから、そんな話を鵜呑みにしてしまうんじゃないのかい?」
「そ、それは……」
事務スキルにはある程度の自信はあるが、その自信を上回るように、部内において人知れず二股三股当たり前の修羅場沙汰を繰り広げ、人の恨みを買う様なことをしてきたという心当たりもある。胸を張っての大抜擢だとは言い切れない、そんな後ろめたさを指摘されて、洋子は思わず言い淀む。
「それにね、知ってたかい?給湯室で話してる声って案外廊下まで漏れているものなんだよ。だからこの間ここで君が山本さんに話をした、色々な事……偶然通り掛かった誰かに聞かれたってことだって考えられるんだからね?」
未だ話し声が聞こえてくる給湯室のドアを一瞥すると、神山透は「それじゃ悪いけど時間なんで、もういいかな?」と洋子の横を通り過ぎる。けれど、数歩進んだところで一瞬ピタリと立ち止まると、洋子の方へくるりと振り返った。
「それと……。部署も変わることだから、話しかけるのはこれきりにしてくれるよね?そしてもう二度と、僕と山本さんに近づかないでほしいんだ」
そう言い捨てると、今度こそ神山透は洋子の顔を見ることもなく足早にエレベーターホールへと消えていくのだった。
――
洋子は思う。
どうしてこんなことになってしまったのか。
神山透を馬鹿にするような、ある事無い事噂話をしなければよかったのか。神山透をホテルになんて連れ込まなければ良かったのか。それとも、部署内で勝手気ままな恋愛を謳歌しなければよかったのか。
……いや。これは自身のスキルが買われての大抜擢の人事。いつか何らかの形で評価されることだったのだ。
決して誰かからの嫌がらせ、報復人事なんかではないはずだ。だから給湯室で聞いたあの話も単なる噂、やっかみだ。きっとそうに違いないのだ。
手に持った紙袋は先程よりも随分重くなったような気がするが、洋子は一瞬目を瞑り、迷いを振り払うかのようにギッと天井を睨みつける。
そして深呼吸を1つすると、新しい部署へと再び荷物を運ぶ為に歩を進めるのだった。
取ってつけたように優しげな表情を浮かべた部長から呼び出しを食らったので、何事かと思っていたところにこの内示。紺野洋子は突然の辞令に驚くと共に、困惑の色を隠せずにいた。
どうして自分に白羽の矢が立ったのか?
社会人たるもの、会社都合による人事異動はある程度覚悟しなくてはならないだろう。しかし総合職ならいざ知らず、洋子は一般職である。本来ならばよっぽどのことがない限り、人事異動とは無縁の立場なのである。
疑問は残るが、そもそもこの辞令の元である新部署設立事態がイレギュラーなことである。ましてや「その事務スキルが、新たに設立される営業部署にどうしても必要なのだ」などと熱心にも抜擢された理由を説明されたならば、徐々に悪い気もしなくなってくる。
「あなたは新部署、いや、この会社になくてはならない存在なのだ」
そんなことを言われている気さえしてくる。
神山透らとの給湯室での対峙以来、何をするにも良い事がなくて腐っていた洋子にとって、思いがけずに飛び出してきたこの内示は、そのボロボロに荒んでいた自尊心を大いに満たし、潤してくれるものだった。
(仕事がデキる女、かあ……。これを機会にクールビューティに路線変更っていうのも、まあまあ悪くないわよね)
そんなことを思いつつ、満面の笑みを浮かべると「もちろん。承知しました」と、この話を了承するのだった。
――
さて辞令はまだ正式に交付されていないものの、こういった話はジワジワと人から人へと広まっていくものである。
新部署発足は数日後だが、少しずつでも引っ越しし始めようと、机の回りのお気に入りの私物が入った紙袋を手に給湯室の前を通りかかると、誰かの好奇心丸出しといった弾んだ声が聞こえてきた。
「えっ?!じゃあ本当は神山さんが新部署に移動するはずだったの?」
これはどういうことなのか。新部署に移動するのは自分だけではなく、神山透もだというのだろうか?話の到着地点が全く掴めないが、なんとも気になるその話題に洋子はつい立ち止まると、聞き耳を立ててみることにするのだった。
「そう。ここだけの話だけどね、神山さんが部長に「新部署に移動したい」って、直々に願い出たらしいわよ」
「でも、結局移動になったのは洋子じゃない?」
「そこはアレよ。1課としてはわざわざ新部署なんかに優秀な人材を放出したくないじゃない?だから神山さんを引き止める代わりに洋子を出したってところなんでしょ」
「あー。あの二人、別れたって言ってたよね?だから?」
「別れたどころか、付き合ってもいなかったとかって話じゃない?」
「うっそ!ほんとに?だったら今まで洋子がしてた話って、なんだったの?」
「えーそりゃ、ねえ?……空想?妄想?」
「……やっば!それ、イタすぎでしょ!」
