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マリアンヌがヨーレライ国王のアレクサンダーと結婚しそうなので、焦っている者がいる。
「我が愛するマリアンヌよ。もう私のことは、忘れてしまったのだろうか?美しいマリアンヌ、戻ってきておくれ。」
神の国アマテラスのシャクソン神である。
デウス神がマリアンヌに隠れて、人間の女と浮気をしたから、マリアンヌは出て行ってしまったのである。
このままでは、愛するマリアンヌがアレクサンダーごときの人間に取られてしまうが、アレクサンダーをどうにかすると、怒ってもう二度と戻ってきてくれない気がするけど……、でもでも。
その夜、マリアンヌは夢を見たのである。
遠い神の国での出来事、マリアンヌの恋人がいたはずなんだけど、いつも「我が愛するマリアンヌよ。そなたは美しい。」と毎日、言ってくれているのに、ある日、人間の女をアマテラスに連れ込んでいちゃついているところを発見したのだ!
「シャクソン!なに、やってるのよ。わたくしというものがいながら、そんな貧相な人間の女を相手にして!許さない!」
とそこで、目が覚めた。ん?あの人間の女、ウィリアムの浮気相手リリアーヌ嬢に似ていた気がするわ!
ああ、なるほど。あの時、あの人間の女も人間界に追放(?)というべきか、戻されたのね。それで怒って、この世界に来た私と、今度は婚約者の浮気相手というポジションで転生してきたということか。そうなるとリリアーヌ嬢というのは、宿命のライバルってとこなのかしらね。
それにしても恋人の顔がイマイチはっきりしなくて、わからない。きっと、わたくしのことだから、イケメンの男前だったのでしょうね。この世界での修業が終わって、アマテラスで会うのが楽しみだわ。
うふふ。でも、その前にアレクサンダー様と♡♡♡
恋人に浮気されたのだから、わたくしも人間の男とやってもいいでしょう?ギヴアンドテイクだもんね。
あのまま行けば、ロベルタ様と関係を持っていたかもしれないけど、アクアマリアちゃんに先越されたから、でもロベルタ様よりアレクサンダー様のほうがタイプだわ。
ついでに、アレクサンダー様には、女神の加護を差し上げとこう。そうすれば、加齢は仕方がないとしても、めったなことで死なないカラダになれる。
いつしようかな?結婚式の誓いのキスの時に、キンキラキンにしてあげよう。
結婚式が近づいてきたある日、また夢で、初老の男性と出会う。ひどく悲しげな表情をされるが、誰かわからないでいると。
「マリアンヌ。私が誰だかわからないか?」
誰?このオッサン?お父さんってことないよね?
「我が愛するマリアンヌよ。頼むから、アマテラスに戻ってきておくれ、私が悪かったもう二度と浮気などしないから。」
「ええ?ひょっとして?シャクソン様?」
「そうだよ。やっと思い出してくれたかい?」
マリアンヌは目を疑った、どこをどうみてもなんの変哲もないくたびれたジジイだ。神様だと言われても信じられない。どうして、こんな普通のオッサンを恋人にしていたのだろう?ひょっとして、アマテラスでは、マリアンヌは男日照りをしていたのか?
現世の父ドヌーヴ公爵のほうが100倍イイ男で、アレクサンダー様は1000倍イイ男なのだから。
「まだ人間界での修業途中でございますれば、修業が終了すれば、また、アマテラスにてよろしくお願いいたしますわ。」
「では、どうあっても、戻ってこないと?」
だって、戻り方がわからないもんね。とは言わない。
「そういえば、あの時の人間の女とこの世界に来て、お会いしましたわよ。また、婚約者の浮気相手としてですけど。」
「ギクっ!それを言われると弱いが、あれ以来、リリアーヌとは、会っていないのだ。本当だ。信じてくれ。」
そりゃそうでしょうね、人間界でマリアンヌと同様に生まれ、成長してきたのだから。
「もしもまた浮気されるようなことがありましたら、その時は、二度と戻りませんからね!でも、今は修業途中ですから、ご容赦くださいませね。時折、アマテラスへ監視のため、見に行きますが、もしも浮気していたら、タダではおきませんこと。くれぐれもお忘れなきように。」
くぎを刺しておけば、大丈夫だろう。でも、どうやってアマテラスへ帰るの?帰り方がわからない。まあ、そのうち思い出すまで待とう。
こうして、待ちに待ったアレクサンダーとの結婚式を迎えます。
そして、誓いのキス。
予定通り、アレクサンダーに女神の加護を与えて、キンキラキンにすると国民から歓声が上がる。
そして、お楽しみの初夜。うーん、良かったわ♡
少しは、シャクソンの気持ちがわかったかもしれない。
でも、浮気は許さない!
