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異世界
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サンドラ王国の王城の一室、さきほどからバシ、ボス、バシという鈍い音が響き渡っている。
「きゃぁ!や……、……め……。」
リチャード国王に殴られ、そのままこと切れてしまう王妃クリスティーヌ。
それに気づかず、なおも殴り続けている。カラダが硬直してきて、美しいクリスティーヌが青白くなっていく。
リチャードは反応が薄くなってきたから面白くない。クリスティーヌに馬乗りになっていたカラダを下へ降ろすと、今度は蹴るつもりで、クリスティーヌの髪の毛を持ち引きずりおろそうとしたところ、ようやくクリスティーヌが息をしていないことに気づいたのである。
「クリス?……、クリス!……お願いだから、目を開けてくれ!クリスティーヌ!」
自分が殴っておいてよく言うよ。
いくらクリスティーヌのカラダを揺さぶっても、ほっぺたをペチペチしても目を覚まさない。すでに体温はなく、蝋のように冷たい。そのカラダを抱いて号泣するリチャード。
事の発端は、結婚3年目で、クリスティーヌに子供ができないことに苛立ち、側妃をクリスティーヌの妹カトリーヌを召し出せと、言ったことに始まる。
クリスティーヌは知っていたのである。以前からというより、婚約しているときから、リチャードはカトリーヌと浮気していたことを、だから婚約時代、何度も解消を申し出たのに、リチャードと王家は承知しなかったのである。
クリスティーヌ、カトリーヌの姉妹を輩出したアントワネット家は公爵家の中でも筆頭に当たる名門公爵家なのである。
だから幼い時から、政略で、好き嫌いではなく無理やりに近い婚約をさせられていたのである。
それを今さらになって、側妃として召し上げたいとは、何事?とクリスティーヌは怒ったのである。もうすでに側妃だったでしょうが!
リチャード王は、短気な性格で、今迄からも事あるごとくクリスティーヌに手を挙げていたのだ。少しでも何か気に入らないことがあると、それもクリスティーヌに関係ない政務や外交上のことでうまくいかないときに蹴り、王国民が税金を滞納しても殴る。といった具合に日常的に暴力をふるっていたのである。クリスティーヌは妹のカトリーヌと違い絶世の美女とうたわれていたから、顔には当たらないように気を付けていたのだが、身体中はもううっ血しているところがないほど。
カトリーヌにとっては、姉の婚約者だったリチャード王とのことはあくまでも遊びだったのである。だから、今から側妃になれと言われても困惑している。
それで、サンドラ国にいるとヤバイかも?と思って、隣国モントオールにお買い物に出かけている最中に姉の訃報を聞く。
「ええ!……お姉さまが?」
突如、めまいに襲われたかと思えば、その場でしゃがみ込む。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
気が付くと、知らない部屋で寝かされている。ここはどこ?
「気が付かれましたか?お嬢様、今、お水をもらってきますね。」
{え?お嬢様?妃殿下ではなく、お嬢様などと呼ばれるのは、3年ぶりのことかしら?}
それにしてもいったいここがどこかさえわからないというものは、不安である。確かにわたくしは、夫であるリチャードに殴られていて、途中で意識が朦朧としていたのである。
ここは、夢の世界?それとも死んでしまって地獄?にいるのかしら。
よく見るとカラダのあちらこちらにあったはずの痣がない!クリスティーヌは血管が細いので、少し抓られたぐらいですぐ青あざができてしまう。
結婚した当初は、リチャードも優しかったのであるが、最初、冗談で抓られてから、すぐに青あざができてしまったからは、面白がって抓られるようになったのである。それがやがて暴力へ発展してしまったのだ。
とそこへ、従者が水を差しだしてきた。
「はい、カトリーヌ様。」
「え?ええ?……わたくしは、カトリーヌという名前なのですか?」
「そうでございますよ、お嬢様。あ!きっとお姉さまのクリスティーヌ様がお亡くなりになったので、ショックを受けていらっしゃるのですね。おかわいそうに。おいたわしい。」
「……姉のクリスティーヌが死んだ?」
「ええ、ええ。詳しいことはまだわかりませんが、ここ隣国のモントオールにお嬢様がお買い物に来られ、その間、といってもいつのことか存じ上げませんが、お姉さまのクリスティーヌ様がお城で亡くなられたと伺いましてございます。」
「このまま、この国に亡命しようかしらね。」
この国、モントオールは確かクリスティーヌが6歳の時から8歳までいた国であったのだ。初等教育学園に入学していた記憶がある。
「え?それではもう、サンドラに戻らないおつもりで、お買い物に出られたのですか?」
「だって、側妃の話が出ていますもの。姉は私の身代わりとして殺されたかもしれませんし。」
「しっ!お嬢様、ここはサンドラ国ではありませんが、めったなことは口になさらない方がよろしいかと。」
「姉から聞いておりましたのよ。(うそ)夫から事あるごとに暴力を振るわれている(本当)ことをね。」
「クリスティーヌ様がそんなことを……。」
モントオールの王家に亡命を申し出たら、すんなりOKが出たのである。
それほど、姉の功績が印象的だったらしい。姉は、小さい時、学園で神童と呼ばれるぐらい成績優秀者だったらしい?そうだったかな?と思い返してみると、確かにそんなこともあったような気がする。何か入学式で挨拶をして、それが大人にウケたような?
