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22.陛下
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朝から、目が回るような忙しさで、ようやく吸われたと思えば、すぐ誰かから声がかかる。仕方がないh慰労円の主役はジャクリーヌなので、声がする方を愛想良く笑いながら、振り返ると、そこには、まさかの国王陛下がいらっしゃる。
えーと。今日の出席者名簿に会ったかしら?名前がなかったように思うのだけど、間違いだったかな?
いつになく、オルブライト陛下は、モジモジされている。その時、ハっと気づいたジャクリーヌは、内心思わずしまった!と思ってしまう。
なぜなら、以前陛下からプレゼントされたウエディングドレスを手直しもせずにそのまま着ているのだから。勘違いをされても仕方がないところ。
前世、男性が女性に服をプレゼントする意味を聞いたことがある。その服を着せたいからではなく、脱がせたいから服を贈るのだと聞いた。
げ!気持ち悪い。陛下もそう思われているのかしら!?
「よく似合っているよ。ジャクリーヌ。」
背中にぶわっと鳥肌が立つのが視なくても、わかった。
「ありがとうございます。」
なるべく視線を合わせないように返事をして、その場から立ち去ろうと試みるのだが、陛下はなかなか開放してくれそうにない。
「さっきの新郎の言葉だが……。」
ジャクリーヌは内心、キターーー!と思い、固唾を呑んで、次の言葉を待ち、どう断ろうかと思案する。
「あれは、儂でもいいのだろうか?」
やっぱり……。レオナルドめ、余計なことを言って、まずわたくしたち夫婦に子供が授かってからという一言を入れるべきだったにもかかわらず、先走って、あんなことを口走るものだから、こういう面倒ごとが起きるのよ。
「ハァ?何をおっしゃっているのか、意味が分かりませんわ。」
「実はな、王家も血族結婚を繰り返し、そろそろ新しい血を入れねばと考え、そこで以前、エドモンドの婚約者にと、推挙したのだが、あんなことになってしまい、それがどういうわけか、いつの間にかエドワードと交際していたので、ホッと一安心と思っていたら、アイツも良からぬことをしおって。」
ああ、そうだ。あの始末、どうついたのか、まだセバスチャンにも聞けていなかったわ。ここで、聞いちゃマズイ?
「エドワード様のお子は、いかがなりましたか?」
「うむ。誰も子を孕んだという報告が来ていないのだ。たまたまだったのか?それとも、王家の子を孕んだまま、領地で出産されでもしたら一大事になる。それで、エドワードと関係した令嬢、一人当たり白金貨1枚(日本円換算1億円)を慰謝料として、支払い、もし子を出産すれば、さらに毎年子の養育費として、白金貨1枚を渡すという約定をしたのだが、誰も何も言ってこないのだ。将来の王位継承権者となる身だから、大事に育ててほしいのだが……。」
なるほど白金貨1枚ともなると相当な金額だから、黙ってもらって、口封じしたみたいだけど、子供を産んだ後は、その子を取り上げようという腹積もりなのだということも分かった。
「それはそうと、さっきの話なのだがな、儂の子を産んではくれまいか?男でも女でもいい。さっきも言ったように王家は血族結婚を繰り返し、ロクな遺伝子がない。生まれつき目が悪い者もおれば、舌足らずで、うまく喋れないもの、病弱で生まれてすぐ死んでしまう者などが、外聞が悪く公表していない事実があるのだ。そこで、二人の王子をジャクリーヌ殿の婿に据えようとしたが、いずれも失敗しておる。ほかにも王子はいるのはいるのだが、まだ幼い。そこで、こんな年寄りとは、いやだろうが、どうか儂と子作りしてくれぬのかのぉ。」
「はい。……イヤです。お断りいたしますわ。主人レオナルドが見ている前で、とても陛下と睦遭うことなどかないません。」
「そうだろうな。そう言われると思っていたわ。でもな、儂はアッチの方はなかなかいいぞ。きっと、ジャクリーヌ殿が放したくないような男だぞ。ジャクリーヌ殿の硬い蕾を開花できるのは、儂を置いて他にいないと思う。……白い裸体、みずみずしい肌に儂が舌を這わす。ジャクリーヌ殿がはしたなくも、声をあげ悦ぶさまが見えるようじゃ。もっと、もっとと。腰を動かし、儂をその気にさせる……。」
ナニ!?この妄想、気持ち悪い。
失礼ながら、力づくで、関係を迫られたら、股間を蹴り上げて、逃げるつもりでいる。
「おお、そうであった。レオナルド殿には、もうすでに許可は取ってある。儂が男妾になりたいと言えば、断る理由などなかろう?エドワードのように双丘にはしないから、安心いたせ。そろそろ参るとするか?ウエディングドレスは、儂が脱がせてやろう。」
「ええ……と、塀か、せっかくではございますが、今日はダメな日でございます。」
「危険日か?よいよい。大儀じゃ。」
「いえ、その女の子の日で。」
「おお!おお!わしは、血みどろになってヤるのも好みじゃ、存分に乱れよ。儂が全部舐めとってやるから、心配いたすな。」
はぁ、ダメだこりゃ。でも、このままおとなしく抱かれるつもりはない。試験管ベイビーのような魔道具を作れば、何とかなるかもしれない!ひらめきはいいけど、試験管で育った子を誰のお腹に移植するか、まだ決まっていない。
とにかく、今は逃げることを考えよう。
そうだ!海の魔物と対決させてやろうか?
