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玉の輿
5.
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結局、美里は大学病院に残らないで、大手電力会社が経営する病院に勤務することにしたのだ。
低大卒の帝大病院で勤務医をしていた実績がモノを言い、お給料が破格というべき、高さが魅力的だった。なんせボーナスが6か月分着くというのも魅力的。帝大も一応ボーナスは出たけど4か月分しか出なかったから。だいたい手取り3000万円になり。5年も働けば、ゆうに開業資金ぐらい出せるというもの。
両家の両親ともに、定年後の再雇用が決まり、両家の土地を併せて、建てるマンション計画は先延ばしする形になる。
洋一がこだわったマンション計画はとん挫した形になるが、なぜ洋一がマンション建設にこだわるのか、その時は意味が分からなかったが、後になって、それは判明する。
洋一は会社をやめたかったのだ。仕事をすることが嫌いで、人に頭を下げモノを売る営業職に向かないタイプで、美里の開業医としての収入と家賃収入を当て込んで遊んで暮らしたいと思っているということが分かった。
よしんば仕事をしてもマンションの電灯を替えたり、掃除をしたり、というような軽微な管理人の仕事ぐらいがしたかったということ。
ね。だから美里との仕事のスタンスが違うということも離婚原因になる。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
それから、また5年が過ぎた。美里も洋一も34歳。島田の両親も65歳になり、再雇用での定年が来る。
美里はそろそろ妊活を始めたい年頃。でも、洋一は子供より美里を開業医として独立させたいことを優先順位の上に置いている。
だから、いくら美里が頼んでも精子の提供をなかなかしてくれない。
そして、美里の両親の承諾を得ないまま両家を解体して、マンションを建設することを業者に頼んでしまう。
いやいや、ちょっと待ってよ。
これには、島田の両親からも苦情が上がる。
何の相談もなしに、開業するとなれば、今の勤務先病院に退職願を出さないといけないし、それに医師会にだって、入らなければ開業できない。
処方箋を出すにしても、近くの薬剤師と業務提携しなければ、患者さんに迷惑がかかる。
でも、洋一の言い分は、今から準備しないとマンション建設はRC造りで、工期が1年を見込み、ALCでも3か月~6か月はかかるから、今から準備しないと手遅れになってしまうという。
一体、何に対して、手遅れになるというのか、まったく意味不明でわからない。
それでも、今、家を解体されてしまったら、明日から、正確には今晩から住む場所がない。
今夜からホームレスになるなんて、絶対イヤ。ということで解体業者には、交通費だけを支払って、お引き取り願うことにする。
まったく無茶苦茶にもほどがある。
それどころか、ここにきて、洋一の浮気が発覚したのだ。
洋一は、ひた隠しにしていたが、相手の女、女子大生らしいが、ある時、美里の勤務先病院に現れ、洋一との離婚を迫ってきたのだ。
マンション建設の話もこじれていたので、美里としては、願ったり叶ったりの話であったけど、とにかく洋一と話をしなければなんとも返事のしようがない。
先に両親に、洋一の浮気の話をして、実家を売却する散弾をし始める。
もう、実家と隣家が婚家なんて、耐えられない!
それに加えて、洋一は、美里の実家まで、勝手にマンションにしようとしているし、こんな男とは、さっさと離婚がしたい。
そこに、浮気相手が乗り込んでくれて、まさに渡りに船といったところ。
すぐに新築マンションを見つけることは難しく、美里は大学時代の同期入学で、勤務先病院の関連会社の友人に連絡を取り、両親が済む新しいマンションを見繕ってもらうことに成功する。
低大卒の帝大病院で勤務医をしていた実績がモノを言い、お給料が破格というべき、高さが魅力的だった。なんせボーナスが6か月分着くというのも魅力的。帝大も一応ボーナスは出たけど4か月分しか出なかったから。だいたい手取り3000万円になり。5年も働けば、ゆうに開業資金ぐらい出せるというもの。
両家の両親ともに、定年後の再雇用が決まり、両家の土地を併せて、建てるマンション計画は先延ばしする形になる。
洋一がこだわったマンション計画はとん挫した形になるが、なぜ洋一がマンション建設にこだわるのか、その時は意味が分からなかったが、後になって、それは判明する。
洋一は会社をやめたかったのだ。仕事をすることが嫌いで、人に頭を下げモノを売る営業職に向かないタイプで、美里の開業医としての収入と家賃収入を当て込んで遊んで暮らしたいと思っているということが分かった。
よしんば仕事をしてもマンションの電灯を替えたり、掃除をしたり、というような軽微な管理人の仕事ぐらいがしたかったということ。
ね。だから美里との仕事のスタンスが違うということも離婚原因になる。
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それから、また5年が過ぎた。美里も洋一も34歳。島田の両親も65歳になり、再雇用での定年が来る。
美里はそろそろ妊活を始めたい年頃。でも、洋一は子供より美里を開業医として独立させたいことを優先順位の上に置いている。
だから、いくら美里が頼んでも精子の提供をなかなかしてくれない。
そして、美里の両親の承諾を得ないまま両家を解体して、マンションを建設することを業者に頼んでしまう。
いやいや、ちょっと待ってよ。
これには、島田の両親からも苦情が上がる。
何の相談もなしに、開業するとなれば、今の勤務先病院に退職願を出さないといけないし、それに医師会にだって、入らなければ開業できない。
処方箋を出すにしても、近くの薬剤師と業務提携しなければ、患者さんに迷惑がかかる。
でも、洋一の言い分は、今から準備しないとマンション建設はRC造りで、工期が1年を見込み、ALCでも3か月~6か月はかかるから、今から準備しないと手遅れになってしまうという。
一体、何に対して、手遅れになるというのか、まったく意味不明でわからない。
それでも、今、家を解体されてしまったら、明日から、正確には今晩から住む場所がない。
今夜からホームレスになるなんて、絶対イヤ。ということで解体業者には、交通費だけを支払って、お引き取り願うことにする。
まったく無茶苦茶にもほどがある。
それどころか、ここにきて、洋一の浮気が発覚したのだ。
洋一は、ひた隠しにしていたが、相手の女、女子大生らしいが、ある時、美里の勤務先病院に現れ、洋一との離婚を迫ってきたのだ。
マンション建設の話もこじれていたので、美里としては、願ったり叶ったりの話であったけど、とにかく洋一と話をしなければなんとも返事のしようがない。
先に両親に、洋一の浮気の話をして、実家を売却する散弾をし始める。
もう、実家と隣家が婚家なんて、耐えられない!
それに加えて、洋一は、美里の実家まで、勝手にマンションにしようとしているし、こんな男とは、さっさと離婚がしたい。
そこに、浮気相手が乗り込んでくれて、まさに渡りに船といったところ。
すぐに新築マンションを見つけることは難しく、美里は大学時代の同期入学で、勤務先病院の関連会社の友人に連絡を取り、両親が済む新しいマンションを見繕ってもらうことに成功する。
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