前世の自分のおかげで、亡命が認められたので、誰に遠慮がいるか!と思い、亡命先が決まる。
「身の回りの荷物は後で届けてくださいね。」
それだけ言い残し、カトリーヌは、モントオールの街に消えていく。昔の記憶を頼りに、モントオールの同級生のところへ行くつもりでいる。
その頃サンドラの王城では、リチャード王が完全な腑抜けになっている。
あれほど、クリスティーヌに暴力をふるっていたのに、心底クリスティーヌのことを愛していたのだ。もう、カトリーヌを側妃に召し上げたいなどとは、思っていない。
あれはただの戯れで言ったのに、クリスティーヌの代わりがカトリーヌにできるわけがないことを承知で言ったのに、本気にして怒るからだ。だからつい、愛情表現として、叩いただけなのに、あっけなく死んでしまうとはひ弱な奴め。
クリスティーヌに暴力をふるっていたことには理由があった。クリスティーヌを愛しすぎて、ひとり占めにしたかったから、あの美しさを自分だけのものにしたかったので、監禁ではなく暴力で支配しようとしたのである。
それから大きく一つため息をつき、クリスティーヌの実家であるアントワネット公爵を呼ぶ。
変わり果てた娘の姿にアントワネット公爵は愕然とするも、リチャードは追い打ちをかけるように
「貴様の娘が産まず女のうえ、俺の言うことを聞かないから折檻してやったのだ。早々に引き取れ。」
妹娘を差し出せ、と言われるのではないかとびくついていたが何も言われず、ほっとする。
屋敷に戻り、娘の遺体を綺麗にしていたら、昨日、今日付いた痕でないような痣が無数に!王家に対し、リチャードに対する怒りがふつふつとこみあげてくる。
小さい時から、聡明で美しく自慢の娘がこんな無残な姿にされて、これでは子供などできるはずがない!クリスティーヌがまだ3歳ぐらいの幼い頃、王城に父の忘れ物を届けに来たとき、リチャード王子に見初められ、それで無理やり婚約させられたものだったのだ。
実際、懐妊の兆候があったが、流産してしまったと聞いていたのだ。
すべては、リチャード王のせいだと知ったアントワネット公爵は、復讐すべく策を練る。復讐するには、どうしても妹娘の協力が不可欠であるため、アントワネット公爵は妹娘の亡命先に行く。
「きゃぁ!や……、……め……。」
リチャード国王に殴られ、そのままこと切れてしまう王妃クリスティーヌ。
それに気づかず、なおも殴り続けている。カラダが硬直してきて、美しいクリスティーヌが青白くなっていく。
リチャードは反応が薄くなってきたから面白くない。クリスティーヌに馬乗りになっていたカラダを下へ降ろすと、今度は蹴るつもりで、クリスティーヌの髪の毛を持ち引きずりおろそうとしたところ、ようやくクリスティーヌが息をしていないことに気づいたのである。
「クリス?……、クリス!……お願いだから、目を開けてくれ!クリスティーヌ!」
自分が殴っておいてよく言うよ。
いくらクリスティーヌのカラダを揺さぶっても、ほっぺたをペチペチしても目を覚まさない。すでに体温はなく、蝋のように冷たい。そのカラダを抱いて号泣するリチャード。
事の発端は、結婚3年目で、クリスティーヌに子供ができないことに苛立ち、側妃をクリスティーヌの妹カトリーヌを召し出せと、言ったことに始まる。
クリスティーヌは知っていたのである。以前からというより、婚約しているときから、リチャードはカトリーヌと浮気していたことを、だから婚約時代、何度も解消を申し出たのに、リチャードと王家は承知しなかったのである。
クリスティーヌ、カトリーヌの姉妹を輩出したアントワネット家は公爵家の中でも筆頭に当たる名門公爵家なのである。
だから幼い時から、政略で、好き嫌いではなく無理やりに近い婚約をさせられていたのである。
それを今さらになって、側妃として召し上げたいとは、何事?とクリスティーヌは怒ったのである。もうすでに側妃だったでしょうが!
リチャード王は、短気な性格で、今迄からも事あるごとくクリスティーヌに手を挙げていたのだ。少しでも何か気に入らないことがあると、それもクリスティーヌに関係ない政務や外交上のことでうまくいかないときに蹴り、王国民が税金を滞納しても殴る。といった具合に日常的に暴力をふるっていたのである。クリスティーヌは妹のカトリーヌと違い絶世の美女とうたわれていたから、顔には当たらないように気を付けていたのだが、身体中はもううっ血しているところがないほど。
カトリーヌにとっては、姉の婚約者だったリチャード王とのことはあくまでも遊びだったのである。だから、今から側妃になれと言われても困惑している。
それで、サンドラ国にいるとヤバイかも?と思って、隣国モントオールにお買い物に出かけている最中に姉の訃報を聞く。
「ええ!……お姉さまが?」
突如、めまいに襲われたかと思えば、その場でしゃがみ込む。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
気が付くと、知らない部屋で寝かされている。ここはどこ?
