上 下
104 / 125

対策チームが編成されます

しおりを挟む
シーフっ娘をハメ倒した翌日。
思いっきりハメた事でスッキリした目覚めを迎えることができた。
いや~、それにしても昨日はよかったなぁ。
宿の部屋に入ってすぐにちんこをおねだりするし、最初の生意気さは鳴りを潜めてお姉様なんて言いながら慕ってくるんだもんなぁ。
あれは完全に堕ちたね。
次会ったらその時はまた思いっきりハメてやろうっと。

そして組合に行って予想が合ってるか確認しに行ったらそのまま受付の人に案内されて人が集まる部屋へ。
そこにはリエリィさん達や初めて見る人達なんかがいたが……ちょっと少なくない?
多分ランクの高い人達を集めたんだろうけど、それにしては少ない。
俺を除いて3~4パーティくらいしか居ない。

「あー、忙しいところ集まってもらって悪いな。時間もないし今日はこのメンツで話をさせてもらう」

そういう事ね。
放っておいたらますます数が増えて被害が深刻になりかねないから急を要する。
しかし、呼び出したり高位の冒険者を集めたりするのは時間がかかる。
だから組合に来たある程度のランクのある冒険者を集めて話し合おうということになったんだろう。

「支部長。人数が少ないのはまだ分かるが、なんでこんなガキがここに居るんだよ?」
「彼女も既にランク5の冒険者だ。見た目だけで判断するんじゃない。それに、今回の件において彼女も報告者の1人だ。彼女にはこの場にいる権利がある」
「そうかよ」

うーん。
やっぱりこういう反応は出てくるよね。
まあ、俺はどっからどう見ても戦うようには見えない超絶美少女だから仕方ないね。

「さて、時間もないし早速話を始めるぞ。今回集まってもらったのは異常発生しているマッドラットの対策の為だ」
「マッドラット?  あんな雑魚のために集められたってのかよ!?」
「いい加減にしろ、ガル。すみません支部長。続けてください」
「ああ。確かにガルの言う通りマッドラットは決して強い魔物ではない。だが、その数が異常なのだ。レン。君が見たものをこの者達にも伝えてくれないか?  それで今どんな事態になっているのか理解出来るだろう」
「分かりました。俺が見たというか、仲間達とマッドラットの依頼を受けつつ野営の練習をしようと思ってたんですよね。で、その時の遭遇率が異常で1分と経たずに遭遇することも珍しくなく、1日で数百匹の討伐をして翌日も遭遇率は変わりませんでした。それですぐに帰って組合に報告したというわけです。ちなみにですが同様の報告が他の冒険者達からも齎されたそうなので俺個人の主観という事ではないですね」
「と、いうわけだ。流石に1日で数百は多過ぎる。このままだと生態系に影響が出かねない。そこで原因究明及び討伐の為の対策チームを編成するつもりだ。諸君らにはそこに加わってほしい」

なーるほどねー。
加わってほしいってことはつまり強制ではないって事か。
まあ、強制ではない(強制)みたいな感じだとは思うけどね。
別の依頼を受けていたりとかなんらかの事情がある場合もあるから強制じゃないんだろうけど、不参加は心象悪いよなぁ。
おっさんの心象とかどうでもいいけど、組合全体での心象を悪くするのは悪手だ。
もっとも、そのつもりで今日組合に来たから断るつもりはないけどね。

「…………どうやら断る者はいないようだな。ではまずこの地図を見てくれ。ここがこの街。そしてここが報告のあった森だ」

へー。
空から俯瞰して見た事はあったけど、こうして地図で見るのは新鮮だね。

「このあたりに本部となる拠点を作り、森をこのように4つのエリアに分割する。君達のパーティを主軸に他の冒険者達でマッドラットを減らしてもらうつもりだ。そしてレンには本部で食事の準備や治療などを行うサポート班の指揮をしてもらいたい」
「つまりハーピィ戦の時のに加えて指揮までやれと?  それ、大丈夫なの?  ちゃんと俺の言うこと聞くの?  自分で言うけど俺みたいな超絶美少女が上に立って指示に従うとでも?」
「自分で言うのかよ……」

ガルだっけ?
さっき名前の通りにガルガル噛み付いてきた人がツッコミしてきた。
まあ、いつもこんなくだりしてるから今回は特になんとも思わないけどね。

「言うよ?  こういうのは中途半端だとかえって周りをイラっとさせちゃうからね。で、どうなの?」
「それなら大丈夫だろ。ハーピィ戦の時の話は聞いたが大活躍だったらしいじゃねーか。その時の面子が何人かいるだろうし、そいつらを中継に使えば問題ないだろ」
「だといいけど。ま、了解したよ。その役目、引き受けさせてもらうね」
「うむ」

