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16.捏ねないハンバーグサンド

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 一条詩織は、罪人ではないから、一応そこそこの場所に埋葬されているということだけを手掛かりに墓地を片っ端から探して歩く。

「それにしても聖女様が連れてこられた援軍は強いですね。見たこともない武器に、馬車でない乗り物。どういう仕組みかわかりかねますが、あの空を飛ぶ魔物はティムしたものなのでしょうか?」

 美波は説明に困って、放置する。

 次の日は、陸自の人が付いてきてくれることになった。一応吉田美波さんの護衛と称しているが、その実は監視なのだ。それも美波に対する監視ではない。

 異世界人が少しでも妙な動きをしたら、即刻、身柄を確保するためのものとして。

 最悪の場合は、殺しても構わないと言われているみたい。自動小銃を小脇に抱えながら、付いてこられると居心地が悪い。

 会社はどういうわけか、美波に特別休暇を与えてくれているが、そろそろ退職しようかと本気で考えている。

 政府の特別任務に携わっているということは察しているみたいだが、家族にも、異世界のことを内緒にしているので、日本政府がいつ、異世界のことを発表するか、正直のところわかっていない。

 一度、店長に言ってみようかな?

 カイルさんは、自衛官が付いてきても、あまり気にする様子はない。異世界人ってこういうところは大らかだと思う。

 自然の中に人間と魔物しか知らない世界に住んでいるとこうなるのか?

 どっちでもいいけど、どこまで付いてくる気かしら。

 もうそろそろお昼なのに、ひょっとして、賄目当てってことはないでしょうね?

 カイルさんも、気のせいかソワソワされているし、やっぱりここらで、休憩と行った方がいいかな?今日は、めんどくさいので、日本のBLサンドを手作りしてきたけど、でも、カイルさんの分はあるけど、自衛官の分はない。

 どうしようかなぁ。このまま私たちだけで、食べていいのかなぁ。

 欲しいと言われてから考えることにしよう。

「もう、そろそろ休憩にしませんか?」

「ああ、いいだろう。では、吉田さんは、こちらへ」

「は?なんで?」

 一応、カイルさんに通訳して、カイルさんに作ってきたサンドイッチもどきを渡す。カイルさんはというと、サンドイッチに目を輝かせているから、一人にしても問題ないか?

 有無を言わせない圧を自衛官から感じ、渋々従うことにする。少し食べすぎになるかもと思ったけど、どこかに連れて行かれることは間違いなく、きっとその行先は、政府のお偉いさんか米軍のお偉いさんだと想像がつくので、カイルさんに美波の分として作ってきたサンドイッチをあげる。



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 捏ねないハンバーグサンド

 玉子焼き器に塩コショウしたひき肉を敷き詰めるように置き、ひっくり返す。余分な脂をふき取り。卵1個を割り、よく効混ぜて、その上に流し入れる。

 食パンを半分に切り、バターかマーガリンを塗っておく

 半分にした殖雄案を玉子焼き器の上と下に並べ、ひっくり返して、両面焼く。弱火に落としてスライスチーズをのせレタス、トマトスライスを載せ、ケチャップを振りかけ、2つ折りにして供します。



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 ひとつひき肉100グラムを使っているので、見た目よりボリュームがあるかもしれない。

 とにかくカイルさんは、嬉しそうに頬張っているから、大丈夫そうよね。

 それで自衛官に連れられて、近くに停めてあったジープに乗せられる。

 行った先には、やっぱりというべきか、お偉いさんとの昼食会であった。
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