「気が付かれましたか?お嬢様、今、お水をもらってきますね。」
{え?お嬢様?妃殿下ではなく、お嬢様などと呼ばれるのは、3年ぶりのことかしら?}
それにしてもいったいここがどこかさえわからないというものは、不安である。確かにわたくしは、夫であるリチャードに殴られていて、途中で意識が朦朧としていたのである。
ここは、夢の世界?それとも死んでしまって地獄?にいるのかしら。
よく見るとカラダのあちらこちらにあったはずの痣がない!クリスティーヌは血管が細いので、少し抓られたぐらいですぐ青あざができてしまう。
結婚した当初は、リチャードも優しかったのであるが、最初、冗談で抓られてから、すぐに青あざができてしまったからは、面白がって抓られるようになったのである。それがやがて暴力へ発展してしまったのだ。
とそこへ、従者が水を差しだしてきた。
「はい、カトリーヌ様。」
「え?ええ?……わたくしは、カトリーヌという名前なのですか?」
「そうでございますよ、お嬢様。あ!きっとお姉さまのクリスティーヌ様がお亡くなりになったので、ショックを受けていらっしゃるのですね。おかわいそうに。おいたわしい。」
「……姉のクリスティーヌが死んだ?」
「ええ、ええ。詳しいことはまだわかりませんが、ここ隣国のモントオールにお嬢様がお買い物に来られ、その間、といってもいつのことか存じ上げませんが、お姉さまのクリスティーヌ様がお城で亡くなられたと伺いましてございます。」
「このまま、この国に亡命しようかしらね。」
この国、モントオールは確かクリスティーヌが6歳の時から8歳までいた国であったのだ。初等教育学園に入学していた記憶がある。
「え?それではもう、サンドラに戻らないおつもりで、お買い物に出られたのですか?」
「だって、側妃の話が出ていますもの。姉は私の身代わりとして殺されたかもしれませんし。」
「しっ!お嬢様、ここはサンドラ国ではありませんが、めったなことは口になさらない方がよろしいかと。」
「姉から聞いておりましたのよ。(うそ)夫から事あるごとに暴力を振るわれている(本当)ことをね。」
「クリスティーヌ様がそんなことを……。」
モントオールの王家に亡命を申し出たら、すんなりOKが出たのである。
それほど、姉の功績が印象的だったらしい。姉は、小さい時、学園で神童と呼ばれるぐらい成績優秀者だったらしい?そうだったかな?と思い返してみると、確かにそんなこともあったような気がする。何か入学式で挨拶をして、それが大人にウケたような?
前世の自分のおかげで、亡命が認められたので、誰に遠慮がいるか!と思い、亡命先が決まる。
「身の回りの荷物は後で届けてくださいね。」
それだけ言い残し、カトリーヌは、モントオールの街に消えていく。昔の記憶を頼りに、モントオールの同級生のところへ行くつもりでいる。
その頃サンドラの王城では、リチャード王が完全な腑抜けになっている。
あれほど、クリスティーヌに暴力をふるっていたのに、心底クリスティーヌのことを愛していたのだ。もう、カトリーヌを側妃に召し上げたいなどとは、思っていない。
あれはただの戯れで言ったのに、クリスティーヌの代わりがカトリーヌにできるわけがないことを承知で言ったのに、本気にして怒るからだ。だからつい、愛情表現として、叩いただけなのに、あっけなく死んでしまうとはひ弱な奴め。
クリスティーヌに暴力をふるっていたことには理由があった。クリスティーヌを愛しすぎて、ひとり占めにしたかったから、あの美しさを自分だけのものにしたかったので、監禁ではなく暴力で支配しようとしたのである。
それから大きく一つため息をつき、クリスティーヌの実家であるアントワネット公爵を呼ぶ。
変わり果てた娘の姿にアントワネット公爵は愕然とするも、リチャードは追い打ちをかけるように
「貴様の娘が産まず女のうえ、俺の言うことを聞かないから折檻してやったのだ。早々に引き取れ。」
妹娘を差し出せ、と言われるのではないかとびくついていたが何も言われず、ほっとする。
屋敷に戻り、娘の遺体を綺麗にしていたら、昨日、今日付いた痕でないような痣が無数に!王家に対し、リチャードに対する怒りがふつふつとこみあげてくる。
小さい時から、聡明で美しく自慢の娘がこんな無残な姿にされて、これでは子供などできるはずがない!クリスティーヌがまだ3歳ぐらいの幼い頃、王城に父の忘れ物を届けに来たとき、リチャード王子に見初められ、それで無理やり婚約させられたものだったのだ。
実際、懐妊の兆候があったが、流産してしまったと聞いていたのだ。
すべては、リチャード王のせいだと知ったアントワネット公爵は、復讐すべく策を練る。復讐するには、どうしても妹娘の協力が不可欠であるため、アントワネット公爵は妹娘の亡命先に行く。
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