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大聖女オーロラ
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オーロラは、すんなり神界の結界をクリアできた。
そして、父カンブリア公爵もまた。
早速、真実の鏡の前に行き、マクセル様の婚約破棄のところから、見る。
すると宰相の側近が、マクセル様に催眠術のようなものをかけ、オーロラ嬢との婚約破棄をするようにけしかけている映像があったのです。
マクセル様は、何度か首を横に振り抵抗されているご様子。そして、その後ようやく首を縦にされ卒業パーティに出かけられる様子が映し出される。
婚約破棄の場面、オーロラが身を投げた直後のマクセル様の表情、つぶやき、オーロラがマクセルに抱きつき、自分の体温でマクセルを溶かしている様子。そのあとの二人でイチャ付いているところなどを見る。
そして、王宮の一室で、ベンジー・グレーテルが激怒している様を見て、部下に「次はぬかるなよ。」と命じているところ、その部下がワイン貯蔵室に忍び込み、コルクを抜き粉末状の包み紙を開け、瓶の中に流している様子。
食事の際、毒入りワインをマクセル様に進めている様子などが映し出されるのであったのだ。
「ひどいっ!」
その後のことはオーロラが体験してきたことばかり、陛下に第2王子を王太子に薦めている様子やオーロラに、第2王子との婚約を打診している様子など。
カンブリア公爵は、途中から怒りながら見ている。そして見終わったときには、激怒状態で、「今から行ってベンジーをぶっ殺してやる。」などと物騒なことまで言い出す始末である。
「女神様、これをどうやって仕返しするのでしょうか?」
「オーロラは、どのようにしたい?」
「真実の鏡の内容を全国民に有り体に死闘存じます。」
「うむ。難しいな。それは」
「空の上にスクリーンを張って、映像を流すとするか?もし、やるとすれば夜のほうがよく目立っていいな。」
ゴールデニアは、できるだけオーロラの意にかなうように準備を進めていく。
そして、その日の夜、
王都では、ちょっとした騒ぎになったのである。
「あれを見ろ!」
民衆が空を見上げて、指さしている。
「先の王太子殿下は、殺されたのか!」
「愛し合っている若い二人の仲を引き裂くなど、ベンジー・グレーテルはひどい男だ。許せない!」
「そうだ、そうだ。今から王宮に押しかけようぜ!」
王宮は王宮で、騒ぎが起こっている。
「誰だ!あんなでたらめな映像を流している奴は、ひっ捕らえよ!」
しかし、雲の上で流されているので、いくら槍を放り投げても届かない。
ループして、何度も流されているうえ、王宮でのやり取りまで映し出される。
そして、ついに!
ベンジー・グレーテルに対して公開査問委員会が開かれることになったのだ。
王妃様は、あの夜の映像をご覧になって、寝込まれているらしい。そして、国王陛下も激怒してらっしゃって、第2王子を産んだ側妃を、第2王子とも、貴族用の牢になっている塔に幽閉されてしまわれたそうです。
ベンジー・グレーテルは宰相の職を解かれ、査問委員会までは謹慎処分となっている。
そして、査問委員会当日、自ら毒を呷り自害したのだ。グレーテル家は改易、お取りつぶしになったのである。
一応、復讐は終わったのだろうか?だが、オーロラの心は晴れない。どうもスッキリしないのである。何か物足りないような?気がする。
国王陛下から、オーロラは呼び出されるが、ドメイン国に留まるように言われるだけ。
いくら、マクセル様の復讐を遂げても、マクセル様は、もうこの世にいない。
女神様が言われるように、神界へ行き、神と同格になれば、また、マクセル様の生まれ変わりになられたら、地球上に生まれ、愛し合うことができるのだろうか?
あの女神様は、人間の男性と何度も転生しては、恋をして結婚なさっているという。人ならざる者にならなければ、マクセル様と会えないのであろうか?