ジャクリーヌに悪い微笑みが浮かぶ。
えーと。今日の出席者名簿に会ったかしら?名前がなかったように思うのだけど、間違いだったかな?
いつになく、オルブライト陛下は、モジモジされている。その時、ハっと気づいたジャクリーヌは、内心思わずしまった!と思ってしまう。
なぜなら、以前陛下からプレゼントされたウエディングドレスを手直しもせずにそのまま着ているのだから。勘違いをされても仕方がないところ。
前世、男性が女性に服をプレゼントする意味を聞いたことがある。その服を着せたいからではなく、脱がせたいから服を贈るのだと聞いた。
げ!気持ち悪い。陛下もそう思われているのかしら!?
「よく似合っているよ。ジャクリーヌ。」
背中にぶわっと鳥肌が立つのが視なくても、わかった。
「ありがとうございます。」
なるべく視線を合わせないように返事をして、その場から立ち去ろうと試みるのだが、陛下はなかなか開放してくれそうにない。
「さっきの新郎の言葉だが……。」
ジャクリーヌは内心、キターーー!と思い、固唾を呑んで、次の言葉を待ち、どう断ろうかと思案する。
「あれは、儂でもいいのだろうか?」
やっぱり……。レオナルドめ、余計なことを言って、まずわたくしたち夫婦に子供が授かってからという一言を入れるべきだったにもかかわらず、先走って、あんなことを口走るものだから、こういう面倒ごとが起きるのよ。
「ハァ?何をおっしゃっているのか、意味が分かりませんわ。」
「実はな、王家も血族結婚を繰り返し、そろそろ新しい血を入れねばと考え、そこで以前、エドモンドの婚約者にと、推挙したのだが、あんなことになってしまい、それがどういうわけか、いつの間にかエドワードと交際していたので、ホッと一安心と思っていたら、アイツも良からぬことをしおって。」
ああ、そうだ。あの始末、どうついたのか、まだセバスチャンにも聞けていなかったわ。ここで、聞いちゃマズイ?
「エドワード様のお子は、いかがなりましたか?」
「うむ。誰も子を孕んだという報告が来ていないのだ。たまたまだったのか?それとも、王家の子を孕んだまま、領地で出産されでもしたら一大事になる。それで、エドワードと関係した令嬢、一人当たり白金貨1枚(日本円換算1億円)を慰謝料として、支払い、もし子を出産すれば、さらに毎年子の養育費として、白金貨1枚を渡すという約定をしたのだが、誰も何も言ってこないのだ。将来の王位継承権者となる身だから、大事に育ててほしいのだが……。」
なるほど白金貨1枚ともなると相当な金額だから、黙ってもらって、口封じしたみたいだけど、子供を産んだ後は、その子を取り上げようという腹積もりなのだということも分かった。
「それはそうと、さっきの話なのだがな、儂の子を産んではくれまいか?男でも女でもいい。さっきも言ったように王家は血族結婚を繰り返し、ロクな遺伝子がない。生まれつき目が悪い者もおれば、舌足らずで、うまく喋れないもの、病弱で生まれてすぐ死んでしまう者などが、外聞が悪く公表していない事実があるのだ。そこで、二人の王子をジャクリーヌ殿の婿に据えようとしたが、いずれも失敗しておる。ほかにも王子はいるのはいるのだが、まだ幼い。そこで、こんな年寄りとは、いやだろうが、どうか儂と子作りしてくれぬのかのぉ。」
「はい。……イヤです。お断りいたしますわ。主人レオナルドが見ている前で、とても陛下と睦遭うことなどかないません。」
「そうだろうな。そう言われると思っていたわ。でもな、儂はアッチの方はなかなかいいぞ。きっと、ジャクリーヌ殿が放したくないような男だぞ。ジャクリーヌ殿の硬い蕾を開花できるのは、儂を置いて他にいないと思う。……白い裸体、みずみずしい肌に儂が舌を這わす。ジャクリーヌ殿がはしたなくも、声をあげ悦ぶさまが見えるようじゃ。もっと、もっとと。腰を動かし、儂をその気にさせる……。」
ナニ!?この妄想、気持ち悪い。
失礼ながら、力づくで、関係を迫られたら、股間を蹴り上げて、逃げるつもりでいる。
「おお、そうであった。レオナルド殿には、もうすでに許可は取ってある。儂が男妾になりたいと言えば、断る理由などなかろう?エドワードのように双丘にはしないから、安心いたせ。そろそろ参るとするか?ウエディングドレスは、儂が脱がせてやろう。」
「ええ……と、塀か、せっかくではございますが、今日はダメな日でございます。」
「危険日か?よいよい。大儀じゃ。」
「いえ、その女の子の日で。」
「おお!おお!わしは、血みどろになってヤるのも好みじゃ、存分に乱れよ。儂が全部舐めとってやるから、心配いたすな。」
はぁ、ダメだこりゃ。でも、このままおとなしく抱かれるつもりはない。試験管ベイビーのような魔道具を作れば、何とかなるかもしれない!ひらめきはいいけど、試験管で育った子を誰のお腹に移植するか、まだ決まっていない。
とにかく、今は逃げることを考えよう。
そうだ!海の魔物と対決させてやろうか?
ジャクリーヌに悪い微笑みが浮かぶ。
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