「じゃあ神山さんが移動したいっていったのも、洋子の妄執から逃げる為ってこと?うっわー!怖!!神山さん、ほんと気の毒すぎる!」
給湯室の中にいるのは、恐らくほんの少し前まで同じ様に噂話に花を咲かせていた営業1課の友人達。まさか自分のいないところで、こんな毒気がたっぷり含まれている会話で盛り上がっているなんて。
社内ゴシップに目ざとい彼女らの耳に入ってしまったということは、この話が社内中に伝わるのも時間の問題であろう。一体どこまでこの噂が広まってしまっているのか想像すれば目眩がする。
『大人しくしていれば、会社に何か言ったりはしない』
ふと給湯室でそんな事を匂わせていた神山透を思い出す。あの野郎……結局約束を破りやがったんだな。
洋子はギリリと歯ぎしりをする。
自分の預かり知らぬところで、とんだ恥をかかされていたものだ。
これも全てあいつ、いつまでも思わせぶりな態度を取り続けていた神山透の所為である。
自身の所業は棚に上げ、洋子の怒りは増していく。噂話のネタにされた屈辱的な思いも相まって、胸の内にはマグマの様に熱くドロリとした、何もかもを焼き尽くすような激しい感情が沸き起こる。
ふと顔を上げれてみれば、前方からはビジネスバッグを手にした神山透が歩いてくる姿が目に入る。
「ちょっと神山さん!どう言うつもりなのよ!」
居ても立っても居られずに、思わず洋子は激しい口調で神山透に詰め寄った。
「どう言う……って、何が?」
「あんた、こっちが大人しくしてれば何もしないって!そう言ったじゃない!」
「それが?」
取り付く暇もない、氷の仮面でも付けているような素っ気ない神山透の態度だが、今はそんなことには構ってなどいられない。こちらはとんでもない噂を流されて、とんだ妄想狂扱いをされているのだから。
「それが?じゃないわよ!あんた会社に何も言わないって言ってた癖に、部長に何か吹き込んだんでしょ?」
「は?」
「部長に、あたしを1課から追い出すようにチクッたんでしょ?!とぼけたって無駄よ!こっちはちゃんと知ってるんだから!」
実際にはたった今、給湯室の前で噂話を立ち聞きしただけなのだがそんなことは重要ではない。洋子について面白可笑しく噂をされているという、この現状こそが問題なのだ。
ギラついた鋭い視線を投げかけてやれば、相変わらず何を考えているのかわからない表情の神山透は、ふぅと一息ため息をつく。
「何か勘違いをしているようだけれど、僕は何も会社には報告していないよ」
「嘘よ!だって異動願いを出したって言ったじゃない!」
「確かに異動願いは出したよ?でも、それと君との話は全く関係無い」
「けど、あんたが異動願いを出したせいであたしは異動になるし、変な噂を流されるし、散々な目にあってるのよ!」
神山透は一瞬驚いた様に目を見開いたが、すぐにまた氷の様な表情に戻ると、「本来ならばこんな話を君にしてあげる義務はないんだけどね?」と口を開く。
「僕は新しい部署という環境で、1から何かをしてみたかった。だから移動を希望した、それだけだよ。そこに君とのことは一切関係無い。それに君は、事務スキルを買われての異動だっていうじゃないか。なのに部長から直接聞いた異動の理由を信じないで、どうして出所不明な人の噂なんかを信じるんだい?僕のこと以外にも、他に何か後ろめたいことでもしているから、そんな話を鵜呑みにしてしまうんじゃないのかい?」
「そ、それは……」
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「それにね、知ってたかい?給湯室で話してる声って案外廊下まで漏れているものなんだよ。だからこの間ここで君が山本さんに話をした、色々な事……偶然通り掛かった誰かに聞かれたってことだって考えられるんだからね?」
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そう言い捨てると、今度こそ神山透は洋子の顔を見ることもなく足早にエレベーターホールへと消えていくのだった。
――
洋子は思う。
どうしてこんなことになってしまったのか。
神山透を馬鹿にするような、ある事無い事噂話をしなければよかったのか。神山透をホテルになんて連れ込まなければ良かったのか。それとも、部署内で勝手気ままな恋愛を謳歌しなければよかったのか。
……いや。これは自身のスキルが買われての大抜擢の人事。いつか何らかの形で評価されることだったのだ。
決して誰かからの嫌がらせ、報復人事なんかではないはずだ。だから給湯室で聞いたあの話も単なる噂、やっかみだ。きっとそうに違いないのだ。
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