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グズグズに甘やかされたくて、人事部長に抱いてしてほしいと誘ってみた件(仮)
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営業3課に配属されて早5ヶ月。
慣れない環境にただひたすら適応しようと頑張ってきたけれど、最近少し、疲れを感じることが多くなってきた。
どんなに沢山眠ったとして表面上の疲れは取れるも、奥に潜む何かの調子が今ひとつ。結果、なんだかスッキリとしないでいる。
多分肉体的なものではなく、精神的なものが原因なのだろう。
仕事で何か大きなミスをした訳ではない。
けど、人間関係での些細な行き違いや、ほんのちょっとの失敗なんかの積み重ねで、自分の心の奥の、何か大事なものがささくれだって磨耗されて、ガサガサひっかかるような感じがしているのだ。
こんな気持ちになるのは入社したての頃以来……いや、今まで社会人として生きていたという変なプライドのせいで、あの頃よりも更に酷いかもしれない。まさか30歳にもなって、またこんな気持ちに苛まれるとは思ってもみないことだった。
『君はがんばっているよ、みんなもそれを知っているよ。だから無理をしなくても、今のままで十分大丈夫だよ。』
こういう日は、口当たりのよい言葉を聞きながらぎゅうぎゅう抱きしめてもらいたい。無条件に甘やかされて癒やされたい。
どうにもこうにもやりきれない感情を持て余し、最近正式なお付き合いをする運びとなった、人事部長こと佐藤俊生に「急ですが、今日、溺愛してくれませんか?」と携帯にメッセージを送ってみるのだった。
「了解。もちろん大歓迎。」
佐藤俊生からはすぐさま簡潔な返事が届き、そうして本日これから溺愛される運びになったのであった。
待ち合わせに現れた佐藤俊生は、本日も相変わらず1日の疲れを感じさせない、悔しいくらいにピシリとした佇まい。
情が薄そうなクールな表情だが、その内面は優しくてなんとも可愛らしい彼氏の姿を見かけただけで、不思議なもので先程までの沈んでいた心が浮き足だってくる。
思わずぎゅうと腕に抱きつくと、佐藤俊生は先程までとは打って変わって、チョコレートを溶かしたような甘い甘い表情になるのだから、胸がきゅぅうんとなってしまう。
「急なお誘いで、すみません」と謝ると、「愛しい彼女からのお誘いならばいつでも大歓迎ですよ」と私の頭を軽く撫でながら微笑む佐藤俊生。
……優しい!!
ちょっとした言葉をかけられだけなのに、癒やし効果抜群。なんだか泣いてしまいそう。
慌てて、「誘っておいてなんですが、今日はどちらに行きましょう?」と言うと、佐藤俊生はニッコリ笑って「今日は週末だから、俺の家に行きましょう。」と応えるのだった。
慣れない環境にただひたすら適応しようと頑張ってきたけれど、最近少し、疲れを感じることが多くなってきた。
どんなに沢山眠ったとして表面上の疲れは取れるも、奥に潜む何かの調子が今ひとつ。結果、なんだかスッキリとしないでいる。
多分肉体的なものではなく、精神的なものが原因なのだろう。
仕事で何か大きなミスをした訳ではない。
けど、人間関係での些細な行き違いや、ほんのちょっとの失敗なんかの積み重ねで、自分の心の奥の、何か大事なものがささくれだって磨耗されて、ガサガサひっかかるような感じがしているのだ。
こんな気持ちになるのは入社したての頃以来……いや、今まで社会人として生きていたという変なプライドのせいで、あの頃よりも更に酷いかもしれない。まさか30歳にもなって、またこんな気持ちに苛まれるとは思ってもみないことだった。
『君はがんばっているよ、みんなもそれを知っているよ。だから無理をしなくても、今のままで十分大丈夫だよ。』
こういう日は、口当たりのよい言葉を聞きながらぎゅうぎゅう抱きしめてもらいたい。無条件に甘やかされて癒やされたい。
どうにもこうにもやりきれない感情を持て余し、最近正式なお付き合いをする運びとなった、人事部長こと佐藤俊生に「急ですが、今日、溺愛してくれませんか?」と携帯にメッセージを送ってみるのだった。
「了解。もちろん大歓迎。」
佐藤俊生からはすぐさま簡潔な返事が届き、そうして本日これから溺愛される運びになったのであった。
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情が薄そうなクールな表情だが、その内面は優しくてなんとも可愛らしい彼氏の姿を見かけただけで、不思議なもので先程までの沈んでいた心が浮き足だってくる。
思わずぎゅうと腕に抱きつくと、佐藤俊生は先程までとは打って変わって、チョコレートを溶かしたような甘い甘い表情になるのだから、胸がきゅぅうんとなってしまう。
「急なお誘いで、すみません」と謝ると、「愛しい彼女からのお誘いならばいつでも大歓迎ですよ」と私の頭を軽く撫でながら微笑む佐藤俊生。
……優しい!!
ちょっとした言葉をかけられだけなのに、癒やし効果抜群。なんだか泣いてしまいそう。
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