幸せの炊飯器～聖女召喚に巻き込まれた社畜は愛用の炊飯器ひとつで異世界を放浪し満喫する

29.包まない餃子

　それからというもの世界各国から、またまた要請が多数来てしまい、普通のOLどころの騒ぎではなくなった。

　皆、大統領の孫や首相の娘などを一緒に巻き込み召喚をさせてもらおうと懸命になるが、聖女様の条件はただ一つ。召喚されるときに処女であること。これがなかなかハードルは高い。20歳過ぎて、生娘だというのは、日本人ぐらいなもので、たいていもう経験済みだから、一緒に巻き込まれない。

　魔方陣が出現する可能性がほとんどない。

　渉さんは、前夜に関係を持ってしまって、だから美波の影響をモロに受けてしまったから、男性でも巻き込まれたのだと思う。

　ああ、でも魔方陣に乗ってしまったから、行けたのかもしれない。この前の自衛官の様に、自分から飛び乗ってこられるのは、甚だ迷惑なのです！

　ただ渉さんに関して言えることは、魔法の才能が段違いにあるということ。これは美波との関係が影響していることは間違いない。

　詩織さんやリリカちゃんは、中の下、自衛官も大して変わらない。そのことから考えても、やはり美波と上皇を盛ったとしか考えられない。

　とりあえずリリカちゃんと、幕僚長以下自衛隊さんは、全員、ベルソムラへ行って、魔法の練習をしても、なかなか覚えられないみたいで、苦労していた。

　そのかわり召喚された者のご褒美として、世界各国の言語がわかるチートスキルを貰って、大喜びしている自衛官。これで世界の軍人とサシで飲める。なんて、バカじゃないの？

　リリカちゃんは、リリカちゃんで、「これでナンパされても大丈夫」と言って、パパから大目玉を食らったとか？

　どちらにしても、ベルソムラが無事であれば、美波はそれだけで十分だ。結局、この国だけがお城は失い、王家の統治はなくなってしまったけど、日米が管理している以外は、前のままに残っているといっても過言ではない。

　たぶんだけど、理由は、この国まで滅ぼしてしまったら、大義名分を失うからでは？と見ている。

　この国へは、在外邦人の救出という大義名分があった。一条詩織さんを救出したとはいえ、その後で、植民地化してしまったら、その大義名分を失ってしまう。

　でも、この世界にこの国が存在しているだけで、気が休まる。家電会社で疲れたら、ベルソムラで休むことができる。異世界人から聖女様と崇められて、のんびりお料理を作って暮らせたらと夢見たこともあった。

　そのことを渉さんに言うと、夢の後押しをしてくれたので、ついその字になってしまう。

「いいじゃないか？結婚したら、ベルソムラでカフェレストランをオープンしたらいい」

　そんな話をしてから、一気に結婚話が現実味を帯びてくるとは思わなかったけど、実際にそれぞれの両親に紹介を済ませ、ひとつずつ具体的に決まってくると嬉しさは隠しきれない。

　お店でも、ついニマニマしてお客様から、生暖かい目で見られてしまうことが恥ずかしい。

　そうだ。結婚式前にPB炊飯器を分解することを忘れていた。一度、分解できれば、もし異世界で故障しても、自分で直せる。

　この際だから、有名ブランドの炊飯器も全部、分解しちゃお♪社割で買ったすべての炊飯器を分解清掃していく。



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　包まない餃子

　ひき肉200グラム
　玉ねぎ　半個みじん切りにする
　キャベツ200グラム　みじん切りにする
　にら1/2束　みじん切りにする
　餃子の皮１６枚
　卵１個
　酒　大さじ１
　薄口醤油　大さじ２
　砂糖　小さじ２
　ごま油　大さじ１
　おろししょうが　適量
　おろしニンニク　適量
　塩コショウ　適量

　餃子の皮以外をすべて混ぜる

　炊飯器にごま油を塗り、餃子の皮はそこに敷き詰める。その上に餃子のタネを載せ、上から餃子の皮で蓋をするように並べる

　この時、端の皮は上と下を重ねる

　内釜の壁に沿って水を回すようにかけ、蓋をして、普通炊飯をする