巻き込まれ召喚聖女は、商人として成り上がる ～日本から持ってきたタブレットPC、異世界通販で大活躍

第2章 異世界開発

23.魔法陣設置

　異世界帰還後、最初のお仕事は、各自治体と国会議事堂の中に魔法陣を設置することだった。

　現在、地球上で魔法陣があるところは、マリの実家のお寺の境内1か所だけである。
　地震国日本は、大雨、天災などに見舞われたとき、すぐに中央と直結しなければならない。魔法陣を使えば、一瞬で行ける。ただし、誰でもというわけには、いかない。犯罪に利用されたら困るから。

　マリたち異世界経験者は、異世界へ転移したときに授かったのだろう魔法というチートスキルがある。魔法の動力源は、魔力である。少しでも魔力がないと魔法は発動しない。

　マリの息子の大和にも魔力がある。異世界生まれだからか？お坊さんの孫だからか？聖魔法を使える。

　魔法陣を発動させるだけの魔力権限の付与を議員徽章の中に魔石を仕込んだ。魔石は、異世界から大量に持ち込んだとはいえ、数に限りがある。魔石の確保が今後の課題になるだろう。
　
　その前に、総理官邸と国会議事堂の中にそれぞれ設置することにした。
　東京へは、行ったことがあるけど総理官邸も国会議事堂も行ったことがない。
　ということで、今は旦那とイチャイチャしながら新幹線に乗っている。イチャイチャと言ってもSPの人が付いてくれているので、慎んでおります。ハイ。

　大和くんは、マリの実家でお留守番。
　マリの父は、お寺を継がせるつもりでいるようだが、マリ夫婦は将来のことは「大和の意思を尊重する」と伝えている。

　東京までは、転移魔法で飛んで東京駅に魔法陣を置いて、SPの人と旦那が来てくれたらと思った。東京駅にいきなり、人が現れたら騒動になるからという理由で却下された。

　マリは、特殊スキルの無限魔法があるから、なんでもできる。創造魔法と無限魔法の違いがよくわからない。創造魔法はあったらいいなぁと思うものが形になる。というか、無限魔法は、うーんよくわからない。どちらもあるから、どっちを使っているか本人にも不明である。

　東京駅から総理官邸までは、車で移動した。総理官邸から国会議事堂までの道のりも同様である。
　それぞれに魔法陣を置いた。魔法陣には、SPや秘書官が先に乗り、最後に総理が乗って、徽章の魔力を流せば、国会議事堂へ転移できた。先に、総理だけが乗ったら、総理だけしか転移できないので、それだけは注意が必要、と口を酸っぱくして言った。

　でも、秘書官って国会議員じゃなかった？SPも警察の徽章を持っていたから、特別に魔石を仕込んであげた。
　だって、見た感じスガイ総理は、短気そうだから（笑）ぜったいみんなを置いてけぼりにして行っちゃうよ。

　東京の魔法陣の周りにも一応、結界を張った。動物や虫、不審者が紛れ込まないようにするためである。

　国会議事堂の中の魔法陣は大きいものにした。全国からの来訪者のために、転移者がぶつかってしまったら、どうなるのかわからない。最悪、生命の保証がない事態が起こる可能性があるから、東日本用と西日本用にわけた。

　ドラ〇もんのドアのようなゲートタイプにしたら、同じ時刻に重なって転移することができなくなるだろうけど、そんなものできるのかな？と思っていたら、特殊スキルの創造魔法でできた。
　たまたま他の県の人と重なったときは、ドアが開かず、待っていたら開くようになるタイプのものをイメージしたらできた。

　場所を取らない魔法陣だから狭い日本には、ピッタリだわ。

　こうして、それぞれの自治体に普及させていった。