16 / 17
第1章 恋愛
学校開校
しおりを挟む
デュクオール国のアトランス領で学校が始まる。開校式には国王陛下をはじめとするデュクオールの重鎮貴族の参列がある。孫の顔見たさでデュクオールのエルヴィス国王陛下もご来臨された。
もう、孫の顔を舐めるように見られたので、少々気味が悪い。誘拐するんじゃないよね。と思えるほどである。結婚のお祝いもいただいて、孫の誕生祝も頂戴したから、辛抱することにしよう。
でもジェームズは苦虫を噛み潰したような顔をしているから、ここは嫁の立場のフローレンスがフォローしていると、やっぱりアトランス国に帰ってくるように話が向いてくる。
でも主人がもうあの国には帰りたくないでしょうし、わたくしもという話をしたらそれ以上の無理強いはなかったので、ほっとしている。
今回は、孫の顔だけ見に来たというのが本音であったみたいなので、十分にカルヴィンは遊んでもらって満足しているようであった。いずれ王位継承権の問題は出てくるだろうが、いまは、ただの好々爺と孫だけで十分な関係に思える。
エルヴィス国王がアトランス国王に戻られてから、しばらくのこと。今度はどこでどう聞きつけてきたか知らないが、マリオスがやってきた。
それもジェームズに会いに、突然、後ろから「兄さん!」と呼びかけられて、ギョっとしたらしいわ。まぁ、フローレンスの場合は、呼びかけられても「どなたですか?」の反応しかないけど、ジェームズとフローレンスが運命の出会いを果たし結婚して、カルヴィンという王子まで産まれているのだから、今さらフローレンスに愛の告白をするほどバカでもないらしい。
マリオスの用件は、フローレンスに会いに来たのだけど、もう今さらアトランス国へ帰れないので、ここに住まわせてくれないかとのことで、どうすべきかは、フローレンスと相談して決めるということで、一応はほかの街で住んでもらうことにしたのだ。
フローレンスは、正直なところ、記憶を失ってまでも思い出したくない相手が訪ねてこられ、超迷惑しているというのが本音であった。
それでも夫の弟であるから、無碍にもできずどうしたものかと考えていたら、フローレンスの父エヴェラ公爵がはっきりと、「アトランス領に住まわせるわけにはいかない。」と宣言してくれたので、助かったわ。
そして「フローレンスは、生まれ変わったのだから、もうそっとしてやってほしい。」と告げてくれた。父親というものは、ありがたいものです。
普段は何も言わずとも、ここぞというときに娘のことを思っての言動をしてくれる。
次の日、マリオスはそのまま消えた。おそらくアトランス国にも帰れず、どこかの国に自分の居場所を見つけに行ったのであろう。
「もうかかわりあいたくないのです。」フローレンスは心の底からそう感じ、思う。
愛するジェームズと子供カルヴィンのためにも二度と会いに来てほしくないと心から願う。
恋愛小説としては、完結ですが、ファンタジーとしては、まだまだ続けられそう。
どうしたものか。気が向いたら、また続けますね。
もう、孫の顔を舐めるように見られたので、少々気味が悪い。誘拐するんじゃないよね。と思えるほどである。結婚のお祝いもいただいて、孫の誕生祝も頂戴したから、辛抱することにしよう。
でもジェームズは苦虫を噛み潰したような顔をしているから、ここは嫁の立場のフローレンスがフォローしていると、やっぱりアトランス国に帰ってくるように話が向いてくる。
でも主人がもうあの国には帰りたくないでしょうし、わたくしもという話をしたらそれ以上の無理強いはなかったので、ほっとしている。
今回は、孫の顔だけ見に来たというのが本音であったみたいなので、十分にカルヴィンは遊んでもらって満足しているようであった。いずれ王位継承権の問題は出てくるだろうが、いまは、ただの好々爺と孫だけで十分な関係に思える。
エルヴィス国王がアトランス国王に戻られてから、しばらくのこと。今度はどこでどう聞きつけてきたか知らないが、マリオスがやってきた。
それもジェームズに会いに、突然、後ろから「兄さん!」と呼びかけられて、ギョっとしたらしいわ。まぁ、フローレンスの場合は、呼びかけられても「どなたですか?」の反応しかないけど、ジェームズとフローレンスが運命の出会いを果たし結婚して、カルヴィンという王子まで産まれているのだから、今さらフローレンスに愛の告白をするほどバカでもないらしい。
マリオスの用件は、フローレンスに会いに来たのだけど、もう今さらアトランス国へ帰れないので、ここに住まわせてくれないかとのことで、どうすべきかは、フローレンスと相談して決めるということで、一応はほかの街で住んでもらうことにしたのだ。