結局、オーロラもゴールデニアの道を選ぶことにしたのだが、神界へ行くと一度は、神と結婚しなければならないらしい。結婚すると当然、閨を共にしなければならない。それがどうしてもいやなのだ。初めては、マクセル様と、と決めていたから。
20000歳ぐらいの年寄りの神様と結婚すれば、閨を共にしなくていい、という話だが、下の世話をしなければならないのは、辛い。若い娘が20000歳も年上と結婚できない。
結局、オーロラは処女のまま神界へ留まり、神界で聖女の仕事をする代わり、マクセル様が今度、転生したら、その時、再び人間界へ生まれる道を選ぶことにしたのだ。
なんでも特例というものがある。
ゴールデニアは、アマテラスに直談判して決めたのである。元人間の聖女様もこぞって、ゴールデニアとオーロラに賛同するから、アマテラスもダメとは言いにくい。
1000年に一度しか生まれない聖女様のスパンを特別に、100年単位ぐらいにするのである。無茶と言えば、無茶だけど、恋する乙女のためだもの。アマテラスなら、それぐらい簡単なことでしょう?
カンブリア公爵の正体はというと、やはりレオナルド一世様の魂を持つ者だったことがわかる。
そうなると、オーロラは、レオナルド一世様の連れ子ということになり、ゴールデニアの義理の娘になるというわぇだ。
そら、義理の娘のこととなれば、便宜を図るのは当然のこと。
転生の神にきつく言って、マクセル様が転生されたら、必ず、知らせるようにと釘を刺しておく。
転生の神の話では、マクセル様は天寿を全うして死んだわけではないので、早く生まれ変わるだろうとの予測、早いって言っても3年後ぐらい?
レオナルド一世様の魂を持つ方とイチャ付きたいけど、大きくなった年頃の娘の前では、そうもいかない。
神殿の離宮にゴールデニアとレオナルド一世様が住むことになった、一応、夫婦の部屋と娘の部屋の間に距離はある。
なんせ、年頃の娘であるから、ゴールデニアが気を遣う。今までは、ゴールデニアが人間界へ行き、そこでレオナルド一世様と出会ってのパターンだったが、今度は違う。レオナルド一世様のほうから神界へ行きたいと言われたのだから、嬉しさもひとしおである。
あっという間に3年の月日が流れた。
いよいよマクセル様が人間界へ転生される。
そして、父カンブリア公爵もまた。
早速、真実の鏡の前に行き、マクセル様の婚約破棄のところから、見る。
すると宰相の側近が、マクセル様に催眠術のようなものをかけ、オーロラ嬢との婚約破棄をするようにけしかけている映像があったのです。
マクセル様は、何度か首を横に振り抵抗されているご様子。そして、その後ようやく首を縦にされ卒業パーティに出かけられる様子が映し出される。
婚約破棄の場面、オーロラが身を投げた直後のマクセル様の表情、つぶやき、オーロラがマクセルに抱きつき、自分の体温でマクセルを溶かしている様子。そのあとの二人でイチャ付いているところなどを見る。
そして、王宮の一室で、ベンジー・グレーテルが激怒している様を見て、部下に「次はぬかるなよ。」と命じているところ、その部下がワイン貯蔵室に忍び込み、コルクを抜き粉末状の包み紙を開け、瓶の中に流している様子。
食事の際、毒入りワインをマクセル様に進めている様子などが映し出されるのであったのだ。
「ひどいっ!」
その後のことはオーロラが体験してきたことばかり、陛下に第2王子を王太子に薦めている様子やオーロラに、第2王子との婚約を打診している様子など。
カンブリア公爵は、途中から怒りながら見ている。そして見終わったときには、激怒状態で、「今から行ってベンジーをぶっ殺してやる。」などと物騒なことまで言い出す始末である。
「女神様、これをどうやって仕返しするのでしょうか?」
「オーロラは、どのようにしたい?」
「真実の鏡の内容を全国民に有り体に死闘存じます。」
「うむ。難しいな。それは」
「空の上にスクリーンを張って、映像を流すとするか?もし、やるとすれば夜のほうがよく目立っていいな。」
ゴールデニアは、できるだけオーロラの意にかなうように準備を進めていく。
そして、その日の夜、
王都では、ちょっとした騒ぎになったのである。
「あれを見ろ!」
民衆が空を見上げて、指さしている。
「先の王太子殿下は、殺されたのか!」
「愛し合っている若い二人の仲を引き裂くなど、ベンジー・グレーテルはひどい男だ。許せない!」
「そうだ、そうだ。今から王宮に押しかけようぜ!」
王宮は王宮で、騒ぎが起こっている。
「誰だ!あんなでたらめな映像を流している奴は、ひっ捕らえよ!」
しかし、雲の上で流されているので、いくら槍を放り投げても届かない。
ループして、何度も流されているうえ、王宮でのやり取りまで映し出される。
そして、ついに!
