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多分きっと残り2日

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昨晩はランに娼婦の真似事を代わってもらったおかげもあって、今朝はすっきりとした目覚めを迎えることが出来た。
種族が吸血鬼だしスキルの関係もあって睡眠時間は短くても困らないとは言っても、それでもこうしてぐっすりと寝ると朝起きた時の爽快感が違うね。
多分気のせいだろうけど、頭がすっきり冴え渡ってる気がする。

「それで、昨晩はどうだった?」
「そりゃもう最高!  最初は少数だったけど途中から人が雪崩れ込んできてさ、そっからはまんこもアナルも口もそれこそ全身を使われてさ、こっちがイこうとお構いなしに突っ込まれ続けて全身が快楽に漬け込まれてるみたいで、本当にもう……思い出すだけでぐちょぐちょに濡れてくるよ!」
「そいつは良かった。ところで魔力の方は大丈夫?  吸精する余裕あった?」
「それは大丈夫。たっぷり中に出されてたし、それ吸収したから」
「じゃあまだ保つって事だね」
「うん。全然余裕」

吸精は接触した相手から魔力を奪うことの出来るスキルだが、それ以外に自身以外の体液を吸収することでも魔力として取り込む事が出来る。
唾液や血液、汗なんかでも吸収出来るが、生命力の塊とも言うべき精液はその変換効率は他の体液よりもはるかに高い。
ぐちょぐちょに犯されて、事後しばらく意識を手放してたらほとんど漏れ出ちゃってて吸収出来なかった可能性があるかもと思って聞いたけど、問題ないようで何よりだ。

「それじゃあまだ補給しなくても大丈夫なんだな」
「問題なし!」
「それなら良かった。俺はこの後朝食の準備あるから、ランは休んでて」
「分かった。とはいえ、この火照った身体をどうしたものか……」
「いや、まだヤりたいんかい!」
「思い出したら興奮しちゃったんだよ!」
「……ごぶいち達に慰めてもらいなよ」
「そうするー!」

全くランは……さっきまで散々ヤっていたはずなのに、本当に性獣過ぎでしょ。
と、全力でブーメランを受け止めつつ朝食の下拵えをしにテントの外に出ていく。
まだ薄暗いけど、人数居るしこのくらいから始めないといけないからね。
そうして1人で作業して、空が白くなり始めた頃になってようやく調理班の人達が起きてくる。

「早いですね、リーダー」
「おはようございます、班長」
「遅いぞお前たち」
「え、でも昨日と同じ時間に……」
「人が増えてるのに同じ時間に起きてどうする……?」
「あ!」
「そうでした!?」
「まあいい。明日からは気をつけてくれ。もっとも、上手くいけば明後日までで済むがな」
「え?  それってどういう……?」
「ほら。これを鍋に入れてスープにしてくれ」
「あ、はい。じゃなくて!?」
「どうせこの後知ることになるから気にするな」
「ちょっ!?」

「なんか、今日のリーダー機嫌いい?」
「ね。あんな楽しそうに笑いながら揶揄ってるところ初めて見た」

何やら陰口を叩かれているが……機嫌がいい、か。
それは確かにそうかもしれない。
快眠出来たし、ルセアちゃんに会えたからね。
そんなの機嫌も良くなるという物よ。
そんな事を考えつつも手は止まる事はなく、着々と朝食の準備は進んでいく。



準備も無事に終わり朝食の時間となったが、男どもの半数ほどが今にも寝てしまいそうにしている。
ひょっとして、またやった?
学習能力のない奴らだなぁ……。

「そのままでいいから聞いてくれ。昨日の探索でマッドラットの巣と思われる場所が発見された。昨日の会議によって今日はその場所の周囲を探索し、出入りできる場所を把握及び一部封鎖を行い、明日、巣への攻撃をする事が決定した。そして、それに合わせて討伐班は巣を中心に六等分し、別れて探索する。これまでの四班と第二陣をふた班に分けての計六班で探索をする事になるからそのつもりで……と、言いたいところだが……そこのお前ら!  なんだその様は!?  どいつもこいつも腑抜け過ぎだろ!?」

船漕いでいたり、スープを飲む姿勢のまま器用に寝ている奴とかいるからね。
そりゃ怒りたくもなるだろう。
それに2日続けてだし。

「とにかく、今日明日は今回の仕事において特に重要なものとなっている。出掛けるまでにはきっちりと目を覚ましておくように。いいな!」

うーん。
これは今日の夜は無しにした方がいいかなぁ。
英気を養うという意味合いはあったけど、こんな調子じゃ逆に仕事を失敗しかねないし。
その代わりといっちゃなんだけど、今回の事件が解決して街に帰ったらオールで大輪姦大会でも開くのはアリかな。
もちろんマワされるのは俺。
他の子にはそんな事させられないし。

「上手くいけば明日にはカタがつきます。みなさん、どうかよろしくお願いします!」

組合の人が頭を下げたところで、「おお!」とそこかしこから声が上がる。
そしてそれを聞いてビクッとなる冒険者がちらほら……うん。
ちゃんと起きようね~。
というか話聞いてた?

「そういうわけだから3人とも、残り2日だろうけどしっかりと頑張ろうね」
「そうね」
「うん」
「ちゃんと仕事があるといいんだけどね~」
「でも3人はランク低いし多分後ろの方で見張りという名の待機になりそうだよね」
「うわぁ~ありそう~」
「確かに」
「まあ、今回は今後のための勉強って事にしておきましょ」
「そうだね。しっかりと勉強……出来るのかな……?  ねぇ、もしかしてあれって、レンちゃんの……?」
「多分そうなんじゃないかな。こんな様を見せられたら流石に今晩は休みにしようと思うから明日は心配ないって」
「だといいんだけど」
「さて、そろそろ食べ終わる人も出てくるだろうし、俺は仕事に戻るとするかね。……あ、そうそう。仕事は大事だけど、まずは自分の身の安全を優先して無茶だけはしないでね。作戦名 いのちをだいじに だから。ちゃんと笑顔で帰ってきてね。それじゃあ、また後でね」

3人と別れた後、配膳してくれていた人達に交代するから食事をとるように指示を出した。
そして食べ終わった人達が持ってくる食器の片付けをしていくが、途中でおかわりやお昼をもらう人が現れれば適宜対応していく。
他にも何人かが一緒にやってくれるので待たせてしまうなんていう事は無いが、人数が人数なので食器の片付けにはかなりの時間を使ってしまい、みんなはいつの間にか出発していた。
うーむ。
出発前に一言二言声をかけたかったんだけど……過ぎた事は仕方ない。
さて、仕事仕事。
これが終わったらお風呂の仕上げだ。
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