フローレンスは、正直なところ、記憶を失ってまでも思い出したくない相手が訪ねてこられ、超迷惑しているというのが本音であった。
それでも夫の弟であるから、無碍にもできずどうしたものかと考えていたら、フローレンスの父エヴェラ公爵がはっきりと、「アトランス領に住まわせるわけにはいかない。」と宣言してくれたので、助かったわ。
そして「フローレンスは、生まれ変わったのだから、もうそっとしてやってほしい。」と告げてくれた。父親というものは、ありがたいものです。
普段は何も言わずとも、ここぞというときに娘のことを思っての言動をしてくれる。
次の日、マリオスはそのまま消えた。おそらくアトランス国にも帰れず、どこかの国に自分の居場所を見つけに行ったのであろう。
「もうかかわりあいたくないのです。」フローレンスは心の底からそう感じ、思う。
愛するジェームズと子供カルヴィンのためにも二度と会いに来てほしくないと心から願う。
恋愛小説としては、完結ですが、ファンタジーとしては、まだまだ続けられそう。
どうしたものか。気が向いたら、また続けますね。
0
お気に入りに追加
687
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星河由乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
あなたの運命になりたかった
夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。
コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。
※一話あたりの文字数がとても少ないです。
※小説家になろう様にも投稿しています
伯爵令嬢は身の危険を感じるので家を出ます 〜伯爵家は乗っ取られそうですが、本当に私がいなくて大丈夫ですか?〜
超高校級の小説家
恋愛
マトリカリア伯爵家は代々アドニス王国軍の衛生兵団長を務める治癒魔法の名門です。
神々に祝福されているマトリカリア家では長女として胸元に十字の聖痕を持った娘が必ず生まれます。
その娘が使う強力な治癒魔法の力で衛生兵をまとめ上げ王国に重用されてきました。
そのため、家督はその長女が代々受け継ぎ、魔力容量の多い男性を婿として迎えています。
しかし、今代のマトリカリア伯爵令嬢フリージアは聖痕を持って生まれたにも関わらず治癒魔法を使えません。
それでも両親に愛されて幸せに暮らしていました。
衛生兵団長を務めていた母カトレアが急に亡くなるまでは。
フリージアの父マトリカリア伯爵は、治癒魔法に関してマトリカリア伯爵家に次ぐ名門のハイドランジア侯爵家の未亡人アザレアを後妻として迎えました。
アザレアには女の連れ子がいました。連れ子のガーベラは聖痕こそありませんが治癒魔法の素質があり、治癒魔法を使えないフリージアは次第に肩身の狭い思いをすることになりました。
アザレアもガーベラも治癒魔法を使えないフリージアを見下して、まるで使用人のように扱います。
そしてガーベラが王国軍の衛生兵団入団試験に合格し王宮に勤め始めたのをきっかけに、父のマトリカリア伯爵すらフリージアを疎ましく思い始め、アザレアに言われるがままガーベラに家督を継がせたいと考えるようになります。
治癒魔法こそ使えませんが、正式には未だにマトリカリア家の家督はフリージアにあるため、身の危険を感じたフリージアは家を出ることを決意しました。
しかし、本人すら知らないだけでフリージアにはマトリカリアの当主に相応しい力が眠っているのです。
※最初は胸糞悪いと思いますが、ざまぁは早めに終わらせるのでお付き合いいただけると幸いです。
死に戻りの魔女は溺愛幼女に生まれ変わります
みおな
恋愛
「灰色の魔女め!」
私を睨みつける婚約者に、心が絶望感で塗りつぶされていきます。
聖女である妹が自分には相応しい?なら、どうして婚約解消を申し込んでくださらなかったのですか?
私だってわかっています。妹の方が優れている。妹の方が愛らしい。
だから、そうおっしゃってくだされば、婚約者の座などいつでもおりましたのに。
こんな公衆の面前で婚約破棄をされた娘など、父もきっと切り捨てるでしょう。
私は誰にも愛されていないのだから。
なら、せめて、最後くらい自分のために舞台を飾りましょう。
灰色の魔女の死という、極上の舞台をー
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる