婚約破棄された悪役令嬢は逆玉に乗せる💗乙女ゲームに転生してしまったゼネコン親父

9使途

　予定地の土地を4分割にして、それぞれ住居区域、ショッピング区域、学業区域に分け残りの1分割はなんにでも転用できるように予備とする。つもりだったのだが、自動車教習場を作ろうと思っている。もちろん、鈴之助が教官だけど。

　来たるべき有事に備えて、戦車ぐらい運転できた方がいい。今はAIで操作できるものも開発されているらしいが、ブルドーザーやクレーン車、ミキサー車も運転ができれば、新しい雇用を創出できるわけだし、越したことはないと思う。

　ハコモノははあっという間に出来上がるが、学校は教科書が必要で、こればかりは前世の異世界からの取り寄せと言うわけにはいかない。

　国語と歴史は必須で、ああ、カラダを作る体育もいる。数学も計算ができないといろいろ不便、数学は異世界から取り寄せ、応用問題などは、こちらの言語に直したものをコピーしてホッチキスで留め、製本すればいいだろう。

　理科も高学年になれば必要だろうし、教えることがいっぱいある。小学生は、5教科だけでいいだろう。

　マーガレットの記憶をたどれば、小学校にも中学校にも行っておらず、その間はずっと家庭教師付きで、我が国の歴史と語学マナーのレッスン、ダンスのレッスン、魔法のレッスン、剣術の稽古と、けっこう忙しい毎日を過ごしていたように思う。

　小さい頃から魔法の稽古もやっぱり外せない。なぜなら魔力を制御しなければ、暴走して最悪死ぬかもしれないから。

　5科目+魔法の授業でいいか。男の子には、剣術の稽古も入れようか？それなら女の子には家庭科？いやいや、それでは男女平等とはいえない。

　ニッポンの悪いところを踏襲してはいけない。いいところだけをチョイスするのだ。

　結局、基本5科目と選択で3科目を履修する方向でいく。

　それぞれ使えそうな教科書を、前世世界から輸入？する。

　それをこちらの言葉に翻訳してから、大量にコピーして、製本する予定。

　コピーはもったいないので、輪転機を導入しようか迷う。輪転機はスピードが全然違うからで、より早く印刷できる。

　こういう時にワープロかパソコンがあれば、とつくづく思う。でもインターネットに接続していないから検索することは無理かな？

　手書きの文字より、ワープロの文字のほうが子供たちにでも読みやすいだろう。

　この世界にタイプライターと言うものはないのかな？

　マーガレットの記憶では、ないように思う。

　ないのならば、作ればよかろう。ドワーフに頼んで作ってもらおう。

　マーガレットが翻訳し、それをお兄様や公爵邸の使用人 にタイプで打ち込んでもらえたら、それを複写して、製本すればいい教科書になるのでは？という発想。

　ドワーフに絵を描いて（タイプライターのイメージ）渡す。ついでにそろばんも作ってもらおう。小学生にそろばんを教えるつもり、ニッポンでは、九九があったけど、ついでにここでも同じようなものを教えればいいのでは？計算が早くなるし、何より年をとってからもボケ防止につながる。

　住居は、分譲にしようか、それとも賃貸にしようか悩む。ショッピングモール内の店はすべて賃貸契約にするつもりでいるが、家となると、一生の買い物になるから、分譲にした方が、愛着がわき大事に使うから、分譲にしようかな？でも一度に高い買いものは躊躇する。

　ニッポンのウサギ小屋事情と異なり、最低でも150平方メートルの広さ（約40坪）があり、法人借り上げ契約に匹敵する大きさである。

　この世界には、まだ住宅ローンと言うものがない。

　なければ作ればいいという話でもない。銀行と呼べる金融機関がないから、そのかわり冒険者ギルド、商業ギルドが銀行の役割をしているのだが、これを利用するには行商人か冒険者でなければ利用が難しい。

　うーん。やっぱり分譲は諦めよう。1日銀貨5枚で1か月金貨15枚（日本円換算で15万円）なら、払える？

　そうだ。平米数に応じて、家賃を設定すればいいのかもしれない。１平米当たり銀貨1枚（日本円換算で1000円）は安い！日本円で換算すると、とんでもなく安いような感じがするけど？

　こういうお金のことは、物価なども考え公爵邸の使用人、とりわけ執事あたりに聞いてみることにする。

　公団の募集、申し込みは執事に任せよう。

　残るは、ショッピングモールの店選びね。まぁ最初はシャッター通り化でもいいけど？ショッピングモールにどうやったら、人を呼び込むことができるかが問題よね。

　あのニッポンの都市みたいに赤い観覧車をくっつけようか？

　どこまでも高いところが好きな鈴之助らしい発想だけど。

　一つだけの設置じゃ物足りない、どうせなら先住民の色をいくつものビルに貼り付けよう。そうすればこの土地がどういう意味合いの土地化がハッキリする。

　平穏に暮らしていた部族が、ある日を境にアンダルシアの辺境領になった意味。

　現王に事の重大性を認識してもらいたい。

　この土地に火を放ち、財産を強奪した後、狩りに出ていていなかった者以外の男を全員、虐殺し、女はレイプ、子供は奴隷として売り飛ばす、年寄りには、過重労働を強いて早死にを促す。そうして土地の統治権を奪ったのだ。

　鈴之助がここまで、この土地を豊かにしようとしたことには訳がある。

　アンダルシアは決して許されざる罪を犯してきたのだ。

　だから王家とことを構えるときは、ここの領民が何よりも頼りになる。

　今でも電気代、水道代、地下鉄の運賃は無料にしている。罪滅ぼしなんて、きれいごとではない。来るべく有事の際に、助力してほしいからだ。

　でも新しく公団に入る住民のほとんどは移民で構成されている。だからそれ相応の対価を支払ってもらうつもりなのだ。

　といっても、先生のことを考えれば、格安も格安。

　先住民を優遇する措置を考える頃合いになったな。