キズモノ令嬢絶賛発情中♡～乙女ゲームのモブ、ヒロイン・悪役令嬢を押しのけ主役になりあがる

番外編

7.コンドーム

　そして、いよいよ「要注意」から、外に出ることにしたのだ。思ったとおり、ニッピンの地下鉄構内に通じていた。

　金属モグラが走る音と風で、公爵夫妻は、恐れおののいたが、ミッシェルが平然としているのに、逃げ出すことはできない。

　だから、新婚夫婦以上に、カラダを密着させて、恐る恐るミッシェルたちについてくる。

　マクシミリアンも内心驚いていたと思うが、そんな素振りはおくびにも出さない。

　ここでビビっていては、今後の夫婦生活において、イニシアティヴをとれない。

　ミッシェルは、前々世の記憶が正しければ、この駅の真上は前々世、ニッポンで小学校卒業まで過ごしていたなじみのあるb書であるかどうかの確認をしに、そのまま地上へと行く。

　地上へは、会談で上がることも考えたが、ここは体力温存のため、エレベーターを使うことにする。エスカレーターもあったが、たぶん、ミッシェルだけがうまくタイミングを合わせて乗れると思われるところから、見送ったのだ。

　今度、練習すればいいから、駅前には、予想通り、児童公園があった。街並みは、前世、来た時よりも少し異なっていたが、駅を出て、まっすぐ行ったところにコンビニもドラッグストアもあるのが見えた。

　最初に、コンビニに立ち寄り、この時代の流行りの傾向を見る。コンビニで買えるものは、すべて異世界通販で買えるので、あえて、ここでは、買わない。

　コンビニで買うのは、ミネラルウォーター５００ミリを４本だけと、ガイドブックを買うことにした。

　異世界通販ができるようになってから、異空間収納のスキルももらえたみたいだったので、買ったものは、すべて異空間内に入れて、手ぶらで散策することにした。

　コンビニ店内で、ミッシェルは３人から質問攻めにあう。

　「これは、何をするものか？」という質問ばかり、

　義父とマクシミリアンは、目敏くコンドームを見つける。そのあたりの勘はさすがだと思うわ。

　お姑さんに聞かれないようにコソコソと

「男性が夫婦生活の時に身に着けると、赤ちゃんができにくくなるものよ。」

　男性陣が目を輝かせ、「陛下へのお土産にしよう。」とかごに入れそうになったので、

　この後に行くドラッグストアなら、もっと安く買えることを告げる。

　異世界通販でも、買えるけど、ドラッグストアの方が、たぶん割安だと思う。

　お姑さんは、コンビニ下着に注目されている。やっぱり見る商品も世界は違っても男女差があるということがわかる。

　冷蔵庫に入っている者が食べ物だと気づいていないみたいで、そこはスルーされるので、よかったと思う。食べ方から電子レンジの使い方までを教えなければならないから、めんどくさいと思っていたからちょうどいい。

　コンビニを出て、向かい側のドラッグストアに寄る。

　ここでも、今、トウキョウで何が流行っているのかの傾向がだいたいわかる。

　風邪薬に鎮痛解熱剤、湿布薬などをかごに放り込みながら、シャンプー、リンス、クレンジング、化粧品を買う。電池式の電動歯ブラシがあったので、それも、かごに入れつつ、男性陣の方を見ると、やっぱりコンドームの棚を凝視している。

　「ミッシェルは、どれがいいと思う？」

　そんなこと聞かれてもね。箱の裏面を見ながら、薄さの違いや温熱効果があるもの、バラの花の匂いが付いているもの、イボイボが付いているもの、サイズがいろいろあるなどの説明をする。

　あとは、パッケージが可愛いものも、あったがその説明は省略する。
　
　「まずは、お試しで１箱買って、お義母様とすれば？」

　「え！」

　あからさまに義父はイヤそうな顔をするが、姑は自分のことを言われているものと勘違いして、怒り出す。

　「何でございますか？わたくしのどこにご不満が？」

　「いやいや陛下のお土産のことでござるよ。」

　取り繕う義父の額は、汗でびっしょりなっている。