巻き込まれ召喚聖女は、商人として成り上がる ～日本から持ってきたタブレットPC、異世界通販で大活躍

第4章 異世界平安京

41.また平安時代

　平安京から化け物退治をして、半月が過ぎた。井戸先生の話によると、もうすっかり化け物はいなくなったらしい。

　大地君やケンタ君は、江戸時代での活躍よりも平安時代のほうは面白みがあるらしく、今や平安時代専門になっているみたいだった。平安時代は、ほとんど異世界らしいわ。

　ケンタ君は、中学校の社会科の教師をしているから平安時代が面白いというのは、わかる。だけど建築士の古田大地くんがどうして？と聞くと、何もないから面白みがある。ということらしい。

　とはいうマリも実は、平安時代を面白がっているのだ。異世界よりも日本語が通じる分、わかりあえるところ？かな？

　それにさかのぼれば、遠いご先祖様だからかもしれない。それで用事もないのに井戸クリニックへ行くことが増えた。
　先生の奥様は薬剤師でありながら、看護師でもある有能な女性で、大の宝塚ファンというところが、マリと同じ趣味で、今度一緒に宝塚へ行こうと盛り上がる。

　前に江戸時代で門弟として預かっていた女性はイギリス人と結婚したけど、その子を連れてよく宝塚へ行って、ドレスを着せていたのよ。と目を輝かせながら、「さよちゃん」の話を聞いたわ。

　その時から知り合いなら、さぞかし仲良くできたのになぁ、と残念に思いつつも今度は西宮北口から行こうね。という話をした。そういえば、実家の母も結婚する前までは、宝塚によく行ったと言ってたな。お寺の仕事があるから、今度、井戸先生の話をしたら、知っているかもしれないと思った。

　その夜、母に電話して、井戸先生の奥様のことを言うと、やっぱり知っていたみたいで、京都から宝塚へ行くファンクラブみたいなのがあり、母と奥様はそこで顔なじみだったらしい。母は「また行けたらいいなー」と言ってたけど、無理でしょ。

　今度、平安京で土御門家の方々と会う機会があるそうです。土御門家といえば、陰陽師安倍晴明で有名な公家である。井戸先生からのご紹介で。

　ケンタ君が聞いたら、学校を休んででも行きたいというだろうなぁ。

　結衣ちゃんも江戸時代では、陰陽師と間違われたのだから、誘ってみんなで行ってもいいかしらね。

　異世界帰りの魔法に興味があるらしい。陰陽師は魔法ではないけど……催眠術？みたいなもの？似て非なるものとして、興味があるのかしらね。

　結局、みんなで井戸先生のところ集合で乗用車に乗って、行きました。土御門家として牛車を出そうかと仰ってくださいましたが、結衣ちゃんが以前江戸時代に籠で行ったら、気分が悪くなったという話をしたら、みんな乗りなれた車で行くことになりましたのよ。

　井戸先生は、こちらでスーパーマーケットを公家相手にやるつもりだそうで、その商品選びにいろいろ、カバンから品物を並べて、どれが売れるか？そうだんされていたようです。

　私たちは、光魔法、風魔法、氷魔法など、あまり周囲に危なくないような魔法を見せていました。帝もお忍びでいらしていたみたいで、手を叩いて喜んでくださっているようでした。