ベンジー・グレーテルに対して公開査問委員会が開かれることになったのだ。
王妃様は、あの夜の映像をご覧になって、寝込まれているらしい。そして、国王陛下も激怒してらっしゃって、第2王子を産んだ側妃を、第2王子とも、貴族用の牢になっている塔に幽閉されてしまわれたそうです。
ベンジー・グレーテルは宰相の職を解かれ、査問委員会までは謹慎処分となっている。
そして、査問委員会当日、自ら毒を呷り自害したのだ。グレーテル家は改易、お取りつぶしになったのである。
一応、復讐は終わったのだろうか?だが、オーロラの心は晴れない。どうもスッキリしないのである。何か物足りないような?気がする。
国王陛下から、オーロラは呼び出されるが、ドメイン国に留まるように言われるだけ。
いくら、マクセル様の復讐を遂げても、マクセル様は、もうこの世にいない。
女神様が言われるように、神界へ行き、神と同格になれば、また、マクセル様の生まれ変わりになられたら、地球上に生まれ、愛し合うことができるのだろうか?
あの女神様は、人間の男性と何度も転生しては、恋をして結婚なさっているという。人ならざる者にならなければ、マクセル様と会えないのであろうか?
結局、オーロラもゴールデニアの道を選ぶことにしたのだが、神界へ行くと一度は、神と結婚しなければならないらしい。結婚すると当然、閨を共にしなければならない。それがどうしてもいやなのだ。初めては、マクセル様と、と決めていたから。
20000歳ぐらいの年寄りの神様と結婚すれば、閨を共にしなくていい、という話だが、下の世話をしなければならないのは、辛い。若い娘が20000歳も年上と結婚できない。
結局、オーロラは処女のまま神界へ留まり、神界で聖女の仕事をする代わり、マクセル様が今度、転生したら、その時、再び人間界へ生まれる道を選ぶことにしたのだ。
なんでも特例というものがある。
ゴールデニアは、アマテラスに直談判して決めたのである。元人間の聖女様もこぞって、ゴールデニアとオーロラに賛同するから、アマテラスもダメとは言いにくい。
1000年に一度しか生まれない聖女様のスパンを特別に、100年単位ぐらいにするのである。無茶と言えば、無茶だけど、恋する乙女のためだもの。アマテラスなら、それぐらい簡単なことでしょう?
カンブリア公爵の正体はというと、やはりレオナルド一世様の魂を持つ者だったことがわかる。
そうなると、オーロラは、レオナルド一世様の連れ子ということになり、ゴールデニアの義理の娘になるというわぇだ。
そら、義理の娘のこととなれば、便宜を図るのは当然のこと。
転生の神にきつく言って、マクセル様が転生されたら、必ず、知らせるようにと釘を刺しておく。
転生の神の話では、マクセル様は天寿を全うして死んだわけではないので、早く生まれ変わるだろうとの予測、早いって言っても3年後ぐらい?
レオナルド一世様の魂を持つ方とイチャ付きたいけど、大きくなった年頃の娘の前では、そうもいかない。
神殿の離宮にゴールデニアとレオナルド一世様が住むことになった、一応、夫婦の部屋と娘の部屋の間に距離はある。
なんせ、年頃の娘であるから、ゴールデニアが気を遣う。今までは、ゴールデニアが人間界へ行き、そこでレオナルド一世様と出会ってのパターンだったが、今度は違う。レオナルド一世様のほうから神界へ行きたいと言われたのだから、嬉しさもひとしおである。
あっという間に3年の月日が流れた。
いよいよマクセル様が人間界へ転生される。
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