となると、まずは物資の確認と足りないものの確保か。
ハーピィの時からそこまで時間経ってないし、集める時に反感買わなきゃいいけど。

「レンには何人か組合の者をつけるからそいつらを使って準備を進めてくれ」
「了かーい。ならもう行っていい?  こういうのは時間との勝負だしさ」
「そうだな。頼む」

組合の人を連れてまずは物資の保管庫に。
保存の効く食材やポーション類はそれなり揃っているな。
あれからまた集め直したんだろう。
とはいえ、これでは栄養が偏るし飽きもくる。
何より数がまだ足りない。
どの程度の人数が集まるか、どのくらいの期間となるのか、それらが分からない以上ある程度の期間を大勢にという風に考えて準備したほうがいいかな。
最悪を想定して最善を尽くす、だったかな。
なんかそんな言葉あったよね。
とりあえず50人が1週間食べていくだけの量と想定すると……こんなもんかな。

「これだけの量って集められる?」
「え、こんなに……?」
「どの程度集まってどのくらいの期間になるか分からないからとりあえず50人×3食を1週間分で計算したんだよ。まあ、どの程度予算がもらえるか分かるないから上限をこのくらいとして可能な限り集めておいてよ。足りなかったら現地調達をしてもらう必要もあるし」
「あの、マッドラットは食べられるのでその分少なく済むと思います」
「あ、そうなの?  それじゃあ肉の部分は1日分だけにしておいて。流石に初日から食べられるわけじゃないしね」
「分かりました」
「こちらはどうしますか?」
「ポーション類か。相手が弱くても数が数だからね。怪我した時用に各自1本、それと予備で1本あればいいかな?  回復魔法が使える人も居るだろうし。後他の魔物と遭遇して毒持ちだったという可能性もあるから解毒系は10本からそこらあればいいかな?  どうかな?」
「そう……ですね。マッドラットが増えた事で生態系にどう影響しているかは分かりませんが、毒持ちを相手にすることはそう無いでしょうし、そのくらいでいいと思います」
「ポーションも50人分で計算して100本。それと解毒が10。えーと、それでここにあるのは何本?」
「ちょっと待ってくださいね……あ、100本以上備蓄がありますね。解毒ポーションも数に問題はありません」
「なら食料の件よろしくね」
「分かりました」
「後は……拠点の設営に関してかな。天幕や魔物避けの香とかはあるんだよね?」
「それは大丈夫です。いざという時のためにそれらもきちんと揃えていますから」
「それは重畳。なら俺が出来ることはもうないかな。というか、本来ならこんな事は前回の時に指揮を取っていた人に任せるべきじゃないかな?  後で何か言われたりしないかな?  勝手なことをするなーって」
「大丈夫ですよ。私がその時の責任者ですから」
「え、そうなの?」
「はい。と言っても、組合側の責任者だったというだけですけどね」
「あー、冒険者側にもまた別の頭がいたと」
「私達は基本非戦闘員ですからね。事前準備は出来ても、現場ではあまり活動できませんから」

なーほーね。
当然といえば当然か。
となるときちんと顔合わせと指揮系統の統一を行わないといけないって事か。
面倒だ。
必要な事だとは分かってるんだけどねー、それでも面倒なものは面倒なんですよ。

「セイラさん。支部長がお呼びです」
「わかりました。レンさん。申し訳ありませんが…」
「うん。行ってきていいよ」
「ありがとうございます。後の事、よろしくお願いします」
「了解。と言ってももう出来ることなんてないんだけどね」

これ以上は越権行為になっちゃうからね。
俺がしたのは今ある物資を確認して、サポート班として必要だと思ったものを用意してもらえるようにお願いしただけ。
買えと命令してないし出来ない。
だから、今は何も出来ることもすることもないので人が集まるまでのんびりと待つとしますかね。
あ、もちろん外に出ますよ。
ずっと保管庫になんていたら変に思われちゃうもの。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。

ねんごろ
恋愛
 主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。  その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……  毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。 ※他サイトで連載していた作品です

【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜

墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。 主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。 異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……? 召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。 明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。

漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?

みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。 なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。 身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。 一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。 ……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ? ※他サイトでも掲載しています。 ※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。

処理中です...