45 / 125
眷属達への餌付け
しおりを挟む
6人が帰ってくる。
それまでの時間で材料を使い切ってポーションを作成し、全部で42本のポーションが出来た。
3人で分けるとなると1人14本か。
微妙だな。
後3本あれば切りよく1人15本になったんだけど、そこは仕方ないか。
「おかえりー。どうだった?」
「ごぶいち、ごぶたろう、ごぶのすけの3名はレベルが6へと上がり、ボブとツバサは5、私は4に上がりました」
「そうか。みんな一緒に戦ったんだよね?」
「はい」
「となると、レベル差は種族差によるものなのかな」
「恐らくは」
ごぶいち達は元はただのゴブリンで、ボブとツバサはそれぞれゴブリンとハーピィの上位種で差があるのは納得出来るし、ルーナに至っては吸血鬼の特徴を強く持つ新種の魔物で多分1番格が高く、それ故にレベルアップに必要な経験値量が他のみんなよりも多くなったとしてもおかしくはないだろう。
「さ、みんな疲れたでしょ。ゆっくり休んでて。俺は今からお昼の準備するからさ」
「そんな! マスターが自ら作らなくとも!」
「じゃあルーナは作れるの?」
「……すみません。やった事ありません」
「でしょ? あんまり気にせずのんびりしててよ」
さて、何を作ろうかね?
いつもは適当に買ったのをあげていたけど……というか、作る場所がないからそうせざるを得ないんだけど。
前の時の反省を踏まえて調理器具も調味料も揃えたから大抵の物は作れる。
とはいえ、あまり時間をかけるのもな。
んー、とりあえずサンドウィッチとスープでいいかな。
土魔法でかまどを作り、水も魔法で用意して、と。
鶏肉を照り焼きにしてそれを野菜と一緒にパンと挟むとして、焼いている間に並行してスープを作る。
んーと、ハーブを足した方がいいかな。
後胡椒も少々……こんなもんかな。
鶏肉が焼けたので野菜と一緒に挟んで完成っと。
「はーい、出来たよー」
照り焼きのいい匂いが辺りに充満していたから、みんなはもう待ちきれないとばかりに渡したそばからかぶりついていく。
そして笑顔。
うんうん、作った甲斐があったね。
さて、それじゃあ俺も。
美味い。
自画自賛になるけど、甘辛いタレがジューシーな鶏肉とマッチしてて最高だね。
スープも野菜の旨味がしっかり出てるし、香りも申し分ない。
「アノ、ゴシュジン……ソノ……」
「ん? もしかしておかわり欲しいの?」
「ホ、ホシイ……」
「みんなも欲しい?」
「「「ごぶ!」」」
「ソノ、サシツカエナケレバ……」
「私も、欲しい、です……」
「はーい。それじゃあ作るから待ってて」
なんか、母親になった気分だ。
でも、悪い気はしないかな。
ボブとかでかい図体してるのになんだか申し訳なさそうにしてるっていうギャップがかわいいし、他の子達も主人に手間をかけさせるのは……でも食べたいし……みたいな顔してるんだよね。
あんな顔見せられたらもう、かわいいと思っちゃうし、しょうがないなぁって思わされちゃうよね。
みんなの分のおかわりを追加で作り、ついでに自分の分も作っていく。
ボブは図体でかいしもう一個作っておいた方がいいかな。
あ、スープもあった方がいいかな。
それにちゃんとした飲み物もあった方がいいよね。
そうして忙しなく働いていると、何やら無粋な連中がやって来た。
「そこの君! 魔物に囲まれてるぞ!」
「はぁ?」
「今助けに、くっ、なんだこれは!? 見えない壁!?」
「はぁ~……あのさぁ、この状況のどこが魔物に囲まれている風に見えるのさ。みんな行儀良く……はないけど、きちんと座って待ってるじゃん。これのどこに助けられる要素があるのさ?」
うん。
みんな待ちきれないとばかりにスプーンを握りしめてこっちの方を見てるからね。
行儀良くはないかな。
でも襲うような雰囲気はないし。
「それに、この子達は全員俺の血を分けた家族だよ」
「何っ!? つまり君は、魔物だったという事か! 騙すとは卑怯な! 成敗してくれる!」
うっわ、めんどくさっ!