「我が愛するマリアンヌよ。もう私のことは、忘れてしまったのだろうか?美しいマリアンヌ、戻ってきておくれ。」
神の国アマテラスのシャクソン神である。
デウス神がマリアンヌに隠れて、人間の女と浮気をしたから、マリアンヌは出て行ってしまったのである。
このままでは、愛するマリアンヌがアレクサンダーごときの人間に取られてしまうが、アレクサンダーをどうにかすると、怒ってもう二度と戻ってきてくれない気がするけど……、でもでも。
その夜、マリアンヌは夢を見たのである。
遠い神の国での出来事、マリアンヌの恋人がいたはずなんだけど、いつも「我が愛するマリアンヌよ。そなたは美しい。」と毎日、言ってくれているのに、ある日、人間の女をアマテラスに連れ込んでいちゃついているところを発見したのだ!
「シャクソン!なに、やってるのよ。わたくしというものがいながら、そんな貧相な人間の女を相手にして!許さない!」
とそこで、目が覚めた。ん?あの人間の女、ウィリアムの浮気相手リリアーヌ嬢に似ていた気がするわ!
ああ、なるほど。あの時、あの人間の女も人間界に追放(?)というべきか、戻されたのね。それで怒って、この世界に来た私と、今度は婚約者の浮気相手というポジションで転生してきたということか。そうなるとリリアーヌ嬢というのは、宿命のライバルってとこなのかしらね。
それにしても恋人の顔がイマイチはっきりしなくて、わからない。きっと、わたくしのことだから、イケメンの男前だったのでしょうね。この世界での修業が終わって、アマテラスで会うのが楽しみだわ。
うふふ。でも、その前にアレクサンダー様と♡♡♡
恋人に浮気されたのだから、わたくしも人間の男とやってもいいでしょう?ギヴアンドテイクだもんね。
あのまま行けば、ロベルタ様と関係を持っていたかもしれないけど、アクアマリアちゃんに先越されたから、でもロベルタ様よりアレクサンダー様のほうがタイプだわ。
ついでに、アレクサンダー様には、女神の加護を差し上げとこう。そうすれば、加齢は仕方がないとしても、めったなことで死なないカラダになれる。
いつしようかな?結婚式の誓いのキスの時に、キンキラキンにしてあげよう。
結婚式が近づいてきたある日、また夢で、初老の男性と出会う。ひどく悲しげな表情をされるが、誰かわからないでいると。
「マリアンヌ。私が誰だかわからないか?」
誰?このオッサン?お父さんってことないよね?
「我が愛するマリアンヌよ。頼むから、アマテラスに戻ってきておくれ、私が悪かったもう二度と浮気などしないから。」
「ええ?ひょっとして?シャクソン様?」
「そうだよ。やっと思い出してくれたかい?」
マリアンヌは目を疑った、どこをどうみてもなんの変哲もないくたびれたジジイだ。神様だと言われても信じられない。どうして、こんな普通のオッサンを恋人にしていたのだろう?ひょっとして、アマテラスでは、マリアンヌは男日照りをしていたのか?
現世の父ドヌーヴ公爵のほうが100倍イイ男で、アレクサンダー様は1000倍イイ男なのだから。
「まだ人間界での修業途中でございますれば、修業が終了すれば、また、アマテラスにてよろしくお願いいたしますわ。」
「では、どうあっても、戻ってこないと?」
だって、戻り方がわからないもんね。とは言わない。
「そういえば、あの時の人間の女とこの世界に来て、お会いしましたわよ。また、婚約者の浮気相手としてですけど。」
「ギクっ!それを言われると弱いが、あれ以来、リリアーヌとは、会っていないのだ。本当だ。信じてくれ。」
そりゃそうでしょうね、人間界でマリアンヌと同様に生まれ、成長してきたのだから。
「もしもまた浮気されるようなことがありましたら、その時は、二度と戻りませんからね!でも、今は修業途中ですから、ご容赦くださいませね。時折、アマテラスへ監視のため、見に行きますが、もしも浮気していたら、タダではおきませんこと。くれぐれもお忘れなきように。」
くぎを刺しておけば、大丈夫だろう。でも、どうやってアマテラスへ帰るの?帰り方がわからない。まあ、そのうち思い出すまで待とう。
こうして、待ちに待ったアレクサンダーとの結婚式を迎えます。
そして、誓いのキス。
予定通り、アレクサンダーに女神の加護を与えて、キンキラキンにすると国民から歓声が上がる。
そして、お楽しみの初夜。うーん、良かったわ♡
少しは、シャクソンの気持ちがわかったかもしれない。
でも、浮気は許さない!
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