巻き込まれ召喚聖女は、商人として成り上がる ～日本から持ってきたタブレットPC、異世界通販で大活躍

第3章 異世界セールス

37.誘拐2

　異世界でさくらの練習をしてきた。どうにか転移魔法だけは、使えるようになったけど、なんとなく兄妹の中で、一番平和ボケしているような子で…仕方ないか。

　SPの人たちにも同じように、異世界へ連れて行き練習させたが、やはり魔法は、血筋か？普通の一般人よりかは、まぁ使えるようになったみたいだけど、ウチの子供たちや旦那のほうが、まだまだずっとできる。

　旦那は、新婚旅行とその後の異世界ラブで、膨大な魔力になった。SPの人相手に愛し合えないからね。条件違うから。

　国際テロ組織は、相変わらず隙あらば、という感じで狙っているそうな。
　一度、ウチの子供たちにコテンパンにされたら二度と襲ってこないのでは？と思うのだが、捜査陣から反対される。
　もし?もしも？の時、一体だれが責任取るの？という話らしい。
　でも、子供たちには、言いきかせている。
　「さくらは一番魔力が弱いから、さくらだけは逃がすなり転移するなりさせて、大和と大輔は、思い切り戦いなさい。あなたのお父さんは、勇者だったのだから、もし何かあっても勇者の魂があなたたちを導いてくれるわ。」

　来てほしくない、２度目の襲撃が来た。
　今度は、大和と大輔の２人を狙ったものだった。
　また、警察に連絡した。そして、自衛隊とCIAとKGBも勝手に動いた。
　念話で連絡を取ったら、犯人グループは銃を持っているらしい。日本国内にアジトがあるらしく、２人をそこへ連れて行くつもりらしい。
　CIAや自衛隊は、アジトを突き止めたいらしく、それまでは２人がおとなしくしていて欲しいと言われて、子供たちにその指示を伝えた。

　そして、またもや身代金は要求されず、「聖女マリ一人で来い。」ということだった。
　「おかしなマネをしてみろ、子供の命はないぞ。」と脅された。

　マリは、前回も今回も、おかしなマネひとつもしていない。子供が勝手に転移して、帰宅しただけなのに、それをマリが遠隔操作していると思われている。

　まぁ、遠隔操作は、できなくもないけれど昔、一緒に召喚されたマサコさんなら簡単だったかもしれないけど、遠隔操作は膨大な魔力が必要だし、一発勝負でその後の回復に時間がかかるという難点がある。

　２人からの連絡が入った。栃木県の山中にアジトがあるらしい。
　アジトごと、爆破していいかどうか聞いてきた。
　マリは、すぐさま警察にお伺いを立てた。
　SATやのSITやの出番を待たずに、２人は、大暴れして、アジトごと吹き飛ばして、転移して戻ってきた。

　２人は、警察からいろいろ事情を聴かれた。小学校の校長室に犯人グループ３人がいきなり押し込んできて、銃をかざし、「磯谷大和と磯谷大輔を連れてこい！」と要求したらしい。
　校長先生は、拒否してくださったらしいけど、「この小学校には、爆弾を仕掛けてあるから、断れば、爆破して全員を殺す。」と脅してきたそうだ。
　大和と大輔は自分から名乗り出て、犯人グループの車に乗せられたそうだ。

　日本でのアジトを壊滅したテロ組織は、しばらくはおとなしいだろうけど、いつまた襲ってくるかわからない。

　マリたち一家は、米軍駐留基地内で匿われることになり、学校も基地内の学校に転校することになった。さくら以外は、言語スキル持ちだから、英語も異世界語もこなせるが、さくらは、どうなんでしょうね。スキルを持っていたら、いいのだけど。さくらに新婚旅行へ行った時の磯谷さんとこのご家族、ご親族に渡した言語スキルを無限魔法で付与してみた。
　うまくいったみたい。さくらは、隣にいた子と楽しくおしゃべりしている。ほっとして、幼稚園から帰った。