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大学時代

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 薬師川はさゆりと付き合うことになったらしい。

 さゆりと薬師川は相思相愛に見え、羨ましいようなラブラブぶりで、こっちまで気恥ずかしくなる。

 薬師川は、赤薔薇女子大との合コンの話をまとめ上げた。絶対に無理だと思っていたけど、合コンが叶いありがたく思う。

 実は薬師川は、母方の従姉弟が赤薔薇女子大に通っていて、それがちょうど花園まりあと一緒にその日、ケーキバイキングに出かけて事故に遭ったらしい。(肉体ブティック49話、偽聖女様を虐めたと成敗される7話)

 新藤真紀子、赤薔薇女子大栄養学部の1年生で「奇跡の女子大生」花園まりあと大の仲良しだったことから、塞ぎ込んでいるまりあちゃんを元気づけようと合コン話に飛びついたのだ。

 東都大学からは、世界大会にも出場経験があるスター選手を揃える。いずれも女には不自由していないが、美人お嬢様の顔を拝ませてもらおうという気持ちで参加することになったのだ。

 王様ゲームで俺が一番になり、花園まりあの横をキープする。そして耳元で

 「アンタ、あのブティックにいた娘だろ?」

 まりあは驚いた顔をしながらも否定する。

 顔色に出すところなんざ、まだまだ素人娘だね。さらにたたみかけ

 「嘘つけ!人が降ってきて、無傷なわけないだろ?聖女様の魔法を使ったんだろ?」

 これでもう完全に墜ちた。あっさり聖女であることを白状してしまったのだ。なんでも聖女様は異世界から来たらしく、今まで3度殺されている。異世界の神が聖女様を放してくれず、ようやくニッポンへ転生することができたという話。

 あとは時間をかけて、美味しく食うだけのことなのだが、相手は聖女様だ。怒らせるようなことをして、大事なアソコをへし折られてはかなわない。

 俺は前世の嫁さんにだってしたことがないレディファーストを心掛ける。優しくするだけして、肉体を要求しなければ、かえって女は濡れるのだ。その男のモノになりたいと欲する。

 一見すると、遠回りの行動が深慮遠謀ということに繋がる。

 それからというもの俺は、花園まりあのボディガードを買って出ることにした。マスコミに追いかけられ、自称ファンだというネクラから付け狙われている様子で、この女は俺が食うんだ。という気持ちから、いつも一緒に行動することにしたのだ。

 まりあは、そんな俺を最初はビビっていたみたいだったが、誠心誠意接することで、次第に打ち解けてくれるようになったと感じる。

 それに同じ転生者だということも心強かったんだと思う。俺も最初、いじめられっ子のカラダに転生したときは心細かったんだぜ?ウソだけど。

 祖国からニッポンへ来ただけだから、そんなに世界観が違うわけではない。

 しかし、聖女様は異世界からニッポンへ来られたのだから気苦労が相当あるだろう。

 俺はそこに目をつけこみ、聖女様を手に入れようと企む。
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