「うっわ、めんどくさっ!」
あ、声に出しちゃった。
ま、いいや。
めんどくさいのは間違いないし。
というよりも鬱陶しいか。
あっちとこっちは結界で隔てられているからあの馬鹿は入ってこれない。
だから無視してもいいんだけど、今もギャーギャー騒ぎながら結界に剣をぶつけて来てるんだよね。
そう簡単に破られるわけないから安心とはいえ、こうも煩いとね……。
「音絶結界」
というわけで更に音を遮断する結界を内側に追加で張る。
これで音も入って来ない。
ほっときゃそのうち飽きて帰るでしょ。
あ、そうだ。
ついでに嫌がらせもしておこう。
こっちも嫌がらせされてるようなもんだし、これでおあいこって事で。
甘辛いタレのいい匂いを扇いで馬鹿に嗅がせる。
もちろん食べさせないけどね。
と、これで全部完成っと。
「はーい、おかわりお待ちー」
待ってましたーとばかりに眷属達が喜びに湧く。
俺も自分の分を持って座りおかわりを再びパクリ。
うん、今回もいい出来だ。
そうして食事に夢中になっている間にいつのまにか馬鹿はいなくなっていた。
諦めて帰ったのかな。
これでやっとゆっくり出来るな。
それまでの時間で材料を使い切ってポーションを作成し、全部で42本のポーションが出来た。
3人で分けるとなると1人14本か。
微妙だな。
後3本あれば切りよく1人15本になったんだけど、そこは仕方ないか。
「おかえりー。どうだった?」
「ごぶいち、ごぶたろう、ごぶのすけの3名はレベルが6へと上がり、ボブとツバサは5、私は4に上がりました」
「そうか。みんな一緒に戦ったんだよね?」
「はい」
「となると、レベル差は種族差によるものなのかな」
「恐らくは」
ごぶいち達は元はただのゴブリンで、ボブとツバサはそれぞれゴブリンとハーピィの上位種で差があるのは納得出来るし、ルーナに至っては吸血鬼の特徴を強く持つ新種の魔物で多分1番格が高く、それ故にレベルアップに必要な経験値量が他のみんなよりも多くなったとしてもおかしくはないだろう。
「さ、みんな疲れたでしょ。ゆっくり休んでて。俺は今からお昼の準備するからさ」
「そんな! マスターが自ら作らなくとも!」
「じゃあルーナは作れるの?」
「……すみません。やった事ありません」
「でしょ? あんまり気にせずのんびりしててよ」
さて、何を作ろうかね?
いつもは適当に買ったのをあげていたけど……というか、作る場所がないからそうせざるを得ないんだけど。
前の時の反省を踏まえて調理器具も調味料も揃えたから大抵の物は作れる。
とはいえ、あまり時間をかけるのもな。
んー、とりあえずサンドウィッチとスープでいいかな。
土魔法でかまどを作り、水も魔法で用意して、と。
鶏肉を照り焼きにしてそれを野菜と一緒にパンと挟むとして、焼いている間に並行してスープを作る。
んーと、ハーブを足した方がいいかな。
後胡椒も少々……こんなもんかな。
鶏肉が焼けたので野菜と一緒に挟んで完成っと。
「はーい、出来たよー」
照り焼きのいい匂いが辺りに充満していたから、みんなはもう待ちきれないとばかりに渡したそばからかぶりついていく。
そして笑顔。
うんうん、作った甲斐があったね。
さて、それじゃあ俺も。
美味い。
自画自賛になるけど、甘辛いタレがジューシーな鶏肉とマッチしてて最高だね。
スープも野菜の旨味がしっかり出てるし、香りも申し分ない。
「アノ、ゴシュジン……ソノ……」
「ん? もしかしておかわり欲しいの?」
「ホ、ホシイ……」
「みんなも欲しい?」
「「「ごぶ!」」」
「ソノ、サシツカエナケレバ……」
「私も、欲しい、です……」
「はーい。それじゃあ作るから待ってて」
なんか、母親になった気分だ。
でも、悪い気はしないかな。
ボブとかでかい図体してるのになんだか申し訳なさそうにしてるっていうギャップがかわいいし、他の子達も主人に手間をかけさせるのは……でも食べたいし……みたいな顔してるんだよね。
あんな顔見せられたらもう、かわいいと思っちゃうし、しょうがないなぁって思わされちゃうよね。
みんなの分のおかわりを追加で作り、ついでに自分の分も作っていく。
ボブは図体でかいしもう一個作っておいた方がいいかな。
あ、スープもあった方がいいかな。
それにちゃんとした飲み物もあった方がいいよね。
そうして忙しなく働いていると、何やら無粋な連中がやって来た。
「そこの君! 魔物に囲まれてるぞ!」
「はぁ?」
「今助けに、くっ、なんだこれは!? 見えない壁!?」
「はぁ~……あのさぁ、この状況のどこが魔物に囲まれている風に見えるのさ。みんな行儀良く……はないけど、きちんと座って待ってるじゃん。これのどこに助けられる要素があるのさ?」
うん。
みんな待ちきれないとばかりにスプーンを握りしめてこっちの方を見てるからね。
行儀良くはないかな。
でも襲うような雰囲気はないし。
「それに、この子達は全員俺の血を分けた家族だよ」
「何っ!? つまり君は、魔物だったという事か! 騙すとは卑怯な! 成敗してくれる!」
うっわ、めんどくさっ!
「うっわ、めんどくさっ!」
あ、声に出しちゃった。
ま、いいや。
めんどくさいのは間違いないし。
というよりも鬱陶しいか。
あっちとこっちは結界で隔てられているからあの馬鹿は入ってこれない。
だから無視してもいいんだけど、今もギャーギャー騒ぎながら結界に剣をぶつけて来てるんだよね。
そう簡単に破られるわけないから安心とはいえ、こうも煩いとね……。
「音絶結界」
というわけで更に音を遮断する結界を内側に追加で張る。
これで音も入って来ない。
ほっときゃそのうち飽きて帰るでしょ。
あ、そうだ。
ついでに嫌がらせもしておこう。
こっちも嫌がらせされてるようなもんだし、これでおあいこって事で。
甘辛いタレのいい匂いを扇いで馬鹿に嗅がせる。
もちろん食べさせないけどね。
と、これで全部完成っと。
「はーい、おかわりお待ちー」
待ってましたーとばかりに眷属達が喜びに湧く。
俺も自分の分を持って座りおかわりを再びパクリ。
うん、今回もいい出来だ。
そうして食事に夢中になっている間にいつのまにか馬鹿はいなくなっていた。
諦めて帰ったのかな。
これでやっとゆっくり出来るな。
10
お気に入りに追加
489
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる